慢性頭痛を引き起こす原因として、以下の3つがあります。
1.「ホメオスターシスの乱れ」
2.「体の歪み(ストレートネック)」
3.ミトコンドリア、セロトニン神経系
1.「ホメオスターシスの乱れ」
「ホメオスターシス」はストレスなどに大きく影響されます。ストレスは自律神経を失調させ、内分泌系を乱し、免疫力も低下させてしまいます。
さらに、ストレスは、マグネシウムの不足をもたらし、活性酸素を増加させ、ミトコンドリアの機能を悪くさせ、同時にセロトニン神経系の機能を低下させ、「健康的な生活」を送るための根源に問題を引き起こすことになります。
「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの、自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系は”ホルモン”と”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めています。
”セロトニン神経系”の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
内分泌ホルモンに相当する”生理活性物質”は、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6で作られ、この摂取バランスがよくないと、局所ホルモンのエイコサノイド・プロスタグランジンのバランスを乱すことになります。必須脂肪酸は生体膜(細胞膜)を構成しており、オメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、ミトコンドリアの機能・セロトニン神経系の機能にも影響を及ぼし、結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。
”腸内環境”は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。
また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。
2.体の歪み(ストレートネック)の原因
1.”前かがみ””うつむき”が元凶
2.車の追突事故をはじめとした交通事故・・ムチウチ
3.ミトコンドリアの働きの悪さ
4.脳内セロトニンの低下
5.歯の噛み合わせの悪さ
6.外反母趾、指上げ足(浮足)、扁平足など足裏の異常
3.ミトコンドリアの働きを悪化させる要因
ミトコンドリアの働きを悪化させる要因としては、以下のようなものがあります。
1.睡眠不足の問題
2.マグネシウムの問題
3.有害物質・・活性酸素の問題
4.薬剤による影響
4.「脳内セロトニンを低下させる要因
以下のような生活習慣には要注意です。
日光を浴びることが少ない、朝は出かける直前まで寝ている、昼夜逆転生活になっている、固いものをあまり食べない、階段を使わずエレベーターやエスカレーターを使う、30分以上続けて歩くことができない、運動不足である、デスクワークが多い、朝食をとらない、ごはんやパンなどの炭水化物をあまり食べない、魚より肉をよく食べる、ダイエットのため食事制限をしている
ストレスによる影響
疲れなどで、体に乳酸が溜まったとき
生活のリズムが乱れ自律神経が乱れること
生理周期との関連
食事はバランスが大事です
運動不足
緊張型頭痛、片頭痛は、一連の連続したもの
片頭痛の”緊張型頭痛”はsmall migraine
片頭痛
big(true)migraine
連続体
緊張型頭痛 緊張型頭痛
small migraine (脳内セロトニンの関与)
緊張型頭痛と片頭痛の基本的な相違点は、「ミトコンドリアの働きの悪さ」という”遺伝素因”を持っているかどうかだけの差でしかありません。
生まれつき存在する「ミトコンドリアの働きの悪さ」が、ミトコンドリアDNAによって先祖代々継承され、「ミトコンドリアDNA」は、「生活習慣の要因」と「外部の生活環境の要因」によって時々刻々変化していくものです。
ということは、先祖代々継承される「ミトコンドリアの働きの悪さ」の程度は、生まれた際には、各個人それぞれであり、一律ではないはずです。
そして生後、「生活習慣の要因」と「外部の生活環境の要因」によって時々刻々変化していくものです。
ということは、生下時の段階で、「ミトコンドリアの働き」が極端に悪ければ、ミトコンドリア病のようになり、あたかも遺伝したように思えるだけに過ぎないということです。この「ミトコンドリアの働き」の悪さの程度は連続しているものであり、ここからここまでという範囲はないはずです。
これが、生後、「生活習慣の要因」と「外部の生活環境の要因」によって時々刻々変化していくわけです。この生後にこのような要因の影響の受けやすさの程度は、「ミトコンドリアの働き」の悪さの程度に左右されることになります。
片頭痛の場合、生まれつきミトコンドリアの働きの悪さが存在するため、”ミトコンドリアの働きを悪くし、セロトニン神経を弱らせる要因”の影響を、とくに受けやすいことになります。このため、こうした要因が加わることによって、”極く軽度の頭痛(緊張型頭痛)”から難治の”慢性頭痛”・片頭痛へと進展していくことになります。
