前回、「化学物質過敏症」を予防するために日頃からデトックスを心掛けましょうと述べました。それも、デトックスについて全般に渡って述べました。
今回は「デトックス」について管理栄養士の立場から述べてみたいと思います。
考え方の相違点を汲み取って頂きたいと思っております。
デトックスというのは身体の中の有害な化学物質・毒素を外に出すということです。
不要なものは出してしまうことも大事なことです。ちなみに便秘になると不快感を感じます。イライラしたり身体が重く感じたりしますが、快便の時は爽快じゃないですか。またサウナや岩盤浴で汗をたくさんかいた時も気持ちいいです。老廃物や毒素を出した時には爽快感を感じるのです。
毒素というのは普通に生活していて入ってくるものなのです。前回、「化学物質過敏症」について述べました。化学物質はすぐには健康被害になる濃度ではなくても、もしそれが身体に溜まって蓄積すれば、やがて身体に悪い影響になっていくからです。
土壌からはダイオキシン、タバコの副流煙、ピアスや化粧品やシャンプーにも毒になる成分があるのです。水銀は予防注射に使う有機水銀や歯の詰め物に使われています。また毎日口にする飲食物からの有害ミネラルや残留農薬だってありますし、食物添加物を口にしないで生活するなんて不可能です。私達の身の周りは毒がいっぱいなのです。
もちろん毒はなるべく身体に入れないほうがいいのですが、現実的にはとても難しいことです。だからなるべく出してしまうこと「デトックス」が必要なのです。
体内に有害物質・毒がたまると
有害物質・毒素がたまると健康に良くないことはイメージできると思いますが、ダイエットにも悪い影響になります。 ダイエットの時には、カロリーを抑えるだけでなく栄養バランスを意識して食事をします。それは必要な栄養をきちんと補給して代謝の良い元気な身体を保ちたいからです。 しかしせっかくバランスよく食べても、体内にたまった有害物質・毒素が悪影響して、栄養の吸収を阻害したり、細胞まで栄養が届くことを邪魔したりということもあるのです。
あるいは、褐色脂肪細胞の働きが弱くなってカロリー消費が低下してしまうこともあります。体内の毒素がダイエットに悪影響をするのです。
それに、そもそも皆さんはがダイエットをしたい理由には、キレイになりたいから、元気でいたいから、健康でいたいから、いつまでも若々しくいたいから、そういった理由があるわけでしょう。だけど、体内の有害物質・毒素というのは、そういった美容や健康やアンチエイジングに悪い影響をあたえるのです。
慢性の疲労感を感じたり、肌荒れ、にきび、吹き出物、シミ、しわ、などの肌のトラブルを引き起こしたり、セルライト、むくみの問題が出やすくなったり、女性では生理痛、生理不順の原因にもなったり、その他、アレルギー、肩こり、腰痛、頭重感、冷え、便通異常(便秘・下痢)など、いろんな問題が起こってくるのです。
体内の毒素や老廃物を外に出すこと。これは必要なことなのです。
有害物質・毒素はだれでも必ず溜まるのです
「有害物質なんて自分には関係ない。」そう思っている人もいらっしゃると思いますが、そんなことはないんです。有害物質・毒素の影響というのは誰にだってあるものなのです。 ひと言で毒素といってもいろいろあるのですが、「体外毒素」と「体内毒素」大きく二つの分類されます。
体外毒素
水銀やカドミウムなどの有害ミネラルや、あるいは最近では食品添加物が問題視されますが、食べ物などから身体に入ってきてしまう、本来人間の身体には存在しない毒素のことを、「体外毒素」 といいます。
そんなのは公害がある地域に住んでいる人だけの問題でしょ。と思いますか?そんなことはありません。冒頭に書いたように日常生活の中で身体に入ってきてしまうのです。食品添加物を全くとらないなんて居らっしゃらないはずです。それこそ無人島で自給自足の生活をするくらいのつもりじゃないと無理でしょう。
