パンは大丈夫??? | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 慢性的な不調に悩む人の中には、小腸がグルテンに過敏反応する『グルテン過敏症』や、グルテンをスムーズに消化できない『グルテン不耐症』の人たちがいます。
 このような人のなかで小麦などに含まれるタンパク質の成分であるグルテンに過敏な人では免疫系のマクロファージ(白血球の一種)がグルテンを異物として排除するときに多くの活性酸素を発生することになり、片頭痛の発作の原因となることがあります。


 このため、片頭痛治療を始める前に、グルテンに過敏な状態になっていないかどうかを確認しておくことが大切です。
 要は、2週間グルテンを控えてみること、すなわち、『グルテンフリーダイエット』です。


 これは、つい先日も”『グルテンフリーダイエット』とは何???”復刻版として掲載したばかりですが、もう一度・・・


グルテンって何?


 グルテンとは、小麦やライ麦、大麦などの穀物に含まれるたんぱく質の一種で、パンやケーキのもちもち感やふっくら感、パスタやうどんなど麺類のコシを出すのに必要な成分。 そのグルテンのなかあるグリアジンという成分には中毒性があり、食欲を増加させるはたらきをします。また、小麦に含まれるアミロペクチンAは、食後の血糖値を急激に上昇させ肥満の原因になります。
  小麦粉などの穀物にはグリアジンとグルテニンという2種類のタンパク質が含まれていて、水を加えてよくこねると両たんぱく質が絡み合い、粘りや弾力性のあるグルテンになります。小麦粉はグルテンの量が多いものから順に、強力粉、中力粉、そして薄力粉と呼ばれます(英語でも同様にstrong flour、medium flour、weak flour)。粘りが強く出る強力粉は焼いたときによく膨らむのでパンやピザなどに、キメ細かくさっくり仕上がる薄力粉はクッキーやケーキ生地、天ぷらの衣などに最適です。

 そしてグルテンフリーダイエット、つまりグルテン除去食は、セリアック病やグルテン過敏症、小麦アレルギーなど、グルテンの摂取が原因とされる疾患の増加とともに注目されるようになりました。
  パンや焼き菓子、パスタなど『粉もの好き』にはきびしい現実ですが、このような理由から疾患やアレルギーがなくても、毎日の生活からグルテンをカットした『グルテンフリー』の食事法を取り入れる人が増えているのです。


欧米で人気の『グルテンフリーダイエット』とは?


 近年アメリカやヨーロッパで一種のブームとなっている『グルテンフリーダイエット』。 日本語にすると、『グルテンを除去した食事法』となります。ダイエットの意味は、日本では『減量』と捉えられることが多いですが、本来は『食事法、食生活』の意味。グルテンフリーダイエットは、元々はグルテンへの免疫疾患であるセリアック病や麦アレルギーに対する特別な食事療法でした。しかし、今では欧米の一般的なスーパーやレストランでもグルテンフリーのメニューや商品のラインナップが増え、より手軽に購入できるようになっています。


慢性的な体調不良の原因は、『グルテン』にあった!?


【日本でも増えつつある『グルテン過敏症』】


 一方で、現在大変注目されているのが「体調不良なのに原因がよく分からない」という人が、グルテンフリーダイエットを行なって体調が良くなったり、体質の改善がみられるという方々がおられます。その場合は、グルテンの消化・代謝不良が原因かもしれません。

 生命の危険にかかわる疾患やアレルギーとは違って、病院で検査を受けてもはっきりとした異常が見つからず、不調を抱えたまま過ごしてしまっている人も多いはずです。それだけに、潜在的な『グルテン過敏症』の存在が関心を集めています。


【こんな自覚症状があったら、『グルテン過敏症』を疑ってみる】


 もしかするとグルテン過敏症かも…と疑われる場合は、まずは2週間ほどグルテンフリー生活を試してみるのがおすすめ。グルテンフリーの時に体調が良くなり、その後いつもどおりの食生活に戻してみると再び体調が悪くなるようであれば、体がグルテンを拒否している可能性が高いようです。まずは、下記の項目でセルフチェックしてみましょう。ひとつでも心当たりがあれば、グルテンフリーダイエットを試してみる価値あります!


