片頭痛の大半は”多因子遺伝”であり、”体質の遺伝”ではない | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

病気の90%は活性酸素が関与


 活性酸素に関しては今から50年以上前に米国の生化学者フリードビッヒ博士によって解明され、その後世界各国で研究が行われてきました。
 その結果、人が罹るあらゆる病気に活性酸素が関与していることが明らかになりました。 今や病気の90%は活性酸素が原因だということが判明したのです。
 それでは残りの10%は何かといいますと、風邪やエイズ、また最近増えてきている結核などの菌が体内に入っておこる病気、現在大流行しているコロナ・ウイルスによる新型肺炎、すなわち感染症です。
 このように、現在では人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると言われ、感染症以外の、ほとんどの現代病である生活習慣病(動脈硬化、ガン、認知症を含めて)は、活性酸素が原因と考えられています。
 活性酸素とは、ミトコンドリアがエネルギー産生を行う際に、必然的に生み出されてくるものです。

 

「ミトコンドリア病」


 ミトコンドリア病は大きく分けて2種類あります。


 「先天性ミトコンドリア病」と「後天性ミトコンドリア病」です。
 「先天性ミトコンドリア病」は、極めて稀な病気です。これは、生まれつきミトコンドリアの働きに不具合があります。
 ところが、「後天性ミトコンドリア病」は、ほとんどの現代病に当てはまります。
  水や食生活、放射能汚染や環境汚染、有害物質の蔓延などや酸素不足などを原因として、後天的にミトコンドリアの働きを悪化させて、発症するミトコンドリア病です。


 参考までに、ミトコンドリアの機能を悪化させるものには、以下の要因があります。


 1.生活習慣の問題


    睡眠不足・・睡眠の重要性
    運動不足
    食べ過ぎ・過食
    早食い・ドカ喰い・・インスリン過分泌
    薬剤による影響・・とくに市販の鎮痛薬


 2.食事内容の問題


   マグネシウム不足
   必須脂肪酸の摂取のアンバランス 
   鉄不足
   野菜不足・・抗酸化食品の摂取不足
   食生活の欧米化・・腸内環境の悪化


 3.生活環境の問題


    活性酸素
    有害物質


 4.年齢的な問題


    女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下
  
 

  後天性ミトコンドリア病とは、上記のような”原因”でミトコンドリアDNAが傷つくことによって、身体が”酸化”していく全身病なのです。


 ミトコンドリア機能異常は、ガン・糖尿病・筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン病・アルツハイマー病・心臓病・腎臓病・動脈硬化・神経変性疾患・片頭痛・筋骨格系障害など、様々な病気を引き起こします。
 このように、現代病のほとんどが、後天性ミトコンドリア病なのです。


 これまで述べて来ましたように、全世界では病気の90 %は活性酸素が原因とされ、ほとんどの現代病は、「後天性ミトコンドリア病」と考えられています。
 活性酸素はミトコンドリアがエネルギー産生を行う際に必然的に生み出されてくるものです。


 従来から、片頭痛はミトコンドリアの機能低下によって起こる頭痛とされて来ました。


 片頭痛は”ミトコンドリアのエネルギー代謝異常あるいはマグネシウム低下によって引き起こされる脳の代謝機能異常疾患”であると報告されています。


 Welch KMA, Ramadan NM Review article; Mitochondria, magnesium and migraine. J Neurol Sciences 134 (1995) 9-14


 もう少し詳しく説明することにします。


「ミトコンドリア病」とは?・・片頭痛の”疾患モデル”

 
 ミトコンドリアは全身のひとつひとつの細胞の中にあってエネルギーを産生する働きを持っています。そのミトコンドリアの働きが低下すると、細胞の活動が低下します。
 例えば、脳の神経細胞であれば、見たり、聞いたり、物事を理解したりすることが障害されます。心臓の細胞であれば、血液を全身に送ることができなくなります。筋肉の細胞なら、運動が障害されたり、疲れやすくなったりします。
 ミトコンドリアの働きが低下することが原因である病気を総称して「ミトコンドリア病」と呼んでいます。多くは生まれながらにしてミトコンドリアの働きを低下させるような遺伝子の変化を持っている方が発症しますが、薬の副作用などで二次的にミトコンドリアの働きが低下して起きる「後天性ミトコンドリア病」もあります。


この病気の原因は?


