私のブログの読者のなかには、分子化学療法研究所の後藤 日出夫先生の提唱される「3つの約束」を半年以上継続されておられるにも関わらず、片頭痛の辛い頭痛はかなり軽減されてきても、完全に頭痛が消滅しないために、もどかしい思いをされておられる方々もおられるのではないのでしょうか?
私は、こうした方々には、「体の歪み(ストレートネック)」が残存しているのではないかと懸念しております。
今回は、このような方々のために、これまでの繰り返しではありますが、「体の歪み(ストレートネック)」の重要性を改めて述べてみることにします。
専門家達は、「体の歪み(ストレートネック)」は頭痛とは、まったく無関係とされるため、「体の歪み(ストレートネック)」の診断基準すらなく、ましてやこの治療手技そのものがないため、これを是正させるためにカイロプラクター・整体師・鍼灸師に頼られる方もおられ、最近ではリンパ・マッサージという新たな分野も生まれてきています。
もう一度、「体の歪み(ストレートネック)」とは何かについて述べるとともに、どのように対処すべきなのかを、繰り返しではありますが述べることにします。
「姿勢の悪さ」を引き起こす要因
私達の生活環境は、「ミトコンドリアの働きを悪化させる要因」に満ち溢れています。その要因としては、以下のようなものがあります。
1.生活習慣の問題
睡眠不足
運動不足
食べ過ぎ・過食
早食い・ドカ喰い・・インスリン過分泌
薬剤による影響・・とくに市販の鎮痛薬
2.食事内容の問題
マグネシウム不足
必須脂肪酸の摂取のアンバランス
鉄不足
食生活の欧米化・・腸内環境の悪化
3.生活環境の問題
活性酸素 野菜不足・・抗酸化食品の摂取不足
有害物質
4.年齢的な問題
女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下
このように私達の生活環境および生活習慣のなかには、ミトコンドリアの機能を悪くさせる要因に満ち溢れています。
このため、ミトコンドリアの機能は低下してきます。そうなれば、同時に、セロトニン神経系の機能まで低下しています。
このような要因が存在するため、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、同時に起きている「セロトニン神経系の機能低下」と相まって、以下のような理由から「姿勢の悪さ」を引き起こしやすい状況にあります。
すなわち、ミトコンドリアは、全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ脊椎起立筋群に多く存在し、ミトコンドリアの働きが悪くなれば、当然のこととして「姿勢の悪さ」を引き起こしてきます。
さらに、セロトニン神経系は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることによって、「脊椎起立筋群」に働きかけていることから、セロトニン神経系が低下してきますと、セロトニン神経系本来の働きである「正しい姿勢の保持」が困難となり、「体の歪み」を招来し、結果的に「姿勢の悪さ」を引き起こします。
このように、「脊椎起立筋群」に対して、ミトコンドリアは、”筋肉そのもの”への関与、さらにセロトニン神経系は、”神経系の要因”として、関与し、姿勢を保持しています。
こういったことから、ミトコンドリアの機能が悪化している現代社会では、「姿勢の悪さ」が起きやすい生活環境に置かれています。
私達は、日常生活を送る上で、前屈みの姿勢を強制される生活環境に置かれています。
女性はなで肩で、首が細く、女性は男性に比べて筋肉の量が少ないので、筋力も強くありません。しかし、頭部は約6キログラムもあり、男女ともほとんど同じ重量です。
特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。現代社会はスマホ全盛の時代で、歩きスマホをされるご時世です。
こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。
ここにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時は大抵どちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たい物を持つ仕事をしている、赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの無意識に”おかしな体の使い方”をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎(背骨)の歪みが生じてきます。仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、”脊柱の捻れ”を最終的に引き起こしてきます。
