片頭痛は”未病”の領域にある
片頭痛は”未病”の領域にあり、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”を基にして、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛を起点として、さまざまな生活習慣の問題点が重なることによって「いろいろな段階の片頭痛」へと進行し最終的に「慢性片頭痛」という難治な段階に至ることになります。このように進行性疾患です。
すなわち、片頭痛とは、遺伝素因である「ミトコンドリアの働きの悪さ」に、生活環境および生活習慣(とくに食生活)が原因で、エネルギーを生み出す際に生する活性酸素によって自分のミトコンドリアを傷つけることによって「さらに、ミトコンドリアの働きを悪く」させて「酸化ストレス・炎症体質」を形成することにより引き起こされる疾患と考えられます。
このミトコンドリアの働きの悪さは、ミトコンドリアDNAによって先祖代々受け継がれます。そして、ミトコンドリアDNAは生活習慣および外部の生活環境によって変化・悪化することになります。
ミトコンドリアの機能(ミトコンドリアDNA)は、生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣が加わることによって、低下してきます。
ミトコンドリアの機能が低下すれば、ミトコンドリアが「ホメオスターシスを制御」していることから、「自然治癒力」が低下することになります。
このようにして、片頭痛は発症してきます。
このため、片頭痛は日常的に感じる極く軽度の頭痛の段階から適切に対処して、以下のように予防・片頭痛への移行を阻止しなくてはなりません。
日常的に感じる極く軽度の頭痛(緊張型頭痛)の段階で
片頭痛は、緊張型頭痛から移行して起きてくるものです。
このため、まず、片頭痛の出発点ともなる”緊張型頭痛の段階”で予防しなくてはなりません。
この段階では、片頭痛の遺伝素因の有無は、現代が核家族が多いことから、明らかではなく、どこに隠れ片頭痛の方がおられるかは定かでないことに注意すべきです。
こうした「日常的に感じる極く軽度の頭痛」は2つの要因で起きてきます。
1.「脳の中に異常のない頭痛」の一次性頭痛(慢性頭痛)は、「生体のリズムの乱れ・歪み」から生じてきます。
ホメオスターシス・恒常性には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっており、3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角」と呼ばれます。
ホメオスターシスはストレスなどに大きく影響されます。例えば自律神経を失調させるストレスは内分泌を乱し、免疫力も低下させてしまいます。
この3つのバランスが崩れてホメオスターシス機能が保てない状態になると、”頭痛”を始めとするいろいろな”体の不調”が現れることになります。
これは、どういったことなのでしょうか?
ストレスによって自律神経系のなかの交感神経の緊張が持続すると、血管が収縮して低体温になり、さらに高血糖になってきます。
ストレスが持続すれば、マグネシウムを枯渇させることになります。
マグネシウムは、体中のインスリンの作用を応援する役割を持っています。
つまりインスリンの感受性を正常に保つように働きます。
マグネシウムが不足すれば、インスリンの機能が低下し、糖質と脂質の代謝が悪くなるため血糖値が上昇し、「高血糖」を引き起こすことになります。
このようにして、ストレスが持続することによって、低体温、低酸素、高血糖が招来されることによって、解糖系のエネルギ―が主体となってきます。
また、マグネシウムイオンが不足すると細胞内小器官(ミトコンドリア)の”膜構造ならびに細胞膜構造”のイオンポンプの力が弱くなり、細胞内小器官であるミトコンドリア膜の透過性も亢進し、ミトコンドリア内に入り込んだカルシウムイオンは、ミトコンドリア外へ出ていけません。このために、カルシウムはミトコンドリア内に少しずつ蓄積してきます。ミトコンドリア内カルシウムイオンの増加が起こります。このようにして、ミトコンドリア内カルシウムイオン濃度を薄めるために細胞浮腫、つまり水ぶとりの状態になります。
細胞内のカルシウムイオン濃度が異常に高くなり過ぎますと、ミトコンドリアの調整機能は破壊されてしまいます。
その結果、調整機能が壊れたミトコンドリアは死滅してしまいます。
ミトコンドリアのエネルギー産生やミトコンドリア自体の生死には、ミトコンドリア内のカルシウムイオン濃度が強く関係していて、カルシウムイオン濃度は片頭痛の発症にも非常に大きな原因となります。
このようにして、ミトコンドリア系のエネルギー産生能力が低下します。
こうしたことから、ストレスの環境下に置かれた場合は、常に、マグネシウムの補充を考えなくてはなりません。
ストレスが持続すれば、脳内セロトニンも低下してきます。
このようにして、ストレスによって「ホメオスターシスを歪ませる」ことによって、「脳の中に異常のない頭痛」の一次性頭痛(慢性頭痛)は引き起こされてきます。
