現代の臨床頭痛学とは・・ | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これまでの医学研究では、ミクロの世界を分析する事に重点が置かれ、重箱の隅をほじくるごとくのような枝葉末節(中心から外れた事柄)のことを追求する傾向が大きいために、患者の病気の部分しか診ない医師、その部分を薬で治せばいいと考える医師、患者の全体像を掌握できない医師 こういった「木を見て森を見ない」医師が少なくなく、今の医学研究に見られる傾向があります。そのため、体全体をマクロで捉えられない医師が非常に増えてきていますし、これからもこのような傾向が続くと思れます。
 

 このことは、頭痛研究の場面でも言えることで、「国際頭痛分類 第3版β版」が「絶対的な基準」とされています。
 頭痛研究も片頭痛が中心となり、それも各種のトリプタン製剤の作用機序の面から行われてきました。このように、片頭痛をトリプタンという薬剤といった”ミクロ的な”視点から研究されてきました。
 専門家が絶対的な基準とされる「国際頭痛分類 第3版β版」は、本来、片頭痛治療の世界にトリプタン製剤が開発された際に、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が、トリプタンを意識的に評価する目的でこの「国際頭痛分類」を作成したものです。
  本来の「国際頭痛分類 第3版β版」の目的とするところは、片頭痛を明確に定義することによって、間違いなく、片頭痛に対してトリプタン製剤を処方させるためのものです。これが、国際頭痛学会が作成した「国際頭痛分類」です。
 そして、”片頭痛と明確に定義された”「国際頭痛分類 第3版β版」の基準に合致しないものが緊張型頭痛とされ、いわば緊張型頭痛は”ゴミダメ”的な性格の強い頭痛とされ、専門家の間では、極めて”取るに足らない頭痛”とされてきました。このように同じ脳のなかに異常のない頭痛でありながら、片頭痛と緊張型頭痛はまったく別の範疇の頭痛とされ、頭痛研究も片頭痛が中心となり、それも各種のトリプタン製剤の作用機序の面から行われてきました。
 ということは、片頭痛研究は、「国際頭痛分類 第3版β版」に基づいて、トリプタン製剤が中心になって研究されてきたということであり、取りも直さずすべて「トリプタン製剤」といったミクロ的視点で行われてきたことを意味しています。これが世界の頭痛の専門家が行ってきたことです。
 このように「木を見て森を見ない」考え方をすべて象徴しています。


 その結果、肝心要の”中枢神経系でセロトニンが減少する”理由についてはまだ謎とされます。
 片頭痛の患者さんは,そうでない方と違って特別に興奮しやすい状態があるのではないかとされ、このような「脳過敏」を起こす原因もこれまた、不明とされます。
 そして、前兆に関連して、「大脳皮質拡延性抑制」が提唱されていますが、この「大脳皮質拡延性抑制」を起こす原因が分かっていないとされます。
 その前兆のかなり前に予兆と呼ばれる症状があります。あくびが出るとか,異常にお腹がすくとか,イライラするとか,眠くなるなどの症状があってから前兆が起こり,さらに激しい発作が起こること,発作が鎮まった後も気分の変調があったり,尿量が増加したりするなど全身の症状を伴うことが分かりました。そうなると,片頭痛は脳の血管,あるいは脳だけの局所的な疾患ではないのではないかという疑問が持たれています。
 このような観点から病態を説明する最大の問題点は、片頭痛が慢性化する理由が、一切、見当がつかないとされていることです。


 このような諸々の疑問点が生まれてきているところから、最近では、脳のなかに異常のない頭痛と”定義”される片頭痛が、”片頭痛発生器”というものを脳幹部付近に想定することによって、”中枢性疾患”という脳のなかに異常のある頭痛とまで、”基本的な定義”さえ覆されています。