また有害ミネラルとは水銀、ヒ素、アルミニウム、鉛、カドミウム、ニッケル、スズなどの重金属ですが、残念ながら、毛髪検査を受けると水銀、ヒ素、アルミはほとんどの人から検出されます。もちろんあなたもです。
それに、仮に体外毒素を身体に全く入れないことに成功できていたとしても「体内毒素」というものだってあります。
体内毒素
これは人間が生活をした結果代謝産物として身体の中にできた老廃物のことです。例えば疲労物質の乳酸や、尿酸、尿素、アンモニアなどもそうですし、腸内で発生するインドール、スカトール、硫化水素などのニオイの成分も体内で発生する毒素です。
いくら体外毒素を身体に入れないよう気をつけて生活していても体内毒素は自分の身体の中で毎日できていきます。 つまり、デトックスはどなたにだって必要なのです。
デトックスは日常生活の習慣でできるのです
デトックスというと、「腸内洗浄」とか 専門医の治療として行うちょっと大掛かりなデトックスをイメージされる人もいらっしゃるでしょう。もちろんそういったこともデトックスです。
しかし、人間は本来自分でデトックスをする能力があるのです。なのにその能力をちゃんと引き出している人と、引き出すどころか邪魔してしまっている人がいらっしゃるわけです。そしてその差というのはちょっとした日常の生活の中にあるのです。
日常生活で蓄積される有害物質
これまで、毒素には身体の中で発生する「体内毒素」と、外から入ってくる「体外毒素」があると説明しました。体外毒素はダイオキシンや大気汚染物質、残留農薬や食品添加物などの「有害化学物質」と、「有害ミネラル」がありますが、今日は、「有害ミネラル」について少し詳しく書きたいと思います。
有害ミネラルは身体に入ってくると排出しにくい特徴があるのです。ですから、しっかりデトックスをする意識がないと身体の中で蓄積されやすい毒素なのです。
日常生活で蓄積される有害物質
現代社会では、環境汚染など様々な要因から私たちが知らないうちに体内に有害重金属や有害化学物質などが入り込み蓄積され、人体に悪い影響を及ぼすことがあります。
例えば水俣病は 水銀が、イタイイタイ病 カドミウムが、どちらも有害ミネラルが大量に身体に入り込んでしまった公害問題なのですが、そういった公害訴訟になるほどでなくても、日常生活の中ですこしづつ入ってくる有害ミネラルだってあるのです。
あなたの近くでタバコを吸う人がいて煙草臭いと感じた時には、カドミ ウムが入ってきているわけだし、缶詰や缶ジュース飲めば、アルミニウムや鉛やカドミウムが入ってくるのです。
魚介類から水銀が入ってきたり、野菜の残留農薬からヒ素が入ってきたり、有害ミネラルは食べ物に含まれていたり、水道や地下水にだって有害ミネラルは含まれるのです。
もちろんそれらはごくごく微量です。すぐに人体に影響が出ることはないです。でも、それらの有害ミネラルは身体に蓄積されやすいのです。「出すこと」がうまくできていなければ、いずれ身体の中で悪影響を起こす量になってしまうことだってあるのです。
その量が極端に多ければ、中毒症状 を起こすわけですが、そこまでいかないまでも、生理機能や代謝機能を阻害し、体調不良や精神の不安定が起こり始めたりするのです。
有害物質が起こす問題
例えばアメリカでは、異常な犯罪行動と体内の有害物質の蓄積に強い相関関係があるというデータが数多く示されています。日本でも、いわゆる問題児、学習不能、注意欠陥多動性障害(ADHD)などと有害物質の関係を示すデータが示されています。
また、具体的な病気はないが、なんだかいつも疲れやすい、寝つきや寝起きが悪い、うつ傾向がある、気力が沸かない、イライラして甘いものを食べるのがやめられない、集中力が続かない、些細なことで腹を立ててしまうなどの問題があります。
そんな人が、毛髪ミネラル分析を受けると、有害ミネラルの 鉛 が高レベルで、検出されたという報告もあります。鉛は、うつや感情のコントロールに関係したりするのです。
