患者団体はどこへ??? | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 まず、これまでの”頭痛診療”の系譜をお示し致します。


”現在の頭痛診療”に至る概略を示す歴史


1973 年 頭痛懇談会発足
1985 年 頭痛研究会となる
1988 年 国際頭痛分類が初めて公開
1991 年 スマトリプタンが初めて販売 

1996 年 ホームページ「頭痛大学」開設
1996 年 国際的組織 ADITUS が設立
1996 年 日本頭痛学会設立
1998 年 全国慢性頭痛友の会発足
 『国際頭痛分類初版』が国際痛学会から発刊
1999 年 ADITUS Japan 発足
2000 年 日本でトリプタン製剤が発売

2004 年 『国際頭痛分類 第2版』刊行

2005 年 慢性頭痛診療ガイドライン 日本頭痛学会編
      頭痛専門医制度発足
2012 年 頭痛協会設立
2013 年 Headache Master School 2013 in Asia
2014 年 Headache Master School Japan(HMSJ)


これまで、患者団体として、全国慢性頭痛友の会が唯一存在しました。

その活動内容は、そのホームページに明記されておりました。

   ◎会報の発行
   ◎専門医による医療講演会の開催
   ◎交流会、学習会などの開催


友の会の目的として、


 ◎頭痛で悩む全国の仲間と交流し、情報等を交換しあう。
 ◎頭痛が「体の病気」であることを医療機関や職場、地域社会等に訴え、正しい理解と認識を求めていく。
 ◎地域の医療機関に頭痛外来を開設してもらい、適切な医療が受けられるように働きかけていく。
 ◎慢性頭痛の原因の解明、治療法の確立に向けて行政に働きかけていく。



 これが、2014年4月より休会となったようです。その休会となった理由は、ホームページでも一切明らかにされることはありません。なぜなのでしょうか?

 

 この点が、私にはまさに謎とすることです。


 これまで、全国慢性頭痛友の会設立に至るまでの経緯は、会の顧問をされておられた2名の頭痛専門医がおられましたが、このなかの1人の専門医の著書で詳細に明らかにされていました。
 そして、先程の系譜でも明らかなように、日本頭痛学会と歩みを共にされ、「慢性頭痛診療のガイドライン」の作成にも参画されました。
 さらに、群発頭痛に対してイミグラン皮下注射の適応を要望して厚生労働省に陳情され、群発頭痛に対する内服薬(予防薬)が認可される以前の段階で、保険適応させるといった敏腕を振るわれました。
 そして、2012 年の 頭痛協会設立に際しては、いまだ片頭痛の患者さんのなかにトリプタン製剤の恩恵に浴されない不幸な患者さんがおられるといった考えで活動されました。
 さらに、「脳過敏症候群」という考え方を信奉されてこられたことは記憶に新しいものです。


 このように、まさにトリプタン製薬の謂わば広告塔のような役割を果たしてきました。


 
 私には全国慢性頭痛友の会の会長のことで鮮烈な記憶が残されています。

 それは、私が以前「片頭痛治療の新たな視点」を草稿した折りに、会長にご覧頂いて感想を求めたことがあります。ここでは、片頭痛と「体の歪み(ストレートネック)」と「脳内セロトニン」の関与の2つの点から述べたものでした。しかし、会長には学会ではこのような観点から論ずるものはないと唾棄されたことが未だに忘れることができません。
 そして、会長自身が、あの時期ですら”片頭痛の現役”であることに驚かされました。

 このため、私自身会長にお会いしたことは全くありませんでしたが、体型的にストレートネックを呈しているのではないかと申し上げました。
 さらに、これまで、会を設立されて以来、年に数回行われる頭痛専門医による医療講演会の記録を会報に残すため、一々、「講演を録音したものを文字に変換する」、さらにこれを「印刷して、会員全員に配布する」といった”気の遠くなる”ような手作業をこれまでされておられたようでした。ということは、”昼夜逆転のような生活”を繰り返されておられたということです。
 さらに、このような作業そのものは、前屈みの姿勢を強制されることになります。このような姿勢が、「体の歪み(ストレートネック)」に繋がっていることになります。
 こうした生活習慣そのものが会長の片頭痛が改善されない根本原因と指摘致しました。


 しかし、会長は、これまでの講演会での専門医の方々からは、このような指摘を受けたこともなく、考え方を示されなかったことから、論外とされ、”激怒された”ことが未だに忘れることができません。
 まさに、片頭痛患者さんを冒涜するにも程があるとのことでした。その理由は、片頭痛は遺伝的疾患であり、素人の分際で口を出すべきものではないということでした。
 その証拠に、台風が到来する以前の段階で低気圧が近づくことによって、どうして片頭痛発作が起きるのかということで、このように神聖な頭痛であるということでした。
 私は、これも「体の歪み(ストレートネック)」が関与していると申し上げても、聞く耳を持たれることはありませんでした。


 これまで、会長は会を設立されて以来、日本の片頭痛医療の最先端にある頭痛専門医から、年数回、講演会・勉強会で、片頭痛治療の何たるかを教わってきたはずであり、一般の医師とは比べものにならない位の知識を身につけておられるはずです。こうしたことから、私のような専門医でもない”馬の骨”が何をいうのかといったことだったと思われます。


 しかし、現実には、会長のような年代になっても未だに、片頭痛が改善されていないということは何を意味するのかを考えてみる必要があります。
 2014年4月に至って、会が休会になっているということは、会長自身の片頭痛が慢性化してしまっているのでしょうか? このあたりは当事者でなければ真実は明らかではありませんので、このような憶測は少なくとも慎むべきと思われます。失礼致しました。