人間の背骨(脊柱)はS状の湾曲を呈しています。人間は直立位を保っていますから、背骨が一直線ですと、全体重が下方の背骨に掛かることにより、すぐに下部の背骨がダメになってしまいます。
こうしたことにならないように脊柱はS状の湾曲を呈しています。
S状の湾曲を示すことによって体重の掛かり方を分散させています。ということは頸椎は前に湾曲を示していることになります。
ところが、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いて(捻れて)おれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。
これが、日常的に感じる極く軽度の頭痛です。
日常的に感じる極く軽度の頭痛は、姿勢の悪さに前屈みを強制される生活環境によって引き起こされ、「体の歪み(ストレートネック)」が形成される以前の段階において出現してきています。
体の歪み(ストレートネック)の形成と長期間の持続
このような前屈みや俯き姿勢が長期間継続すれば、「体の歪み(ストレートネック)」を最終的に引き起こしてきます。
このため、日常的に感じる極く軽度の頭痛が次第に増強することになります。
このような前屈みや俯き姿勢が長期間継続すれば、「体の歪み(ストレートネック)」を最終的に引き起こしてきます。
このため、後頸部筋肉群にかかった刺激は常時、三叉神経核に送られ続けられることになります。これが慢性頭痛、とくに片頭痛を引き起こす準備状態を形成します。さらに「脳過敏」を増強させます。
「体の歪み(ストレートネック)」が持続すれば、頸部の筋肉が絶えず刺激を受けることになり、この刺激は三叉神経核に絶えず送られることによって、
「ストレートネック」→首や肩の筋肉からの侵害刺激情報
↓ ↓
↓ 脊髄を介して三叉神経脊髄路核
↓ ↓
↓ 中枢性痛覚過敏(central sensitization, CS)
↓ ↓
↓ 脳の過敏性、頭痛の慢性化
↓
自律神経失調症状 → 交感神経機能低下→頸性神経筋症候群
(慢性頭痛)
尾側亜核で三叉神経と頸神経が収束する
「体の歪み(ストレートネック)」のために、頭半棘筋に凝りが出ると、それが大後頭神経を刺激し、その刺激が三叉神経に伝わります。大後頭神経と三叉神経は脳の中で、三叉・頸神経複合体を形成していて、繋がっていますので、大後頭神経の刺激は三叉神経核にも伝わります。
この経路は本来であれば、単なる交通枝であり、余り問題になるものではありませんが、「体の歪み(ストレートネック)」が改善されないまま、放置されることにより、”促通”という現象が形成されることにより、メインルートとなり、後頸部筋肉群にかかった刺激は、常時、三叉神経核に送られ続けられることになります。刺激が倍増してくることになります。
これがさらに、「脳の過敏性」、「頭痛の慢性化」へと繋がっていくことになります。さらに「体の歪み(ストレートネック)」は「閃輝暗点」を引き起こす要因にもなっています。
このようにして、片頭痛を発症させる要因にもなってきます。
それは、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”があれば、同時に、セロトニン神経系の機能が低下することによって、「姿勢の悪さ」がさらに増強することから、「体の歪み(ストレートネック)」が形成されやすくなってきます。
セロトニン神経系の機能の低下に、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、さらに生活習慣の不規則・ストレス・生理周期・“運動不足”が重なれば益々「脳内セロトニンが低下」することになります。
このようにして、「脳内セロトニンの低下」の要因が追加されて、「脳過敏」を増強させてきます。
「脳内セロトニンの低下」によって痛みを感じやすくなって、片頭痛を出現させることになります。
「体の歪み(ストレートネック)」そのものも、脳過敏の原因にもなります。
さらに、ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足が加わって、脳過敏を引き起こしてきます。
この3つの「脳過敏」を引き起こす要因が加わることによって、片頭痛へと進展していくことになります。
このような後頸部筋肉群にかかる刺激(「体の歪み(ストレートネック)」)を取り除くことが、まず慢性頭痛を起こさないために重要になってきます。
片頭痛も緊張型頭痛も共通して「頸部筋肉群の首疲労」を基盤として発症してきます。これは、両方の頭痛に共通して「体の歪み(ストレートネック)」が認められるためです。「体の歪み(ストレートネック)」をなくせば、慢性頭痛は激減することになります。
ここで注意すべきことは、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いて(捻れて)いることです。傾いて(捻れて)おれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。