もし、そのような状態でダイエットしていたとしても、きっとイライラでうまくいかないのではないでしょうか? もしかして、あなたが食べ物の誘惑を断ち切れないイライラの原因は有害物質なのかもしれません。
またイライラだけでなく、有害物質が体内の酵素に悪影響を与え身体の機関や組織の働きを低下させたり、そのことによって代謝や血流やリンパの流れが低下したり、ダイエットへの悪影響を起こすこともあります。
身体と心の健康にも、ダイエットにも、有害物質は悪影響を与えるのです。
主な有害物質
主な有害な化学物質は下記のようなものがあります。
【Cd】 カドミウム
カドミウムは、貧血、呼吸障害、胸痛、肝臓障害、肺がんなどを引き起こす因子になります。たばこと深い関係がある重金属です。
<主な進入経路>、たばこや煙草の煙、排気ガス、電池、缶詰、食品汚染、環境汚染などです。
【Hg】 水銀
水銀は、常温では液体の金属です。身体に入るとうつ状態や情緒不安定、記憶力喪失などを引き起こす因子になります。
<主な進入経路>、魚介類や水産加工食品、古い水道管、歯科用アマルガム、農薬などです。
【Al】 アルミニウム
アルミニウムは、土、水、空気、動植物、飲食物など私達の生活の至るところに存在しています。昔は無害と思われていましたが脳や神経系に異常を起こすことがわかってきています。アルツハイマーの因子とも言われます。
<主な進入経路>、缶ジュース等のアルミ缶、煙草、着色剤などの食品添加物、調理器具、食器類などです。
【Pb】 鉛
鉛は、強い毒性を持っていて、腹痛、嘔吐など様々な中毒症状を起こします。また情緒不安定、うつ、貧血や免疫系の抑制、腎臓への影響なども引き起こす因子になります。
<主な進入経路>、排気ガス、たばこ、缶詰、古い水道管、塗料、絵の具、野菜などの食品などです。
【As】 ヒ素
ヒ素は、 毒薬としてく知られるように、強い毒性があり、感覚異常、頭痛、情緒不安定、神経痛、皮膚がんなどを引き起こす因子になります。
<主な進入経路>、排気ガス、殺虫剤、除草剤、魚介類やかまぼこなどの食品、残留農薬、井戸水、ビール、ワインなどです。
【Be】 ベリリウム
ベリリウムは、硬度の高い軽金属で、加工中の粉塵を吸い込んだ場合、慢性肺疾患や食欲不振、呼吸困難などを引き起こす因子になります。
<主な進入経路>、電気関係の部品工場です。
その他にも有害な金属は様々ありますが、通常であれば、これらがいきなり大量に身体に入り、中毒を起こすことはないでしょう。(大量に入ることあったとしたらそれは事件になってしまいます。)極微量に入ってきて、尿などに混ざって体外へ排出されます。
しかし、栄養の偏りなどで体の解毒機能が弱まったり、汗といっしょに体外へ排出できなかったりすると、健康的な影響が及ぶようになってしまうのです。
体内のミネラルは毛髪でわかります。毛髪を見ることで、有害金属の体内蓄積度や、必須ミネラルの過不足が分かるのです。専門のクリニックで行なっていたり、髪の毛を郵送して検査を受けることが出来るサービスもあるそうです。もし気になる方は検査を受けてみてもいいかもしれないです。
また、有害ミネラルだけでなく、有害化学物質もありますし、人間の体内で発生する体内毒素(老廃物)もあります。それらをスムーズに体外に出すような生活習慣を身につけておいたほうがいいわけですが、次回からはそういった日常生活でできるダイエットについて書いて行きたいと思います。
有害ミネラルは汗でデトックス出来ます
前回、有害物質について書きました。これは本来人の身体にあるべきでないものが食べ物などを介して入ってきてしまう 「体外毒素」 です。そして有害ミネラルは身体に入ってくると排出しにくい特徴があるのです。ですから、しっかりデトックスをする意識がないと身体の中で蓄積されやすい毒素なのです。
