慢性頭痛の予防は、どのように考えるべきでしょうか? | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これまで、頭痛の専門家たちは、”日常的に感じる極く軽度の頭痛”や緊張型頭痛はまさに取るに足らない頭痛として、まったく問題にされず、野放しにされてきました。
 このため、このような”日常的に感じる極く軽度の頭痛”や緊張型頭痛に対して、私達は、日常的にテレビで市販の鎮痛薬が当たり前のように宣伝されているため、こうした市販の鎮痛薬を安易に服用し、まったく”服用に抵抗感”を感じない状況にあります。
 しかし、このような”日常的に感じる極く軽度の頭痛”や緊張型頭痛に対して、市販の鎮痛薬を連用していますと、知らぬ間に、難治性の片頭痛へと移行しかねません。
 このように、片頭痛は、”日常的に感じる極く軽度の頭痛”や緊張型頭痛から発症してくるものです。このことは、これまでも、繰り返し・繰り返し述べてきたことです。
 こうしたことから、復習の意味合いで、以下のファイルにまとめておきました。


    「慢性頭痛を理解する」
      
http://taku1902.jp/sub396.pdf


 そして、片頭痛の予防に関しては、片頭痛が、さまざまなことが引き金になって起きることが知られており、例えば心筋梗塞を防ぐには、そのリスクファクターである高血圧や運動不足を解消することが大切であるのと同様、片頭痛を防ぐには、引き起こす原因を探しだしそれを除去することが大切とされ、まず第一に行うべきことは、片頭痛の引き金となる「誘因」を見つけ出すことによって、誘因となるものを避けるか・もしくは取り除くことによって、頭痛発作を起きなくさせましょうと勧められてきました。
 このような方法で、「片頭痛は予防すべき」とされてきました。


 しかし、「誘因探し」の重要性が強調されている割には、大半の方々はこうした誘因を見つけ出すことが出来ない方々がほとんどです。
 「全国慢性頭痛友の会」の会長の秋山扶佐子さんによれば、会員の片頭痛の方々のほとんどの方々が「発作の引き金」が分からないとされています。
 小橋雄太さんは、そのブログ「イミグラン錠・副作用なしに偏頭痛を治しちゃえ」の中で、頭痛発作時に、その発生前日と当日の状況を詳細に記録を重ね、これを積み重ねる事によって、共通の発生要因を探り、原因と思われるものに対してひとつずつ対処していく方法を述べています。
 小橋さんは記録のための「専用ノート」を用意して、ノートが真っ黒になるまで詳細に記録されたようです。

 まさに執念というほか無かったのではないでしょうか?小橋さんが述懐されておられるように、なまじトリプタン製剤が効いていたらここまではしなかったと・・述べております。このように”執念”が必要とされています。
 このように、誘因を見つけるのが困難な理由は、発作の誘因が、”日常生活そのものの中にある”ために気がつかない場合と、もうひとつは、自分の「片頭痛発作」のパターンがよく理解されていない場合です。
 この「片頭痛発作のパターン」がよく分かっていない場合は、発作当初は緊張型頭痛のような状態から始まり、これが次第に片頭痛のパターンに移行していく方々です。
 こうした場合は、いつの間にか片頭痛へ移行するために引き金に気づかれることは土台無理な話で、緊張型頭痛も片頭痛も一連のものである以上は当然のことです。
 発作の誘因が、”日常生活そのものの中にあるということは、毎日摂取する食事や「体の歪み(ストレートネック)」に関連して起きてくるものを指しており、これも大半は本人自身が気づくことは不可能です。


 このように、「誘因探し」の重要性が強調されている割には、大半の方々はこうした誘因を見つけ出すことが出来ない方がほとんどです。


 さらに、専門家は片頭痛の”予防薬”の服用を勧めていますが、この予防薬の効果そのものも発作回数を僅かに減らし、頭痛の程度を軽くさせることによって、頓挫薬の効き目をよくさせるだけのことであり、片頭痛発作そのものをなくすことはできません。

 こうしたことから、従来から片頭痛予防のために勧められてきた方法では、片頭痛の予防そのものは到底不可能であることは容易に理解されます。


 それでは、どのようにして片頭痛を予防すればよいのでしょうか?


