ホメオスターシス(自然治癒力)と慢性頭痛 | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

健康保持のメカニズムはこころと体・ホメオスターシス!

 健康は、ホメオスターシスという健康保持のメカニズムが様々な機能を発揮して、健康が保たれています。脳科学の急激な発達により、多くのエビデンスに基づく研究発表のもと、体の健康とこころの健康"は切り離して考えられない、という具体的な研究結果も発表されています。
 こころの健康を保持増進するためにも、こころと体の仕組みについて理解が必要です。

●生体リズムと規則正しい生活

 規則正しい生活を送りましょう。幼い頃から、何度も聞いた言葉ではないでしょうか?
 規則正しい生活とは、生まれつき体に備わっている生体リズムに沿った生活という意味で、最も自然で健康的な生活と言えます。
 しかし、現代の生活環境は、健康的な生活を崩す要因が多く、24時間営業の飲食店や夜通しの娯楽、コンビニやテレビ・パソコンなどの普及により急激に変化しています。このような変化により、体の生体リズムにも悪影響が及んでいます。
 生体リズムを無視した不規則な生活を送ると、様々な不調を感じるようになります。生体リズム、自律神経、ホルモンはすべて連帯しているため、生体リズムが乱れると自律神経やホルモンバランスにも悪影響が及んでホメオスタシス機能を乱すのです。


●生体の恒常性、ホメオスターシス

 様々な環境の変化に対応して行くための自律神経という調整機能がホメオスターシスとしてあります。
たとえば、自動車には必ずアクセルとブレーキとが備わっています。アクセルしかない車、ブレーキだけしかない車では運転し続けることはできません。同じようにアクセルとブレーキの働を受け持つのが自律神経です。アクセルにあたる交感神経とブレーキにあたる副交感神経です。
 自律神経は無意識のうちにホメオスターシスによって、夜眠っているときにも心臓が動き、呼吸が途絶えたりしないのも、自律神経が働いているためです。
 日中は交感神経が優位になって血管を収縮させ、脈拍が上がり、呼吸数も増え、仕事や勉強に精を出すことができます。逆に、睡眠や食事をしているときには副交感神経が優位になって血管を拡張させ、脈拍や呼吸数を減らし、消化を促します。
 自律神経がホメオスタシスによりバランスよく働くことで、毎日の生活を健康で元気に送ることができるのです。
 人間の体は一定の生体リズムに沿って、一定の収縮(活動)と弛緩(休息)を繰り返していますが、社会環境の変化、不規則な生活習慣やストレス状態が続くと生体のリズムの誤差が大きくなりホメオスターシスの修正ができず不調を感じたりして、健康維持が難しくなってきます。

 ホメオスターシスは、異常を正しくする防衛力で、活性酸素の害やストレスにより乱される自律神経の調整、免疫の働き、やる気や睡眠を誘導する脳内ホルモンの分泌等さまざです。生体リズムを正し、ホメオスターシス機能を発揮して、健康が保てる生体リズムを誤差範囲内にとどめることが大切です。
 ストレスなどによって自律神経が乱がれても、ホルモンバランスや生体リズムに悪影響が及びます。
 どれかひとつでも乱れが生じれば、連鎖的に他の2つにも影響が出て、ホメオスタシスの機能が崩れてしまうのです。

●免疫細胞の活性酸素制御と生活習慣が密接な関係

 免疫系の貧食細胞やNK細胞が細菌などの病原性微生物を排除するために出す活性酸素は体にとって有益に働いていますが、活性酸素が過剰発生になると各細胞に炎症を起こしたり、動脈硬化の引き金になったりと老化の最大要因にもなりうるのです。
 活性酸素制御はストレスや喫煙習慣のような生活習慣のなかでは、免疫系の機能に混乱がおき、多量の微生物を貧食しても少しの活性酸素しかでないため感染症が治りにくい、反面、少量に微生物しか貧食していないにも関わらず、多くの活性酸素を出すことになります。  余分な活性酸素は各種の炎症の引き金になってしまいます。
 体の生体リズムを乱す生活は、健康を維持のメカニズムである体の仕組みを無視した生活をしていることになります。
 下記の症状に思い当たるものが多い方は、3つのバランスがくずれてホメオスタシス機能が保てない可能性があります。ストレスによる症状があらわるのです。思いあたる症状はありませんか?

