「化学物質過敏症、電磁波過敏症」 まとめ | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 今回のこのシリーズは、「片頭痛って治るの!?」に対する「おかちゃん」からのコメントに端を発しました。すなわち、片頭痛の原因として、「化学物質過敏症」、「電磁波過敏症」を付け加えるべきと提言されました。当初は、「化学物質過敏症」、「電磁波過敏症」という語句に惑わされピンと来ませんでしたが、よく考えれば 「片頭痛って治るの!?」では、ミトコンドリアの働きを悪化させる要因のなかで挙げていた原因に含まれるものでした。
 すなわち、「化学物質」とは、「有害物質」のなかに、「電磁波」は「活性酸素」のなかに含まれるものを意味していました。
 問題は、後述しますように「過敏症」が片頭痛の原因となるかどうか、ということです。 少なくとも、「化学物質」「電磁波」を連日浴びることによって、次第に「過敏症状」が増悪したように考えるべきではないかと私自身は思っております。
 「おかちゃん」は、患者会の世話人をされておられた方で、頭痛教室を開催、頭痛ダイアリーの作成にも携わっていたとのことで、謂わば「患者会」の指導的立場にある方のようでした。こうした方のコメントですので、コメントも一字一句慎重に拝読させて頂いた次第です。
 このなかでも、度々コメントを寄せて戴き、特に「電磁波過敏症」の体験を記され、まさに「身の毛がよだつ」思いにさせられました。生きた心地がせず、生き地獄をみる思いでした。片頭痛の激しい頭痛は自分自身経験はしましたが、こうした「電磁波過敏症」の状況は想像を絶するものでした。それも、「おかちゃん」の関与する患者さん全員がこうした「化学物質過敏症」、「電磁波過敏症」を伴っておられるとのことです。
 そうであれば、専門家達は、片頭痛の方はトリプタン製剤により片頭痛という激しい頭痛から解放され、問題は解決したものと安閑とされています。
 どちらが本当なのでしょうか? 


 そこで、私は「おかちゃん」に改めて質問させて戴きたいのですが・・


 「おかちゃん」の「電磁波過敏症」、「化学物質過敏症」の発症時期はそれぞれ異なるのでしょうか。それとも同時期に発症しているのでしょうか?
 さらに、最も知りたいことは、片頭痛そのものの発症時期がいつ頃であり、この時点で「電磁波過敏症」、「化学物質過敏症」も同時に発症していたのでしょうか? それとも 「電磁波過敏症」、「化学物質過敏症」の発症時期は、片頭痛の発症時期よりは遅くなってから発症したのでしょうか?
 そして、「おかちゃん」はこれまで患者会の世話人をされてこられたようですが、他の片頭痛患者さんでは、同様に、それぞれの発症時期が同一なのか異なっているのか、「電磁波過敏症」、「化学物質過敏症」の発症時期は、片頭痛の発症時期より遅くなって発症しているのか、知りうる限りの患者さんで確認して頂ければと思います。
 といいますのは、私は現役を退きましたので、自分で確認できないからです。
 このことが明らかになれば「脳過敏」とは何か?が明確になり、対処策も自ずと明らかにできることと考えるからです。


 専門家は、片頭痛の特徴は生まれつき存在する「脳過敏」にあるとされます。このため、「化学物質過敏症」、「電磁波過敏症」もこうした「脳過敏」の1つとされます。
 もし、そうであれば、片頭痛を発症した時点・段階で、既に「化学物質過敏症」、「電磁波過敏症」が存在することになります。
 片頭痛を発症した段階では、「化学物質過敏症」、「電磁波過敏症」がなく、もっと後になって(片頭痛発症時期より遅く)出現するようであれば、「脳過敏」は、生活環境の問題から形成されてくる、ということを意味することになります。
 そうであれば、これまで専門家の言っていたことが間違いであることになります。さらに、一世を風靡した感のある、「脳過敏症候群」が製薬メーカーに煽てられ、作成された「まやかし」となってしまいます。
 このように、極めて重要な点になっています。


 「おかちゃん」は、「化学物質過敏症」、「電磁波過敏症」を片頭痛の原因のひとつと挙げるべきとされますが、こうした 「化学物質」、「電磁波」によるものは、「国際頭痛分類 第3版β版」では、二次性頭痛(その他)に分類されるものです。


      二次性頭痛(その他)
       
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12577930949.html


 これらに記載されているものは、本来、片頭痛の原因ともなるはずのものです。
 それを便宜的に「国際頭痛分類 第3版β版」で、このように分類されているにすぎません。ということは、トリプタン製剤を投与すべきでないとしているものが、ここに記載されているということに、他なりません。


 「化学物質」に関しては、これまで環境汚染の問題で取り上げられてきました。
 しかし、「電磁波過敏症」の問題は、電化製品の進歩・普及に伴い、さらにパソコン・スマホの爆発的な普及に伴い、謂わば「社会問題」になりつつあります。
 そして、「電磁波」の人体への影響について、専門家の間では、精力的な研究が進められ、活発な討論が行われています。
 そして、こうした「電磁波」の人体への影響についての書籍も多数出版されています。


 ところが、片頭痛患者さんの「電磁波過敏症」の悲惨な状況は、私を含め一般の方々には知られることはなく、日本頭痛学会では、このようなことは話題にすらあがりません。
 そして、学会のナンバー・ツーとされる方の開設されるホームページでは、わずか以下のように記載されているだけです。その抜粋です。