これまでの当医院の調査では、体の歪み(ストレートネック)の確認率は、男性で52%、女性では68%と圧倒的に多く、緊張型頭痛では84%、片頭痛では95%に、群発頭痛では全例に、「体の歪み(ストレートネック)」が確認されています。
このように、緊張型頭痛でも片頭痛にも共通して「体の歪み(ストレートネック)」を認め、片頭痛では緊張型頭痛以上の頻度でみられるということは、緊張型頭痛と片頭痛は連続したものと考えるのが妥当のように思われます。
すなわち、緊張型頭痛に片頭痛が重なってきていると考えなくてはなりません。このために片頭痛での頻度が高いということです。
こういったことから、分子化学療法研究所の後藤先生の提唱される「3つの約束」を実践され、表層の片頭痛が改善されても、下層にある「体の歪み(ストレートネック)」が残存することにより、いつまでも慢性頭痛そのものは残ることになります。
このように、「姿勢の悪さ」から「体の歪み(ストレートネック)」へと進展していくことによって、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛を引き起こし、これがさらに増強することによって、慢性頭痛が増強し、ここにミトコンドリアの活性低下という遺伝素因があれば、片頭痛へと移行してくることになります。このように、緊張型頭痛も片頭痛も連続していることになります。
このように「体の歪み(ストレートネック)」は慢性頭痛発症の根幹となるもので、謂わば屋台骨・基本骨格をなすものです。
こういったことから、日頃から、姿勢を正しくし、「体の歪み(ストレートネック)」をつくらないことが、片頭痛治療上、重要になってきます。
ストレートネックが長期間、放置されて引き起こされる病態が東京脳神経センターの松井孝嘉先生が提唱される「頚性神経筋症候群」です。
結果として、さまざまな自律神経失調症状が引き起こされ、頭痛発作が「天気」によって左右されたり、光が異様に眩しく感じられたり、めまいが頭痛発作と関係なく出現したり、不眠、不安障害、パニック障害やうつ状態にまで発展することもあります。(これらは片頭痛の共存症とされています)
こういったことから、慢性頭痛がこじれた状態になったり、ムチウチの場合にも同様ですが、頭痛をはじめとする色々な訴えが出てきます。
その代表的なものは、「気象の変化、低気圧」によって頭痛が出現したり不定愁訴が増悪し、あたかも「天気予報士」のように天候を言い当てる方々もおられ、”気象病”の代表的疾患とされるほどです。
「体の歪み(ストレートネック)」を生み出す最大の原因は、99 % は前屈みや俯きの姿勢などを長時間続けるような生活習慣にあります。
こういった「体の歪み(ストレートネック)」の症状は、基本的には長い月日をかけてジワジワ進むものです。
しかし、なかには急速に進むこともあります。たとえば、四六時中、前屈みになって根をつめるパソコン作業を行うような日々を続けたとしたら、ほんの2,3週間ほどでカーブが消失してしまうことも少なくありません。
また、ときには車の追突事故などでムチウチになり、「体の歪み(ストレートネック)」が一気に加速することもあります。
ここで忘れてはならないことは、ムチウチを契機もしくは受傷後しばらく経過した後に、片頭痛が出現したり、これまでの片頭痛が一段と増悪することが日常茶飯事に経験されるということです。
その他の「体の歪み(ストレートネック)」原因としては、「歯の噛み合わせの悪さ」や「足病変との関連」から起きることもあります。
しかし、基本的には、「体の歪み(ストレートネック)」は、ミトコンドリアとセロトニンの関与から起きるものであることです。
ミトコンドリアの働きが悪ければ、セロトニン神経系の機能の低下が同時に引き起こされるということです。この両者によって引き起こされます。
このように、本家本元は、ミトコンドリアの働きの悪さによって引き起こされたものです。
「体の歪み(ストレートネック)」は経験的に30歳までに改善させませんと、固定化してきます。こうしたことから、概して女性の場合、30歳を超えてきますと、とたんに頭痛の頻度も増え、程度も酷くなってきます。
このため30~40歳代の苦難の時期を迎えてしまいます。
さらに特に女性の場合、さまざまなストレスが加わることにより、「脳内セロトニン」不足が持続することになります。
こうした時期になると、鎮痛薬やトリプタン製剤の服用も月に10回を超えるようになり、これがさらに「化学的ストレス」となって(見方を変えれば、鎮痛薬やトリプタン製剤も私達の体には異物です。異物を解毒しようと、ある酵素を出します。この酵素が働く過程でも、活性酸素が発生してしまうのです。 このため発作を起こりやすくします)、益々「脳内セロトニン」低下を倍増させてきます。これに対して抗てんかん薬(特に、デパケンは注意が必要です)を追加されることにより、一時的には発作回数は軽減されることはありますが、長期間連用しますと今度は「ミトコンドリア」を弱らせる結果、さらにトリプタン製剤の服用を減らすことができなくなるといった”泥沼の状態”を引き起こしてきます。