しかし、緊張型頭痛の場合、”ミトコンドリアの働きの悪さ”がないために、頭痛の程度は、片頭痛ほどは激しくならないということです。
ところが、片頭痛のように「ミトコンドリアの活性低下」という遺伝素因がなくても、緊張型頭痛でも、「ミトコンドリアの働きが悪さ」と「脳内セロトニンの低下」を来す生活習慣が継続してくれば、片頭痛とまったく同じような頭痛が引き起こされることになります。そうなれば最終的には緊張型頭痛であれ片頭痛であれ同じような「難治性の慢性頭痛」に移行することになってしまいます。緊張型頭痛でも発症要因そのものは同じです。
このような頭痛に対して、市販の鎮痛薬を連用すれば、ミトコンドリアの働きを悪化させ、脳内セロトニンの低下を引き起こすことになり、頭痛が増強され、薬剤乱用頭痛を併発させ、さらに片頭痛への移行を加速させます。
以上のように、慢性頭痛を増悪させる要因は、ざっと概観しても複雑で多岐にわたっており、それぞれがお互いが関与していることになります。
例えば、エネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
生体のリズムは「ホメオスターシス」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は先程の「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。
また、ホメオスターシスの三角を構成する内分泌ホルモンに相当する”生理活性物質”局所ホルモンのエイコサノイド・プロスタグランジンは、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6で作られ、この摂取バランスがよくないと、局所ホルモンのエイコサノイド・プロスタグランジンのバランスを乱すことになります。
必須脂肪酸は生体膜(細胞膜)を構成しており、オメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、ミトコンドリアの機能・セロトニン神経系の機能にも影響を及ぼし、結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。
このような例は1例に過ぎず、全てはここで記載できない程です。
緊張型頭痛も片頭痛も一連のものであり、その相違点は「ミトコンドリアの働きの悪さ」という”遺伝素因”を持っているかどうかだけの差でしかありません。このミトコンドリアの働きの悪さにしても、各人様々であり、これは「生活習慣の要因」と「外部の生活環境の要因」によって時々刻々変化していくものです。このように流動的なものです。
そして、慢性頭痛を引き起こす3つの要因は、すべて生活習慣、食生活、姿勢、体の使い方によって悪化し、慢性頭痛を増悪させてくることになります。
ところが、頭痛の専門家は、慢性頭痛を引き起こす3つの要因「ホメオスターシスの乱れ」、「体の歪み(ストレートネック)」、「ミトコンドリア」、「セロトニン神経系」すべての関与を否定されます。
このようなことから、慢性頭痛の原因は一切不明とされているにすぎません。
とくに片頭痛の原因は一切不明とされ、”遺伝的疾患”とされる理由はここにあります。そして、片頭痛の病態はすべてトリプタン製剤の作用機序の面からしか説明されません。
そして、緊張型頭痛も片頭痛も一連の連続した頭痛であるにも関わらず、お互いが別個の頭痛として分けて研究されるため、いまだに解明の糸口さえつかめないことになっています。
このために、慢性頭痛の診断は「国際頭痛分類 第3版β版」に準拠してあくまでも症状だけから診断することから、片頭痛のように多面的な要因をもとに発症したものに対して、コーホート研究といった疫学手法をもとに科学的根拠を得ようとされていることから、少々の症例数を基にした疫学調査ではエビデンスがなかなか得られなかったということでしかないように思われます。
こうしたことから臨床研究の進め方に問題があり、方法論を検討すべきということにほかなりません。もう少し、頭を使って熟考に熟考を重ねた上で、研究を進めるのが極めて重要になってきます。いつまで欧米の学者の考え方に盲従すれば気が済むのでしょうか? とにかく自分の頭で考えることです。これしかありません。
これまでの方法論の問題から、極めて限られた知見しかこれまでは、エビデンスありとされなかったものと思われます。
慢性頭痛の悪化要因 1 ミトコンドリアの問題
http://taku1902.jp/sub420.pdf
慢性頭痛の悪化要因 2 セロトニン神経の問題
http://taku1902.jp/sub421.pdf
慢性頭痛の悪化要因 3 体の歪みの問題
http://taku1902.jp/sub422.pdf
慢性頭痛の悪化要因 4 その他
http://taku1902.jp/sub423.pdf
「慢性頭痛を理解する」
http://taku1902.jp/sub396.pdf