まず、慢性頭痛を予防するためには


「日常生活を送る上での注意点」として


 生活習慣の改善の目標は、「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、姿勢を正しくし、リラックスすること」です。
 このように、従来から、慢性頭痛予防のための生活指導が行われてきました。


 「規則正しい生活」とは、生まれつき体に備わっている生体リズムに沿った生活という意味で、最も自然で健康的な生活と言えます。
 「食事をバランスよく摂る」ことは、ミトコンドリアがエネルギー産生を行うためと、脳内セロトニン産生を行うために必須の条件になります。
 最低限必要とされる栄養素、ビタミン、ミネラルを過不足なく摂取することが重要であり、とくにビタミンB2、マグネシウム、亜鉛、鉄分、抗酸化食品が大切なものとなっています。
 さらに、小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくない、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量の摂取には注意が必要とされます。これらは、脳内セロトニンの低下、生理活性物質のバランスを乱し、腸内環境を乱すことになります。
 このように、食生活は、片頭痛予防の要(かなめ)になっており、食事は毎日摂取するものであり、日頃の配慮が注意が必要になってきます。
 「睡眠を十分にとる」ことは、日中に傷ついたミトコンドリアの修復に不可欠であり、早寝・早起きは、体内時計をリセットし、生体のリズムを保持するためと、「セロトニン神経の活性化」に不可欠です。
 「姿勢を正しくする」ことは、「背筋を伸ばす」ことで「ミトコンドリアを活性化」させます。
 「リラックスする」ことは、自律神経を調整するために必要で、ストレス耐性の体づくりには「セロトニン活性化」が不可欠となってきます。


規則正しい生活を送りましょう


 幼い頃から、何度も聞いた言葉ではないでしょうか?
 規則正しい生活とは、生まれつき体に備わっている生体リズムに沿った生活という意味で、最も自然で健康的な生活と言えます。
 しかし、現代の生活環境は、健康的な生活を崩す要因が多く、24時間営業の飲食店や夜通しの娯楽、コンビニやテレビ・パソコンなどの普及により急激に変化しています。このような変化により、体の生体リズムにも悪影響が及んでいます。
 生体リズムを無視した不規則な生活を送ると、さまざな不調を感じるようになります。生体リズム、自律神経、ホルモンはすべて連帯しているため、生体リズムが乱れると自律神経やホルモンバランスにも悪影響が及んでホメオスタシス機能を乱すのです。


慢性頭痛を予防するためには、睡眠が極めて重要です。


 そもそも”何のために睡眠が必要”なのでしょうか。
 それは、活性酸素等で傷ついた組織の修復は寝ている間に行われるため、修復には睡眠が不可欠です。ミトコンドリアを元気にするためには必要不可欠な要素です。
 そして、早寝・早起きを心がけ、起床時には朝日を浴びるようにしましょう。 このことは、セロトニンを活性化させ、体内時計を調整してくれます。


 このように「規則正しい生活」が極めて重要になってきます。


 不規則な生活はセロトニン神経系の減弱を招き、脳内セロトニンを低下させてきます。


「ホメオスターシス」を乱させないためには


 「ホメオスターシス」を乱す根源は、ストレスです。
 「恒常性(ホメオスターシス)」の維持には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深く関わっており、それはストレスなどに大きく影響されます。例えば、ストレスは自律神経を失調させ、内分泌系を乱し、免疫力も低下させてしまいます。
 さらに、ストレスは、マグネシウムの不足をもたらし、活性酸素を増加させ、ミトコンドリアの機能を悪くさせ、セロトニン神経系の機能を低下させることになり、脳内セロトニンを低下させ「健康的な生活」を送るための根源に問題を引き起こしてきます。
 このようなことから、日常的に感じる極く軽度の頭痛が引き起こされてくることになりますから、「ストレス対策」として、日頃から常に「セロトニン生活」の励行に努めることが重要になってきます。


それでは、片頭痛はどのように予防すべきでしょうか


日常的に感じる極く軽度の頭痛、”緊張型頭痛”の段階で

 片頭痛は、緊張型頭痛から移行して起きてくるものです。このため、まず、片頭痛の出発点ともなる”緊張型頭痛の段階”で予防しなくてはなりません。


 日常生活を送る上で、私達は前屈みの姿勢をとる生活環境に置かれています。特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
 さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。
 仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。
 こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。
 ですから、まず、「体の歪み(ストレートネック)」を予防することが極めて重要です。
 このため、日常的に前屈みの姿勢を取らざるを得ない生活環境に置かれていることを念頭に置いて、おかしな体の使い方をしていないかどうかをチェックしなくてはなりません。
 長時間に渡る前傾姿勢は厳禁であると心得、30分に1回は前傾姿勢を解き、首を労る配慮を常に行っていく必要があります。そして、”前屈みの姿勢”を強いられる作業環境におかれておれば、毎日の”背骨伸ばし”のストレッチを生活習慣としなくてはなりません。