□ 小麦製品が常に欲しくてたまらない
□ いつもボーッとして集中力がない
□ 疲れやすく、やる気が起きない
□ ニキビができやすい体質
□ 美容に気を使っているわりには効果が出ない
□ お肌も髪もツヤやハリがない
□ ダイエットの成果がいつもいまいち
□ 胃腸が弱く下痢や便秘に悩んでいる
□ 食後に膨満感があって苦しい
□ よく口内炎ができる
□ 感情の起状が激しく、うつ気味で落ち込むことが多い
□ 生理痛やPMS(月経前症候群)が重いのが悩み
□ アトピーや喘息の持病が改善されない
□ 片頭痛や、肩凝り、関節痛がひどい


【和食はグルテンフリーの強い味方!】


 欧米に比べると、グルテンフリーの食品が手に入りにくい日本。グルテンフリーの食生活を続けるにはどうすればよいのでしょうか。答えはずばり『和食』。幸運なことに主食の米がグルテンフリー! そのうえ、オメガ3脂肪酸が豊富な魚や、大豆製品、煎茶など、伝統的な和食は栄養バランスにすぐれ、病気予防や美容にも良いのです。どうしてもパンやパスタが食べたくなった時は、米粉を使ったものを。逆に気をつけたいのは、揚げ物の衣や餃子の皮、カレーやシチューのとろみや蕎麦のつなぎに使われる小麦粉などです。


ずっとパンを美味しく食べたいから、グルテンフリーを取り入れる!


 現在はグルテン過敏症ではなくても、『粉もの好き』で毎食のようにパンやパスタを食べるような生活をしている人は要注意です。おそろしいことに、今はだいじょうぶでもグルテンの過剰摂取は将来的に麦アレルギーになる可能性を高めてしまいます。『食べ過ぎない工夫』のためにも、積極的にグルテンフリーの食材を選択肢に入れる習慣を身につけて下さい。結果的に、ヘルシーな食生活つながりダイエット効果も期待できて一石二鳥です!  パンを愛する者にとって、美味しいパンは人生のよろこび。大切なものを失わないためにも、細く長~く!? グルテンと上手に付き合っていきたいものです。


グルテンフリーダイエットってどんな効果が?


ダイエット効果


 小麦に含まれるグルテンには、食欲をコントロールする中枢神経を刺激する作用があります。
  そのため、摂取すると食欲が増し、食べてもまたすぐに食べたくなる…という悪循環に。
また、小麦に含まれているでんぷん質、“アミノペクチンA”は血糖値を急激に上昇させ、肥満ホルモンとも言われているインスリンの分泌を促します。
  肥満と密接な関係があるグルテンを抜くことで、食欲増進が抑えられインスリンの過剰な分泌が防げるため太りにくい身体になります。


アンチエイジング効果


 小麦に含まれるアミノペクチンAには、シミ・シワ・たるみなどの老化を早める原因になる“糖化”を促進する作用があります。
  アンチエイジングの分野でも、若々しさや美しい肌を維持するためには、“抗酸化対策”同様に“抗糖化対策”が必要だと言われていますが、小麦を抜くことは抗糖化対策にもなります。
  また、小麦を使用した食品には、砂糖やトランス脂肪酸などの肌に良くない成分が含まれているものが多いため、抜くことで肌荒れやニキビが起こりにくくなります。


集中力・体力アップ


 アミノペクチンAには血糖値を急激に上げる作用がありますが、急激に上がったものは急激に下がってしまいます。
  そのため、小麦を含む食品を食べた直後はエネルギーが湧き出てきますが、すぐに疲れやだるさを感じやすくなります。
  グルテンフリーダイエットを行うと血糖値の急上昇が起こらないため、集中力や体力がアップすると実践しているアスリートも多いようです。


グルテンフリーダイエットのやり方


 基本的には、毎日の食事から小麦を抜くだけでもOKですが、よりキレイに痩せるための基本ルールをご紹介します。


1.まずは2週間からスタート!


 どんなダイエット法でも、ある程度の期間は続けないと結果は出にくいですからまずは2週間、出来る範囲で試してみることをオススメします。
  昼食がコンビニ食品などになってしまう場合も、おにぎりやサラダ、温泉卵、豆腐などの単品買いにすればグルテンフリーが可能です。
  また、飲み会やデートなどの外食でも、パスタならリゾットにする、揚げ物は控えグリルや蒸し料理にするといった工夫で小麦を避けられます。


2.朝食を抜くのはNG!