•■かなりの人が「香害」で頭痛を経験する


「柔軟剤や洗剤」「シャンプー」「制汗剤」「香水」など
人工的な香りによる健康被害(めまい・頭痛・吐き気といった体調不良など)を「香害」といいます。
 他人のニオイを不快に感じた方は79%、
 人工的な香りで、体調不良を起こした方は51%、おられるそうです。
 特に片頭痛の方は「香害」が起こりやすいことが知られています。
 出典: http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170817/Cobs_1660730.html
(掲載2017年8月31日)


 •■電磁過敏症、日本にも 頭痛や皮膚症状


 日本人の3・0~5・7%が電磁過敏症の症状を訴えているそうです。
 電磁過敏症の方は携帯電話や家電製品などが発する電磁波にさらされると、 頭痛や集中力・注意の欠如などが現れるそうです。
(2016年12月12日 出典:Hojo S, et al: Bioelectromagnetics. 2016;37:353-72)


スマホなどブルーライト使用制限で難治性頭痛が改善/2014年の第42回日本頭痛学会で発表


 東京都済生会中央病院・荒木清小児科部長は、難治性の思春期慢性連日性頭痛の中に、
スマフォやゲーム機などのブルーライトを発する機器の夜間における使用を制限することで 症状が改善する例があることを、明らかにしました。
 登校不可、昼夜逆転傾向を伴ったケースでは、夜間のブルーライト制限が最良・最短の治療である場合があるということです。
(2014-12-11)


•■学校での香料自粛要望書を文科省に提出 2013年10月4日


 関係者が文部科学省に学校などにおける香料自粛に関する要望書を提出しました。
 子どもたちが柔軟剤や洗剤などの香料で、頭痛、アレルギーやぜん息など健康被害が発生していることを踏まえた要望です。
 参照:岐阜市の「香料自粛のお願い」のポスターhttp://www.city.gifu.lg.jp/12993.htm
 

 •柔軟剤のにおい、相談件数倍増 体調不良も


 洗濯物を柔らかく仕上げる柔軟剤のにおいで頭痛などの症状を訴える人が増えています。
 国民生活センターによると、柔軟剤のにおいについての相談のうち41件は頭痛など体調不良を訴えるもので、 他人の柔軟剤のにおいに自宅で悩まされている人が多いそうです。改善が望まれます。(2013-09-28)


●ブルーライト問題


•タブレットやインターネットの普及やLEDの普及により「ブルーライト問題」が浮上してきた。
•ブルーライト(波長460nm)は、網膜にダメージを与え、生体リズムに影響する。。
•人の網膜にはブルーライトに反応する細胞があり、生体リズムをコントロールしている。LED電灯やディスプレイ画面の見続ける光社会により、人々の生体リズムが狂い始めた。
•夜遅くまで画面を見るのは体に良くない。
•ただし昼間には適度にブルーライトを取り入れることにより生体リズムが正常に作動する。
•何事もほどほどが大切だ。
•原典: Medical Tribune VOL.46 NO.16 p.30 坪田 一男先生の続・時間の風景(743)から、(2013MAY)
•ブルーライトにご注意を
•パソコン(PC)やスマートフォンなどの画面から出る青色の光「ブルーライト」が、体に影響を与える可能性があります。
•青色光はエネルギーが強く、目を疲れさせます。
•眠りホルモンの「メラトニン」の分泌を抑え、睡眠リズムを乱します。
•黄斑変性症とも関係があるかもしれません。
•対策は ◦ブルーライトカット眼鏡の利用
◦寝る前のパソコン・スマホの輝度を下げる/使用を控える
◦緑黄色野菜積極的にとる

•毎日新聞社の 8月8日(水) 配信記事を参考にしました。
•(2012-9-17)
•寝る前スマホは眠りに悪い?居眠り学生急増
•寝床でスマートフォンを使う学生は、講義中に居眠りをしやすいという研究が日本睡眠学会で発表されました。
•液晶画面から出る青色光(ブルーライト)は眠りの質に悪影響を与えている可能性があります。
•消灯後にスマホを使う回数で、「週4日以下」「週5日以上」に分けた場合、「週4日以下」では、

居眠りをする割合が7・1%だったのに対し、 「週5日以上」の学生は17・0%と、倍以上に増えたということです。
•出典: 読売新聞 2013-7-1


●3DS は頭痛を起こす可能性が高い


•3D 映像を見ると動いていないはずの体が動いていると脳が錯覚しまい、
•運動を内耳が感じないという誤差が頭痛を起こす可能性があります。
•3Dゲームは60分プレーしたら15分休むのがよいでしょう。
•出典 http://slashdot.jp/it/11/04/01/0112255.shtml
•(2011-04-14)
•寝る前スマホは眠りに悪い?居眠り学生急増
•夜に寝床でスマートフォンをよく使う学生は、大学の講義中に居眠りをしやすいという研究結果が日本睡眠学会で発表された。
•液晶画面から出る青色光(ブルーライト)が眠りの質に悪影響を与えている可能性があるという。
•消灯後にスマホを使う頻度が「週4日以下」の学生は、 1週間で講義中に合計1時間以上の居眠りをする割合が7・1%だったのに対し、 「週5日以上」の学生は17・0%と、倍以上に増えた。
•読売新聞 2013年7月1日
 

 このように「電磁波」に至っては、1件のみというお粗末さです。

 しかし、片頭痛との関連については言及されることはありません。

 


   「電磁波」の問題は、今後、社会問題にまで進展していることは眼に見えていることは明らかでありながら、このような有様です。なぜ、このようになっているのでしようか?
 このような学会の状況を私達は直視する必要があります。


 先日の読者のように、日本頭痛学会を信じ切って、決して間違いなことはされないと思っておられる方の心痛は察するに余りあるものです