以前、ブログ「イミグラン錠副作用なしで偏頭痛を治しちゃえ」にコメントを入れさせて頂いた際に開設者の小橋雄太さんに、”多因子遺伝”に関して、「医療従事者でない僕にはよく分かりません。患者さんにもそんな専門用語を使っているのかと想像するとゾットします」とのお叱りのお言葉を頂戴したことがあります。
ここ最近では、”多因子遺伝”という語句を頻繁に使っているため、改めて、説明しておく必要があるように思いました。そこで、改めて・・・
私は、外来で片頭痛患者さんに”多因子遺伝”の説明を行う際に、常套句として用いている例えは、まず、患者さんに尋ねることは、兄弟姉妹の有無です。そして、あなた以外の兄弟姉妹の方々の全員が頭痛持ち(片頭痛でもよい)でしょうか、ということです。そうお尋ねすれば、「いや、私だけです」とお答えになられれば「しめた」と思うことにしています。場合によっては、もう一人いるが、全員ではないとお答えになられる場合が多いように思っています。
現在、片頭痛は”遺伝的疾患”とされていますが、この遺伝的疾患というのは、多くの場合、メンデル型”の”単一遺伝子異常”の優性遺伝を指しており、こうした場合、子供さん全てに片頭痛を発症することになります。ところが、あなたの御兄弟姉妹全員が片頭痛を発症していなくて、あなただけ片頭痛を発症していることになります。こうしたような発症の仕方をするものを、私達は”多因子遺伝”と呼んでいます。
これは、片頭痛を発症しやすい”遺伝的素因”をもとに、これに生まれてからの生活習慣・環境の変化が加わって初めて片頭痛を発症するものを意味しています。ですから、同じ家族でありながら、あなただけが片頭痛を発症したということは、片頭痛をお持ちでない他のご兄弟姉妹との生活習慣・環境の相違がどこかにあると考えなくてはなりません。
この相違点をこれから、一緒に考えていきましょう、と説明することにしています。
このような説明を行うことによって大半の患者さんは納得して頂けるように思っています。こうした説明を行うことによって、同時に「生活習慣・環境」の変化に注目して頂く切っ掛けにもなるものと思っております。以後の説明の導入にもなるはずです。
多因子遺伝の概念(Frants RR,1999)として以下のように考えられています。
1) 正常では,保護的遺伝子と有害遺伝子のバランスが保たれており疾病が発症しない.
2) 優性遺伝疾患では単一の有害遺伝子により疾患が発症する.
3-5)多因子遺伝疾患では3 種類以上の遺伝子において異常があれば発症するが,ひとつの遺伝子異常では発症しない.二つの遺伝子異常があるときには軽症であるか,あるいは無症状である.環境要因がこの表現型を修飾するものと考えられています。
片頭痛は、あたかも「遺伝」しているような「印象」はあります。しかし、その遺伝の様式は、メンデル型”の”単一遺伝子異常”の優性遺伝でなく、”多因子遺伝”の様式で、親や祖父母から受け継がれます。この”多因子遺伝”とは、複数(3つ以上)の関連遺伝子をもとに、これに環境因子が加わって病気が発症してくるものを言います。ということは、”遺伝的素因”が存在しても、これに”環境因子”が加わらないことには、片頭痛は発症しないということです。
これにはミトコンドリアDNAが関与しています。
片頭痛を生じる単一遺伝子性疾患としては、家族性片麻痺性片頭痛1型、家族性片麻痺性片頭痛2型、CADASIL、MELAS、Osler-Rendu-Weber症候群がこれまで確認されております。このようなタイプは極めて頻度的に少ないものです。例外的です。
これに対して、大部分の片頭痛では多因子遺伝であろうと推測されています。
その可能性のある遺伝子として、これまでセロトニン受容体及びドパミン受容体の遺伝子多型のほか,メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR),アンギオテンシン変換酵素(ACE)の遺伝子多型などが検討されています。しかし、いまだ明確にされていません。
このような関連遺伝子の探索に無駄な浪費をしてはならないと先日も述べました。
片頭痛が多因子遺伝であるとの根拠として・・
”遺伝素因”が同一であるはずの一卵性双生児の場合、必ずしも2人とも片頭痛を発症することはありません。
すなわち、一卵性双生児で、”遺伝的素因が全く同一である”はずのものが、必ずしも2人とも片頭痛を発症するわけではないという事実があります。
これは、何を意味しているのでしょうか? その後の後天的な要素、環境因子等々が関係している証拠ではないでしょうか?