まさにエンドレスの状態に至ってしまいます。
さらに、更年期を過ぎてきますと、若い頃のように血管の”しなやかさが失われ”反応性も乏しくなり、片頭痛本来の拍動性頭痛でなく、緊張型頭痛のような鈍い頭痛に変化してきます。
これは、「体の歪み(ストレートネック)」がそのまま持続しているためです。
このため、頭痛に加えて、イライラ、不眠、めまいなどの不定愁訴が加わってきます。これが、東京女子医科大学脳神経外科の清水俊彦先生が提唱される「脳過敏症候群」そのものであり、東京脳神経センターの松井孝嘉先生の提唱される「頸性神経筋症候群」に相当します。
こうしたことから、うつ状態・めまい・冷え性等々のさまざまな”共存症”を合併することになります。
このように、慢性頭痛発症の根底には、まず、体の歪み(ストレートネック)が存在します。このストレートネックは子供の頃から既に存在します。
遅い場合は、前屈みの姿勢を強いられる作業環境に置かれ続けた場合、後天的にも形成されてくることになります。こうした方々は、片頭痛の発症時期は当然遅くなってきます。30歳以降に発症してくることも多いように思われます。
また、ムチウチの事故に遭遇しますと、その後、ストレートネックが形成・増悪してきて、このために緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛のいずれの形でも頭痛が引き起こされてきます。
しかし、国際分類では、ムチウチ後7日までに出現しませんとムチウチとの関連性は否定されます。しかし、現実には、ムチウチ後、かなり時間が経過してからムチウチと同じ症状が出現してくることは日常茶飯事ですが、この点は、国際分類では極めて曖昧な形になっています。これは、頭痛と頸椎病変に関する取り決めが極めて曖昧なことによります。
こういう点から、ムチウチからストレートネックが形成されてくるという松井孝嘉先生の主張を頭痛専門医は全く受け入れることなく、片頭痛の”慢性化の治療不可能な要因”として”頭部外傷・頸部外傷”を挙げています。
以上のように、「体の歪み(ストレートネック)」は慢性頭痛の発症の根幹となるもので、まさに屋台骨ともいえるものです。
「体の歪み(ストレートネック)」の健康への影響
猫背や前屈みの姿勢ですと、胸郭を大きく開いての深呼吸ができなくなります。こういった些細なことが「酸素不足」の要因になってきます。
このため、「体の歪み(ストレートネック)」が形成され、これが長期間に渡って継続することになれば、常時、「酸素不足」が存在することによって、エネルギー産生系は解糖系が優位となり、その結果、ミトコンドリア系によるエネルギー産生が低下することによって、片頭痛を引き起こされやすい素地を形成することになります。
解糖系が働きやすい環境は、低体温、低酸素、高血糖の3条件であり、片頭痛でも、エネルギー産生は解糖系に傾くことになります。
このように「体の歪み(ストレートネック)」が、「酸素不足(低酸素)」を引き起こしていることを忘れてはならないことです。
このような「低酸素」と片頭痛の関与を示す例は、卵円孔と呼ばれる2ミリ程度の心臓の小さな穴を塞ぐ手術によって、片頭痛が改善されることや、ストレスによって片頭痛が増悪する事実で明らかにされていることです。
これらの事実を、今後の「体の歪み(ストレートネック)」の治療に生かしていくことが大切になってきます。
それは、「深呼吸」を日頃から取り入れることです。
治療を進めていく際の注意点
これまで述べてきましたように、このような「体の歪み(ストレートネック)」は頸椎X線検査をするまでもなく、女性であれば存在するものと考えておくことが大切のように思われます。
ということは、日常生活を送る上で、「体の歪み(ストレートネック)」を作りやすい状況にあることを念頭に置いて、作らないようにすることです。
このためには、「姿勢を正しくする」ように日頃から注意することです。
そして、前屈み・俯き姿勢を強制される生活環境に置かれておれば、30 分に1回は、「首反らし姿勢」をとるような習慣を身につけることです。
さらに、就寝前には、「背骨伸ばしのストレッチ」を3分間、毎日行うことを習慣づけることです。このような単純なことを行えば済むことです。
問題は、30 歳を越えてきますと、「体の歪み(ストレートネック)」は固定されてくることによって、元通りにすることは極めて困難です。
この年齢になってから「体の歪み(ストレートネック)」を根本的に改善しようなどとは思わないことです。あくまでの「対症的に」対処すべきであり、この2つのこと、「首反らし姿勢」、「背骨伸ばしのストレッチ」を最低行うことが大切になってきます。
ここにレーザー照射療法を加えれば、鬼に金棒ということになります。
さらに、「慢性頭痛 治療の進め方」に記載された方法も取り入れることができれば、さらにベターということです。