それとは別に、有害化学物質だってありますし、身体の代謝活動で生じる、尿素、尿酸、アンモニアなど人の体内で作られる「体内毒素」もあります。
体内毒素は排泄、体外毒素は汗
毒素には「体内毒素」、「体外毒素」大きく分けて2つありますが、体内毒素は排泄をスムーズに行うことが効果的で、体外毒素のデトックスは汗をかくことが効果的であると言われます。
排泄をスムーズに行うことというのは、便による排出、尿による排出をスムーズに行うことです。便秘などしないように快便を心がけることなどが大切なことなのですが、そのことは次回詳しく書くとして、今日は汗でデトックスの話しをしましょう。
汗というのは体温上昇を防ぐために身体の水分を蒸発させて気化熱で体を冷やすためのものです。決して、毒素を出すために汗が出るわけではないのです。
毒素を排出するための器官は腎臓です。身体で作られた老廃物などを尿にして身体の外へ出してくれるわけですが、しかし、そもそも人間の身体に存在し得ないもの、有害ミネラルを濾過する機能は腎臓にはないのです。ですから有害ミネラルは外に出しにくく溜まりやすいのです。
しかし、有害ミネラルは脂肪に多く溶け込んでいるので、汗をかくことによって皮脂と一緒に排出することができるのです。汗は本来毒素排出のためのものではないのですが、有害ミネラルを出してくれる働きを利用して、デトックスのために効果的に汗をかくようにするのはいいことなんです。
よく、岩盤浴はデトックス効果があると宣伝されていますが、それはサウナでも、家庭のお風呂でも、運動の汗でも同じです。
手軽にできるデトックスはお風呂です
沢山汗をかくのはいいことです。ですから岩盤浴やサウナに行くのもいいことでしょう。 でも、お金も時間もかかります。手軽とはいえないです。ですからやはり一番手軽にできる家庭のお風呂で少し余分に汗をかくよう工夫をするのがいいでしょう。
一年中シャワーという人もいるでしょうが、シャワーには水圧でマッサージする効果はあっても体を温める効果というのはほとんどありません。あまり汗をかきません。ですからなるべく湯船に浸かるようにしたほうがいいです。
身体を芯から温めて汗を出すにはぬるめのお風呂がいいのです
熱いお風呂のほうが汗をたくさんかくと思うかもしれませんが、熱いお湯は身体の表面だけを急劇に温めてしまって体の芯まで温まりにくいのです。だから風呂から上がったあとも冷めるのが早いです。
体温より少し高いくらいの38度~40度くらいのぬるめのお湯に長くゆっくり浸かったほうが体の芯が温まり代謝も上がって湯冷めもしにくくなります。
二種類の汗
熱いお湯だったり、肩まですっぽり浸かると上半身が先に温まってしまってのぼせて短時間しか入っていられません。それでは汗腺から汗が出るだけです。実は汗には2種類あるのです。汗腺から出る少しベタベタした汗、この汗からは毒素はあまり出ないのです。 皮脂腺からでるサラサラに汗、のほうがデトックスに有効なのです。そして皮脂腺からの汗を出すためには少しぬるめののお湯で時間をかけるほうがいいのです。
お風呂の前にコップ一杯の水を飲もう
デトックスを意識して半身浴をするのは沢山汗をかくことがポイントです。ですからお風呂に入る前にコップ一杯の水を飲むのがいいです。水を飲んだ時と飲まない時で半身浴して比べてみてください。飲んだ時のほうがたくさん汗をかきます。
夏だとついシャワーで済ませてしまうってことが多いと思いますが、デトックスのためには少し時間をかけて半身浴を楽しむのもいいことなのです。
運動で汗をかいてデトックス
それと、運動の汗もいいのです。半身浴やジョギングをすると毛穴の中の皮脂腺が刺激されて、皮脂といっしょに体外毒素が排出されやすいのです。
ダイエットだけでなく汗をかいてデトックスするにも最適です。スロージョギングはとにかくゆっくり走るようにするのです。それこそ「恥ずかしいと思うくらいゆっくり走る」くらいでいいんです。