 ミトコンドリアの働きを低下させる原因として、遺伝子の変化に由来する場合と、薬物などが原因でおきる場合があります。大部分は遺伝子の変化で起きるであろうと考えられていますが、ミトコンドリアの働きに関わるタンパク質は優に1000を超えると推定されており、それらの設計図である遺伝子の変化がすべてミトコンドリア病の原因となる可能性があります。すでに200種類程度の遺伝子の変化がミトコンドリア病に関係することが分かっています。
 さらに、これら遺伝子には、細胞の核と呼ばれるところに存在する核DNA(通常のDNAです)に乗っている遺伝子と、ミトコンドリアの中に存在する別のDNA(ミトコンドリアDNAといいます)に乗っている遺伝子があります。
 新しいミトコンドリア病の原因が核DNA上の遺伝子から次々と明らかにされています。 また核DNAに比べると短いミトコンドリアDNA上の遺伝子にも、病気に関係する変化が患者さんで見つかっています。
 ミトコンドリアDNAはミトコンドリアの中に存在していますが、実は1個のミトコンドリアの中に5~10個くらい入っています。そのようなミトコンドリアはひとつひとつの細胞に数十から数百個あるので、1細胞でみるとミトコンドリアDNAは数千個も存在していることになります。ですので、数千個もあるミトコンドリアDNAのほんの一部が変化しても細胞のはたらきに何も影響しないし病気にもなりません。
 ミトコンドリアDNAの変化で病気になっている人は、通常は変化したミトコンドリアDNAの割合が高いことが知られているのです。


ミトコンドリアDNAは傷つきやすい


 細胞は増える時に、自らの遺伝子をコピーします。このコピーですが、時々間違ってコピーされることがあります。この間違いを塩基置換といいます。 
 また、コピー時だけでなく、何らかの刺激などで、DNAの配列が変わってしまう塩基置換もあります。塩基置換は致命的なときもありますが、なにも影響がなかったり、少し影響したりする場合があります。
 塩基置換は生物が環境に適応するのに、とても大切なことです。もし遺伝子が完璧にコピーばかりされていたら、環境が変化した時、その生物はそれに適応できずに絶滅してしまいます。


 ミトコンドリアは酸素を使ってATPを産生します。この際、体内に取り込まれた酸素の数%反応性の高い活性酸素やフリーラジカルになります。すなわち、ミトコンドリアは生体内における主要な活性酸素の産生部位でもあります。
 正常な状態でも活性酸素は産生されていますが、電子伝達系や呼吸酵素系の活性が低下すると、電子伝達系から電子がもれて活性酸素が生じやすくなります。
 ミトコンドリアは活性酸素を多く産生するため、ミトコンドリアDNAに突然変異が起こりやすい環境を作り出しています。
 しかも、ミトコンドリアDNAは核DNAと比べて修復能力が低いため、ミトコンドリアDNAで突然変異が起こる割合は核DNAの約10倍と考えられています。


  このように、ミトコンドリアDNAは活性酸素によって傷つきやすい特徴があります。
  このようにして先述のように、傷つけられたミトコンドリアDNAの数が一定数を超えくるとエネルギー産生能力が低下し、「後天性ミトコンドリア病」が発生してくることになります。このようにして片頭痛は発症します。


母から娘へと片頭痛が遺伝する理由はミトコンドリアDNAにあった!?


 母と娘の間で片頭痛が遺伝しやすいのは、ミトコンドリアに関係があります。遺伝にDNAが関係することは誰もが知っていることですが、細胞内のDNAとは別に、ミトコンドリアは独自のDNAを持っており、それが片頭痛の遺伝に関係しているのです。
 ヒトの精子には16 個程度のミトコンドリアが存在します。一方の卵子は10 万個といわれています。そして、精子に含まれるミトコンドリアは受精後にすべて死滅してしまいます。父性よりも母性のほうが強いというわけです。
 ということは、ミトコンドリアのDNAに関していえば、卵子に含まれるものだけが子どもへと受け継がれる。つまり100%の母性遺伝です。もし母親のミトコンドリアの代謝活性(元気さ)が低ければその影響を当然受けやすくなります。
 さらに、男性に比べて女性のほうが脳内セロトニンの合成量がもともと少ないわけですから、片頭痛の症状が発生しやすいのです。母から娘へと片頭痛が遺伝してしまうのには、こういう理由があつたのです。
 このように、私達の体を構成する細胞のDNAは両親の遺伝子を受け継ぐのですが、その細胞内に存在するミトコンドリアのDNAは母親の遺伝子だけが引き継がれていくことになります(100%の母性遺伝)。
 そのため、母親のミトコンドリアの数が少なく活性が低くければ、その子にはその性質が引き継がれ易くなります。また、男性に比べ女性の脳内セロトニン合成能力はもともと少ないことなどの理由から、母娘や姉妹に片頭痛持ちであることが多くなります。男性のミトコンドリア活性がその子に引き継がれていくことはありません。
 ミトコンドリアの活性が低くなると、細胞が活動するために必要なエネルギー発生量も少なくなります。その結果、器官や組織を構成する個々の細胞のエネルギーの不足が直接的に器官の機能低下を引き起こすことになります。


