「慢性頭痛治療指針」の作成を終えて・・ | 「頭医者のつぶやき」

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 こうした「慢性頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これまで、「慢性頭痛治療指針」のなかで、慢性頭痛の発症過程として、以下の4段階があると述べました。


第1段階 ミトコンドリアの機能低下→「酸化ストレス・炎症体質」の形成
第2段階 姿勢の悪さ
第3段階 ホネオスターシス(自然治癒力)の乱れ
  

 1.自律神経系・・セロトニン神経系→脳内セロトニンの低下
 2.内分泌系・・生理活性物質・・オメガ3とオメガ6のアンバランス
 3.免疫系・・腸内環境の悪化

  
第4段階 「脳過敏」を形成する要因
  

  1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
 2.脳内セロトニンの低下
 3.体の歪み(ストレートネック)の形成と長期間の持続
  

 そして、緊張型頭痛と片頭痛の基本的な差異は、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”の有無でしかありません。


 ここで重要なことは、以下の点です。
 
第1段階 ミトコンドリアの機能低下→「酸化ストレス・炎症体質」の形成

 この段階において、ミトコンドリアの機能を悪化させるものには、以下の要因があると述べました。

1.生活習慣の問題

  睡眠不足・・睡眠の重要性
   運動不足
   食べ過ぎ・過食
  早食い・ドカ喰い・・インスリン過分泌
  薬剤による影響・・とくに市販の鎮痛薬

2.食事内容の問題

  
マグネシウム不足
  必須脂肪酸の摂取のアンバランス 

  鉄不足
  野菜不足・・抗酸化食品の摂取不足
  
食生活の欧米化・・腸内環境の悪化

3.生活環境の問題

  活性酸素
   有害物質

4.年齢的な問題

    女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下



  このなかで重要なことは、「必須脂肪酸の摂取のアンバランス」です。

 脂質は細胞内小器官(ミトコンドリア)の膜構造を構成します。 
 細胞内小器官(ミトコンドリア)の膜構造には食べた脂肪酸がそのまま使われますので、どのような種類の脂肪酸を含む脂質を食べたかにより、膜構造の状態が大きく異なり、ミトコンドリアの働きが左右されます。
 このようなことから、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスが悪くなれば、ミトコンドリアの働きを悪化させることに繋がります。

 さらに、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスが悪くなれば、生理活性物質に影響が及び、第3段階 自然治癒力)の低下に関与することになります。  

  そして、第1段階の「ミトコンドリアの機能低下の要因」によって、セロトニン神経系の機能が悪化することになります。
 この両者によって、第2段階の「姿勢の悪さ」を引き起こすことになります。
 
さらに、第3段階 自然治癒力の低下には、以下が関与します。

  
 「セロトニン神経系」の機能が悪化することによって、自律神経の調節がうまくいかなくなってしまいます。
 
 先述の必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスが悪くなれば、生理活性物質に影響が及び、第3段階 自然治癒力の低下に関与することになります。

  腸内環境には、ミトコンドリアが最も多く存在し、腸内環境が悪化すれば、自然治癒力が低下することになります。

 このような3者によって、自然治癒力が低下することになります。

 そして、第4段階の「脳過敏」を形成する段階では
  
  1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
 2.セロトニン神経系の機能低下により脳内セロトニンの低下
 3.姿勢の悪さ→体の歪み(ストレートネック)の形成と長期間の持続

 このように、ミトコンドリアの問題、セロトニン神経系の機能低下(セロトニンの枯渇)、「体の歪み(ストレートネック)」の固定化の3つが尖鋭化して脳過敏が引き起こされることになります。

 このように各段階において、すべてが連続して関係していることになります。
 すなわち、このように分析的に分けて述べましたが、これらの4段階が同時進行していくことも念頭に置くべきなのかもしれません。

 片頭痛では、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”があるため、ミトコンドリアおよびセロトニン神経系の機能を低下させる影響をもろに受けるため、このような各段階における影響がモロに現れ、頭痛の程度も激しくなってくるということです。


  こういったことから、慢性頭痛を理解するためには、ミトコンドリア、セロトニン神経系、腸内環境、生理活性物質(とくに必須脂肪酸について)、体の歪みについての基礎知識が必要とされます。


 このような各項目については、それぞれの分野でのエキスパートの先生がおられるわけですので、こうした方々の考え方を貪欲に収集して、自分で「健康的な生活」を送るために何が大事なのかを考えながら、慢性頭痛対策を行っていく必要があります。
 現在では、スマホ全盛の時代です。こうしたことから簡単に情報収集が可能な時代です。
 このようにして、自分なりの慢性頭痛学、健康学を構築していくことが大切です。

 現在、頭痛の専門家の考えている臨床頭痛学とは、片頭痛学であり、トリプタン学でしかないことを忘れてはなりません。このようなもので私達の健康が守られることはあり得ない話です。
 今回提示させて戴いた「慢性頭痛治療指針」は、私の独断と偏見によって作成したものですが、皆さんはもっとより分かりやすい指針を作成できるかもしれません。

 ただ問題は、すべて健康食品で賄えると考えないことです。

 

 このようなことをすれば、これまでのように、未病の段階にある片頭痛に対して、トリプタン製剤だけで対処していると全く同じであり、厳に慎まなくてはなりません。
 現在では、健康食品に満ち溢れており、これらを食しておれば健康が手に入ると思われている時代であることを忘れてはなりません。
 このようにして、私達はトリプタン製剤とまったく同様の手口で、製薬メーカーの餌食になってはならないということです。


 私達が必要なものは、このような健康食品ではなく、正確な知識だけです。


 最後に、今回の「慢性頭痛治療指針」は、ダウンロードされてお気づきだろうと思いますが、文字だけの無味乾燥なものです。これでは、最後まで読むのに根気が必要とされます。このため、図や挿絵を随所に挿入することによって、楽しくご覧頂けるように先日来編集を重ね、昨日やっと完成しました。
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