2.前屈みの姿勢をとる生活環境
日常生活を送る上で、私達は前屈みの姿勢をとる生活環境に置かれています。特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。
仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。
こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。
これにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時はたいていどちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たいモノを持つ仕事をしている、赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの”おかしな体の使い方”をしていると、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。
仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、「体の歪み(ストレートネック)」を最終的に引き起こしてきます。
このようにして「体の歪み(ストレートネック)」が作られてくることになります。
ですから、まず、「体の歪み(ストレートネック)」を予防することが極めて重要です。
このため、日常的に前屈みの姿勢を取らざるを得ない生活環境に置かれていることを念頭に置いて、おかしな体の使い方をしていないかどうかをチェックしなくてはなりません。
長時間に渡る前傾姿勢は厳禁であると心得、30分に1回は前傾姿勢を解き、首を労る配慮を常に行っていく必要があります。そして、”前屈みの姿勢”を強いられる作業環境におかれておれば、毎日の”背骨伸ばし”のストレッチを生活習慣としなくてはなりません。
そして、「頭痛・肩こり」を自覚すれば、極力早めに医療機関を受診の上、頭部CTおよび頸椎X線検査を受け、頭部CTで異常のないことを確認の上、頸椎X線検査で「体の歪み(ストレートネック)」を確認しなくてはなりません。もし、この段階でストレートネックが確認された場合、その原因として”前屈みの姿勢”と”ミトコンドリアの関与””脳内セロトニンの関与”の3つの要因を念頭において対策を考えていかなくてはなりません。
こうした場合、市販の鎮痛薬には絶対に手を出さないことが原則です。
市販の鎮痛薬に頼らず、頭痛・肩こりを改善させる方法を考えなくてはなりません。そのために、「首」の555体操、指さし体操、頭痛体操、肩首のスットン体操、両手振り運動など適当に組み合わせて行い、頭痛・肩こりを改善しなくてはなりません。
ストレートネックに至っておれば、”体の使い方のおかしなクセ”がないか確認をした上で、「背骨伸ばしのストレッチ」、「仙腸関節のストレッチ」、「あご引きエクササイズ」、「簡易版・首の関節包内矯正」、「簡易版・腰の関節包内矯正」を組み合わせて行うことによって、徹底してストレートネックの是正に努めなくてはなりません。そうしませんと、この「体の歪み(ストレートネック)」は、今後の片頭痛の出発点ともなるものだからです。
ここを疎かにすれば、片頭痛へ移行させていくことになります。
この「体の歪み(ストレートネック)」を無視すれば、頭痛は次第に増強してきます。
これを無視すれば、これに諸々の要因が追加されることになってきます。
片頭痛体質(酸化ストレス・炎症体質)を作らないために
自然治癒力を高めるためには
「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの、自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系は”ホルモン”と”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めています。
”セロトニン神経系”の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
内分泌ホルモンに相当する”生理活性物質”のひとつのエイコサノイドは、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6で作られ、この摂取バランスがよくないと、局所ホルモンのエイコサノイド・プロスタグランジンのバランスを乱すことになります。
必須脂肪酸は生体膜(細胞膜)を構成しており、オメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、ミトコンドリアの機能・セロトニン神経系の機能にも影響を及ぼし、結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。
このように、脂肪の摂り過ぎ、それもオメガ6の過剰摂取は、プロスタグランジンの過剰な産生を促します。このため、食生活を工夫することによってプロスタグランジンの過剰な産生をコントロールすることが重要になってきます。
