前回は、未病に対する考え方として、神奈川県では、2014年から「未病産業」を推進させる施策を行っています。これに対して、神奈川県保険医協会の先生は神奈川県の施策に異を唱えておられることを述べました。
疲労困憊の人、ストレスを抱えた人、便秘がちの人、肌荒れの人、二日酔い等々の方々は健康人というよりも、正確には、「疾病に羅患していない人」(未病)です。
また、糖尿病予備軍(境界型糖尿病)や軽度認知障害(軽度認知症)、メタボ(メタボリック症候群)、高血圧前状態の人は健康な人に分類されたり、病人として医師が対応したりします。
このような病像は、東洋医学でいう未病の範疇にありますが、医師の考え方によって対応の仕方が異なっています。
病気として考える医師は、効果効能が明確に認められた医薬品を使って治療することになります。
その代表的なものが、慢性頭痛のなかの片頭痛です。
片頭痛には効果効能が明確に認められたトリプタン製剤が存在することから、本来”未病”の段階にありながら、明確に「病気」として扱われています。
また、軽度認知障害(軽度認知症)に対しては、抗認知症薬を投与すべきか議論されるなかで、CS19ペプチド が開発されることによって、対処が異なっています。
一方、健康人の不調”未病”に対しては個人の判断で食品、運動や休息で対応することになります。
最近は、特保(特定保健用食品)や機能性表示食品という分類ができてきて、効果効能は言えないけれど、それなりの示唆することが言えることになりました。これを薬食区分といいます。この区分では、食品は医薬品よりも効果効能がないことが前提となっています。
未病に対して、このような特保(特定保健用食品)や機能性表示食品
が一般的に使用され、これが未病産業の一役を担っています。
この代表的なものが養命酒で、発売当初から、このような体調不良を訴える方々(未病)に愛用されてきました。
これまで、このような未病に対して、どのように対処すべきか以下で述べてきました。
「健康読本」 健康的な生活を送るために
http://taku1902.jp/sub542.pdf
ところが、このような未病に対して、特保(特定保健用食品)や機能性表示食品を利用される方々が増加してきました。
こうしたことから、特保(特定保健用食品)や機能性表示食品とは、どのようなものかを改めて考えてみることにします。
果たして、これで未病が治せるものなのか、ということです。
健康食品 ~ 保健機能食品とは ~
健康食品市場は現在2兆円規模と言われ、消費者委員会が行ったアンケート調査でも実に6割の人が健康食品を利用していると回答しています(消費者の「健康食品」の利用に関する実態調査,消費者委員会,平成24年5月)。
このように社会に広く認知されている健康食品ですが、実は法令上の定義はありません。「健康食品」という名称は、単に「健康の保持増進に資する食品として販売利用される食品」を意味し、有効性や安全性をなんら担保するものではありません。特に有効性の面では、健康食品は効果・効能をうたうことが薬事法で禁止されているため、「効きそうなイメージ」や「利用者の個人的な感想」を喧伝しているのが現状です。
しかし、近年、生活習慣病の増加が問題になり、国民の健康の維持・増進のためには利用者が自ら選択するのに充分な情報を与えることが重要との考えから、食品に機能や用途表示ができる保健機能食品の制度が創設されました。この保健機能食品は国が制度化した「健康食品」とも呼べるものです。
1.保健機能食品の制度(栄養機能食品と特定保健用食品)
保健機能食品には栄養機能食品と特定保健用食品の区分があります。栄養機能食品は栄養成分の補給や補完を目的とした食品で、5種類のミネラルと12種類のビタミンについて規格基準を満たせば、許可や届出なしに栄養素の機能表示ができます。
一方、特定保健用食品(通称、特保・トクホ)は健康の維持増進や保健の用途に資することを目的とした食品で、安全性や有効性について科学的根拠を示して個別審査を受けて許可されると「血圧が高めの方に適する」、「食後の血糖値の上昇を緩やかにする」などの保健用途表示ができます。
このように保健機能食品(栄養機能食品と特定保健用食品)では、いわゆる健康食品を含む一般食品には認められていない機能表示が認められていますが、同時に使用に当っての注意喚起や摂取目安量の表示も義務付けられており、利用者はこの点を良く理解したうえで適切に利用する必要があります。
2.保健機能食品を利用するにあたって注意すべきこと
いわゆる健康食品を含めて「これさえ摂れば健康になれる」というようなものはありません。健康の基本は、適度な運動とバランスのとれた食事であり、保健機能食品はそれを補完するためのものです。栄養機能食品は普段の食事では不足しがちな栄養成分を補う目的で、特定保健用食品はバランスの良い食事を摂りつつ、健康上気になる点に応じて通常の食品と置き換えるのが良いでしょう。例えば、体脂肪が気になる方は、油の使用量を控えた上で、さらに普通の油を特保の油に切替えるのが有効です。保健機能食品は乱れた食生活の免罪符ではありません。