一卵双生児の「片頭痛を発症」していない方に、もう片方の片頭痛を発症している人の「片頭痛の環境因子」を多数負荷すれば、恐らく、頭痛は誘発されるでしょう。
ただ、このような「実験」は人道上、許されることではないため、されていないだけの話です。
単純に言えば、一卵性双生児の子供の2人の学業成績が全く同じ成績かどうかをみれば理路整然としているはずです。
もう一つ興味ある事実があります。それは、東京女子医科大学の清水俊彦先生が「頭痛女子のトリセツ」(マガジンハウス)の中で、以下のような興味深い記述をされています。
もともと母親が頭痛持ちだったのですが、本人は今まで全く頭痛というものを経験したことがなかったある女性がおられました。
嫁いだ先では、旦那さんを含めて、おじいちゃん、おばあちゃん・・家族みんなひどい頭痛持ちの家系でした。ところが頭痛の経験のなかった彼女が、嫁いだ途端にひどい頭痛に悩まされるようになり、私のところへ来たのです。
話を聞いてみると、嫁姑の争いもなく生活環境的にはストレスも全くなく、特に問題はありませんでした。もしかして「片頭痛は伝染する病気なの?」といった疑問も湧いてきます。
が、じつはそうではありません。さらに話を聞いてみると、この嫁いだ先の食生活に問題があることがわかりました。ほぼ毎日、洋食の連続。彼女は、もともと母親と同じ片頭痛を起こすかもしれない体質を持っていました。そこへ、血管拡張物質を多く含んだ毎日の食事が刺激となり、ついに脳の血管が耐えきれず、片頭痛を発症してしまったというわけです。
あなたの兄弟姉妹がすべて片頭痛を発症しているのでしょうか。
もし、そうであれば極めて特殊なケースと考えるべきです。あなたの家族全体の食生活・食習慣・住環境に問題があるものと推測されます。ここを糸口に解決策を模索します。
”多因子遺伝”をする生活習慣病
このような”多因子遺伝”をする病気としては、身近なものとして、生活習慣病であるⅡ型糖尿病があります。Ⅱ型糖尿病は、糖尿病になりやすい素質(遺伝素因)をもっている人に、”環境因子”として、食べ過ぎや運動不足による肥満、アルコール、精神的ストレス、年をとること、その他多種多様の要因が加わって発症します。
こうしたことから、糖尿病の治療方針として、この環境因子の是正に努めるべく「食事療法」と「運動療法」がまず行われ、これに「薬物療法」が追加されます。
本態性高血圧の場合は、遺伝的体質的素因に加え、食塩摂取量、肥満、寒冷、ストレスなどの環境因子が加わり発症すると考えられています。
このように生活習慣病すべては、”多因子遺伝”と考えられています。
その他、”多因子”神経疾患として、特発性てんかん、孤発性パーキンソン病、多系統萎縮症、片頭痛、多発性硬化症が挙げられています。
分子化学療法研究所の後藤日出夫先生は、片頭痛の大半は、その遺伝素因である「ミトコンドリア活性の低さ」に、”環境因子”として、食生活が原因で「さらに、ミトコンドリア機能の低下」を来して「酸化ストレス・炎症体質」(片頭痛体質)を形成することにより引き起こされる生活習慣病とされると述べておられます。
さらに片頭痛の”環境因子”として「ミトコンドリアを弱らせる”環境因子”」「脳内セロトニンを低下させる”環境因子”」「体の歪み(ストレートネック)を引き起こす”環境因子”」の3つがあります。 これらの”環境因子”の関わり方は人それぞれです。
片頭痛という頭痛は、皆さんのこれまでの生活習慣とくに食生活・姿勢等の問題が原因となり、謂わば、あなたの”生き方(ざま)”すべてが関与して起きてくるものです。これらは、いずれも日常生活を送る上で、”何気なく無意識に”行ってきた「食事・姿勢・体の使い方」が原因となっていることを意味しています。このために、あたかも”遺伝的疾患”であると誤解された理由でもあります。とくに食習慣の関与が大きいのが特徴です。
これまでの研究から
家系解析や双生児研究などの結果,一般の片頭痛は多遺伝子的疾患,すなわち高血圧や糖尿病などの疾患と同様に,複数の遺伝因子と複数の環境因子が関与している病態であることが示されています。.