まず、”正しい姿勢”になるようにしましょう


 正しい姿勢を心がけることは脊柱起立筋を鍛えることにつながります。これにより「ミトコンドリアの活性化」に繋がることになります。
 日頃から、”正しい姿勢”をとるように心がけることが大切です。

 
 そして、「頭痛・肩こり」を自覚すれば、極力早めに医療機関を受診の上、頭部CTおよび頸椎X線検査を受け、頭部CTで異常のないことを確認の上、頸椎X線検査で「体の歪み(ストレートネック)」を確認しなくてはなりません。もし、この段階でストレートネックが確認された場合、その原因として”前屈みの姿勢”と”ミトコンドリアの関与””脳内セロトニンの関与”の3つの要因を念頭において対策を考えていかなくてはなりません。


このため、まず、肩こりをまず改善させることです

 平素から、頭痛を訴える方々は、同時に”肩こり”を伴われている方が多いようです。これは慢性頭痛の方々に共通する悩みです。毎日、前屈みの作業環境にある場合は特にこのような傾向があり、ストレートネックを伴う方には必発です。この痛み刺激も片頭痛を誘発させる原因となってきますので、こまめに改善させておく必要があります。
 長期間にわたる肩こりは「脳内セロトニンを低下」させます。


 このため、以下のような体操が提唱されてきました。


 【指さし体操】・・凝り固まった広背筋をほぐす

 【壁ピタ体操】・・僧帽筋と大胸筋をほぐす

 【つま先立ち体操】・・正しい姿勢へと導く頭痛・肩こり体操


 頭痛体操は、首の後ろの片頭痛圧痛点をストレッチし、その刺激で脳の痛み調節系を活性化するのが目的です。首の後ろからは頸髄神経が脳に向かい、脳幹で片頭痛の三叉神経系の回路とつながっています。

 体操で圧痛点がストレッチされ、そこから痛み調節系に良い信号が送られるのです。脳の痛み調節系(セロトニン神経系)が活性化されると、痛みへの敏感さが随分少なくなります。
 この体操は、緊張型頭痛、片頭痛に限らず、頭痛が起きる時に共通して起こる体の異変に対して行う体操です。
実は、頭痛が起きる時、共通して首の上の方にシコリができることが多いのです。このシコリを緩和することを目的とした体操です。


 私は、鹿児島の歯科医の内田信友先生が「N.H.R.頭痛解消法」で提唱されておられる体操をお勧めしております。その体操は3つです。

  
  1.背骨を伸ばす
  2.肩首のスットン体操と首周囲・頭のマッサージ
  3.両手振り運動


 これを、1日15分間毎日行うことです。


既に、ストレートネックになっていれば・・


(1)仙腸関節のストレッチ
(2)「あご引きエクササイズ」
(3)「簡易版・首の関節包内矯正」
(4)「簡易版・腰の関節包内矯正」)
 

 これらを組み合わせて行うことによって徹底して「体の歪み(ストレートネック)」を改善・是正しなくてはなりません。これが改善できなければ、片頭痛予防などは論外であり、それ程重要な改善点です。


 日常的に感じる極く軽度の頭痛”緊張型頭痛”の段階では、市販の鎮痛薬には絶対に手を出さないことが原則です。


 市販の鎮痛薬に頼らず、頭痛・肩こりを改善させる方法を考えなくてはなりません。そのために、「首」の555体操、指さし体操、頭痛体操、肩首のスットン体操、両手振り運動など適当に組み合わせて行い、頭痛・肩こりを改善しなくてはなりません。 
 既に、ストレートネックに至っておれば、”体の使い方のおかしなクセ”がないかチェックをした上で、「背骨伸ばしのストレッチ」、「仙腸関節のストレッチ」、「あご引きエクササイズ」、「簡易版・首の関節包内矯正」、「簡易版・腰の関節包内矯正」を組み合わせて行うことによって、徹底してストレートネックの是正に努めなくてはなりません。そうしませんと、この「体の歪み(ストレートネック)」は、今後の片頭痛の出発点ともなるものだからです。ここを疎かにすれば、先々になって片頭痛へ移行させていくことになります。
 この「体の歪み(ストレートネック)」を無視すれば、次第に増強してきます。これを無視すれば、これに諸々の要因が追加されることになってきます。