なぜゆっくり走るのがいいのかというと、本格的に身体を鍛えている人でない限り、普通のジョギングで走ってしまうと大抵の人は、ハァハァゼイゼイと、息が切れてしまって筋力などはまだ余力があるのに、心肺機能のほうが先に限界がきてしまって長く走れないと思います。でも、スロージョギングはニコニコペースでやるので心肺が限界になることはないです。ですから長い時間走れるのです。
呼吸が荒くならないということはそれだけ活性酸素の発生が抑えられるということです。 ジョギングの欠点である活性酸素のダメージもスロージョギングなら最小で抑えられるのです。
そして、ウォーキングとと比べてスロージョギングは使う筋肉も全く違いますし、運動量はすごく上がるのです。だから消費カロリーも1.6倍になるのですが、もちろん汗もたくさんかけるのです。
春になって暖かくなってくると運動もしやすくなりますし、汗をかくことも気持ちよく感じるようになります。運動の前や最中も十分に水分を補給して、しっかりを汗をかく意識で運動するのもいいです。
水分をしっかり補給しよう
だんだん暖かくなってくると汗をかきやすくなりますし、水分も飲みやすくなります。 体内の有害物質をデトックスするためにもしっかり水分補給をするのがいいのです。
しっかり飲んで、なるべく汗をかいて有害ミネラルを外に出しちゃいましょう。
デトックス効果が高い食べ物
今回は、排泄をスムーズに行うこと、デトックスを助けてくれる食べ物のことについて書きましょう。
体内毒素は排泄からデトックスされます
デトックスのためには、便による排泄、尿による排出をスムーズに行うことが大事なのです。毒素が何から排出されるかの割合というと・・
•髪からが1%
•爪からは1%
•汗からは3%
•尿からが20%
•便からが75%
と言われます。便と尿からがほとんどなのです。排出しなければいけない毒素の殆どは人間が自らつくる「体内毒素」であって、それは尿と便から外に出されるのです。
ですから排泄をスムーズに行うことはとても大切なことなのです。もちろん「便秘にならないようにする」ということは非常に重要なことなのですが、便秘になっていなければそれだけでいいというものでもありません。便と一緒にできるだけ毒素を多く出しちゃいたいのです。
そのためにも「水分補給」と「食物繊維」が大切な役割をします。
便秘の解消や予防という意味でも「食物繊維」と「水分補給」は大切ですが、それだけでなく、デトックスを効率良く行う意味でも「食物繊維」は効果があります。 デトックス効果が高い食べ物を紹介しましょう。
デトックス効果が高い食べ物
食物繊維には不溶性と水溶性の二種類がありますが、特に水溶性の食物繊維はネバネバのゲル状になって体内の毒素を吸着して排出する効果が高いです。不溶性食物繊維は大きく膨張して腸の働きを活発にして排便をスムーズにしてくれます。
「脂溶性が毒素を吸着する」「不溶性が便をスムーズに排泄する」、この二つの特徴がデトックスに役立つのです。
■腸内で毒素を吸着して排出する食材 としては
ごぼう、オクラ、レンコン、こんにゃく、トマト、海藻、玄米 などがあります。
キレート効果
また、包み込むだけなく、外に出したい毒素と化学的に結合して、体外への排出を促してくれる、「キレート作用」 がある食品もあります。
包み込むだけだと、またもとに戻ってしまうこともありますが、キレート結合された有害ミネラルは体内で再吸収されることなく尿や便などから排出され、効果的なデトックスができます。
たとえば、魚介類や緑黄色野菜に含まれる亜鉛やセレンは 水銀 や ヒ素 に対してのデトックスを促進しくれることでよく知られますが、ビタミンA、C、E、や含硫アミノ酸(にんにくやたまねぎに含まれるイオウを含んだアミノ酸)などもデトックス効果が高いと言われます。
■血液中の毒素をキレートする食材
にんにく、アスパラガス、ブロッコリー、ねぎ、ほうれんそう、大豆、りんご などがあります。