 専門家は、片頭痛は原因不明の不思議で・神秘的な遺伝的疾患とされます。


  しかし、これまでも述べて来ましたように、片頭痛とはミトコンドリアの機能が低下することによって起きる頭痛と考えるべきものです。
 専門家のいう ”片頭痛発生器”とは、セロトニン神経系の神経核の存在する脳幹部・縫線核のことであり、ミトコンドリアとセロトニン神経系は連動して作用していることを忘れてはなりません。
  ”中枢神経系でセロトニンが減少する”理由については、同様に、ミトコンドリアの働きが悪くなれば、必然的に同時にセロトニン神経系の機能は低下します。ここに、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
  前兆に関連して、「大脳皮質拡延性抑制」が提唱されていますが、これは、ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足が加わった結果に過ぎません。
  予兆として、あくびが出るとか,異常にお腹がすくとか,イライラするとか,眠くなるなどの症状が出るのは、脳内セロトニンの低下状態を示す症状です。  発作が鎮まった後も気分の変調があったりするのも、脳内セロトニンの低下状態が残存しているためです。
 尿量が増加したりするのは、不足していたマグネシウムがホメオスターシス機能によって補填された結果です。
 「脳過敏」は、ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足が加わることと、脳内セロトニンが枯渇すること、「姿勢の悪さ」→体の歪み(ストレートネック)が長期間にわたって継続することの3つの要因によって引き起こされます。
 そうなると,片頭痛は脳の血管,あるいは脳だけの局所的な疾患ではないのではないかという疑問が持たれています。
  このことは、片頭痛がミトコンドリアの機能が低下して起きる疾患であるということに他ならないからです。ということは全身的な疾患です。
  片頭痛が慢性化する理由は、先述のように、ホメオスターシスの三角を構成する3つの要素、「自律神経を整えること」、「生理活性物質のバランスをとること」、「腸内環境を整えること」がすべてに問題が生じてくれば、「ホメオスターシスの三角」が崩壊し、自然治癒力は破綻してしまうことになり、ここで初めて「病気」としての慢性頭痛(慢性緊張型頭痛・慢性片頭痛)に至り、慢性化してくることになります。
 さらに、片頭痛の根底には「酸化ストレス・炎症体質」が存在し、これが年々増悪することによって片頭痛を慢性化させることになります。


 「治癒反応」である「頭痛(片頭痛)」をトリプタン製剤で「ホメオスターシス(自然治癒力)」を一方的に抑え込むことによって、「治癒反応」が停止・固定され、その結果 片頭痛は慢性化し、悪化してきます。
 これが、片頭痛が慢性化する最大の原因になっています。
 現実に、片頭痛全体の3割の方々は片頭痛を慢性化させ、苦渋を強いられています。この点は、極めて重要なことで、忘れてはならないことです。


 このように、専門家が考えるように、片頭痛をすべてトリプタン製剤といったミクロ的視点(脳内セロトニンの低下)から考える限りは説明がつかないことになります。


 ということは、片頭痛の病態の本質は「脳内セロトニンの低下」ではないということです。その本家本元はミトコンドリアの機能低下にあります。
 このように”マクロ的”に捉える必要があります。


 すなわち、ミトコンドリアの機能低下があれば、必然的にセロトニン神経系の機能低下が存在します。ここに生活習慣の問題点が加わって、はじめて脳内セロトニンが低下してきます。


 トリプタン製剤は、この低下した脳内セロトニンを一時的に補填しているに過ぎないもので、いくらトリプタン製剤を服用しても、本家本元のミトコンドリアの機能低下は継続して残存することになり、幾度も幾度も片頭痛発作が繰り返されることになります。


 このように、トリプタン製剤は片頭痛の特効薬でも何でもなく、単なる鎮痛薬に過ぎないものです。ですから、いくら片頭痛発作時に、毎回、トリプタン製剤を服用しても、片頭痛は治ることは決してありません。