「ホメオスターシスの三角形」を歪ませないこと・・片頭痛体質を作らないために

 

 ここに、「ホメオスターシスの三角形」を歪ませる要因が追加されてくることになります。


 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系はホルモンと”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めております。


 ”セロトニン神経系”の機能低下により「脳内セロトニンの低下」が引き起こされ、これは生活習慣の不規則・ストレス・生理周期により低下・変動し、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると低下してくることになります。
 ”生理活性物質”は、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、局所ホルモン(エイコサノイド)(プロスタグランジン)のバランスを乱すことになります。結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。
 ”腸内環境”は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、腸内環境にとって最大の敵と言えます。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。抗生物質は病原菌をやっつけるだけでなく、よい腸内細菌まで殺し、腸内フローラを悪化させます。家畜に投与された抗生物質が肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。
 ”腸内環境”が「片頭痛体質形成」には極めて重要な位置を占めております。

 
 以上のような赤字の事項に注意することが大切です。この点を怠れば、片頭痛体質(酸化ストレス・炎症体質)を形成してくることに至ってくるということです。


「脳過敏」の要因を摘む


 「脳過敏」を来す原因は以下の3つの要因があります。


     ”脳過敏”を引き起こす要因として

  1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
  2.脳内セロトニンの低下
  3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続

 このような3つの要因が「脳過敏」を引き起こし、片頭痛へと移行させ、さらに片頭痛の慢性化の要因にもなってきます。


 このため、「ミトコンドリアとの関与」を念頭においた上で、ミトコンドリアを弱らせない対策を考えなくてはなりません。そのためには、マグネシウムを十分に補給することによってマグネシウム不足にならないようにする配慮が必要とされます。安易にアスピリンを含む鎮痛薬、意味のない抗生物質の服用を止めることです。そして、有害物質の摂取を極力控えることです。有害物質のデトックスをかねて水分補給に心がけ、食物繊維を十分に摂取することです。 腸内環境の悪化を考慮して、「便秘への配慮」を行うことです。このためには肉食は控えめにすることです。


 さらに、「脳内セロトニン低下」を想定した上で、早寝・早起きを原則として、運動不足にならないように、こまめに体を動かし、”小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続けない配慮をしていくことです。
 そして、規則正しい生活を心がけるようにします。
 さらに、「ストレス対策」として、「セロトニン生活」を心がけるようにします。

 このようにして、徹底した「体の歪み(ストレートネック)」の改善に平行して、ミトコンドリア・セロトニン対策を行っていかなくてはなりません。
 結局、このような知識が最低限必要とされ、日常生活を送る際に念頭において注意していくことが大切になってきます。


片頭痛予備軍として考える


 家族および親戚のなかに”片頭痛持ち”の方がいらっしゃれば、将来の”片頭痛予備軍”と心得て対処しなくてはなりません。


 先程述べたことを厳重に実行しなくてはなりません。


     

  ”脳過敏”を引き起こす要因として


  1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
   2.脳内セロトニンの低下
   3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続


 の3つがあります。片頭痛の基本的な病態は「脳過敏」(脳がちょっとしたことで反応しやすくなることです)にあるとされます。このように少なくともこうした3つの「脳過敏」を引き起こす要因が次々に追加されることによって、”緊張型頭痛”から”片頭痛”にまで進展していくことになります。
 こうしたことから、常々、マグネシウム不足に陥らない配慮が必要とされ、少しでも油断すれば、マグネシウム不足になってくることを意識することが大切です。
“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば「脳内セロトニンが低下」することになり、さらに生活習慣の不規則・ストレスによって、さらに低下することになります。先程の市販の鎮痛薬(アスピリン含有)や抗生物質の乱用、有害物質の摂取、カルシウムとマグネシウムの摂取バランスが悪ければマグネシウム不足が引き起こされミトコンドリアの働きを悪化させることになります。
 このような配慮を行う限りは、”緊張型頭痛”から”片頭痛”への移行は阻止できます。


 このようにして、片頭痛は予防は可能となります。特に、身内の方に片頭痛の方がおられれば、当然のこととして、自分が”片頭痛予備軍”であることを自覚して、上記のような配慮を早期から行わなくてはなりません。決して、血筋とか遺伝するものと考えないことです。このように考えれば、予防などは”論外”ということになりかねません。


子供さんへの配慮

 こういったことから、これまで片頭痛でお悩みの方々の子供さんが、最初に”頭痛”を訴えた場合、これは紛れもなく”将来の片頭痛予備軍”です。決して、血筋とか遺伝するものと考えないことです。