要するところ、その日に架かった首の負担はその日のうちに解消しておくことが原則であり、決してこれを貯め込んで蓄積させてはならないということです。このような単純なことです。要は、するかしないかの問題でしかありません。
仮に、「体の歪み(ストレートネック)」を根本的に是正しなくても、首疲労だけでも改善させておけば済むことです。
さらに、以下のことを行うことです。
<背筋を1分間伸ばす>
先ずは、背筋を1分でもピンと伸ばす習慣をつけることです。
実はミトコンドリアは筋肉の中でも姿勢を保つ為の筋肉、特に背筋と太ももの筋肉に多く含まれています。背筋を伸ばすには背中の筋肉を意識して使い続けることが必要で、とても持久力を伴う動作です。
いつでもどこでも出来ますし、見た目も若々しくなります。
<毎日1分片足立ちをする>
また、毎日1分ほど片足立ちをするのもお勧めです。例えば体重60kgの人が普段両足で立つことで30kgずつ支えているとすれば、片足立ちしている間、足にはその倍の負荷が加わります。普段両足で支える体を1分ずつ片足で支えることで負荷を与え、バランス感覚も鍛えることが出来ます。
ゆっくりと「深呼吸」をしましょう。
私たちの祖先となる真核細胞が生まれる前、もともとはミトコンドリアは酸素を食べる細菌でした。
その、ミトコンドリアの栄養源はたったふたつ それは・・・ 「酸素」と「ブドウ糖」です。
私たちが酸素がないと生きていけない理由は、私たちの細胞を動かしているエネルギーを作るミトコンドリアが、酸素がないと生きていけないからです。
ですから、ミトコンドリアは、酸素が大好きなのです。
酸素を得るために必要なこと、それは、皆さんご存知、「呼吸」。
勿論、黙っていても、呼吸はしています。
しかし、私が提唱する呼吸とは、意識した呼吸。すなわち「深呼吸」です。
なぜ、深呼吸がよいかと言いますと、ミトコンドリアはゆっくりが好きだからです。
どういう ことかと言いますと、ミトコンドリアが酸素とブドウ糖からエネルギーを作る際、大変時間がかかります。
ミトコンドリアがエネルギーを作る際、栄養素は一旦、アセチルCOAになり、そこからクエン酸回路系というところを経て、ATPを作ります。
ミトコンドリアは一度にたくさんのエネルギーを作れますが、その分時間がかかります。
逆に短期間にたくさん酸素がきてしまうと、ミトコンドリアがエネルギー変換できなかったものが、活性酸素として排出されてしまいます。
活性酸素にちょっと触れただけで、赤色の活性化したミトコンドリアが一瞬に青色=死んでしまうほど、ミトコンドリア=からだにとっては天敵です。
だから、急激な運動や、あまり激しいトレーニングは、からだに良くないのです。ゆっくりと行う必要があります。
40歳を超えたら、運動は、ウォーキングや太極拳などゆっくりしたものがお薦めです。
運動できないにしても、まずは、吐くことを意識した深呼吸をしてみましょう。
先述のように、「酸素不足」が存在することによって、エネルギー産生系は解糖系が優位となり、その結果、ミトコンドリア系によるエネルギー産生が低下することによって、片頭痛を引き起こされやすい素地を形成することになります。
「胸を張る」ことです
「えっ、胸をはることとミトコンドリアって関係があるの?」と思う方がいるかもしれませんが、実はこの2つは大きく関係します。
理由は2つあります。 一つは「呼吸」です。
胸を張る動作は、胸郭を広げるので、肺が開き、それだけで酸素を、ゆっくりと、自然に取り込んでいきます。
ミトコンドリアが酸素好き!は覚えていますね。
2つ目は姿勢が良くなることです。
良い姿勢はあなたを美しくするだけでなく、考え方まで変えてしまう力があります。
それな何かというと、”心”と”体”は繋がっています。
たとえば、肩を縮め、目線を下げたまま状態でいるだけで、なんだか暗い気分になってきませんか?
これを逆手にとると、胸をはった状態では暗いことが考えられなくなります。
なぜかというと、視線は自然に、前または上にいくからです。
人間のからだは視線を上に向けたまま、ネガティブなことが考えられないようにできています。
だから、胸を張っただけで、気分を明るく、自分に自信がもてるようになるのです。
試しに実験してみましょう。
胸を張るという動作はミトコンドリアにとってよいと言いました。
その理由のひとつとして、気分が明るく、元気になると言いました。
なぜ、胸をはることと、気分がつながっていくのでしょう。
ここでひとつ実験してみたいと思います。
あなたが今一番ネガティブと思うことを考えてみてください。
まずは肩を縮め、視線は下にして、どんより暗くなることを考えてみてください。
どんよ~~~~りした気分になってきたかと思います。
頭の中はそのどんよりしたままの気持ちで、そこから、上体だけ変えていきます。
まず、視線をまっすぐにして、胸を張ってみましょう。
どうですか?何か気持ちの変化はありますか?