 肩こり、頭痛、腹痛、腰痛、疲労感、冷え、下痢、便秘、めまい、不眠、食欲不振、体重減少、呼吸困難、咳、動悸、息切れ、息苦しさ、むくみ背中の痛み、発汗、微熱、嘔吐、不整脈、左胸の痛み、月経痛、月経不順など。

 しかし、症状が気になっても病院での検査・診断などでは、異常が見つからないなどのケースも多いようです。

ホメオスターシスって何?

 ホメオスターシスとは19世紀にベルナールによって見いだされ、20世紀に入ってハーバード大学教授、ウォルター・B・キャノンによって、「ホメオスターシス」と命名された法則です。
 簡単には、人体は温度が高くなると身体の表面に近い部分の血管をひらいて体内に発生する熱を発散し、更には汗を出して気化熱で温度調節をします。
 また、逆に寒いときには血管を収縮させて熱の発散を防ぎます。
 同じように、酸、血圧、血糖、電解質、エネルギー、ホルモン、酸素、蛋白質、など生存に不可欠の要素に対しても、体内、体外の変化に反応して調節機能が働き、正常値を保とうとします。
 このようにホメオスターシスとは、外部の環境変化に対して、自ら体内の内部環境を、生存に適すように調節することを言います。即ち身体の恒常性を維持することです。

ホメオスタシスの三角形

 基本的な生命の維持活動は、次の3つの機能によって支えられ、恒常性が維持されています。ホメオスタシスの三角形として表される三つの機能は、どれ一つが欠けても健康バランスは 保たれず、生命の維持は断たれてしまいます。

◆自律神経系

 交感神経と副交感神経の働きによって、呼吸、血液の循環、その他 各種臓器の活動をコントロールをします。

◆内分泌系(ホルモン系)

 各種ホルモンの分泌によって身体のバランス調整をします。血糖値を調節したり、ミネラル量や養分量を調節したり、必須栄養素の体内合成や排泄を即したりし、身体バランスをコントロールします。

◆免疫系

 ウイルスや細菌、有害物質と戦う身体の防御システムです。更には、脳と密接に情報交換して、健康維持をコントロールします。

 ①自律神経系②ホルモン系(内分泌系)③免疫系の三つは、独立して機能するのではなく、お互いに連携して調整しあいながら、体内環境を整え、恒常性を保つ働きをしています。
即ちホメオスタシスとは、本来人間の身体が生まれつき持っている、病気や障害を自身の力で元の健康体に戻そうとする、身体の制御の働きを意味します。
 いわゆる「自然治癒力」あがる、とはこれらが正常に保たれた状態のことです。

 繰り返しになりますが、外部の環境変化にかかわらず、体温や血圧、血糖値など、体内環境を常に最適な状態に保つ仕組みを恒常性(ホメオスターシス)と呼びます。さまざまな変動は、この恒常性を維持するための「環境に対する適応力」といえます。
 経験的に、ストレスは慢性頭痛を増悪させる原因と知られています。
 そして、このストレスが、「ホメオスターシス」を乱す根源になります。恒常性には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっており、それはストレスなどに大きく影響されます。例えば自律神経を失調させるストレスは内分泌を乱し、免疫力も低下させてしまいます。3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角形」と呼ばれます。
 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系は”ホルモン”と”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めております。


