専門家との考え方の相違 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 前回の説明で、日常的に感じる極く軽度の頭痛がどのようにして起きるのかが理解されたはずです。
 このなかでは、日常的に感じる極く軽度の頭痛から片頭痛へとどのようにして移行していくのかも理解されたと思います。
 今後、さらにこの過程のなかで、慢性頭痛のなかの「その他の一次性頭痛」がどのような形をとって発症してくるのかも明らかになるはずです。
 さらに、群発頭痛も片頭痛の延長線上にあるものと推測されるはずです。
 このように、日常的に感じる極く軽度の頭痛は、慢性頭痛の起点ともなる頭痛です。
 このような進展をするなかで、忘れてはならないことは、日常的に感じる極く軽度の頭痛を引き起こす原因は


1.「ホメオスターシスの乱れ」
2.「体の歪み(ストレートネック)」
3.ミトコンドリア、セロトニン神経系


 にあり、これら3つの要因はすべて、ミトコンドリアと関連しています。

 ”ミトコンドリア”は「健康的な生活を送る」ためには、重要な”鍵”となり、生命の根源ともなるべき役割を果たしています。
 ミトコンドリアの機能がまともに働かなければ「健康的で・健全な生活」は送れないことになります。
 しかし、不健康な生活をしていますと、ミトコンドリア・セロトニン神経系に悪影響を及ぼし、体内時計を乱し、「ホメオスターシス」を乱してきます。
 「ホメオスターシス」を乱すことから、日常的に感じる極く軽度の頭痛が始まることになり、これにさらに次々に、生活習慣の問題点が重なることによって、「国際頭痛分類第3版 β版」で慢性頭痛と定義される「4つのタイプ」の頭痛へと移行していくことになります。
 こうしたことから、脳のなかに異常のない「慢性頭痛」は「健康的な生活」を送ることができないことに根本的な原因があり、”慢性頭痛”とは、「不健康な生活を送っている」という生体の警告の信号”サイン”と捉えるべきものです。

 先程の日常的に感じる極く軽度の頭痛を引き起こす3つの原因の中で、とくにミトコンドリアは生活習慣および外部の生活環境によって影響を受けています。
 このように、このような原因すべては、生活習慣このなかでも食生活が関与し、さらにストレスの影響を受けています。
 このため、慢性頭痛を根本的に改善させるためには、このような原因となる生活習慣の問題点を改善させ、外部の生活環境を取り除く心構え・姿勢が重要となり、さらにストレス対策が必要になってきます。
 こうしたことから、慢性頭痛を改善させるのは”おくすり”ではないということです。”おくすり”は、あくまでもレスキュー的な価値しかないことを肝に銘ずるべきです。これが基本となることです。


 ところが、現在の学会を主導される方々は、一切、慢性頭痛とは何かを考えることはありません。日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛は取るに足らない頭痛とされ、ほとんど無視され、片頭痛だけが重要な慢性頭痛とされています。
 そして、日本にトリプタン製剤が導入されて以降、トリプタン製剤が片頭痛という辛い頭痛に対して極めて有効であったことから、以来、国際頭痛学会の作成した「国際頭痛分類 第3版β版」を遵守し、これに従って「慢性頭痛診療のガイドライン」を作成され、このガイドラインでは片頭痛中心の診療指針となり、トリプタン製剤が急性期治療薬の第一選択薬とされ、間歇期治療薬として予防薬が各種推奨されています。
 このようにトリプタン製剤は片頭痛という辛い頭痛に対する鎮痛効果は抜群ですが、片頭痛そのものを根治させる薬剤ではないため、殆どの方々は一生手放せなくなるのが実情です。そして、予防薬は、頭痛の発作回数を減少させ、トリプタン製剤の効き目を増強させる作用はあるものの、片頭痛そのものを完璧に予防できる程の作用はありません。
 このように、学会を主導される方々の考え方は、こうした薬剤によって、急性期の辛い頭痛を治め、発作回数が多ければ、痛みの回数を減少させるといった「痛みを解消」させることを最大の目標とされています。
 片頭痛にはトリプタン製剤が極めて有効であることから、片頭痛の本態もトリプタン製剤の作用機序の面から説明されることになりましたが、このような治療方針でトリプタン製剤導入後15年以上経過した現段階では、片頭痛の方々の2~3割を慢性化させるに至っています。しかし、このような片頭痛の病態をトリプタン製剤の作用機序の面から考えていたために、片頭痛を慢性化させる原因が不明とされ、片頭痛にはトリプタン製剤が極めて有効である理由として、片頭痛発作時に脳内セロトニンが機能低下もしくは不足しており、トリプタン製剤がこの不足した脳内セロトニンを補填することによって効果を発揮していると説明されるものの、肝心要の「脳内セロトニンが機能低下もしくは不足する」原因は全く不明とされています。
 さらに、片頭痛に特徴的とされる「脳過敏」の原因は生まれつきのものとされ、この脳過敏状態こそは、片頭痛の”不思議で・神秘的な頭痛”の所以とされてきました。