また保健機能食品は、栄養成分の機能や保健用途が表示されており、一定の効果を期待して良い食品ですが、たくさん摂れば良いというわけではありません。過剰摂取は逆に健康を損なうおそれがあり、摂取目安量を守ることが重要です。他の保健機能食品や健康食品との併用も避けた方が良いでしょう。それぞれの摂取目安量を守っていても同じ関与成分を含む製品をいくつも摂れば、結果として過剰摂取になります。また異なる関与成分でも作用機序が同じであれば効果が重なって過剰摂取と同じ結果を招くかもしれません。
保健機能食品は未病の方を対象とした健康の維持増進のための食品であり、病気を治す薬の代わりにはなりません。薬と同等の効果を期待して、保健機能食品だけに頼ると治療の機会を逸し、取り返しのつかない事態を招くかもしれません。病気の治療中の方や病気の疑いがある方は、医師や薬剤師など専門家と相談しながら、保健機能食品を利用してください。
繰り返しになりますが、健康の基本は、適度な運動とバランスのとれた食事であり、保健機能食品はそれを補完するためのものなのです。
生体防御機能を高めるのは、医薬品ではなく機能性食品
感染症、急性期疾患は西洋医療、生活習慣病などの慢性期疾患は代替医療―。
統合医療の重要性を唱える医師らは、こうした治療法の棲み分けが医療の効率化につながると説いています。
その一方で、感染症治療でも抗生物質の限界を指摘する医師が少なくありません。
例えば、強力な抗生物質であるバンコマイシンの投与によって、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)が発現、それを叩く新世代抗生物質としてザイボックスが開発されましたが、その耐性菌の出現を昨年夏、米国イリノイ大学医学部の研究チームが確認しています。米国では、尿路感染症の治療に抗生物質の投与をやめ、クランベリーを使ったハーブ療法を選択する動きも出ています。
がん治療の現場でも化学療法の副作用軽減またはQOLの改善を目的に機能性食品を併用するケースが増えています。セコム損保が商品化した自由診療保険「メディコム」も、代替医療の普及を視野に入れて開発したといいます。
がん治療の考え方について語るニューヨーク医科大学・田崎寛教授の話は興味深いと思われます。
「国際社会のひずみによってテロリストが生まれるように、がん細胞も身体のひずみによって発生します。テロに対する武力制圧は、あたかもがん細胞に対する薬物治療と言えます。どちらも一時的な効果はあっても根本的な解決策にはなりません。むしろそれ自体が報復、副作用を引き起こす原因となります。
国際社会では、民族、宗教、社会システムの違いを超えて、共生・強調する道を選択する新たな思想、哲学が必要になっています。これが真のグローバルスタンダードです。
がん治療も、がんと共生しながらQOLを重視する医療が必要になっています。また、予防策としては、健康を脅かすテロリスト(がん細胞)を発生させないための体内環境をつくることがポイントになります。
従って生体防御機能を高めるのは、医薬品ではなく、機能性食品です」。
機能性食品の存在意義は、田崎教授の言葉に尽きますが、問題はどういう機能性食品を選択するかにあります。
中国の家庭に浸透「医食同源」
中国には昔から「人は食によって養われる」という言葉がありました。「医食同源」の根源となっている考え方ですが、やはり食養生は、生活医学の中でも根幹を成すものなのです。
未病を治す一番の方法は、毎日の食事と言っても過言ではありません。食べ物で健康を保つという考え方は、中国では3000年以上も前から「食養生」として伝えられてきました。 中国の人たちにとって、「食は医なり」という医食同源の考え方は、毎日の食卓、食事の中で生かされています。中でも食生活のあり方、食生活のスタイルはもちろん大事ですが、健康のために「何を食べればよいか」もとても重要なことなのです。
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暴飲暴食、偏った食事、不規則な食生活といった食習慣は考えものですが、何を食べたら健康によいかは、誰もが一番気になるところです。
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特に日本の女性は、関心が高いようです。ある食材が「健康によい」、「美容によい」からといって、ただそればかりを食べればよい、というものではありません。理想をいえば、いろんな食材をまんべんなく取るのが一番です。でも、体調が思わしくないときや食欲がないときは、体質にあった食材をぜひ選んでほしいです。
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中医学では健康への第一歩は、自分の体質を知ることからはじまると言います。