 治る場合は、「自然治癒力が向上」した結果によるものです。

  このように単純なことでしかありません。


 結局、脳のなかに異常のない慢性頭痛とは何か、さらに私達が生命を維持していくために何が重要な役割を果たしているのか、といった”マクロ的な”視点で捉えない限りは、物の本質は見失われ、挙げ句の果ては、これまで専門家が行ってきたようなミクロ的な研究に終始せざるを得なくなり、片頭痛の本態解明には至ることはあり得ないことになっています。これだけのことです。


 こういったことから、臨床頭痛学とは、「国際頭痛分類 第3版β版」といった”人為的な”基準から考えるのではなく、生物学の法則(自然の摂理)に基づいて考えていく必要があります。


生物学の法則とは、自然の摂理のこと


  生物学の基本となるものには、ミトコンドリアにあります。
 このため、ミトコンドリアについて熟知することが医学の基本となります。
  私達が「健康的な生活を送る」ためには、ミトコンドリアが重要な”鍵”となり、生命の根源ともなるべき役割を果たしています。
 ミトコンドリアは、ほとんどすべての生物(人間、動物、植物、菌類など)の細胞のなかにあります)。
 通常では長さが1~4ミクロン、大きさが0.5ミクロンで、バクテリアとほぼ同じ大きさです。
 ミトコンドリアは、筋肉、肝臓、脳など、代謝が活発な細胞に多く(1細胞あたり数百~数千個)存在します。筋肉、肝臓、脳などでは、細胞質の40%を占め、成人では、10京個ほどで体重の10%を占めています。
  このように、ミトコンドリア自体の大きさは、バクテリアと同じ大きさで、まさに「ミクロの世界」そのもののように思われるかも知れませんが、体全体からみれば、体重の10%を占めており、私達の生命活動に直結する役割を果たしています。


ミトコンドリアの役割


 ミトコンドリアは私達の生命活動の”要(かなめ)”となり、私達の体を構成する細胞の中にあり、食事から摂取した栄養素から生きるために必要なエネルギーを作り出しています。
 エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”とも言えるものなのです。


 私達が日中活動している際に、常時活動している神経系統がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、ミトコンドリアでエネルギー産生が十分に行われないために、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
 「セロトニン神経系」の神経核は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
 セロトニン神経系は、”大脳皮質を覚醒させ、意識のレベルを調節する、自律神経を調節する、筋肉へ働きかける、痛みの感覚を抑制する、心のバランスを保つ”などの重要な働きをし、「健康的な生活」を送るためには欠かせない働きをしています。


 「健康的な生活」とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。


  この「生体のリズム」は「ホメオスターシス(自然治癒力)」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。
 「ホメオスターシス・恒常性(自然治癒力)」には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深く関わっており、3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角」と呼ばれます。
 ホメオスターシス機能の働きを正常に保つには、栄養バランスと生活バランスが大切で、「自然治癒力」の向上を図る必要があります。
 その調節機能が働くためには、当然エネルギーが消耗され、必要なビタミン・ミネラルが使われます。しかし、栄養状態が悪かったり、悪条件が続いたり、重なったりすることによって、調節機能が歪みを起こし、ホメオスターシスが次第に乱れることになります。
 こういったことから、ホメオスターシス機能の働きを正常に保つには、ミトコンドリアがまともに働いてエネルギー産生が十分に行われていることが必須条件となりますので、極めて重要になります。
  ホメオスターシスはストレスなどに大きく影響されます。例えば自律神経を失調させるストレスは内分泌を乱し、免疫力も低下させてしまいます。
 この3つのバランスが崩れてホメオスターシス機能が保てない状態になると、”頭痛”を肇とするいろいろな”体の不調”が現れることになります。


 ミトコンドリアは、全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ脊椎起立筋群に多く存在し、ミトコンドリアの働きが悪くなれば、当然のこととして「姿勢の悪さ」を引き起こしてきます。
 さらに、セロトニン神経系は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることによって、「脊椎起立筋群」に働きかけていることから、セロトニン神経系が低下してきますと、セロトニン神経系本来の働きである「正しい姿勢の保持」が困難となり、「体の歪み」を招来し、結果的に「姿勢の悪さ」を引き起こします。
 「姿勢の悪さ」は健康的な生活を送る上で、さまざまな悪影響を及ぼします。