 このような様々な問題点が、トリプタン製剤が導入されて以来浮上してきました。


 こうした問題点を解く鍵は、片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛であるというように考えることにあり、このように考えさえすれば全てが解決することに至るとこれまで以下のファイルで説明してきました。


 「慢性頭痛を理解するために」・・慢性頭痛を起こす各種の要因 
     
http://taku1902.jp/sub424.pdf


 前回、前々回も慢性頭痛とくに緊張型頭痛・片頭痛がどのように起きるのかを説明してきました。このなかでは極めて多くの要因から慢性頭痛が発症してくることが理解されたはずです。そして、これらの多くの要因はすべて独立したものではなく、お互いが直接・間接的に影響を及ぼしあっているものです。このようにこれらの要因は機能的・流動的・多面的なものです。
 学会を主導される方々は、こうした要因をひとつずつ断片的に取り上げて、科学的根拠を得ようとされてきたことから、すべてエビデンスなし、と判断してきました。
 このように機能的・流動的・多面的な要因を基に発症する慢性頭痛を考える際には、「慢性頭痛とは何か」ということを根源的に見直さない限りはいつまでも堂々巡りをするだけのことです。
 このように慢性頭痛を根源的に考察しないことから、生活習慣の問題点を考えることもなく、外部の生活環境の要因を一切念頭に置かないことから、片頭痛は単純に”遺伝的疾患”とされているに過ぎません。
 さらに、慢性頭痛の起点ともなるはずの日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛に、ここに生活習慣の問題点および外部の生活環境の要因が重なって、片頭痛・その他の一次性頭痛が引き起こされてくることになっているはずです。


 これらを一切無視されることによって、「国際頭痛分類 第3版β版」に従って、ただ単に症状の上から、慢性頭痛の診断を下さざるを得なくなり、その結果、それぞれ個々の慢性頭痛の根底に存在する病態は一切考慮されることはありません。
 このため、この診断に見合う薬剤を「慢性頭痛診療のガイドライン」に準拠して処方せざるを得ないことになります。
 こうしたことから、慢性頭痛の根底に存在する「生活習慣の問題点」などはまったく念頭におかれることはなく、問題点の改善のための指導は一切されることはありません。

 
 こういったことが、片頭痛そのものを根本的に改善できず、片頭痛を慢性化に至らしめた原因がここに存在します。


 学会を主導される方々が頭痛診療および研究の絶対的な基準とされるものが「国際頭痛分類 第3版β版」です。そしてこの「国際頭痛分類 第3版β版」はトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成したものです。
 こうしたことからトリプタン製薬メーカーはこの世から片頭痛が無くなれば死活問題にもつながることから、当然の帰結として片頭痛根治などには至らないということになります。



 慢性頭痛を引き起こす原因は

1.「ホメオスターシスの乱れ」
2.「体の歪み(ストレートネック)」
3.ミトコンドリア、セロトニン神経系

 にあり、これら3つの要因はすべて、ミトコンドリアと関連しています。


 とくに片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。
 

  このことが最も大切な点です。


  このように考えさえすれば、すべてが説明がつくことになるはずです。
 

  これだけのことです。


 このように学会を主導される方々が、「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の絶対的な基準と定めた宿命ともいえる当然の帰結でしかありません。


 このような立場上の利害関係が存在することから、このような見解の相違があることを私達は知っておくことが「頭痛改革」の基本になります。