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私たちはみんな親も違うし、遺伝子も異なります。中医学では病気や未病の治療でも、その人の体質を重視します。例えば、医師から「1日1万歩を歩くように」と言われたら、1万歩がその人の体調にちょうど合っている人もいれば、1万歩を無理して歩いたために心筋梗塞を起こし、救急車で病院に運ばれた人もいます。この人の場合は自分の体質を考えずに、無理して歩いた結果、倒れたのでしょう。食事でもお茶でもそうですが、漢方薬を飲む場合でも自分の体質をまず見極めていくことです。
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中医学では、人間の体には暑がりタイプの「熱証」と冷え性タイプの「寒証」があると言われています。食べ物にも体を温める作用の度合いによって「熱性」「温性」や、逆に冷やす作用の度合いによって「寒性」「涼性」があり、そのどちらにも含まれない「平性」の五性があることがあります。こうした人間の体質と食べ物の性質の相性が健康にとって、とても大事なわけです。
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熱証の人に合う、寒・涼性の食材
人にはそれぞれの「証」、つまり体質があり、食べ物にもそれぞれ特有の性質があります。 これをよく知ったうえで、その人の体質や体調、症状に応じて食べることが何よりも重要です。例えば、熱証タイプの人はトマトやキュウリ、スイカなど「寒・涼性」の食べ物が合っていますし、逆に寒証タイプの人は、ネギやニラ、ショウガなどの「熱・温性」の食べ物との相性がいいようです。だから冷え性の人には、体を温める食べ物が向いています。それと季節の旬の食材をいただくことも、大事です。自然が生み出す旬の野菜や果物は、強い生命力を持っていて、体を癒す力があるといわれています。自然が育んだ旬の気を大いに取り込めば、体は元気になります。
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今、スーパーやデパートの食品売り場に行けば、本来なら夏の果物のはずのスイカやメロン、イチゴなどが真冬でも店頭に所狭しと並んでいます。便利さを追求するあまり、一年中何でも手に入るぜいたくな時代になりましたが、裏を返せば、旬のものが意識しづらい時代になったともいえます。子どものころから「健康には旬のものが欠かせない」といった意識を持たせることが必要だと思います。
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「楽しく食べる」薬以上の効果も
それと、食養生を考えるうえで、もうひとつ大事なことは、おいしく楽しんで食べることです。私はこれを「楽食美人」と名づけ、多くの人たちに「楽しく食べましょう」と勧めています。「楽」は楽をするだけではなく、「エンジョイ」、つまり楽しむこと。最近の研究では、楽しいと人間の脳は活性化し、脳から消化器、循環器など体のすべてにいい刺激を与えることが、わかってきました。楽しく食べることは薬以上の効果があるといっても言い過ぎではないと思います。しかし、日本には、この「エンジョイライフ」、生活を楽しむという文化がどうも根づいていないようです。
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民族性でしょうか。せっかちなんですよ、日本人は。例えば、立ち食いそば屋や駅前の牛丼店などでは、5分ぐらいで食べ終わって、次から次へとお客さんが出たり、入ったりしています。ゆっくり味わいながら食べるのではなく、ただお腹を満たしているといった感じです。よくかまないで食べれば、胃への負担も重なり、肥満にもなりかねません。確かに安いし、忙しい人には便利なのもよくわかるのですが、もう少し余裕を持って楽しみながら食べたいものです。昔は、時間をかけながら家族や仲間が食を楽しむ文化が日本にもありましたが、最近は廃れてきたような気がします。その点、ヨーロッパ、例えばフランスなどは、今でも地方都市に行くと、まだ子どもが小さい家庭では、昼食の時間になると、父親は仕事を中断し、会社から自宅に帰って家族と一緒に食事を取り、食べ終わったら、また会社に戻る人も多い、と聞いたことがあります。文化の違いでしょうか。
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無視できない健康食品の力
やはり食事のときは、好きな家族と一緒に楽しい話をしながら食べれば、それだけでも免疫力は上がります。話は変わりますが、食養生の中でも、健康食品の力は大きいです。 例えば、中国に自生するキノコの一種「冬虫夏草」。古くから滋養強壮の秘薬として使われてきましたが、中国ではりっぱな漢方薬なのに日本では健康食品として分類されています。その人の未病の状態を改善して元の健康な状態に戻してくれるのも、こうした健康食品のお陰なのです。やはり大自然の中で生まれたものは、それだけ大自然の魂が入っています。
