シリーズ「慢性頭痛の発症要因」を始めるにあたって | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 現在、専門家の間では、片頭痛は原因不明の不思議で・神秘的な”遺伝的疾患”とされ、緊張型頭痛の原因もまったく不明とされています。
 ところが、片頭痛にはトリプタン製剤という片頭痛の特効薬があり、片頭痛発作時に毎回、トリプタン製剤を服用しておりさえすれば、片頭痛は治るとされ、さらに同時に合併するパニック障害・うつ状態・冷え性まで改善され、将来的には、脳過敏症候群や脳梗塞までが予防できるとされ、片頭痛治療の適切な治療とはトリプタン製剤を服用することであるとされています。
 そして、慢性頭痛のなかで最も頻度の多い緊張型頭痛は、専門家の間では、全く取るに足らない極めて対処しやすい頭痛であり、筋弛緩薬・抗不安薬・血流改善薬を服用すれば簡単に治ってしまうものとされています。
 そして、群発頭痛では、驚くことに発作時にトリプタン皮下注射を毎回行うことで発作抑制を行うことが一般化されつつあるようです。
 このように、慢性頭痛治療では、「薬物療法」がすべてになっています。


 片頭痛のときに起こる脳の変化(閃輝暗点)が、PET、MRI(BOLD法)といった脳の新しい方法で、脳の病気が画像として確認され、群発頭痛の発作時には、視床下部が異常に活性化する事がPET、MRIなどの新しい測定法で発見されたことから、頭痛持ちの頭痛といわれるもののなかに「頭痛そのものが脳の病気」であることがわかってきたとされています。
   このように本来、脳のなかに異常のないものと定義されたものでありながら、「頭痛そのものが脳の病気」といった奇妙奇天烈な・訳の分からぬことを申されます。
 これまで、片頭痛の病態をトリプタン製剤の作用機序の面から説明してきたことによって、諸々の疑問点が生まれてきているところから、最近では、脳のなかに異常のない頭痛と”定義”される片頭痛が、”片頭痛発生器”というものを脳幹部付近に想定することによって、”中枢性疾患”という脳のなかに異常のある頭痛とまで、”基本的な定義”さえ覆されています。

 

 このような考え方で専門家が片頭痛治療を進めてきた結果、片頭痛患者さんの全体の3割の方々が片頭痛を慢性化させ、慢性片頭痛といった人生最悪の頭痛地獄の辛酸を舐めることに至っています。


 こうした事実は、先日も以下の記事で明らかに致しました。


        専門家が”片頭痛を治せない”理由
         
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12348077065.html


       現代の臨床頭痛学とは・
         
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12347635504.html


 ここでも述べましたように専門家は、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成される(世界で最も権威ある国際頭痛学会が作成した)「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および頭痛研究の絶対的な基準(教義・教典)とされます。
 そして、先述のように、本来、片頭痛は脳のなかに異常のない頭痛と定義されながら、脳のなかに異常のある頭痛と考えられ、緊張型頭痛とは一線を画す頭痛とされます。
 さらに、片頭痛という辛い頭痛発作が3日間前後続くものの、発作が終結してしまえば、もとの健康状態にまで回復するのが初期の片頭痛の特徴です。(慢性化すれば、このように簡単に治まることはなくなってきますが・・)
 このようなことから”機能性頭痛”とも表現されながら、人間が本来持っている「自然治癒力」の観点から論じられることはありません。


 このため、専門家のこれまで考えてきた問題点を総括し、今後、私達のための臨床頭痛学を構築する必要に迫られています。
 これを構築するためには、「国際頭痛分類 第3版β版」といった人為的な基準というミクロ的な”枠内”で考えるのではなく、生物学の法則(自然の摂理)に基づいて行わなくてはなりません。


 最近、立て続けに高校生の片頭痛の方々にメールで相談されることが相次ぎました。
 私のブログも最初からご覧になられていないため、どのようにお答えしてよいものか困惑していましたが、最短距離でこうした方々へお答えする目的で、今回のシリーズを企画した次第です。
 これまで述べてきたことを整理しなおして、新たにこのブログをご覧頂く方々のために述べることに致します。


 今回の「シリーズの原則」は以下の通りです。


  「国際頭痛分類 第3版β版」といった人為的な基準(枠内)で考えるのではなく、生物学の法則(自然の摂理)に基づくことです。
 人が罹る病気の90%は活性酸素が関与していることです。
 慢性頭痛とは、どのように考えるべきなのかという概念を確立することです。
 そして、自然治癒力という論点から、慢性頭痛を考えることです。
 慢性頭痛の発症要因を要素的に分析した上で考えていくことにします。


 このように考えることによって、慢性頭痛の段階にあわせて対処することです。
 ですから、頭痛発作時に、市販の鎮痛薬さらにトリプタン製剤のような鎮痛薬は、一切服用すべきではない、と申し上げるのではないということです。
 発作時には、たちまちは痛みをとることが原則です。市販の鎮痛薬が効いておれば、敢えてトリプタン製剤を服用すべきではありません。
 問題は、痛みが治まった段階にするべきことがあるということです。

  このように対処することによって少しずつ慢性頭痛を改善させていくということです。
 一挙に、根こそぎ根治させよう等とは考えないことです。
 ということは、自分の慢性頭痛がどのような段階にあるのかを把握してもらうための今回の「シリーズ」の目的とするところです。
 どのような段階にあるのかを理解した上で、その時期に合わせて対策を立ててもらうためのものです。
 現在、群発頭痛は、まったく原因不明とされ、群発期の期間だけに治療が集中しているのが実情ですが、群発頭痛の場合は、群発期の期間が終了した段階の間歇期にこそ、こうした考え方に従って、これまでの生活習慣の問題点を洗い出して、改善すべき点を是正していくべきと考えています。


 このように、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛に共通して対処すべきものと考えております。
 これが、慢性頭痛すべて、原因不明と考えられている現段階において、当面、すべきことと思っております。


 今回の「慢性頭痛の発症要因」は、慢性頭痛治療の基本となるものと思っております。
 これを基にして、これまで掲載していた「頭痛読本」、「慢性頭痛 治療の進め方」をご覧戴ければ、より理解が深まるものと思っております。


 今回の「慢性頭痛の発症要因」は、従来から、ブログをご覧戴いておられる方々には、これまでの知識を整理してもらうためのものであり、新たにブログをご覧になられる方々のためのものであることをお断りしておきます。