なぜ、女性に片頭痛が多いのでしょうか? その4 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

「生理痛」と「月経時片頭痛」の異同


 最近、興味あるブログを目にしました。それは「生理痛」に関するものです。

 それは、「kaolune のSweet Days 」です。

 kaoluneさんによれば、「生理痛」の原因として、10の要因を挙げておられます。「冷え」「血液の質」「血液の量」「骨盤の開閉」「カラダの歪み」「ストレスによるホルモン異常」「エストロゲン過剰」「毒素の排泄」「マグネシウム不足」「子宮が未成熟」です。


生理痛とは
 

  kaoluneさんによれば、単純に述べれば、マグネシウム・セロトニン・メラトニン・有害物質の摂取(脂肪酸・環境ホルモン)・生理活性物質の乱れを指摘され、まさしく「生理痛」とは「片頭痛」そのもののような錯覚を覚える程類似しているようです。


 kaoluneの申されるには、「私も生理痛があった若かりし頃、片頭痛にも大変悩まされており、まさにその仕組みを知って食や生活習慣を変えてからはどちらもなくなりました。お薬を飲むのは簡単ですが、いろんな角度から自分を振り返り、変えられることから変えてみて、再発しなくなるのが一番だと思っております。」


 古くから、女性の片頭痛は生理があるから治らないものと諦められていましたが、kaolune さんの考え方は、極めて示唆的であり、ここに紹介させて頂くことにします。


質の悪い脂肪の多い食生活と冷えがプロスタグランジンを増やしている

 

 生理痛の激痛の原因になっているのがプロスタグランジンです。
 

 生理のときに子宮内膜をはがすのをはたらきかける物質ですが、必要以上に多くですぎてしまうことで、生理痛が激痛になってしまいます。
 ですからのこのプロスタグランジンが必要以上に多くですぎる原因を知って、多くですぎないようにすることが生理痛を改善するうえでとても大切なポイントになります。
 

プロスタグランジンが多くですぎる原因は?
 

プロスタグランジンが多くですぎてしまう原因は主に2つあります。
 

1.プロスタグランジンの原料となる脂肪が多くなる食事
2.プロスタグランジンが生理のときに長く子宮にはたらきかけてしまう「冷え」
 

それぞれに簡単に説明をしましょう。


1.プロスタグランジンの原料となる脂肪が多くなる食事
 

 先程述べたことと重複しますが、大事なことですので・・
 あまり自覚がない女性も多いですが、女性は脂肪分が多いものが好きなのです。たとえばケーキです。これにはたくさんの脂肪分が含まれているので、1個食べただけでも相当な脂肪分を体に入れることになります。このほか日常的に食べるものでも脂肪分が多いのが菓子パンやサンドウィッチなどのパン類です。
 菓子パンにもサンドウィッチにも油が多い食品が使われているので脂肪分がとても多いので、しかも、こういいった食事に含まれている脂肪は質が悪いです。
  良質な脂肪としては、魚に含まれる油やアーモンドに含まれる脂分が有名です。
  これらの良質な脂肪は体にも必要なものなので適量を食べるのが望ましいですが、市販のケーキやサンドウィッチ・菓子パン等に含まれる脂肪分はたいていが天然の脂肪分ではなく合成された質の悪い脂肪分なので、体に必要な脂肪分とはとても言えない成分になります。
ですから、市販のパン類全般を常食し、間食はケーキのようなクリーム系の脂肪分が多い食事が多い現代女性の食事中の脂肪分は過剰になっています。
 といっても脂肪分も多く食べても、体の中できちんと消費されるか、食物繊維が絡め取って便と一緒に体外へ出れば問題ありません。でも、パン類中心の食事はサラダを食べていたとしても食物繊維が圧倒的に少ないので体外に出す量も少なく、実際は過剰になってす。中性脂肪としてたまってしまっているのが現状です。
 そして、体の中で消費されずにたまって脂肪分は、プロスタグランジンの原料になります。体の中には脂肪分があまっていますから、プロスタグランジンも多くつくられてしまいます。
  そのため、多く作られたプロスタグランジンは、生理のときに必要以上に出すぎて、子宮内膜に収縮しなさいと命令をたくさん送ってしまい、生理痛がひどくなってしまうのです。
 ですから、脂肪分の多い食事にならないように調整すると、生理痛をやわらげることにつながります。


2.プロスタグランジンが生理のときに長く子宮にはたらきかけてしまう「冷え」
 

 プロスタグランジンは生理のときにでてくる物質ですが、血液の中を通って子宮までたどりつき子宮に収縮しなさいと働きかけます。
 このときに、体が冷えているとプロスタグランジンが子宮のところで長居してしまいます。なぜ長居してしまうのかといいますと、冷えていると血液の流れが悪くなるからです。
 血液の流れが悪くなることで、血液の中にあるプロスタグランジンが子宮に長くとどまってしまうのです。
 プロスタグランジンが長くとどまれば、その間にずっとプロスタグランジンが子宮に収縮しなさいとはたらきかけてしまうので、生理痛の痛みが長く続いてしまう原因になるのです。