 分子化学療法研究所の後藤日出夫先生によれば、片頭痛の遺伝的因子としては、核遺伝子(DNA)のミトコンドリアへの影響も否定できませんが、ミトコンドリア活性が主と考えられます。
 ミトコンドリアの遺伝子は母親の遺伝子だけが引き継がれ、女性は男性に比べセロトニンの合成能力が低いため、母と娘の間で遺伝しやすい、これが「単一遺伝子異常」を除く、唯一の遺伝的な要因だと考えられます。
 それも、ミトコンドリアのどの部分のDNAがどうだから、どうなるといった類のものではなく、人にも背が高い人、低い人、肥えた人、痩せた人があるように、ミトコンドリアにも元気なもの、元気の無いものがいて、元気のいい母ミトコンドリアからは元気のいいミトコンドリアが生まれやすく、元気の無い母ミトコンドリアからは元気の無いミトコンドリアが生まれやすい程度のことです。ミトコンドリアは今の環境に満足してしまえば数を増やすことも元気に働くこともしない怠け者ですので、何らかの刺激で慌てさせるとその数や活性を増す生き物と考えられます。
 ということは、少々元気の無いミトコンドリアであっても鍛えればそこそこ強くなるし、殺してしまえば(アスピリンなど)どうしようもなくなってしまうということです。
 片頭痛の方はもともと活性の低いミトコンドリアを引き継いでいるわけですので、直ぐに活性を高めるということは困難だと思いますが、少なくとも殺すことを止め、元気を取り戻す刺激を与えれば、片頭痛の原因とならない程度には回復できるものと考えています。
  可能性のある遺伝子としての、ドーパミン受容体、セロトニン受容体の遺伝子多型、メチレンテトラヒドロ葉酸酵素、アンギオテンシン変換酵素遺伝子多型などについては、代謝異常であろうと思われます。
 ドーパミン受容体やセロトニン受容体についても、さまざまなホルモンのバランスで受容体の活性は異なりますし、そこに活性酸素(電磁波、化学物質などの刺激による)が加わることや、さまざまな生理活性物質の影響を受けて、受容体の活性は異なると考えています。
 当然、代謝の一種と考えると酵素、補酵素、ビタミン類、ミネラル類などの因子も考えねばなりません。
 結論として、「片頭痛は決して遺伝だけにより起きる病気ではなく、生活習慣の乱れによって惹起される病気であり、生活習慣を正すことにより治る病気である」と述べておられます。


「酸化ストレス・炎症体質」形成過程


 私達の生活環境は、知らないうちにミトコンドリアの機能を悪化させています。


 ミトコンドリアはエネルギーを産生する重要な細胞の小器官です。
 ミトコンドリアの機能が悪化すれば、エネルギーを産生する際の副産物として活性酸素を生み出してきます。そして、この活性酸素がさらにミトコンドリアの機能を悪化させるという悪循環を来すことになります。


 ミトコンドリアを増やすと、体全体のエネルギー発生量を増やすことができます。ミトコンドリアを増やし、活性化させると、エネルギー合成時に発生する活性酸素の消去する機能も高まります。
 しかし、弱ったミトコンドリアの活性酸素を消去する機能は低く過剰の活性酸素が発生し、その活性酸素によってミトコンドリアがさらに弱っていくという悪循環が始まります。


 活性酸素は、「呼吸をする」、「食事を摂る」、「運動をする」など、ごく普通の生活をしているときにも発生します。酸素を取り込み、エネルギーを作る過程で必ず発生するからです。そのほか、白血球が細菌を殺傷するとき、生理活性物質が作られるとき、有害物質(過酸化脂質、残留農薬、食品添加物、抗がん剤、薬物全般、アルコール、タバコ、大気汚染物質など)を解毒するとき、止まっていた血液が再び流れ出すとき(再濯流)、紫外線や電磁波(レントゲンなど)を受けたとき、強い精神的ストレスを受けたときなど、さまざまな要因により発生します。