頭痛発作のトリガーになる要因としては、遺伝的因子(素因)と環境因子(誘因)があります。頭痛は複数の環境因子と遺伝因子が重なって発症します。遺伝子は、環境的トリガー、すなわち外的因子(天候の変化、運動、飲酒、光・音・臭い刺激など)や内的因子(ホルモン・睡眠習慣・心理的な変化など)に対する感受性に関与しています。分離解析の結果から、頭痛は複数の遺伝子の構成が関与して発症することが示唆されています。
ちなみに高血圧や糖尿病などの生活習慣病も多因子疾患と考えられています。患者対照関連解析によって患者集団内で正常対照集団内より頻度の高いアリル(対立遺伝子)を見つけることができます。このアリルが存在する遺伝子が疾患感受性遺伝子であり、その同定により、疾患発症の機序や他の発症因子との関係の解明が期待されます。
陣の内脳神経外科クリニックの陣内敬文先生は以下のように述べておられます。
片頭痛を起こしやすい因子には遺伝子と環境の二つがあります。遺伝子は環境や内的な素因に対する様々の感受性に関与しており、多数の頭痛遺伝子が存在します。片頭痛の環境素因には外的なものと内的な因子の2つのタイプがあり、内的因子としてはホルモン、ストレス、睡眠習慣の変化があります。外的因子としては天候の変化、食物、飲酒、光の刺激などの関与があります。
これまで、鳥取大学神経内科の古和久典先生がまず最初に提唱され、東京女子医科大学脳神経センター・神経内科の橋本しおり、岩田誠先生(日本内科学会雑誌 第90巻 第4号・平成13年4月10日)らが、”片頭痛の多因子遺伝”を支持されておられるようです。
以下は、片頭痛が”多因子遺伝”であるかどうかについての含蓄ある考えのように思います。
体質という用語はしばしば”遺伝”と混同されています
「私の太りすぎは肥満体質のせいですから、食事を減らしても仕方ありません」とか、「家はみんな高血圧の体質なんです」とよく聞かされます。この場合、多くのヒトは、体質=遺伝とみなしているようです。しかし“体質”とは、遺伝と、そのヒトが生まれてから曝されてきた環境因子((紫外線、感染、細菌、ウイルス)、いろいろの化学物質など)や生活習慣とが相互に影響を及ぼし合ってできあがった状態を意味しています。
私たちの体を特徴づけている最も小さな単位は、人類の誕生以来先祖代々受け継いできた遺伝子ということができます。この遺伝子には生まれつきの異常もあれば、生後に起こる異常もあります。たった一つの遺伝子異常によって起こりうる病気(単因子遺伝性疾患,単一遺伝子病)は、アデノシン・デアミナーゼ欠損症をはじめ、筋ジストロフィー、ハンチントン病、ウエルナー病、嚢胞線維症などが知られています。
一方、本態性高血圧症とか肥満、糖尿病、動脈硬化など、ありふれた病気(コモン・デイジーズ)の原因には、いくつか複数の遺伝子が関わりをもち(多因子遺伝性疾患,多因子病)、そこにいくつかの環境因子が影響を及ぼし発症してくると考えられています。
がんを例に取り上げますと、確かにがんになりやすい家系は存在しますが、がんは完全に“親から子に遺伝する遺伝病”とはいえません。生まれてから環境の影響によって生じた遺伝子の突然変異ががんを起こしやすくする可能性もあります。
糖尿病や高血圧症の中には、遺伝子の異常が突きとめられているいくつかのタイプがあることは事実ですが、それらはごく限られた稀な疾患です。大部分の患者さんはなんらかの遺伝要因を親からもらっているとはいえ、飽食、運動不足→肥満、あるいは塩分のとりすぎ、ストレス→高血圧症という、生活習慣が大きな関わりをもっている方が重要な意味をもっています。
第3の留意点は、できるだけ規則的な食事時間を守ることです。肥満のヒトがしばしば陥る過失は、朝食抜き,昼食抜きか軽食,そして欠食を代償するかのように夜遅い時間に“ドカ食い”をする食習慣です。このような食事の摂り方は多くの勤務者にみられます。夕遅く空腹状態で一擧に大量の食物を摂りいれると、膵のβ細胞からインスリンが多く分泌されて、摂り入れたエネルギーを効率よく体に脂肪として沈着させ、肥満症に傾かせるのです。 一気の大食漢“gorger”より、少しずつ3回に食べる小食かじり“nibblerの方が健康を保つためにはよいと言われています。
それでは、どのように考えるべきなのでしょうか?