■肝臓での解毒機能を強くしてくれる食材
たまねぎ、キャベツ、ブロッコリー、にんにく、ダイコン、わさび など
活性酸素除去
それと、体の中で作られてしまう体内毒素の中で、しっかり対処しておきたいものの一つに、「活性酸素」 があります。
活性酸素は体を錆びさせる。と聞いたことがあると思います。錆びるとは酸化するということで、活性酸素の影響で老けたり、しみやしわができたり、ガンなどの病気の要因になったりするのです。生活習慣病の発生の90%に関係すると言われます。
で、活性酸素は運動したり、ストレスを感じた時など、ダイエットする時に発生しやすかったりするのです。みなさんはダイエットをしてキレイに健康的になりたいわけですから、活性酸素についてはちゃんと意識をするほうがいいです。
その活性酸素の酸化に対抗するために、ビタミンやファイトケミカルなどの抗酸化作用の強いものを食べるようにしたらいいと一般的に言われます。
■体内の活性酸素を除去する食材
βーカロテン : ニンジン、小松菜、ほうれん草、かぼちゃ、ニラなど
ビタミンC : ブロッコリー、小松菜、ピーマン、トマトなど
ポリフェノール : 赤ワインなど
リコピン : トマトなど
スルフォラファン : ブロッコリー、キャベツ、カリフラワーなど
メラノイジン : みそ、しょうゆなど
デトックスを考えるとき、何を食べるかということはとても大切なことです。
一つには、なるべく毒素を身体に入れない食事をする。という考え方が大事です。食品添加物の多そうなもの、加工食品やコンビニのお弁当や、そういったものはなるべく少なく済ませられるようにするとか、また、残留農薬などが少なくなるよう、野菜はよく洗って食べるなど、毒素が身体に入らない配慮をすることは大事です。なるべく毒素を身体に入れないという内容は次回に詳しく書きます。
しかしあまり神経質になりすぎることもよくないです。上に書いてあるような食物繊維が多い食材、キレート効果のある食材を、なるべく増やすようにする、水分補給をしっかりするなど、できる範囲の努力をしましょう。デトックスはダイエットにも影響します。
デトックスとダイエットの関係
前回はデトックス効果が高い食べ物について書きました。今回はデトックスがダイエットにどのように影響するのか書いていきましょう。
毒素のダイエットへの悪影響
毒素は体内での栄養の吸収を阻害したり、細胞の活動を停滞させたりします。新陳代謝の低下につながってしまうのです。
水銀や鉛などの有害ミネラ ルは、体内で酵素と結合しやすい特徴があります。酵素は体内の様々な器官や組織を活発に働かせる代謝に欠かせない存在です。脂肪を燃焼させる(脂肪をエネルギーに変えて使ってしまう)ということももちろん酵素の働きが必要です。酵素の働きが有害ミネラルによって阻害されたらもちろん脂肪だって燃えにくくなってしまいます。
また水銀は褐色脂肪細胞の働きを低下させてしまうとも言われます。褐色脂肪細胞は熱を作ってエネルギーを放射する細胞です。この細胞がどれだけ活性化しているかということが、体温や基礎代謝に影響するのです。体温が高いということはそれだけ熱を作るためにエネルギーをたくさん使うということですから痩せやすいということなのです。しかし水銀はその褐色脂肪細胞の働きを鈍らせてしまうのです。
それと毒素は自律神経の働きにも影響を与えます。もし自律神経が乱れてしまったらやはり代謝やエネルギー消費が落ちてしまいますし、毒素が溜まっているということは、便秘になっていたり、血行が悪くなっていたりする場合が多いわけですから、様々なダイエットへの悪影響が考えられるのです。
ですからできればダイエットの前に毒素の影響や憂いを取り除いてしまいたいところですが。でも、ダイエットを始める前にデトックスをしなければいけないと考えるとそれもまたハードルが高いです。
さてどうしましょう?