「規則正しい生活」が体内の状態を一定に保つ

 「健康的な生活」のいちばんの基本は、「規則正しい生活」にあります。
 からだの内外におこるさまざまな変化に対応して、体内の状態を一定の範囲に保つ機能を「ホメオスターシス」と言います。なぜ「規則正しい生活」が重要なのかは、このホメオスターシスに直接関係しているからです。
 ホメオスターシスには、自律神経系、内分泌系、免疫系の3つの系があります。これらは独立した系でありながら、連動して動いています。たとえば自律神経系では、昼間は活動を支える交感神経が優位になり、夜間は休息をもたらす副交感神経がおもに働くといったように、1日の流れのなかで、リズムをつくって活動しています。ですから、規則正しい生活をおくることにより、自然に沿ったリズムができ、からだにスムーズな働きがもたらされるのです。
 本来は、日の出とともに起き、日没とともに寝るのが理想なのですが、現代社会でこれを行うのはとても困難です。乱れがちな生活を整えるもっとも重要なポイントは、起床の時間を一定にすること。人の体内時計は、24時間よりも30分ほど長くなっており、そのままでは少しずつ後ろにずれていくのですが、朝の光にはこれをリセットする役割があります。そのため、まずは朝起きるというリズムを作りましょう。次に、食事の時間と就寝の時間を一定にします。可能なら、仕事や休憩、運動、入浴なども、同じ時間にするのがよいでしょう。
 大人である私たちも、生活が乱れたときや、体調がすぐれないときはイライラし、人の意見に耳を貸せなくなります。子供であればなおさら。生活リズムを整えることで、心身ともに活気のある状態を保つことができるのです。

自然治癒力を支えているのは睡眠と休息

 夜は、休息と睡眠の時間です。その開、交感神経が休んで副交感神経が優位になり、からだのさまざまな部分を修復しています。自然治癒力を支えているのは、睡眠と休息です。
 睡眠不足は、自律神経のバランスを著しく損ないます。からだの修復ができない状態が続くと、あらゆる病気の原因となります。睡眠時間は人により異なりますが、少なくとも7~8時間は質のよい睡眠をとりましょう。不眠がちな人は、悩みすぎないことが大切です。
 睡眠薬に頼ってしまいますと、さまざまな副作用と依存をもたらし、薬がやめられなくなります。気をつけましょう。
 不眠の原因の多くは、不規則な起床と就眠時間にあります。毎朝、太陽の光を浴びて体内時計をリセットすることからはじめましょう。コーヒーなどのカフェインの摂取は、午前中にします。
 昼間は、運動などをして活動的に過ごすようにしましょう。夕方からは、眠るための工夫に入ります。午後9時以降に飲食しないようにして、寝る前のテレビ、パソコン、スマホなどを見るのは避けましょう。寝室では電気を消し、真っ暗にするほうが良い睡眠が得られます。
 最近では、夜更かしをする子供たちがとても増えています。昼間は外でよく遊ぶこと、ゲームなどは使用時間を限定し、メリハリのついた生活を送らせることが大切です。


 科学の出発点は疑うことですが、現代医学の出発点は信じることです。科学にはこうすればこうなるという一定の法則がありますが、現代医学の場合、いくら理論的に正しく見えても、治療を受けるとどうなるかはやってみないとわかりません。実際、医者を信頼して治療を受けたところ、一気に体調を崩し、あっという間に早世した著名人の話をよく聞きます。その場合、医者はたいてい「やれることはすべてやったが、病気が進行していて手の施しようがなかった」と言いますが、医者の処置が患者の死期を早めた可能性もあります。その理由は、著者によると、医者が濃厚で過剰な治療を選択する傾向があるために自然治癒力を妨げてしまい、結果的に患者に害を及ぼす恐れがあるからです。
 私たちは学校や家庭で「病気は医者が治すもの」と教え込まれています(教師と親も子供の頃にそう教え込まれています)から、自然治癒力についてめったに考えませんが、私たちの体はありがたいもので、病気や怪我は痛みや熱などの不快な症状を伴ったのちに自然に治るようにできています。つまり、しばらく体を安静にして辛抱すれば済むのですが、私たちは何もしないことに耐えられず、痛みや熱を目の仇にして「放っておくと大変なことになる」と思い込み、自然に治るのを待たずに病院に行くようテレビや新聞を通じて洗脳されています。マスメディアは医師会と製薬会社がスポンサーになっているからです。
 医者は病気や怪我が自然に治らないと信じて治療しますし、患者も病気や怪我は自然に治らないから病院で治療を受けなければならないと信じています。 これがすべての矛盾の根源だと思われます。ちなみに、医学部で自然治癒力を教えないのは、病気や怪我は放っておくと自然に治るという事実を教えてしまうと医学部の存在意義がなくなるから、というのが真相のようです。
 あるいは、臓器や組織、細胞は人体から採取された時点で自然治癒力の対象外になるため、顕微鏡をのぞいて病理検査をする意味がなくなるというのもあるかもしれません。
 病院に行って病気が治った場合、治療が奏功して治ったのか、自然治癒力で治ったのかを見極めるのは至難のわざです。放っておいても自然に治った可能性もありますが、私たちは治療のおかげで治ったと考え、医療に対する信仰を深めてますます病院に行きたがります。