  ミトコンドリアが最も多く存在するのが「腸」です。
  実は私たちの健康と腸内の環境は本当に深く繋がっているのです。
 特に近年、腸の免疫機能が注目されています。
 というのも腸管に体の中で最も重要で最も大きな免疫器官があるからです。
  腸内環境が悪化すれば、ミトコンドリアがまともに機能しなくなってきます。
  このため、腸内環境を整えることが極めて重要になってきます。

 

 以上のように、健康的な生活を送るためには、ミトコンドリアが重要な役割を果たしていることがお分かり頂けたと思います。


 ということは、私達の健康を考える際には、ミトコンドリア抜きには語れないことになります。ですから、病気を治すためには「自然治癒力」が重要であり、ここにはミトコンドリアが関与しているということです。


 こういったことから、ミトコンドリアを治すものが”病気を制する!”と言われる所以があります。
 このように”マクロ的に”病気を考えることが重要になってきます。


 慢性頭痛とは・・

 

 前回も述べましたが、脳のなかに異常のない頭痛であるはずの片頭痛が、現在では片頭痛だけは”脳のなかに異常のある頭痛”・中枢性疾患・「頭痛そのものが脳の病気」とされています。
 こうした考えそのものが、臨床頭痛学の進展を阻害してきました。


 すなわち、脳のなかに異常のない慢性頭痛の代表格は緊張型頭痛と片頭痛です。
 このような慢性頭痛を一括して、”マクロ的”に捉えることが重要になってきます。
  これらを別個に捉えるような考え方では、”ミクロ的”な発想しか生まれないことになってしまいます。


それでは、慢性頭痛とはどのように考えるべきでしょうか


 私達は、仕事が忙しかったり、ストレスが重なりますと日常的に「体調不良」を感じます。このような「体調不良」は、具体的には、疲れやすい、胃腸の調子がよくない、身体が冷える、身体がだるい、疲れがとれない、よくめまいを起こす、肩こりが酷い、食欲がない、よく眠れない、頭が重い・頭が痛い、足がつる、耳鳴りがする、夢をよくみる、喉のつかえ、むくみやすい、風邪をひきやすい、顔色が悪い、気分が落ち込む・優れない、活力がでない、元気がでない、何となく調子が悪い、寝起きが悪い、等々の訴えです。


 このように頭痛とは、「体調不良」のなかの訴えの一つに過ぎないものです。


 「体調不良」とは、病気とは診断されませんが、健康でもない。謂わば、“半健康・半病気”の状態に身体はあるのです。半健康・半病気の状態を、東洋医学では病気になる一歩手前だとして、「未病(みびょう)」と言っています。
 絶対的な健康ではなく、私たちの身体のバランスがどこか歪んでいるのです。
 これは「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」を意味しています。


 ということは、”脳のなかに異常のない”「慢性頭痛(一次性頭痛)」は、東洋医学でいう”未病”の段階にあり、すなわち健康と病気の中間に位置しており、この”未病”は本来、生活習慣の問題点から引き起こされ、ここから「病気」としての「慢性緊張型頭痛」・「慢性片頭痛」へと進展するものです。
 ですから慢性頭痛とは”未病”の段階にあり、「健康的な生活」を送ることを阻害する生活習慣に根本的な原因があります。
 そして、「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」によって慢性頭痛という「症状」が出現し、さらに様々な生活習慣の問題点が加わることによって、難治性の頭痛という「病気」にまで進展していくことになります。
 このように、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛、片頭痛では、未だ自然治癒力の低下状態(ホメオスターシス三角の歪み)の段階・すなわち”未病”の段階にあり、単なる「症状」でしかなく、「病気」に至る途中の段階にあり、ここに諸々の生活習慣の問題が加わることによって、初めて「病気」としての「慢性緊張型頭痛」・「慢性片頭痛」へと進展していくものです。