 ですから、体とくに子宮のある骨盤周辺を冷やさないようにするのが、生理痛をやわらげるのにつながるのです。


 ここで、子宮の筋肉が収縮・弛緩する仕組みについて、簡単にご説明します。
 

 筋肉の収縮にはミネラルが関わっています。細胞内のカルシウム濃度が高くなると筋肉がきゅっと収縮します。そのカルシウムはどこから来るかと言うと細胞外からと細胞内のカルシウム貯蓄庫から の2パターンがあります。
 大まかに言うと


脳からの指令を自律神経が筋肉に伝える
         ↓
 細胞外からカルシウムが流れ込み細胞内では貯蔵庫からカルシウムを出す
          ↓
  細胞内のカルシウム濃度が高くなる
          ↓
       筋肉が縮む


 という流れになっています。


 逆に、弛緩させるためには細胞内のカルシウムの濃度を減らす必要があります。
  どうやってカルシウムを減らすのかと言うと細胞膜にあるポンプで細胞外にカルシウムを汲み出し細胞内の貯蔵庫にも貯蔵庫のポンプでしまい込むのです。
 このポンプを動かすエネルギー源を作るのにマグネシウムが関わっています。
  ここで もしマグネシウムが足りないとポンプを動かすエネルギーがないため(いわば バッテリー切れ状態)カルシウムを汲み出せませんし、貯蔵庫にもしまえません。
  細胞内はカルシウムが多い状態が続き筋肉は収縮し続けることになります。

 それからもう一つ、収縮を伝える神経伝達にもカルシウムとマグネシウムが関わってます。
 カルシウムはメッセンジャーをたくさん出しますが、マグネシウムはメッセンジャーが出過ぎないようにします。ということは、マグネシウムは神経伝達において「収縮せよ」という信号が届きすぎないよう調節してくれているのです。
  これらのことから、筋肉が収縮しすぎず弛緩するには マグネシウムが必要であることが理解されるはずです。
  マグネシウム不足では、子宮筋層はギュ~っと収縮しっぱなし になります。
  すると子宮筋層の血行はもちろん悪くなり、細胞は酸欠を起こしますから SOS信号である発痛物質がでてきますし、その状況を助けるために、プロスタグランジンが活躍することになります。このために痛みが出てくることになります。
 月経前に血中マグネシウムを骨や筋肉へと移行させるため、脳内のマグネシウムの割合が低下します。その為、月経中に片頭痛を起こしてきます。


エストロゲン過剰と生理痛・片頭痛


 kaolune さんは以下のように述べておられます。


 「エストロゲン」は次の妊娠へ向けて機能層を再び増殖させ、ふっくらと厚みをもたせるホルモンです。
 子宮を赤ちゃんのベッドだとすると「エストロゲン」によって新しいシーツのかけ直しが行われるのですが、もしこの「エストロゲン」が過剰だとシーツを必要以上に重ねてしまいます。

 シーツを何枚も何枚も重ねてベッドに敷き詰めてしまうと、いざ シーツ交換という時にもの凄く大変です。
 子宮も同じで、機能層が厚みを増す過ぎると古くなった機能層を剥がすのもそれを子宮から押し出すのも大変です。
 月経の開始や経過にはプロスタグランジンE & F2αが関わっています。
 出すのが大変となると、このプロスタグランジンE & F2αがたくさん必要となります。
 プロスタグランジンE & F2αは、発痛物質による痛みの感度を上げますので、痛みは増強され、ひどい生理痛が発症します。


 では 「エストロゲン」が過剰になる原因は何でしょうか?


☆その1「夜型生活」


 夕方~夜間星空にかけて「メラトニン」という催眠ホルモンが分泌されますが、日没後に光を浴びるとその分泌は抑制されてしまいます。
 「メラトニン」は、自然な眠気をもたらす働きだけでなく、抗酸化物質としてフリーラジカルを分解する抗老化ホルモンでもあり、また卵巣で「エストロゲン」が作られすぎるのを止める働きもあります。
 現代では夜中まで電気を煌煌と灯すことが出来ますし、テレビテレビやパソコンパソコンなどの光も目から取り入れています。
 この夜も光を浴びつつける生活により、「メラトニン」がキチンと分泌されないと体内リズムが狂うだけでなく、老化が進んだり、「エストロゲン」の産生が過剰になることが分かっています。

 

スタンフォード大学医学部の研究によると


夜型生活で「メラトニン」分泌減少
       ↓
・メラトニンの抗酸化力が足りず DNAのがん誘発性変異が起こりやすくなる
・乳がんの癌細胞を活性化するエストロゲンの分泌が過剰
       ↓
乳がんリスクが上昇アップ & マウスでの腫瘍成長が早まる