それでは、どうして食事(栄養)が大切なのでしょうか

 ホメオスタシス機能の働きを正常に保つには、栄養バランスと生活バランスが大切で、自然治癒力の向上を目指す必要があります。
 ホメオスターシス(生体恒常性)とは、外部環境の変化に対して、体内の調節機能が働くことによって、身体の状態が常に―定に保たれていることを言います。例えば外の気温が40℃であっても、マイナス10℃であっても、それによって体温が著しく上がったり下がったりすることはありません。その調節機能が働くためには、当然エネルギーが消耗され、必要なビタミン・ミネラルが使われます。しかし、栄養状態が悪かったり、悪条件が続いたり、重なったりすることによって、調節機能が歪みを起こし、ホメオスターシスが次第に乱れることになります。


      栄養欠損・ストレス・加齢・免疫
         ↓
   ホルモン・自律神経に異常
         ↓
   ホメオスターシスの乱れ
         ↓
      発病(発症)


 健康を支える三本柱は運動、栄養、休養ですが、この中で最も大切な栄養が足りなかったり、バランスが崩れたりすると、ストレスや加齢に十分対応できなくなります。こういう状態が続くと、ホルモン、自律神経に異常が生じます。その結果、人が本来持っている生体恒常性(ホメオスターシス)が乱れて、発病することとなります。ホメオスターシスが健全であり、身体が健康であれば、病原菌にも対抗できるのです。外国では何でもない細菌やウィルスによる病気が、日本人には命に関わるような重症になることが見られています。
 私たちの身体を作り出しているのは、薬ではなく栄養です。体内に取り込まれた栄養が細胞の隅々にまで行き渡って重要な役割をしているのです。今、私たちは、身体が必要としている栄養を十分摂っているでしょうか。

「現代の食生活、環境は健康的でしょうか」

 食物・食品に含まれる栄養素の量と質が著しく悪くなっています。近年、養殖・栽培技術が進歩し、旬でない時期でも美味しい野菜・肉・魚介類がいつでも手に入ります。昔ながらの露地栽培に比べて、土壌がやせ日照不足により各栄養素が昔に比べ減少しているものが多くなっています。食品成分表を見ると版が改訂する度にミネラルの減少が明らかになります。普段、食事をしっかり食べていても必要量に達しないことがあり、偏食・欠食では栄養素がより不足して体調不良、発病の引き金になる可能性があります。
 加工食品では、素材の食物に含まれていたビタミン・ミネラルの多くが損なわれ、また有害な添加物が含まれることがあります。加工食品、半加工食品、冷凍食品などは加工や保存によってビタミン、ミネラルが損失します。また、添加物が多く使われています。穀類、砂糖、塩などは精製されて、ビタミン、ミネラルがほとんど残らないようになってしまっています。
 食生活の変化も著しく悪化しています。若い世代だけでなく都市生活者では、ファーストフードやコンビニ弁当に見られるような脂肪、砂糖の非常に多い食事が増えています。 都市化が地方にも広まり、食生活が日本全体で悪化しているのが事実です。スロー・フードなどの必要が叫ばれていますが、健全な食生活を保つことができるのは、非常に限られた一部の人であり、一般の人にとって、家族が共にゆっくりと手作りした料理を日常的に取るということは、困難になっています。
 生活環境も悪化しています。現代社会では、人はみな過度のストレスにさらされています。不規則な生活、アルコール、タバコ、カフェイン、大気汚染、そして有害電波や電磁波、放射線などによって体内の栄養素が消耗し、細胞を傷つけるフリーラジカルが発生します。テレビやコンピューターを長時間見ることが多くの人々にとって日常化し、その疲労・ストレスは多くの心身の病気の原因ともなっています。