 グルテンフリーダイエッットでは、摂取カロリーそのものよりも小麦を抜くことで血糖値の上昇を抑え太りにくい身体を作るのが大切なポイントです。
  そのため、朝食には血糖値の上昇を抑えるたんぱく質を摂ることが推奨されています。
  朝はあまり食べないという方も、豆乳やヨーグルトなどで良質なたんぱく質を摂るようにしましょう。


3.カロリーより原材料をチェック!


 食品を買う時はカロリーを気にするよりも、原材料表示を見て小麦が入っていないかをチェックしてください。
  意外なところでは、カレールウやだし入りのお味噌汁、醸造酢などに入っていることもあります。


4.たんぱく質と野菜をバランス良く!


 血糖値の上昇を抑える作用があるたんぱく質は、野菜やフルーツと一緒に毎食摂るようにしましょう。
  タンパク質は、片手の平に乗る分量、野菜は両手の平に乗る分量が目安です。


5.オメガ3系脂肪酸や良質なオイルを!


 アンチエイジングにも欠かせないオメガ3系脂肪酸は、体内では合成できない必須脂肪酸です。
  青魚、亜麻仁油、しそ油、えごま油などに多く含まれていますので毎日の食事にプラスしましょう。
  また、オリーブオイルやココナッツオイルなどの良質な油も、キレイに痩せるためには不可欠です。
  炒めものに使う他、サラダにふりかけたりヨーグルトに入れたりして意識して摂るようにしてください。


グルテンフリーダイエットで食べていいものは?


 グルテンフリーダイエットは、“糖質制限ダイエット”とはちがい、炭水化物を抜いて糖質の摂取量を減らすのが目的ではないためお米は食べてもOKです。
  グルテンフリーの食品とグルテンを含む食品は次のようなものがあります。


グルテンフリー(小麦を含まない)食品


●米 ●雑穀 ●餅 ●十割そば ●ビーフン ●春雨 ●米粉パン
●米粉 ●玄米粉 ●そば粉 ●大豆粉 ●葛粉 ●片栗粉
●コーンスターチ ●ベーキングパウダー ●ココナッツパウダー
●肉 ●魚 ●野菜 ●果物 ●豆類 ●芋類 ●豆腐 ●こんにゃく
●納豆 ●バター ●チーズ ●ヨーグルト
●和菓子 ●チョコレート ●ゼリー ●ポップコーン ●ナッツ


グルテン入り(小麦を含む)食品


●パン ●パスタ ●うどん ●ラーメン ●ベーグル
●焼きそば ●マカロニ ●全粒粉 ●パン粉 ●麸 ●ピザ生地
●ワンタン ●餃子の皮 ●天ぷら・唐揚げの衣 ●肉まんの皮
●洋菓子 ●カレー・シチューのルウ ●ビール ●発泡酒


グルテンフリーダイエットのメニュー例


 グルテンフリーダイエットでは、小麦を抜いてたんぱく質と野菜を摂れるメニューが推奨されています。
  そのため、和食が理想的ですが、洋食派の方でも小麦抜きにできるメニュー例をご紹介します。


朝食メニューとポイント


<ポイント>たんぱく質を必ず摂る!


●ごはん+野菜のお味噌汁+納豆
●ヨーグルト+フルーツ+ナッツ
●野菜サラダ+フルーツ+豆乳
●卵料理+野菜サラダ


昼食メニューとポイント


<ポイント>単品だけの食事は避ける!


●ごはん+魚or肉料理+お味噌汁
●魚orチキンのソテー+野菜サラダor野菜スープ
●魚介類のリゾット+野菜サラダor野菜スープ
●山菜そば+卵料理


夕食メニューとポイント


<ポイント>魚or肉料理+野菜+穀類でバランス良く!


●ごはん+魚or肉料理+野菜の煮物
●玄米リゾット+魚or肉料理
●魚or肉と野菜のグリル
●魚or肉と野菜の鍋


 近年、海外ではグルテンフリーのレストランやファーストフード店なども登場し、アメリカのスーパーではグルテンフリー食材のコーナーもあるほどです。
  健康や美を意識する人たちの間では、小麦を抜くことはもはや常識になりつつあります。
  欧米型の食事に慣れ親しんだ私たちも、グルテンフリーダイエットを機に日本食の良さを見直しつつ、キレイに痩せて太りにくい体質を維持したいものです。


そのダイエット効果は?