カンタンです。ダイエットをしながらデトックスもしたらいいのです。
ダイエットしながらデトックス
もちろんダイエットをしながらデトックスだってできます。これまでの内容を思い出してみてください。
「お水をしっかり飲みましょう。」
「半身浴や運動で汗をたくさんかきましょう。」
「食物繊維やキレート効果の高い食べ物(主に野菜)を積極的に食べましょう。」
というようなことがありました。これらは、ダイエットをするにも良いことばかりじゃないですか。
水分を多く飲むこと、出すことは新陳代謝を活発にしますし、水を飲むことで満腹中枢を刺激して食欲を抑える効果もありますし、汗をかくために運動するならそれだけカロリーの消費が高くなります。
野菜を多く食べることは、食事全体のカロリーが下がることが期待できますし、食物繊維だけでなく、ビタミンやミネラルなど不足している栄養素を補えることになりますし、ダイエットのためにはとても良いことです。
そもそも皆さんがダイエットをしたいと思う理由はスリムになって見た目をよくしたい。いつまでもきれいでいたい。健康になりたい。それらの理由なんでしょ。であれば、デトックスで活性酸素の悪影響を軽減させることも、ダイエットと同じぐらい大切なことなのです。
つまり、デトックスをしないと痩せられないということでなく、正しくダイエットを行うことが、デトックスにも良いことであり、デトックスやアンチエイジングや健康を意識して食事や生活をすることが、正しいダイエットになる。ということなのです。これらはひとつにつながっているのです。
良くないダイエットはしないようしましょう
ただなんでもいいからダイエットすればいいわけじゃないのです。例えば闇雲にカロリーを抑えることだけ考えて食事を減らして便秘になったり、体重計の値だけを気にして水を飲まなかったり、運動だけでダイエットしたり、偏ったダイエットではデトックスにもならないし、体調や健康を崩し、かえって老化を進めてしまうことになりかねません。
ですから、くれぐれも無茶なダイエットはやめましょう。
そして、なるべく健康的な食生活をするよう心がけるのがいいです。そのためにも次回の記事では毎日の食事の中で必ず身体に入ってくる食品添加物のことも書いておきたいと思います。
食品添加物と上手に付き合いましょう
そこで今日は現代社会の食生活で欠かすことのできない、そして知らずのうちにどんどん身体に入ってくる「食品添加物」のことについて書きたいと思います。
食品添加物とは
そもそも食品添加物とは、食品の製造や加工や保存の過程で使われる保存料、甘味料、着色料、香料等のことをいいます。
食品添加物は人工的なものと自然のものがあり、古くから肉や魚を燻製にしたり、塩漬けにして長持ちをさせるためにも使われてきました。大豆から作った豆乳に”にがり”という凝固剤(添加物)を加えると豆腐になりますし、ハムやソーセージや多くの加工食品に食品添加物が使われています。祝い事に使う紅白まんじゅうの食紅だって添加物ですし、私たちの食生活に欠かすことができないものなのです。
しかし、食品が長持ちするようになったり、見た目も味も良くなり、価格も安くすることができる。そのような便利なものであるがゆえ、販売者の都合で使われ消費者の健康が脅かされる危険があるのだということを、安部司著、「食品の裏側」という本が教えてくれています。
興味がある方はぜひ読んでみてください。ただ添加物の危険性だけを羅列した本でなく、著者自らがかつては食品添加物を使って食品を開発する側だった経験を書かれた本で、 添加物のメリットと危険を理解し、賢く付き合う方法を示してくれています。
無添加は安全?