これまで、片頭痛は”遺伝的疾患”とされ、一生お付き合いしなくてはならない頭痛と頭痛専門医の先生方は申されます。
ところが、富永病院・頭痛センターの竹島多賀夫先生によれば、反復性の片頭痛は、約3割が自然に治癒し、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪するとされます。
Lyngbergらの報告では、成人片頭痛患者さんを12年間追跡し、完全・部分寛解:42 %、不変:38 %でした。一方、20 %は変容性片頭痛つまり片頭痛が慢性化しました。
このような事実をどのように考えるかが、ポイントになります。3割の方々が治っているということです。そして、4割の方々が、発作を繰り返しているということです。
ここに、片頭痛が”多因子遺伝”であるかどうかの鍵があると考えるべきです。
トリプタン製剤が導入される以前から、生活指導として、「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、リラックスするように」とされ、これで完璧に片頭痛発作が抑制されていたことを思い出すべきです。
さらに、神経内科関係の専門医は、「片頭痛のセルフケアー自己管理」を完璧に行う限り、”9割”の方々はうまくコントロールされると豪語されていることも忘れてはなりません。
こうした2つの事実は、取りも直さず、片頭痛の大半は”多因子遺伝”であることを如実に示しているはずです。
現実に、専門家による指導でなく、患者さん自ら自分で工夫され片頭痛を克服されているという事実がこれを証明しているはずです。このような自分の体験をもとにして、多くの方々が「片頭痛改善マニュアル」を作成され、これらを実践された方々の喜びの声がネット上では多数掲載されています。
そして、「ゲルソンの食事療法」が存在します。
マックス・ゲルソン博士は、1881年10月18日、ドイツのウオンゴロビッツで、ドイツ・ユダヤ系家族の次男として誕生しました。
医大生となったマックス・ゲルソンは、とてもひどい片頭痛に悩まされ続けていました。
研修医となった時期、この頭痛はあまりにも難治で頻繁だったので、彼は週に3日は暗い室内に閉じこもり、吐き気と嘔吐、目の過敏症、そして頭蓋骨が割れるようなひどい痛みに耐えながら過ごさなければなりませんでした。
彼は、教授たちに助言を求めましたが、彼らにも助ける術はなく、「病気とうまく付き合っていくことを学ぶべきだ」と言われてしまいました。
マックスは、こんなひどい苦しみは我慢できないと感じ、自分自身で答えを見つけるほかないと決心したのです。
沢山の書物と医学論文を読みあさり、その道の権威たちの意見を聞きましたが、何の方向性も見つかりませんでした。
最後に、彼は「イタリアン・メディカル・ジャーナル」誌に載った症例報告に目を見張りました。
それは、片頭痛に悩んだ女性が、食事を変えることで救いを見いだしたというものでした。その報告は詳細にはふれていませんでしたが、その着想が彼を後に「ゲルソン食事療法」として有名になる食事療法へと導いたのでした。
彼を襲ってくる吐き気と嘔吐を伴う激しい痙攣は、自分が消化できないある種の食べ物に原因があると、若き医師は結論を出しました。
さて、その食べ物とはいったい何なのか?