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日本の文化は、その源流を中国に持つものが非常に多く、健康食品も中国の未病思想にもとづいて予防医学の視点から作られた、と言ってもいいと思います。
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日々の暮らしの中に溶け込む中国のお茶。味や香りを楽しむだけでなく、薬としても使われてきました。お茶にはそれぞれの特質があり、自分に合ったお茶を選ぶことが大切です。
「医食同源」と同じように中国には、お茶を薬として用いる「医茶同源」の考え方もあります。お茶の歴史は約3000年前との説もあり、漢方薬が確立する前は、お茶で病気を治していた時代もあったようです。今でも、中国には1000種類以上のお茶がありますが、中国の人たちは、単に嗜好品として飲むだけでなく、茶に含まれる薬効を重視しています。 例えば脂っこい料理を食べた後は、プーアール茶やウーロン茶、ストレスが溜まったときには、香りのよいジャスミン茶をよく飲みます。
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いかに女性が美しく歳を重ねていけるか、という「ヘルシーエイジング」はこれからの中医学(東洋医学)のキーワードといってもいいでしょう。女性の体の悩みは、女性にしかわからない面が多く、なかなか男性には理解できないところが多いのも事実。人間の体は、表裏一体ですから、体の中で起こっているさまざまなトラブルは、顔のシミや吹き出物、肩凝りなどの形で未病として出てきます。男性に比べ、未病は特に女性に出やすい。 しかも、女性がなりやすい未病の多くが「お血(おけつ)」が原因といっても過言ではありません。
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「お血」というのは、血液がドロドロで、流れにくくなっている状態、いわば動脈硬化の前段階と言ってもよいでしょう。美肌や更年期の障害、さらに生理痛や子宮筋腫など婦人病の原因ともなりうる「女性の敵」。 血の状態が進行すれば、心筋梗塞や脳梗塞を招く恐れだってあります。
例えば、手足の冷え、めまい、のぼせ、イライラ、便秘、肩凝り、不眠などいろんな自覚症状が出てきます。その多くが更年期障害の不定愁訴と重なるため、老化の引き金ともなりかねません。
未病を治すには、まず血の状態を改善することが先決といえます。
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冷え性に辛い夏場の冷房
冷え性は、女性の約7割が問診で冷えを訴えると言われています。冷えがひどくなると、頭痛や肩凝り、不眠といった辛い症状を招きやすく、体内に冷えがたまると血行が悪くなり、血にもなりかねません。血になると、生理不順や不妊など女性特有のさまざまな症状を引き起こす恐れもあります。
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「冷えは万病のもと」といわれます。でも、寒い冬に短いスカートをはいたり、アイスクリームや冷たい飲み物、野菜、果物をとっている女性をよく見かけますが、冷え性の人はさらに体を冷やすことになって、健康によくないのではありません。また、夏でも通勤電車内や職場内の冷房も冷えすぎるとよくありません。
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でも、冷え性は、ただ手、足が冷えると思うのは、間違いなのです。実は免疫と関係があり、冷え性の人は、皆さん免疫力が落ちています。これを改善するには、まず日ごろの生活習慣を見直し、体を冷やさない工夫をすることです。それと、ふだんの生活の中で体を温める食べ物や飲み物を十分取ることも、とても大切なことです。
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副交感神経と密接な腸の働き
辛い便秘も女性に多いといわれています。冷えも便秘の原因の一つです。
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女性は冷え性が多いから便秘になる人も多いです。特に日本人は、遺伝的に腸が長くて細いのが特徴。食物繊維の多い食べ物もあまり食べません。ですから欧米型の食生活を続けていると腸が詰まりやすいのです。それにストレスも影響します。腸は、リラックスしたときに働く副交感神経と深く関わっており、精神的なストレスが続くと、副交感神経が働かず、腸の働きも鈍って便秘になりやすい。体内に老廃物をためると、ニキビや吹き出物の原因にもなり、女性の健康と美容にとっては大敵なのです。.