 こうした場合、子供さんの場合は、まず、「体の歪み」に注意する必要があります。

   ・長時間、変な姿勢でゲームをやっている
  ・小型のゲーム機などを長時間やっている

特に、ゲームだけでなく変な体勢で本を読んだり、テレビを観ている子も要注意です。
 このような点を、お母さん自身が注意してあげることが大切です。
 そして、「背骨伸ばし」のストレッチを、日課として、毎日、行わせることです。

 ミトコンドリアの働きを、さらに悪くさせないように注意が必要です。
 そのためには、頭痛時の鎮痛薬とくにアスピリン含有のものは服用させないことです。風邪などで、不必要な抗生物質を服用させないことです。
 そして、マグネシウム不足を来さないように生活習慣に注意することです。
 頭痛専門医で、子供の片頭痛の場合にも、いきなり抗てんかん薬のデパケンを投与される方がいますが、これもデパケンのミトコンドリア毒性を考慮すれば、よくありません。
 少なくとも、絶対に「薬剤」を使わずに、「背骨伸ばし」や食事をバランスよく(偏食は厳禁です)摂取させた上で、マグネシウム補給を食事で行うようにしましょう。


   ・牛乳も程々に・・成長期にあると考え、飲ませすぎは禁物です。
   ・ストレスをためない
   ・なるべく無農薬で精製されていない物を摂取
   ・加工品 清涼飲料水 食品添加物を避ける
   ・環境ホルモンを避ける
   ・洋食よりも和食でマグネシウムを補給


 特に、「砂糖など甘い物」を多くとらせないように注意が必要です。”おやつ”を与える際に工夫が必要になります。「砂糖など甘い物」はマグネシウム不足、片頭痛体質を作ってきます。
 砂糖不使用、砂糖無添加、シュガーレス、シュガーフリーといった商品を中心に”おやつ”の選択をしなくてはなりません。


 そして、ミトコンドリア、セロトニン活性化を目的として、「早寝・早起きを励行」し、食事に際しては、「よく噛んで食べる」ように注意してあげましょう。
 牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉の摂りすぎは「脳内セロトニン」不足を招くことに繋がりますので、注意が必要です。子供さんはハンバーグを好みますので要注意です。
 市販のケーキやサンドウィッチ・菓子パン等に含まれる脂肪分はたいていが天然の脂肪分ではなく合成された質の悪い脂肪分ですので、体に必要な脂肪分とはとても言えない成分になります。生理活性物質のアンバランスを引き起こしてきます。
食用油にも注意が必要で、「エゴマ油(シソ油)」や「亜麻仁油」、オリーブ油を中心に使って調理してあげましょう。


 以上のように、大半は食事に関連したものが殆どであり、これらは”お母さん”が注意してあげることが大切になってきます。
 このような注意だけで、多くの場合、片頭痛へ移行することなく、自然に治まってくるものです。こうしたことから、”親の注意”が極めて重要となってきます。

また、思いもよらないことがストレスになっていることも忘れてはなりません。


 ただ、注意すべきことは、現在の学会を主導される方々には、このような予防的な観点はまったくありませんし、ガイドラインにも記載されていません。
 そして、体の歪み(ストレートネック)は頭痛とは全く関係なしとされ、ストレートネックを是正するといった考え方はありません。こういったことから、こうした頭痛外来に期待することは全く不可能ということです。