これだけではあまり変化を感じない方は次に、右手の人差し指を立て、視線はその人差し指をみたまま、そのまあ手を天高くあげていってみましょう。
はい、そこでストップ!
さて、あなたは最初のどんよりした気分のままでいられましたか?
不思議なことに、先ほどまでの暗い気持ちが持続できないことに気づいてきませんか。
このように、からだの状態が変えることで、こころの状態を変えることができます。
それが心と体は繋がっているということなのです。
私の尊敬する医師、帯津良一先生や西原克成先生は、病気は、生体のエネルギーバランスの乱れからくるといいます。
(この目に見えない生体エネルギーを、東洋医学では「気」、インド医学では「プラーナ」といい、帯津先生は「生命場」と呼びます。)
ミトコンドリアも生体エネルギーの中でいきているので、「気」のエネルギーによって、活性化したり、停滞したりするのです。
前回、紹介した胸をはる動作は、正しい姿勢をもたらし、この気の流れをよくしてくれます。
最初に、正しい姿勢とは何かというとからだの力が抜けたリラックスした状態で、頭頂部から足の裏まで、天と地と自分がすっと1本の線でつながったような自然な姿勢をいいます。
キーとなるのは背中です。
正しい姿勢は背中にヘンな緊張がなく、すっと伸びた状態にしてくれます。
そのためには、肩甲骨を寄せる動作、すなわち胸をはることが良いと紹介しました。
正しい姿勢は、キレイな体をも作ってくれます。
それは体全体で体重を支えられるようになり、からだに余計な負担がかからなくなるからです。
ミトコンドリアはキレイがすきといい、正しい姿勢はきれいなからだをつくるといいました。
正しい姿勢は、なぜきれいなからだをつくるかを具体的事例を紹介しながら説明したいと思います。
たとえば、胸を張ると、背筋が自然に伸び、それに伴い首もすっと伸びてきます。
そうすると、首への負担が減ってきます。
首への負担が減ると、それとシンクロするように首を支えている腕、それから首の上の顔(あご)の負担も減っていきます。
これはどういう効果をもたらすかというと腕を支えている二の腕や、あごを支えている顔の部分に負担がかからなくなり、結果的に二の腕が細くなったり、二重あごがなくなったりするのです。
たったそれだけでそんな効果があると疑問を持たれる方がいるかもしれません。 よく考えてみてください。
私たちは1日のうち2/3は立ったり、座ったりしているのです。
その時間、トレーニングしているとしたら。。。。
私は、そもそも、健康によいものはすべて美しいと思っています。
なぜなら、健康とは、人間本来の自然の姿であり、大自然の中で、自然の姿のままでいるものは、みな美しいからです。
ミトコンドリアはきれいが好き。あなたもきれいになってみませんか?
以上は、「ミトコンドリアを活性化させる9つの生活習慣」からの抜粋です。
以上のことを意識して行うかどうかだけのことです。
このような単純なことです。ただ、このことを日頃から意識して行っていくだけのことでしかありません。
最後に
「体の歪み(ストレートネック)」は女性だけにみられるものではありません。
以前には、男性にはほとんど診られることはありませんでしたが、冒頭でも述べましたように、ミトコンドリアを弱らせる要因が増加している現代社会では、男性でも日常茶飯事にみられる所見になっています。
このような「体の歪み(ストレートネック)」は、専門家は頭痛とは全く関係ないと考えています。
それをあからさまに示すものは、専門家が作成する「慢性頭痛診療のガイドライン」では、「体の歪み(ストレートネック)」の是正を目的として治療されるカイロプラクター・整体師・鍼灸師の施術を民間療法と蔑み、推奨ランクのCランク、すなわち全く効果なし、とされています。
そして、最近ではリンパ・マッサージという新たな分野も出現し、その効果が絶大なものであることが示されています。
このように、専門家達は、「体の歪み(ストレートネック)」を無視されるために、慢性頭痛そのもの、さらに片頭痛を根治させることができない理由にもなっていることを私達は忘れてはならない点です。