 このような状況をみる限り、日本のそうそうたる頭痛専門医が会長を診ておられたはずです。にも関わらず、かなりの年代になっても未だに改善されていない事実を冷静に見つめ直す必要があります。(会長は、これを”遺伝的疾患”のなせるワザとされますが・・)



 私達、慢性頭痛でお悩みの方々はこのような事実を”教訓”としなくてはなりません。



 これまでも、再三、申し上げておりますように、片頭痛の大半は”多因子遺伝”による生活習慣病とも考えるべきものです。
 このような考えでなしに、一部の頭痛専門医からは「片頭痛のセルフケアー自己管理」 の重要性が指摘されてきました。


  http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11944598091.html
  
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11948587953.html


 これらの具体策を”完璧”に行う限り9割の片頭痛は発作を起こすことなくコントロールされるとされてきました。しかし、こうした方々でさえ、片頭痛の大半は”多因子遺伝”によって先祖代々受け継がれ、ミトコンドリアの機能障害による生活習慣病といった立場で論じられることなく、「片頭痛のセルフケアー自己管理」の具体策の繋がりが明確にされることなく、一般の方々にとっては”テンテンバラバラ”で、実際に行おうとした場合に、なぜこのようなことが必要なの? ということになります。

 こうした考え方そのものは、それまでの論文のつなぎ合わせでしかなく、体系的に論じたものではありません。
 今回出版することになっています「片頭痛のセルフケア」では、片頭痛の大半は”多因子遺伝”によって先祖代々受け継がれ、ミトコンドリアの機能障害による生活習慣病という論点から「片頭痛のセルフケアー自己管理」の具体策を理論的に述べたものです。
 しかし、専門家は決してこのように理論的に考えることもなく、「片頭痛のセルフケアー自己管理」の具体策の項目ごとにエビデンスを求めてきたことによって、堂々巡りをされます。片頭痛の病態は多面的なものであり、これらを一々エビデンスを確立しようとすること自体無理があります。このため、頭を使って”理論的に”考察しなくてはならない理由があります。


 片頭痛の大半が生活習慣病である以上、いくら知識が豊富であっても、するべきことを実践されない限りは改善そのものは到底望めないことを意味しています。


 生活習慣病の代表格とされる糖尿病を例にとれば、明らかなことです。糖尿病の診断を下された初期の段階から、運動療法・食事療法を徹底して行わない限り改善は望めません。

 さらに、時間の経過とともに次々に”環境因子”が追加されることになり、後手後手に回ることになり、結局のところ薬剤に頼るしかなく、さらに合併症を併発してくることになり最終的には死が待ち構えております。
 このように、いくら知識が豊富であっても、運動療法・食事療法を自分で徹底して行わない限り、糖尿病はコントロールされることはありません。


 片頭痛の場合もまったく同様です。発症早期から、生活習慣を見直し、何が問題になっているのかを点検し、見つかった問題点は自分で改善・是正する必要があります。
 このように”片頭痛発症当初から”生活習慣の問題点を是正しなくては何もならないことになってしまいます。ここが最も重要な点です。

 そうされませんと、時間の経過とともに次々に新たな”環境因子”が追加されることによって、錯綜となり、何から手をつけてよいのかが解らなくなってきます。
 ただ、片頭痛の場合、糖尿病のように合併症で命を落とすようなことにはならないだけ救いではありますが、次第に慢性化に陥り、薬漬けの生活を余儀なくされ、一生、トリプタン製剤と予防薬を服用せざるを得なくなり、最終的にはトリプタン乱用頭痛に至り、慢性片頭痛という厄介な頭痛地獄を味わわなくてはならなくなってきます。
 こうしたことから、片頭痛では、女性に多い頭痛であることを念頭において、なぜ女性に多いのかをきちんと理解され、片頭痛発症当初から対処しなくてはなりません。
 このような対処をされませんと、年を経るにつれて次第に片頭痛は増悪してくることは自明であり、少なくとも、20歳までには遅くとも結婚前には改善させておくべきです。

 生活習慣病の本質はこのようなものであり、これを理解することなく改善は期待出来ないということです。

 生活習慣病とはこのような病気なのです。対処が遅れれば、遅れるだけ改善が望めなくなってきます。

 こうしたことから、短絡的に”遺伝的疾患”とされてきました。
 これまで、専門家はこのような指導をされてこられたでしょうか?
 このような単純なことすら指導することなく、片頭痛が遺伝的疾患であり、原因不明であると宣われるのが専門家と考えなくてはなりません。


 これまでの患者団体のように、専門家の言いなりではあってはならないということです。
 専門家とは、「国際頭痛分類第3版 β版」を金科玉条のものとする医師集団と考えなくてはなりません。

 そうなれば、このような基準を誰が作成したものなのかを考えれば、私達、慢性頭痛で悩まれる方々の”安寧”を目的としたものではないということです。


 今後は、患者団体は、こうした専門家とは独立した形で、私達、慢性頭痛で悩まれる方々の”安寧”を目的として再結成されなくてはなりません。
 それは、専門家とは、「国際頭痛分類第3版 β版」を金科玉条のものとするからに他ならないからです。このような基準を遵守する以上は、片頭痛を改善させようとする考え方は生まれることは今後ともありえないことです。せいぜい、発作時にトリプタン製剤の服用を勧められるのが関の山でしかありません。


 こうしたことから、患者団体は、専門家とは決別するしかありません。