  そして、緊張型頭痛と片頭痛の基本的な差異は、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”の有無でしかありません。


 ということは、緊張型頭痛も片頭痛も、”未病の段階”にあるもので、慢性緊張型頭痛や慢性片頭痛に至って、初めて「病気」と考えなくてはなりません。


 片頭痛は”ミトコンドリアの活性低下”という「遺伝素因」をもとに、生まれてから諸々のミトコンドリアの働きを悪くする要因が追加されることによって、さらにミトコンドリアの機能を低下させることによって起きてくる頭痛です。この”ミトコンドリアの活性低下”はミトコンドリアDNAによって先祖代々(主として母系家族から)継承されます。
 先祖代々から継承されたミトコンドリアの働きの悪さの「程度」は、各人各様で千差万別です。
 この悪さが極端に悪ければ、片頭痛の発症時期も当然早くなり、小児期・子供の頃から発症します。
 それほど悪くなければ、ここに生後、ミトコンドリアの機能を低下させる要因が次々に追加されることによって発症することになり、片頭痛の発症時期も当然、遅くなってきます。
 一般的には20歳前後とされていますが、30歳以降に発症することもあり得るということです。
 生後、傷つけられたミトコンドリアDNAの数が一定数を超えくるとエネルギー産生能力が低下することによって、片頭痛が発生してくるためです。


 一般的には、女性の場合は、初潮の始まる時期に発症してきます。


 これは、女性は男性に比べて元々セロトニンの脳内合成が少ないため、生理時の「脳内セロトニン」の低下が主な要因になっており、初潮の始まる時期に発症してくることになります。


 ミトコンドリアDNAは生活環境および生活習慣により悪化してきます。
 ミトコンドリアの機能を低下させる諸々の要因を取り除かない生活を送ることによって、「酸化ストレス・炎症体質」が形成されてきます。
 ミトコンドリアの機能が低下すれば、ミトコンドリアが「ホメオスターシスを制御」していることから、「自然治癒力」が低下することになります。
 このようにして、「ホメオスターシスの歪み」・「自然治癒力」が低下が引き起こされてきます。


 このように、ミトコンドリアの働きを悪く」させる要因を是正・改善しませんと「酸化ストレス・炎症体質」を基盤として、ここに「ホメオスターシスの歪み(自然治癒力の低下)」が引き起こされることによって、この段階から、片頭痛発作が”出没する”ことになります。


  そして、「片頭痛発作を繰り返して起こす」ということは、「自然治癒力が低下している」という危険信号であり、日頃から「自然治癒力を高める」工夫が必要になってきます。
 「片頭痛」とは、このような「症状・危険信号」に過ぎないものです。


 すなわち「治癒反応」を示す症状なのです。
 自然治癒力を回復させようとしている「治癒反応」を「片頭痛発作」という形で、私達に知らせている警告信号なのです。
 このような工夫をすることもなく、片頭痛発作時にトリプタン製剤だけを服用して、頭痛を鎮めておれば、自然治癒力を奪うことになり、益々、片頭痛そのものは悪化の”みちすじ”を辿り、この状態に、前回述べたような「脳過敏を来す要因」が次々に追加されることによって、片頭痛の程度も増悪・増強してくることになります。


 さらに、ここにホメオスターシスの三角を構成する3つの要素、「自律神経を整えること」、「生理活性物質のバランスをとること」、「腸内環境を整えること」 すべてに問題が生じてくれば、「ホメオスターシスの三角」が崩壊し、自然治癒力は破綻してしまうことになり、ここで初めて「病気」としての慢性頭痛(慢性緊張型頭痛・慢性片頭痛)に至り、慢性化することになります。このように進展してきます。


 以上のように、専門家の考えている「臨床頭痛学」とは、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成した「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および頭痛研究の絶対的基準(教義・教典)とされます。