 人間の身体は細胞によって構成されています。そして細胞の全ての活動は栄養に依存しているのです。細胞は、常に取り壊され、再び造られている、つまり常に新陳代謝しています。不足している栄養素が補われることによって、新たに造られる細胞はより良い状態になり、症状が徐々に改善されていくのです。
  栄養補給食品を摂ることによって細胞の活性化及び修復を行い、結果として身体の持つ自然治癒力と生命活動を高めることによっておだやかに病気を治し、あるいは病気の進展を防ぎ(ガンなど)、健康な人であれば発病を防ぐ、という考え方です。

自然治癒力を高めるためには

 先述のように、「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの、自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系は”ホルモン”と”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めています。

 ”セロトニン神経系”の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
 内分泌ホルモンに相当する”生理活性物質”のひとつのエイコサノイドは、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6で作られ、この摂取バランスがよくないと、局所ホルモンのエイコサノイド・プロスタグランジンのバランスを乱すことになります。
 必須脂肪酸は生体膜(細胞膜)を構成しており、オメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、ミトコンドリアの機能・セロトニン神経系の機能にも影響を及ぼし、結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。

 ”腸内環境”は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。

 このように、「ホメオスターシス三角」を構成する”この3つ”は、生活習慣とくに食生活・ストレスによって影響を受けています。
  このように、複雑な多くの要因、とくに食事の影響が極めて大きいことを忘れてはなりません。


 このため、自然治癒力を高めるためには、「ホメオスターシス三角」を構成する”この3つ”を「健全化」させておくことが重要になり、特に食生活に配慮することが大切になってきます。


 「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの”一角”に問題を生じてくれば、極く軽度の頭痛が出現してくることになります。
 そして、これに更に、新たに”別の一角”の要因が加わればさらに頭痛の程度も増強してきます。
 最終的に、この”三角”とも全てに問題が起きることによって「ホメオスターシス三角」が崩壊することに至り、難治の”慢性頭痛”を発症させます。

それでは、片頭痛は、どのように考えるべきでしょうか

 片頭痛の場合、トリプタン製剤を服用して、”治療”すべきとされますが、本来、このような薬剤を服用しなくても、我慢に我慢して3日間耐え抜けば、自然に治まってくることはどなたもご存じのはずです。


 本来、片頭痛患者さんの”生活の質QOLを向上させる”ために、トリプタン製剤の服用が勧められていたに過ぎないものです。それがいつしか、片頭痛発作時に毎回トリプタン製剤を服用しておれば、”片頭痛が治ってしまう”とか、片頭痛の”適切な治療”とはトリプタン製剤を服用すること、といった”嘘”をつかれる専門家が出現してきていることを忘れてはなりません。


 片頭痛は、約3割が自然に治癒し、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪してきます。

 自然治癒した3割は、ホメオスターシス、すなわち”恒常性を維持するための「環境に対する適応力」により治癒したものです。

 ”セロトニン神経系””生理活性物質””腸内環境”の問題点が持続して存在すれば、「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が継続され、4割の方々が、症状が変わらない状態(発作がいつまでも繰り返される)が持続することになります。
 すなわち、脳内セロトニンの低下を引き起こす生活習慣があったり、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスの悪い食生活があったり、腸内環境を悪化させる要因が持続するような生活習慣が継続していることを意味しています。