 という事が分かっています。


 夜型生活の女性は そうでない女性と比べて、生理痛もPMSも重く 周期も不規則だと言う事も分かっています。


☆その2「エストロゲン様環境ホルモンの摂取」


 肉、牛乳、乳製品 これらにホルモン剤が含まれている可能性がある事をご存知ですか?
 例えば、乳牛は早くからそして大量にお乳を出させるために、遺伝子組み換え牛成長ホルモンというのが投与されている事があるようです。日本では規制も表示義務もないみたいです。
 アメリカでは、逆にこのホルモン剤を「投与してません」と書くと、投与している牛乳の販売を妨害すると裁判が起こり、区別しちゃいけないようになってるのです。
 政治と経済の癒着が何も知らない国民の健康を犠牲に利益を得ているのです。
 ホルモン剤投与でたくさんお乳を出す牛さんは、ママさん達ならわかると思いますが乳腺炎を起こしやすくなります。
 その乳腺炎防ぐために抗生剤も投与されているのです。
 牛にもホルモン剤は使われており、日本では4種類のホルモン剤投与が認可されています。
 ホルモン剤に抗生剤をお肉や牛乳 乳製品から取っているかもしれないなど普通は気付きません。
 近年「エストロゲン」が圧倒的に過剰になっている女性が増えているようです
 殺菌剤・防腐剤・食品添加物・農薬・ダイオキシン。。。
 食べたり 飲んだり 塗ったり
 口からも 鼻からも 皮膚からも吸収された環境ホルモンは「エストロゲン」に似た作用を体内で発揮し、子宮内膜の増殖を進めて、月経時にプロスタグランジンを大量に必要としてしまいます
 使い捨てナプキンにも環境ホルモンが含まれています。
 何十種類もの環境ホルモンにさらされて生きている私達、初潮の低年齢化、女性特有の病気の増加&低年齢化をみるとこの影響は侮れない程に大きいと感じます。
 なるべく環境ホルモンから身を守る事が大切です。


☆その3「肝機能の低下」


 過剰の「エストロゲン」は 肝臓で代謝され、体内で増えすぎないようにホメオスタシスが働いています。
 しかし 肝臓が疲れて肝機能が低下してしまうと、「エストロゲン」の代謝が出来ず 多過ぎる状態が続いてしまいます。
 血液の浄化作用も弱まりますので 血行も悪くなり、肝臓の疲れ自体が生理痛と無関係とは言えません。
 肝臓が疲れてしまう原因は何でしょうか?


☆食べ過ぎ 飲み過ぎ 薬 農薬 食品添加物の摂取、食べ物も飲み物も 薬物も 肝臓が代謝分解に関わっています。


そこに力を取られてしまうと エストロゲンの代謝に手が回りません。


☆目の使い過ぎ


 東洋医学の見方では 目と肝臓は深いつながりがあります。
 目の蒸しタオルや耳引っ張りなどを取り入れながら、目を酷使しないように 気をつけましょう。


☆ストレス


 ストレスの解消は ココでも大切になってきます


  早めに寝ること
  環境ホルモンをさけること
  暴飲暴食をさけること
  目を酷使しないこと
  ストレスをためないこと


 これらが「エストロゲン」から見た生理痛対策となります。

 

 

改めて、生理痛と片頭痛の関係
 

 生理中の痛みの症状として、腹痛のほかに頭痛を挙げられる方は多いかもしれません。
 頭痛を生理痛の延長と考える方が多いようですが、生理痛は、痛みがおこるメカニズムから片頭痛そのものだ、ということがわかります。
 生理がはじまる1 ~ 2 日前や、生理がはじまってからの2 ~ 3 日目に、片頭痛はよく起こります。


 片頭痛は、「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌と関係があるといわれています。
  体を妊娠しやすい状態に整えるエストロゲンは、生理が終わるころから排卵の直前まで多く分泌されます。エストロゲンは、卵巣で大きくなった卵の排卵を促し、子宮内膜を厚くして妊娠の準備をします。そして、妊娠しなかった場合、エストロゲンの分泌が減り、いらなくなった子宮内膜が体外に排出されます。その際、エストロゲンと一緒にセロトニンの分泌が減ってしまうため、生理の際に片頭痛がおこるのです。


 痛みの原因は、脳の血管が拡張して引き起こされた炎症だと考えられています。そしてその血管拡張は、セロトニンという神経伝達物質の不足で起こるといわれています。月経の際の片頭痛は、それ以外の時期のものに比べて、強い痛みが長く続くのが特徴です。
 さらに、この時期の痛みには、鎮痛剤が効きにくいといわれています。


 こうしたことから、月経時片頭痛をなくすためには、日頃からマグネシウム補充とプロスタグランデインを産生を抑える食生活(脂肪酸の摂取の問題点をクリアする)ことが重要となってきます。

 

 

 このような基本的な対策をあらかじめとっておく必要があるにもかかわらず、専門家は、このような月経時の片頭痛に対して、作用時間の長いトリプタン製剤(アマージ)の投与と予防薬の併用さらに、一般の鎮痛薬の併用だけを勧めています。このようなアマージは他のトリプタン製剤よりは作用時間は長いかも知れませんが、作用強度は最も弱いものです。そして、予防薬を生理時服用しても即効性はなく、いずれも方法も、このような生理時の片頭痛で苦しまれる方々を満足させる手段ではありません。

 

 

 以上のことから、「kaolune のSweet Days 」のブログは極めて貴重なものと思われ、再度、掲載させて頂きました。