 ですから、この基準に従わない論文・研究業績はまったく評価されないことになっています。これが、全世界の頭痛研究者の共通した認識になっています。
 このため、「国際頭痛分類第3版」に反するものはことごとく排除されることになっています。これまで幾多の業績が排除されてきたというのでしょうか。
   例えば、「人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると謂われ、片頭痛がミトコンドリアの機能低下による頭痛(後天性ミトコンドリア病)である」とか、”「体の歪み(ストレートネック)」は頭痛と因果関係がある”、といったようなことです。これ以外にも枚挙の暇もない程です。
 こうしたことを一切、検証されることもなしに否定されることになります。


  このように、専門家の臨床頭痛学は、生物学の法則(自然の摂理)に基づいた臨床頭痛学とは、まったく相容れない性格のものであることを理解しておく必要があります。


 このように根源的にお互いが相容れない性格の物であることです。
  なぜお互い相容れないものなのかは、お互いの”利害”が関与しているということです。
 皆さんは学問の世界には、このような利害の世界は皆無と思われるかもしれませんが、医学の歴史を紐解けば、このような利害の対立によって成り立ってきたようなものです。
 例えば、キノホルム、水俣病、薬害エイズ等々数え上げればキリがありません。


 頭痛領域では、現在このような対立は表面には出てはいません。それは、仮に片頭痛が治らなくても、死に至ることがないからです。ただ、これだけのことです。


 専門家が、片頭痛が原因不明の不思議で・神秘的な”遺伝的疾患”と言われる限りは、無知の私達は信ずるしかありません。原因が不明であれば、治らないのは当たり前です。
 そして、慢性片頭痛という人生最悪の状況になっても、このように至る原因はまったく分からないと専門家に言われれば、ただ信ずるしかありません。


 このようなことが頭痛医療の世界では至極当然のように罷り通っています。
 このことを私達は知っておく必要があります。


  問題は、学会を主導される方々は、片頭痛が原因不明の不思議で・神秘的な遺伝的疾患と、なぜ主張し続けるのかを考えておく必要があります。


   片頭痛とはミトコンドリアの機能が低下することによって起きる頭痛であるといった考え方は、学会を主導される方々が我が国にトリプタン製剤を導入する以前から存在しました。にも関わらず、「慢性頭痛診療のガイドライン」を作成された段階でも、こうした考え方は一切、取り入れることはありませんでした。
 そして、トリプタン製剤が導入された時点で、欧米ではトリプタン製剤による薬剤乱用頭痛が多発していたにも関わらず、トリプタン製剤が片頭痛の特効薬として誇大宣伝を繰り返してきました。
 このように、学会を主導される方々は、トリプタン製薬メーカーと二人三脚で手を携えあって、トリプタン製剤の販売促進活動と啓蒙活動を行ってきました。
 このような経過をみますと、あたかも片頭痛が治っては困るとでも思っておられるのでしょうか?


   片頭痛が原因不明の不思議で・神秘的な遺伝的疾患と、主張し続けることによって、一生に渡ってトリプタン製剤を服用させることが可能となります。

 仮に、片頭痛とはミトコンドリアの機能が低下することによって起きる頭痛であると考えることによって、ミトコンドリアの機能を改善させることによって、片頭痛が改善されることになれば、どのようになるのでしょうか?
 片頭痛を発症させて間もない時期であれば、市販の鎮痛薬も効果を発揮します。こうした段階から根治療法を行えば、トリプタン製剤をまったく服用することなく、片頭痛が治ってしまうことになります。
 このようなことはあってはならないことです。生理時の頭痛が、片頭痛と言い切る程、生理が始まった段階の市販の鎮痛薬で対処できる段階からトリプタン製剤の服用を勧めてきました。
 市販の鎮痛薬で対処しておれば、市販の鎮痛薬は、この片頭痛の際の頭の痛みは取り去っても、水面下の脳の興奮状態は放置されたままとなっていると言われます。ですから、市販の鎮痛薬で痛みのみをごまかし続けると、水面下の脳の興奮状態が徐々に蓄積されて行き、ついには、はちきれんばかりの興奮状態が持続するようになると言われます。このような状態に陥ってしまうと、つねに光を敏感に感じ取り、太陽の光のみならず、室内の蛍光灯でも眩しがるようになります。診察室でも何となくまぶしそうに目を細めてしかめ面をされ、これを「脳過敏」と表現されます。
  ところが「体の歪み(ストレートネック)」が存在すれば、対光反射が非常に鈍いのです。光を当てても、瞳孔が本来よりも少ししか閉じないのが普通で、症状が酷い人の中には、まったく瞳孔が反応しない人もいます。まるで、死人の瞳のように光に無反応なのです。このため「ギラギラめまい」を引き起こしてきます。専門家には「体の歪み(ストレートネック)」といった概念は存在しないため、このような詭弁を弄することになっています。