 このため、自分で自分の子供の片頭痛は予防しなくてはならないということです。


専門家はなぜ、こうしたことを容認しないのでしょうか

 学会を主導される方々は、この国際頭痛分類である「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および研究の”絶対的基準”とされ、世界共通の言語とされます。この「国際頭痛分類」は欧米のトリプタン製薬会社とトリプタン御用学者が作成していたものです。「国際頭痛分類 第3版β版」を”絶対的な基準”とすることから、トリプタン御用学者は当然のこととして、トリプタン製剤を片頭痛の第一選択薬とし、片頭痛の病態はトリプタン製剤の作用機序からだけでしか説明されないことになり、結局、トリプタン製剤が片頭痛の”特効薬”とまでされるに至りました。
 このため、「片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛」という考え方は徹底して排除されることになっています。
 さらに、「国際頭痛分類 第2版」での改訂以来、頭痛と頸椎病変の定義が極めて曖昧になったことから、頭痛と「体の歪み(ストレートネック)」はエビデンスなしとされ、カイロプラクター・整体師・鍼灸師による施術をエビデンスなし、とされ全く評価されることはありません。このように、専門家は「国際頭痛分類 第3版β版」を”絶対的基準”とすることから、緊張型頭痛と片頭痛は全く別の範疇の頭痛であり、緊張型頭痛と片頭痛が連続したものであるとの機能性頭痛一元論を否定され、「体の歪み(ストレートネック)」を否定することにより、慢性頭痛とくに片頭痛の骨組み・屋台骨を取り去り、まさに、片頭痛そのものを”骨抜き”というか、全く”理解不能な頭痛”にまでしてしまいました。
 先程も述べましたように、片頭痛の病態をトリプタン製剤の作用機序からしか説明されないことから、「脳過敏の原因が何か」さらに「片頭痛の慢性化がどこからくるのか」が説明できなくなったことから、片頭痛はもともと「脳のなかに異常のない頭痛」(一次性頭痛・機能性頭痛)とされて来たにも関わらず、これが最近では「中枢神経疾患」であると考えられるようになり、このような支離滅裂な、まさに”迷走ぶり”が示されています。


 このように「片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛」という考え方をされないため、セロトニン神経系の関与を否定され、さらに「体の歪み(ストレートネック)」を否定することにより、「脳過敏」は生まれつき備わった体質とされています。あるいは「市販の鎮痛薬」を服用することに原因を求めています。このため、抗てんかん薬のデパケンの服用を強要され、これに従わない医師は、ヤブ医者と罵倒される事実は忘れてはなりません。


 専門家のいう「片頭痛予防」とは、ただ”片頭痛の予防薬”を使うだけのことです。こうした”片頭痛の予防薬”は、頭痛回数を減少させ、頭痛の程度を軽くし、トリプタン製剤の効き目をよくするだけの作用しかなく、片頭痛そのものを予防はできません。このことを知っておく必要があります。このような考え方では”片頭痛そのもの”の予防は不可能です。
 そして、専門家は、なぜこのように片頭痛の予防に積極的でなく、あるいは全く無視されていることが、どこに原因があるのかを冷静に判断しなくてはなりません。
 これまでも申し上げておりますように”トリプタン製薬メーカーに洗脳された専門医は、片頭痛を熟成させることしか念頭になく、こうした片頭痛を予防するといった考え方は、されないことは当然のことです。

 この世から、片頭痛患者がなくなれば、困るのは”トリプタン製薬メーカー”だからです。こうした単純な理由から、こうした考え方は一切容認されることのない理由です。この点を認識しなくてはなりません。
 これまで、専門家の方々は、このような指導をされて来られたのでしょうか?
 こうした現実・事実を認識しさえすれば、専門家が何を考えているのかは、理解されるはずです。

 ということは、私達は、自分で自分の身・子供を守ることしかない、ということです。


 本来、片頭痛は本来、以下のように考えるべきものです。


  まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、ミトコンドリアDNAによって継承されます。
 このミトコンドリアDNAは「生活習慣の要因」と「外部の生活環境の要因」によって時々刻々変化していくものです。
 すなわち、このミトコンドリアDNAに影響を及ぼすものには、以下の6要因があります。

    1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
   2.免疫(腸内環境)の関与
   3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
   4.体の歪み(ストレートネック)の関与
   5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
   6.マグネシウム、活性酸素、有害物質、睡眠等々


 このような、観点から、片頭痛は、”緊張型頭痛の段階”から積極的に予防しなくてはなりません。

 このように、片頭痛とは、まさに”生活習慣病”そのものと考えるべきものであり、このような観点から、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛の段階から、安易に「市販の鎮痛薬」を服用することなく対処していかなければなりません。そうしなければ、後々、複雑化した頭痛へと変化してきます。
 これが、「片頭痛予防の原則」になっています。


 専門家が金科玉条のものとされる「国際頭痛分類 第3版β版」に基づいて頭痛診断を行い、「慢性頭痛診療のガイドライン」に従って、片頭痛の場合、特効薬とされるトリプタン製剤さえ処方しておれば、片頭痛が治ってしまうと思っている以上は、片頭痛予防などは論外とされることから、現在では、片頭痛予防などは必要とされていないということが理解されたものと思います。


 少なくとも、片頭痛が慢性頭痛のなかでどのような位置づけがされるのかを理解されれば、片頭痛はどのようにして予防すべきかは、説明するまでもないことです。

  

  「慢性頭痛を理解する」
    
http://taku1902.jp/sub396.pdf