 このように、ミトコンドリアが酸素を取り込み、エネルギーを作る過程で活性酸素は必ず発生します。もちろん活性酸素が体の中で増える一方ですと、人間はたちまち死んでしまいます。
 そのため、私たちの体は活性酸素を取り除く手段(抗酸化物質)を持っています。体内物質としては、尿酸、グルタチオンがあり、体内酵素としては、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチオンーペルオキシダーゼ、コエンザイムQなどがあります。
 ただ、この手段では手に負えない(消去できない)量の活性酸素が発生したとき、活性酸素の発生が”活性酸素を取り除く手段(抗抗酸化物質)の能力”より常に優位な状態が、いわゆる「酸化ストレス」になります。


  このようにして「酸化ストレス・炎症体質」が作られてきます。


 「酸化ストレス・炎症体質」とは活性酸素の発生が除去しきれないほど発生してしまう状態のことで、これらが原因で細胞が傷つけられ、さまざまな病気(炎症)を引き起こしてしまう状態・体質のことを言います。
  たくさんのミトコンドリアが余裕を持ってエネルギーをつくる態勢だと、活性酸素はそれほど問題になりませんが、少ないミトコンドリアが必死にフル回転でエネルギーを作ろうとすると、活性酸素がたくさん排出されてしまいます。

 

 自動車に例えるとわかりやすいと思います。ガソリンを使ってエンジンを動かしたら、排気ガスが出ます。同じように、ミトコンドリアも、エネルギーを作り出したら、排気ガスと同じようなものが出てしまうのです。それが、活性酸素です。
  例えば、360ccの軽自動車をブンブンふかしていたのではダメで、エンジンを大きくして(=ミトコンドリアを増やして)少ないガソリンで効率よくエネルギーを出し、排気ガス(活性酸素)の少ない良質なエンジンを積んでおくことが重要になってきます。
  生活環境の影響や年齢を重ねると、このミトコンドリアの数が減少していき、さらにミトコンドリアの働きも低下していきます。ガソリンばかり食ってあまりエネルギーが出ないような質の悪いエンジンになってしまうわけです。
 少量の活性酸素は有効に役立てられますが、活性酸素が増えてしまうと、害を及ぼします。
  質の悪いミトコンドリアは、「酸化ストレス・炎症体質」を形成させます。


 「酸化ストレス・炎症体質」は、ぼろぼろに錆びた金属に例えられる、「錆び体質」と言われるものです。ほとんどの現代人が抱える、さまざまな慢性病や生活習慣病の根底にある慢性病の源となっているものです。
 先述のように、「酸化ストレス・炎症体質」は長い間の生活習慣などにより起こり、特効薬を飲んだからといって直ぐに治るようなものではありませんし、特効薬などはありません。


 以上のように「酸化ストレス・炎症体質」とは、体の中から活性酸素がどんどん産生され、抗酸化作用が全く追いつかない状態で、いつも“腫れたり”、”痛みがでたり”、“熱がでたり”、”発赤したり”さらには、高血圧になったり、心臓や脳血管で血栓を起こしたり、コレステロール値が高くなったり、アレルギーになりやすかったり、風邪や癌などに罹りやすくなったり、頭痛を起こしやすくしたり、いろんな病気に罹りやすい”体質”のことです。


 この「酸化ストレス炎症体質」を基盤として、生まれつき“ミトコンドリア活性が弱い”と片頭痛に、これがなければ片頭痛以外の緊張型頭痛になります。


 このように、生活習慣病や慢性病や慢性頭痛と言われている病気の根底にあるのが「酸化ストレス・炎症体質」で、多くの場合「遺伝的体質」や「原因不明」という言葉で表現されているのが現状です。

  専門家のいう「体質の遺伝」とは、このことを示しています。


 現実に、慢性頭痛、とくに片頭痛は専門家の間では、片頭痛は原因不明の不思議で・神秘的な”遺伝的疾患”とされているのは、まさに、このことを示しています。


 このように、慢性頭痛の根底にあるのが「酸化ストレス・炎症体質」です。
 これを形成するのは、ミトコンドリアの機能が低下することに根本的な原因があります。
 ですから慢性頭痛を改善させるためには、ミトコンドリアの機能を改善させることが基本になっています。

 特に、片頭痛では生まれつきミトコンドリアの機能の低下が存在しますので、ミトコンドリアの機能を改善させることを優先して、第一に考えなくては、改善は望めないことになります。