はじめ、彼はこう考えました。すべての乳児は牛乳を消化できる。
自分の体は、それをうまく消化できないのではないか。そこで彼は、牛乳抜きで10日間を過ごしてみました。
しかしながら、片頭痛は何の改善もみせませんでした。
次に、彼は動物は成長したら乳を飲まなくなると思い至ります。
さらには、人間の肉体的な構造は草食動物のそれと同じであると考えついたのです。
そこで、マックスはこう考えました。おそらく、果物、野菜そして穀物で生きるべきであると。
彼は、まずリンゴだけのダイエットに挑戦しました。
生、そして焼きリンゴ、リンゴのソース、リンゴジュース。リンゴの砂糖煮。
その結果は上々で、全く片頭痛が起こらなくなったのです。
その後、彼はゆっくりと、ある食べ物、次に別の物をと試していき、リンゴ以外の食べ物を付け加えていきました。
彼の体にとって合わない食べ物があれば、20分もしないうちに片頭痛の形をとる過敏な反応が襲ってくるというわけです。
さらに進んで、マックスは調理された食べ物からの感受性を試してみました。
その結果、本当の原因は調理の過程にあるのではなく、むしろ塩の添加にあるのだという仮説を立てるのです。
こうして、自分の食事から塩を抜くことで、マックスは調理した食べ物だけでなく、どんな種類の野菜もジャガイモも、その他穀物も食べることができるようになったのです。
この片頭痛から自らを解放してくれた新しい食事プログラムを、彼は「片頭痛ダイエット」と命名しました。
それは、新鮮な果物と野菜を大部分は生のままだが、時には調理して、しかも全体としては塩抜きで摂取する方法でした。
こうして、ゲルソンは「塩は食事と結びつくことで病気の原因になっている」と判断したのです。
やがて、片頭痛を訴える患者たちが彼のもとを訪れるようになります。
教科書に則った治療法ではありませんでしたが、ゲルソンは自分が開発し、追体験をした片頭痛ダイエット、つまりは塩抜きの食事をするまで自分は片頭痛に苦しんできたことを公表したのです。
そして、患者たちにも同じことをするように奨めました。 (以下、省略します)
そして、日本頭痛学会の理事長の坂井文彦先生は、自分で工夫して治す頭痛と言われ、さらに神経内科関係の専門医の方々は「セルフケア」の重要性を指摘され、この「セルフケア」を完璧に行いさえすれば、9割の方々は改善に導かれるとされています。
こうしたことは、まさに片頭痛が”多因子遺伝”であることを示唆するものです。
しかし、学会を主導される方々は、日本の業績(片頭痛が”多因子遺伝”である、との提唱者は日本人であることを忘れてはなりません)よりも欧米の論文を無条件で評価する考え方から、結局、このような”多因子遺伝”は容認されることはありません。こうした理由はどこからくるのでしょうか?
専門家が金科玉条のものとされるのが「国際頭痛分類第3版 β版」です。この「国際頭痛分類第3版 β版」は元を正せば、欧米のトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成したものです。トリプタン製薬メーカーの真の目的とすることは、製薬市場拡大の基盤として片頭痛を存続させ続けることです。片頭痛を存続させるためには、片頭痛は片頭痛が、単一遺伝子から生じるものがあることから、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”であるかのごとく思い込ませることが必要になってきます。こういったことから、片頭痛は”多因子遺伝”では、あってはならないことになっています。
(”多因子遺伝”とすれば、片頭痛は生活習慣病そのものとなり、予防可能となってしまいます)
こういったことが、何時までも、片頭痛が”多因子遺伝”かどうかの検討を行わない理由と単純に考えた方が理解しやすいものと思われます。
こうしたことから、まず、行うべきことは、片頭痛が”多因子遺伝”であると仮定して、これまで、鳥取大学神経内科の時代に提唱された下村登規夫先生のMBT療法の考え方および分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考え方を参考にすべきです。
この上で、神経内科関係の専門医が示される、「片頭痛のセルフケアー自己管理」の具体的な指導内容に、片頭痛の”環境因子”が明確に示されています。
これに、片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛である、という基本概念をもとに理論的に構築してみることです。
こうする過程で、何が欠落しているかが明らかになるはずです。しかし、これを抜きにしても、これまで「セルフケア」を完璧に行いさえすれば、9割の方々は改善に導かれると主張されて来られたわけです。そして、作成されたもので、実際の患者さんで治験されれば済むことです。これまで9割の方々は改善に導かれると主張されて来られたわけです。
どこの医療の世界に、有効率9割の治療法が存在するというのでしょうか?
ここに真実があるはずです。なぜ、このような単純なことをなさらないのでしょうか?
それとも、片頭痛は治ってもらっては困るとでも申されるのでしょうか???
先日も、申し上げました。片頭痛を”多因子遺伝”とすれば、エビデンスの確立は極めて困難となります。
”エビデンス”とは何なのでしょうか?
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12055010262.html
しかし、学会を主導される方々は、何がなんでもエビデンス確立を最優先されます。
エビデンスなき、頭痛学はあり得ないとされることから、エビデンス確立ができそうもない「片頭痛を”多因子遺伝”」は初めから論外ということになります。
こういったことから、「片頭痛のセルフケア」を完璧に行いましょう、といってお茶を濁すしかできないようです。
このように、EBM,EBMといってエビデンスを最優先されます。
果たして、これでよいのでしょうか????
ここでコマーシャルです。
頭痛が気になったら・・
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12638708200.html