”腸内環境”は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。
また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。
このように、「ホメオスターシス三角」を構成する”この3つ”は、生活習慣とくに食生活・ストレスによって影響を受けています。
このように、複雑な多くの要因、とくに食事の影響が極めて大きいことを忘れてはなりません。
このため、自然治癒力を高めるためには、「ホメオスターシス三角」を構成する”この3つ”を「健全化」させておくことが重要になり、特に食生活に配慮することが大切になってきます。
このようにして、「ホメオスターシス(自然治癒力)の歪み」から引き起こされる、日常的に感じる極く軽度の頭痛を予防していかなくてはなりません。
こうした配慮が欠ければ、マグネシウム不足が継続することによって、ミトコンドリアの機能は益々低下し、脳内セロトニンも低下してきます。
そして、脂質の摂り方に問題がある(オメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくない)とかが継続し、腸内環境が悪化すれば「酸化ストレス・炎症体質」 を形成させることになり、片頭痛へ移行させる素地になってきます。
これらの点を怠れば、片頭痛体質(酸化ストレス・炎症体質)を形成してくることに至ってくるということです。
「脳過敏」の要因を摘む
そして、「ミトコンドリアとの関与」を想定した上で、ミトコンドリアを弱らせない対策を考えなくてはなりません。そのためには、マグネシウムを十分に補給することによってマグネシウム不足にならないようにする配慮が必要とされます。
安易にアスピリンを含む鎮痛薬、意味のない抗生物質の服用を止めることです。
そして、有害物質の摂取を極力控えることです。有害物質のデトックスをかねて水分補給に心がけ、食物繊維を十分に摂取することです。腸内環境の悪化を考慮して、便秘への配慮を行うことです。このためには肉食は控えめにすることです。
さらに、「脳内セロトニン低下」を想定した上で、早寝・早起きを原則として、運動不足にならないように、こまめに体を動かし、”小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続けない配慮をしていくことです。
そして、規則正しい生活を心がけるようにします。
さらに、「ストレス対策」として、「セロトニン生活」を心がけるようにします。
このようにして、徹底した「体の歪み(ストレートネック)」の改善に平行して、ミトコンドリア・セロトニン対策を行っていかなくてはなりません。
結局、このような知識が最低限必要とされ、日常生活を送る際に念頭において注意していくことが大切になってきます。
片頭痛予備軍として考える
家族および親戚のなかに”片頭痛持ち”の方がいらっしゃれば、将来の”片頭痛予備軍”と心得て対処しなくてはなりません。
先程述べたことを厳重に実行しなくてはなりません。
”脳過敏”を引き起こす要因として
1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
2.脳内セロトニンの低下
3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続
の3つがあります。片頭痛の基本的な病態は「脳過敏」(脳がちょっとしたことで反応しやすくなることです)にあるとされます。このように少なくともこうした3つの「脳過敏」を引き起こす要因が次々に追加されることによって、”緊張型頭痛”から”片頭痛”にまで進展していくことになります。
こうしたことから、常々、マグネシウム不足に陥らない配慮が必要とされ、少しでも油断すれば、マグネシウム不足になってくることを意識することが大切です。
“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば「脳内セロトニンが低下」することになり、さらに生活習慣の不規則・ストレスによって、さらに低下することになります。先程の市販の鎮痛薬(アスピリン含有)や抗生物質の乱用、有害物質の摂取、カルシウムとマグネシウムの摂取バランスが悪ければマグネシウム不足が引き起こされミトコンドリアの働きを悪化させることになります。
このような配慮を行う限りは、”緊張型頭痛”から”片頭痛”への移行は阻止できます。
このようにして、片頭痛は予防は可能となります。特に、身内の方に片頭痛の方がおられれば、当然のこととして、自分が”片頭痛予備軍”であることを自覚して、上記のような配慮を早期から行わなくてはなりません。
決して、血筋とか遺伝するものと考えないことです。このように考えれば、予防などは”論外”ということになりかねません。
慢性頭痛は予防すべきです
http://taku1902.jp/sub418.pdf
慢性頭痛へのストレスの影響
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12289517890.html