食品添加物というと、「危険なもの」というイメージを持つ人が多いでしょう。そしてそういった人の不安を解消し、安心させてくれるものとして、「無添加食品」が多く出回ったりするのですが、ことさらに「無添加」にこだわるのがいいのかといえばそうではないのです。この記事でも無添加を推奨するつもりで書いているのではありません。
この「無添加」という表示にも問題があるのです。問題とは「無添加」と表示があれば買ってもらいやすいという理由でむやみにラベルの目立つところに「無添加」と書いてある食品が存在するということです。「無添加」と書いてはあってもいったい何が無添加なのかよくわからないものや、冷凍食品のようにそもそも保存料が不要のものにまで「保存料無添加」という表示があるなど、いわゆる優良誤認や必要以上に添加物の不安を煽るケースもあるのだそうです。これもやはり販売側の都合であり、消費者は必要以上に高い買い物をさせられているということなのですから、必ずしも「無添加」という表示を盲信すればいいというわけではないのです。
それに食品添加物にだって役割はあるのです。メリットだってあるのです。例えば保存料は食品の腐敗を防いで食中毒のリスクを下げてくれます。無添加の食品は腐りやすく早く消費してしまわないと食中毒の危険度が上がってしまうのです。
いつもいつも新鮮な食材を仕入れて手間をかけて手作りの料理をすることができたらいいでしょうが、忙しいライフスタイルの中では添加物が入った加工食品に頼らざるをえないことも多いはずです。
かといって、もちろん全く安全だからどんどん摂っていいというわけではないのですから、とり過ぎにならないよう賢く食品を選ぶようにすることが、食品添加物と縁を切ることができない現代人のするべきことなんじゃないかと思うんです。
食品添加物と上手に付き合う
何が危険とか、これを食べちゃいけない、ということでなくそれをとり過ぎてしまう事が良くないのです。食品のラベルを見て食品添加物が多い、少ないと見てわかる人であれば少ない食品を選んで使うに越したことはありませんが、食品添加物が多くなりがちな食事の習慣をしていたら見直すようにするのがいいです。
•インスタント食品をよく食べる
•忙しくてお弁当や惣菜など買ってそのまま食べる食事が多い
•スナック菓子が大好き
•ファーストフードが大好き
•清涼飲料水が大好き
•料理でハムやソーセージなど加工肉を使うことが多い
•おでんなど練り製品を食べることが多い
•パンにジャムをたっぷり塗って食べる
こういった食事はわりと食品添加物が多いです。こういう食品を使うときは、例えばおでんのネタを買うときにちょっとラベルを見てよくわからないカタカナや化学物質のような名前が少なめのものを買うようにするとか
また、なるべくお弁当や惣菜じゃなく、素材を買ってきて料理をするようにするとか、そのほうがダイエットのためにもいいです。イチバンよくないのは単調な食生活になって、いつも同じ物ばかり食べることです。同じ添加物ばかりが増えてしまいます。
また、特売の調味料など、あまりにも安すぎるものはちょっと疑ってかかることも必要と言われます。食品添加物というのは食品のコスト を下げるためにも使われるのです。
もちろん私だって上に書いたようなものを食べないわけじゃないです。忙しい時はスーパーの惣菜やインスタント食品で食事にすることだってあります。外出したらファーストフードを食べることだってないわけではないです。でも、いつもそういう食事になってしまわないよう配慮することが大切です。
偏った食生活にならないよう気をつけたり、手間を掛けない日もあれば手間を掛ける日もつくるよう努めたり、やはりバランスが大事です。
食事を大切に考えるようにしましょう。
現代の日本はいつでも簡単に食べ物が食べれる便利な時代です。便利なことはいいことですが、便利だからゆえに有り難みが感じられなくなることもあります。昔は食事の時に食べ物やお百姓さんに感謝をしながら食べなさいと教わったものですが、昨今ではそういう家庭も少なくなっているのではないでしょうか ?
簡単に食べれるからついつい食べすぎちゃう。それが当たり前になってしまってダイエットで食事を減らしたりするとストレスに感じてしまう。そういった食に対する意識の変化が現代社会で肥満と病気を増やしているのではないでしょうか。
栄養はもちろん、味と香り、そして彩りや旬など食事を大切にすることと、現代社会の利便性を両立させることががなにより大切じゃないかと私は考えます。
以上のように、代謝の面からデトックスを捉えており、前回とは考え方が異なっています。