 このようにして、片頭痛発症間もない若い女性に対してトリプタン製剤を勧め、さもなければ将来、脳過敏症候群や脳梗塞を併発してくると脅してきました。
 また、このように対処しておりさえすれば、パニック障害やうつ状態、冷え性までが改善され、トリプタン製剤が、あたかも万能薬であるかのごとく宣伝してきました。
 このような状況はまさに狂気の世界としか表現できない程でした。

 皆さんのなかには、こうした指導のもとにトリプタン製剤をひたすら服用させられた方々も多いのではないでしょうか?
 10年以上、トリプタン製剤を服用し続けたにも関わらず、片頭痛は治る気配は一向になく、逆に、片頭痛が益々増悪してきた方々もおられるのではないでしょうか?


 そして、「慢性頭痛診療のガイドライン」では、生活習慣の問題点を改善させる必要性がまったく記載されることもありません。
 この理由は、実際は「慢性頭痛診療のガイドライン」は製薬メーカーが作って、薬漬け医療を、全国の医師に“指示”しているためで当然のことでしかありません。
 このようにして、片頭痛治療で最も大切な、生活習慣の問題点を改善させる項目が欠如していることになります。
 結局、頭痛診療の診療指針となるガイドラインが、このような有様ですので、診察医は、トリプタン製剤や予防薬を処方するだけの診療になってしまいます。

 このようにして、片頭痛は一生治らなくなっています。


 60 歳以降では、エネルギー産生系の「解糖系」がほとんど機能しなくなるため、本来であれば(トリプタン製剤が片頭痛治療の世界に導入される以前の時代では)、片頭痛は自然に消滅していましたが、片頭痛治療の世界にトリプタン製剤が導入されて、これを発作の都度頻繁に服用することによって、ミトコンドリアの機能を悪化させることによって、なお「解糖系のエネルギー・システム」が残存することによって、片頭痛が継続してきます。
 なかには70 歳過ぎても発作に苦しめられる場合もあります。このようにトリプタン製剤が導入されて以降様相が変化してきています。
 このように片頭痛の罹病期間まで長くなってきています。


  こういったことから、片頭痛治療上、生活習慣の問題点を是正することが極めて重要になっていますが、専門家は一切こうした指導を行うことはありません。このような時間のかかる指導は、多忙な外来診療では、すべて無視されることになります。
 結果的に、長期に渡って受診してもらえることになり、製薬メーカーにも医師にとっても、これ以上のことはありません。
 このようにして、片頭痛が原因不明の不思議で・神秘的な遺伝的疾患と、主張し続けることになっています。


 ということは、片頭痛の原因が明らかになっては困ることになっており、無駄な研究は一切行われない理由にもなっています。


  以上、専門家が、片頭痛診療について、どのように考えているのかをきちんと理解しておく必要があります。少なくとも、片頭痛を治す意志は毛頭ありません。その理由はこれまで、「頭痛を考える 改訂版」 http://taku1902.jp/sub605.pdf で述べてきたことです。
 決して、甘い幻想を抱いてはならないということです。
 こういったことを理解した上で、私達自身で、片頭痛を治すことを模索していく必要があります。そのお手伝いをさせて戴くのが、このブログです。