 実はダイエットを成功させた人の口コミはそこまで多くなく、体型維持できたけれどもダイエットまで行かない、そして失敗した人が多いのが事実です。
  なぜそうなってしまっているのかというと、このグルテンフリーダイエットは実際に痩せるための方法ではないからです。
  あくまでも、この方法は体型維持をするための方法で、すぐに痩せることが出来る方法ではありません。
  そして便秘が治ったという方もいらっしゃいますが、これは便秘の理由によって治る治らないがあります。
  もしこのグルテンフリーダイエットをするのなら、体型維持を目的としてしてください。
  かなり痩せたいとしているのなら、カロリー管理そして有酸素運動などを加えるようにしてダイエットをしていきましょう。

 結局、グルテンフリーダイエットを簡単にやるには、昔ながらの和食にすることがもっとも簡単な方法です。また食べ順にも気をつけて、運動も取り入れていけばダイエット効果は倍増します。


グルテンフリーダイエットと片頭痛


 小麦・ライ麦・大麦など穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種「グルテン」。これが、片頭痛を誘発させる成分なのです。糖質制限でパンや小麦を摂取しないダイエットを行った人が片頭痛のない生活を送るようになったという話はよく聞くことです。

  グルテンが原因で頭痛が起きるセリアック病、その他のグルテン過敏の病気を患っている人は、グルテンアレルギーで片頭痛の発作を起こしている場合があります。グルテンが原因となり片頭痛になるしくみはいまだに分かっていませんが、片頭痛持ちの人は一般の人と比べると、セリアック病の割合が10倍にもなるという調査もあります。


セリアック病の実験


 セリアック病の実験で、セリアック病の人をグルテンフリーにした時、6か月で一部の人は全く片頭痛がなくなり、その他の人も片頭痛が大きく改善したと答えたとのことです。 セリアック病は、グルテンの一部が消化出来ずに免疫反応が起こり、炎症が起きます。 セリアック病にならないためにはグルテンフリー、グルテンを含む食材を摂取しないこと。そうする事で、アレルギーを起こさない生活が送れるのです。
  このグルテンフリーの効果はてきめんで、長年片頭痛と向き合ってきた生活が嘘のように片頭痛がピタリと治まる人がとても多いです。驚くほど劇的な変化をとげ、消費期限が切れた頭痛薬を見付けて以前片頭痛が隣合わせだった生活を思い出すほど忘れて生活をしている人もいるほどです。
  パンを食べない生活というのは、パンに馴染みがある人にとっては大変かもしれませんが、片頭痛に苦しむ人は一度試しても良いかもしれません。


グルテンフリーダイエットの効果 – 片頭痛


 グルテンフリーダイエットと片頭痛の関係は、片頭痛がなくなったという症例は簡単に沢山見つかり、その因果関係も研究されているようです。


 まず、以下のような疑問があります。


1.セリアック病の人は普通の人よりも片頭痛がよくあるのか
2.片頭痛もちの人は、セリアック病になりやすいのか
3.グルテンが片頭痛を引き起こすのか

 

1.について

 

 2001年の調査。スペインの子供86人、ドイツの大人、イスラエルのセリアック病の子供111人を対象にしたところ、スペインで19%が片頭痛もち。(セリアック病でない人の場合10%)。ドイツで28%、イスラエルで12.6%(セリアック病でない人の場合5.7%)というそれぞれ高い数字が出ています。


2.について


 2003年イタリア、トルコ、2011年にイランで調査されたが、はっきりと確証をえる結果は得られなかったようです。


3について


 セリアック病の原因と片頭痛の原因が同じである(グルテン)とはいえない。同じ病気、例えば高血圧の人の原因がみな同じ1つの事であるとは限らないように。
  それでもなお、セリアック病と片頭痛は関連性があると考えられています。小さな調査ですが、セリアック病と診断された4人を、グルテンフリーにしてから6か月追跡調査したところ、1人が完全に片頭痛がなくなり、3人は大きく改善したとのことです。頭痛が緩和されたのは、PETスキャンによると脳への血流がよくなったことに伴う。他の予備研究で12人を対象にした時も、同様の結果が得られました。