 「ホメオスターシスの三角形」を構成する要因が全て”完成・障害”されてしまえばこの”ホメオスターシスの三角が崩壊”することになってしまいます。
 この状態に、さらに「ミトコンドリアの問題」、「脳内セロトニンの低下」、さらに「体の歪み(ストレートネック)」等々の脳過敏・慢性化の要因が加わることによって、2~3割の方々が慢性化に至ってきます。


 このように片頭痛は”未病”の段階にあり、緊張型頭痛を起点として、さまざまな生活習慣の問題点が重なることによって、「いろいろな段階の片頭痛」へと進行し、最終的に「慢性片頭痛」という難治な段階に至ることになりますので、常に自分の生活習慣に気を配り、何か問題があれば、その都度改善に努める必要があります。このように進行性疾患です。

片頭痛の発作の「持続時間」に関して

 片頭痛の発作の持続時間は4~72時間とされています。これは、ホメオスターシスという生体の恒常性維持機構によるもので、この発作中にホメオスターシスの維持機能が働き、これによってホメオスターシスの三角の歪みが修復されて発作が終結します。このため、”ホメオスターシスの三角の歪みの程度”によって、発作の持続時間が決定されることになります。

 ”セロトニン神経系””生理活性物質””腸内環境”の問題点が持続して存在すれば、「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が継続され、4割の方々が、症状が変わらない状態(発作がいつまでも繰り返される)が持続することになります。
 すなわち、脳内セロトニンの低下を引き起こす生活習慣があったり、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスの悪い食生活があったり、腸内環境を悪化させる要因が持続するような生活習慣が継続していることを意味しています。これらの3つの”傷害の程度”によって左右されることになります。


  このように、片頭痛はホメオスターシス、自然治癒力の観点から捉えるべき頭痛です。


 われわれ医療従事者が意識することは,「患者さんが治癒する」ということは,最終的には患者さん自身のホメオスターシス機構が内部環境を保てるように手助けをすることです。つまり,患者さん自らが病気を治すのだということです。手術,投薬,食事療法や運動療法は,その手助けをするにすぎません。 しかし,手助けをするにもどういった内部環境に働きかけるのか,その介入が他の内部環境の平衡状態を崩す結果とならないか,よく考える必要があります。

   このように、自然治癒力なくしては、病気は治ることはないということです。
   この手助けをするのが、医師としての使命であると考えなくてはなりません。

 西洋医学の薬の多くは対症療法であり、病気を根本的に治しません。また対症療法は、「自然治癒力を奪う」ことにもつながります。ただし、すべての薬を使ってはいけないというわけではなく、命にかかわるときや、激しい痛みなどつらい症状が強い場合は、一時的に使うべきです。
 なるべく避けたいことは、長期にわたって薬を使用することです。食事や生活を見なおすことを最優先させましよう。そうすることで、今飲んでいる薬を減らすことも可能になります。

 すなわち、片頭痛発作時に漫然とトリプタン製剤を服用してはならないということです。
 私達が、頭痛を感じた場合、安易に市販の鎮痛薬を服用し、頭痛が治まったからといって決して安閑としていてはならないということです。
 ”頭痛を感じた”ということは、何らかの原因がある”ホメオスターシスの三角”を歪ませているということを意味しているのです。

 このようにして、私達が日常的に感じる極く軽度の頭痛に対して対処されませんと、頭痛を次第に増強させ、挙げ句の果ては片頭痛にまで移行させることに至り、トリプタン製薬メーカーの”思う壺”になってしまうことになります。

 本来なら、こうした啓蒙活動は頭痛の専門家がするべきことですが、何故だかこのような指導は一切されることはありません。そうなれば、専門家とは一体、何なのでしょうか。ここを冷静に、私達は見つめ直す必要があるようです。


 以上、これまで専門家にはこのような「ホメオスターシス(自然治癒力)」といった概念が欠如していることから、片頭痛がどうして慢性化するのかといったことが皆目見当がつかず、迷宮入りになっている理由にもなっています。