 これまで述べたように、私達の生活環境および生活習慣にはミトコンドリアの機能を悪化させる要因に満ち溢れています。
 このミトコンドリアの働きの悪さが、「酸化ストレス・炎症体質」を形成してきます。


 片頭痛になる可能性のある方々には、生まれつきミトコンドリアの機能が低下しています。

  このためミトコンドリアの働きを悪くさせる要因を取り除く必要があり、これが行われませんと「酸化ストレス・炎症体質」を形成してきます。
 このような、「ミトコンドリアの働きを悪くさせる要因」は、生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活・食事摂取方法などの生活習慣が挙げられます。


 片頭痛は不思議で・神秘的な”遺伝的疾患”最近では”多因子遺伝”すなわち「体質の遺伝」とされていますが・・


 以上のように片頭痛には、遺伝的要因の極めて濃厚な方から、極めて薄く問診上「家族歴」の明確でないものまで含まれております。
 すなわち片頭痛における遺伝的関与の形式は、単一遺伝子性疾患のものも少数ありますが、大部分の片頭痛では”多因子遺伝”であろうと推測されています。
  これらを一括して、同一の「片頭痛」として扱ってよいかどうかという問題があります。


 これまでは、この2つを混同して考え、全てが曖昧な形になり、片頭痛が治らないという考え方が従来されて参りました。
 そして、このような大部分を占める多因子遺伝の場合、これに様々な「環境因子」が加わって、初めて片頭痛が発症して来ることが知られております。
 ここに、治癒の可能性のある片頭痛が存在すると考えております。
 従来、このような、環境因子を特定することが困難であるが故に、その環境因子を特定することなく、一括して「片頭痛」として扱われてきました。そして、後藤先生は「ミトコンドリア」の観点から、片頭痛そのものの「発症機転」に関わる部分(「酸化ストレス・炎症体質」(片頭痛体質))を改善させることによって、片頭痛は根治可能とされます。
  いずれにしても、片頭痛は遺伝病ではなく、あくまでも「環境因子」が加わって発症してくることは、ほぼ間違いありません。


 以上から、片頭痛の大半は、その遺伝素因である「ミトコンドリア活性の低さ」に、”環境因子”として、食生活が原因で「さらに、ミトコンドリア機能の低下」を来して「酸化ストレス・炎症体質」(片頭痛体質)を形成することにより引き起こされる生活習慣病と考えられます。


 片頭痛という頭痛は、皆さんのこれまでの生活習慣とくに食生活・姿勢等の問題が原因となり、謂わば、あなたの”生き方(ざま)”すべてが関与して発症してくるものです。
 これらは、いずれも日常生活を送る上で、”何気なく無意識に”行ってきた「食事・姿勢・体の使い方」が原因となっていることを意味しています。
 このために、あたかも”遺伝的疾患”であると誤解された理由でもあります。とくに食習慣の関与が大きいのが特徴です。


 そして、体質の遺伝???と、どうして言えるのでしょうか???

 

 このような”多因子遺伝”をする病気としては、身近なものとして、生活習慣病であるⅡ型糖尿病があります。
 Ⅱ型糖尿病は、糖尿病になりやすい素質(遺伝素因)をもっている人に、”環境因子”として、食べ過ぎや運動不足による肥満、アルコール、精神的ストレス、年をとること、その他多種多様の要因が加わって発症します。
 こうしたことから、糖尿病の治療方針として、この環境因子の是正に努めるべく「食事療法」と「運動療法」がまず行われ、これに「薬物療法」が追加されます。
  本態性高血圧の場合は、遺伝的体質的素因に加え、食塩摂取量、肥満、寒冷、ストレスなどの環境因子が加わり発症すると考えられています。
  このように生活習慣病すべては、”多因子遺伝”と考えられています。


 その他、”多因子”神経疾患として、特発性(真性)てんかん、孤発性パーキンソン病、多系統萎縮症、片頭痛、多発性硬化症が挙げられています。

 

 ミトコンドリア機能の低下」を来して「酸化ストレス・炎症体質」(片頭痛体質)を形成することにより引き起こされる生活習慣病であるが故に・・


      片頭痛の発作の”引き金”は??
    ・・・「酸化ストレス・炎症体質」に関連して・・・
       
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12580817354.html


 といったことで片頭痛が引き起こされるのであって、この引き金となるものを全て無くさなくてはならない、ということです。


 引き金を避けることによって、発作を回避するような”姑息的”なことでは、片頭痛は予防したことには決してならない、ということです。