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女性の健康でもう一つ気になるのは、ダイエットです。食生活は、女性の生理と深く関わっています。激しくダイエットすると、生理が止まる恐れも出てきます。最近の若い女性は、お化粧は上手ですが、自分の体のサイクルや女性としての生理をきちんと理解している人が意外と少ないような気がします。「結婚する、しない」、「子どもをつくる、つくらない」は、個人のライフスタイルの問題なのでとやかく言えませんが、健康医学の立場からいえば、女性の機能をおろそかにすると、子宮や卵巣の働きが鈍くなり、更年期が早まる恐れだってあります。女性の生理を軽く考えてはいけません。もう少し、自分の体を大切にしてほしいです。
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女性であれば、誰だって美しくやせたいと思うのは、自然な感情でしょう。しかし、健康に影響が出るほど激しくダイエットするのもどうかと思います。何事も「ほどほど」がよいのではないでしょうか。 医師の中には、その人の体質や体重などにお構いなく薬を処方する人もおり、そのまま飲んで効きすぎて困ることもありました。その点、漢方薬はその人の体質に合わせて処方されますから、私には合っているような気がします。
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西洋薬と漢方薬 使い分けが大事
西洋薬と漢方薬のどちらがよいかは、いちがいには言えません。病気の症状や医師の腕によっても違うし…。例えば、料理をつくる場合、漢方薬は「土鍋」、西洋薬は「電子レンジ」にたとえることができると思います。土鍋はグツグツと時間をかけて煮ます。時間はかかるけど3時間たっても料理は温かい。一方、電子レンジは、スイッチオンから、あっという間にできあがって食べられますが、さめやすい。でも忙しい現代人にとっては西洋薬は、とても便利です。どちらもそれぞれ長所、短所がありますが、私は両方をそれぞれの場合に応じてうまく使い分けるべきだと思います。
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西洋の文化と東洋の文化にそれぞれの長所と短所があるように、西洋薬と漢方薬だって一長一短があります。その人の体質、病気の種類、症状、季節などによって上手に使い分けることが必要ではないでしょうか。特に漢方薬には、中国4000年の経験と知恵がいっぱい詰まっています。漢方薬を飲むことによって体質が改善され、自然治癒力を高めることで症状も改善されます。しかし、こうした中医学の考え方や漢方薬についても知らない日本人が多いような気がします。しかも、日本は国民の医療費削減と病気予防の意識普及は待ったなしの状態です。.
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まとめ・・・特定保健用食品の賢い使い方
健康に関心のある人なら「特定保健用食品」、通称「トクホ」という名前を聞いたことがあると思います。スーパーでトクホのマークが入った飲料水やヨーグルトや食用油などを見かける機会も増えてきました。
一般の食品の場合ラベルやパッケージに健康との関わりを表示したり広告したりすることは法律で禁止されています。これに対してトクホは「おなかの調子を整える」といったように、健康に対する機能を表示することが許可されているものです。
だからこそ、「トクホ」は表示内容をしっかり見て、目的に合ったものを選ぶのが上手な使い方です。「トクホ」は現在511品目ありますが、目的別に分けると、「血糖値が気になる人」「血圧が高めの人」「コレステロールが高めの人」「脂肪や中性脂肪が高めの人」「骨粗鬆症が気になる人」「便秘などお腹の調子を改善し、整えたい人」にそれぞれ向けたものになっています。(トクホ一覧 http://taku1902.jp/sub548.pdf)
商品は冒頭で挙げたもののほかにも、「インスタントコーヒー」や「食パン」、「スープ」「味噌汁」まで多種多彩です(仕事柄、いろんなトクホを食べていますが、味は微妙なものからいけるものまでいろいろだと思います。ただし、お値段がトクホではない同じ種類の製品と比べると高めになっているケースが多いです)。
専門家によると、トクホが向くのは「高血圧症と診断されなくても、血圧が高め」といったグレーゾーンの人たちだそうです。
体に役立てるためには、一定期間、同じ商品を続けることだと言われます。最低1ヵ月程度は摂り続けたほうがいい、という意見もありました。
血糖値や血圧の検査をあらかじめしておき、トクホを一定期間続けた後に、数値がどう変化したかを見ていくことができれば、さらに理想的です。
ちなみに私の知り合いの中年男性は、血圧が高めだったので、これにいいというトクホの飲料を飲み続けたところ、血圧が下がり、安定してきたとのことで、習慣にしています。
もちろん、トクホは食品なので、健康な人が食べても問題はありません。
一方、すでに病気がある場合はトクホだけでは治らないので、医療機関での治療になることは言うまでもありません。
以上のように、軽度認知障害(軽度認知症)MCIや片頭痛は”未病の段階”にあることを忘れてはなりません。
健康の基本は、適度な運動とバランスのとれた食事であり、未病を治すためには、この基本を忘れてはならないということです。
こういったことから、未病の段階にある片頭痛を病気と考えトリプタン製剤だけを服用していては、片頭痛はいつまでも治ることはないことが理解されたはずです。その理由は、トリプタン製剤は鎮痛剤にすぎないものであり、未病の段階にある片頭痛には、すべての現代病に共通した考え方で対処しなければ治ることはない、ということです。
このように、片頭痛は専門家の宣うような”神秘的で、神聖な”頭痛ではなく、一般的な未病の段階にある現代病にすぎないということです。
軽度認知障害(軽度認知症)MCIに対する対処の仕方も同様のことが言えます。