結論


  セリアック病と片頭痛に関連性はありそうですが、はっきりとした確証は得られませんでした。

  グルテンが片頭痛の原因であるとする、記事はネットや新聞にも見かけますが、まだ仮説の域にすぎず、結論づけるにはまだ早いようです。

  「毎日片頭痛があり何軒もの病院をまわっても改善しなかった人が、グルテンフリーダイエットを始めたら1週間以内に片頭痛が止んだ。」
という個人の体験談は、英語のサイトでいくつもあります。こういった個人の体験も本当のようです。


 グルテンは免疫疾患を引き起こすので、人によって症状が様々です。グルテンが片頭痛の引き金になるかどうかは証明されていませんが、人によってそういう症状がでることは考えられると思います。

 

 


 後藤日出夫先生によれば、「小麦などに含まれるタンパク質の成分であるグルテンに過敏な人では免疫系のマクロファージ(白血球の一種)がグルテンを異物として排除するときにも多くの活性酸素を発生することになり、片頭痛の発作の原因となります」と述べています。

 グルテン過敏症や不耐症は、小麦アレルギーのように食べるとすぐにかゆみや顔が腫れるなどのアレルギー反応が出るわけではありません。
   このため、判断が難しい側面があります。


 脳内セロトニンの問題


 セロトニン神経系は、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。


 セロトニンは「トリプトファン」というアミノ酸を原料としてカラダのなかでつくられます。じつは、腸や血液に含まれる大部分のセロトニンは、脳に入っていきません。つまり、単純にトリプトファンが多い食べもの、たとえば「牛レバーやバナナをせっせと食べよう!」なんて本や雑誌を見かけることがありますが、実際にそうしたからといって脳内セロトニンが単純に増えるわけではありません。
  トリプトファンが多く含まれる食品をとることは、たしかに大事です。でも、そこにはちょっとしだ工夫”が必要です。その工夫とは、“トリプトファンのとり方”にあります。
  腸内や血液中のセロトニンは脳に入っていきませんが、トリプトファンはちゃんと脳に入っていくことができます。ですから、トリプトファンをたくさん取り込むことができれば、脳内セロトニンも十分につくることが可能になります。
  ただしーここからが大切です。-トリプトファンが通る場所に問題があるのです。実はここ、ほかの必須アミノ酸も通っていく場所(専門的には、脳血液関門)なのです。
  この必須アミノ酸というのは、「フェニルアラニン」とか「口イシン」というものですが、食品によってはトリプトファンよりもこれらの必須アミノ酸のほうが多く含まれるものがあるのです。するとどうなると思いますか?
  これらの必須アミノ酸がトリプトファンの邪魔をするため、トリプトファンが通過しづらくなってしまうのです。その代表的な食べものが、肉類や乳・乳製品なのです。
  つまり、牛レバーにはトリプトファンよりもほかの必須アミノ酸が多いため、実際には思ったほどトリプトファンが摂れない、というわけです。
  結局、トリプトファンが多いだけではダメで、それと同時にフェニルアラニンとロイシンの量が少ないことも大事だということです。
   肉類はともかく、乳・乳製品が大好きな女性はきっと多いはず。
  お肉を食べるときは、野菜や果物はもちろんのこと、「いも類」を一緒にとるのがおお勧めです。

  一番いいのはしっかりとご飯(米)を食べること。パンやパスタ、ピザなどの小麦製品、牛乳や乳製品中心の食事ばかりでは、いつまで経っても脳内セロトニンは増えることはありません。
  人間にとって、とても大事なセロトニンの原料はトリプトファン。それを効率よく取り込むためには、必須アミノ酸(フェニルアラニン、ロイシン)との含有比率が大切だということです。
  このトリプトファン比の小さなものとしては、小麦、食パン、アーモンド、小豆、牛肉(サーロイン)、牛乳、落花生などがあります。
  これらの食品の摂り過ぎに運動不足が加われば脳内セロトニン不足の可能性が高まります。
  トリプトファン比の高いものとしてはお米があります。サツマイモ、大豆、レバー類、マグロ(赤身)などもほぼ同じ程度です。
  これら食品以上にトリプトファン比の高いものには、全粒そば、サトイモ、ゴマ、ココア、ニンニクやトリプトファンの量的には少ないですが、カボチャ、ごぼう、小松菜、春菊、大根葉、ニラ、ブロッコリー、もやし、えのき、しいたけ、のり、こんぶなどがあります。