従来、頭痛の専門家からは、片頭痛の治療原則は、誘因と思われるものをできるだけ取り除くこと、それでも痛くなったら片頭痛治療薬を飲むこと、そして頻発するようであれば予防薬を飲むこと、という3つの柱(原則)から成り立っているとされています。
1.誘因探し・・片頭痛の誘因は見つかるのか???
片頭痛を防ぐには、その「誘因(引き金・トリガー)」を探し出しそれを除去するために必要ということから、これまで「片頭痛の治療原則」として、まず第一にすべきことが「誘因探し」とされてきました。
片頭痛の誘因となるものは、睡眠不足や睡眠過多、人混み、赤ワイン、ビール、チョコレート、ハム、ソーセージ類などがよく知られています。このほかにも何か強い臭いが刺激になって起きる場合、また夢中になって読書やテレビゲームをしたとか、夜遅くまで友人たちと喋っていたなどということも、誘因になることがあります。
人によって、またそのときの体調によって、環境によって、片頭痛を引き起こす誘因はさまざまです。睡眠不足が続きストレスも重なっている、というときに赤ワインを飲んだら激しい頭痛がきた、というように、いくつかの誘因が複合的に重なっているときにも注意が必要です。
このように、患者さんによっては、その時の体調によって誘因となったり、何ともなかったりと、さらに複合的に重なり合う場合もあり、誘因の同定には極めて困難を極めることになっているのが実情です。
そして、「全国慢性頭痛友の会」の会長の秋山扶佐子さんの申されるには、会員の片頭痛の方々の殆どが「発作の引き金」が分からない、ということです。
このように大半の片頭痛の方々は、「発作の引き金」が分からないというのが実情です。
この理由は、発作当初は緊張型頭痛のような状態から始まり、これが次第に片頭痛のパターンに移行していく場合です。これは、緊張型頭痛と片頭痛が連続したものであることから当然といえば当然のことです。このようにいつの間にか片頭痛へ移行するからです。
さらに、片頭痛という頭痛は、皆さんのこれまでの生活習慣とくに食生活・姿勢等の問題が原因となり、謂わば、あなたの”生き方(ざま)”すべてが関与して起きてくるものです。これらは、いずれも日常生活を送る上で、”何気なく無意識に”行ってきた「食事・姿勢・体の使い方」が原因となっていることを意味しています。
このように日常生活を送る上で、”何気なく無意識に”行ってきた「食事・姿勢・体の使い方」が誘因(引き金)となって起きてくるため、気付くことはまず無理な話です。
特に、片頭痛の方々の殆どは「体の歪み(ストレートネック)」を持っています。
さらに、食事ことになれば、皆目見当がつかないことになります。
こうしたことから、大半の片頭痛の方々は、「発作の引き金」が分からないというのが実情です。
現段階では、生理に関連してとか、気圧の変化(天気が悪くなる前)とか、ストレスとかいったものしか患者さんは誘因として気がつかれないのではないでしょうか。このような生理・天気・ストレスといった問題は日常生活を送る上で、どうにも避けられない・解消できないため、初めから諦めてしまう根源ともなっています。こういったことから「誘因探し」そのものは困難を極めるというのが実情ではないでしょうか?
結局、「誘因探し」が片頭痛をなくすための方法としては、いかに不適切なものかが理解されるはずです。「誘因探し」は片頭痛治療の柱とはなり得ないということです。
このため「誘因探し」といった雲をつかむようなことで無駄な時間を費やすべきではありません。このような無駄な時間は、もっと別に有効に使うべきです。
こういったことから、片頭痛がなぜ生理、天気、ストレスによって左右されるのかという基本的なことを知ることが必要になってきます。さらに、片頭痛がどのようにして発症してくるのかを知ることが大切になってくるはずです。
2.痛くなった時の片頭痛治療薬
これまで、痛みがあれば、まず市販の鎮痛薬を、これでダメなら病院での鎮痛薬NSAIDs、これで効かなければエルゴタミン製剤を、これでも効かなければトリプタン製剤が勧められてきました。このように段階的に、”鎮痛薬”の服用が推奨されてきました。
このように片頭痛治療の場面では、各種の諸々の薬剤によって、ただ単に”頭痛という痛み”さえとれば、これで解決したと安易に考えられてきました。
そして、最後の”砦”とされるトリプタン製剤は片頭痛の”特効薬”とされてきました。 基本的に、片頭痛発作時には、脳内セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下しており、片頭痛発作の時に、脳内セロトニン様作用をもつトリプタンを投与することによって、機能低下状態に陥っている脳内セロトニンをバックアップしているだけです。「脳内セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下」は、あくまでもミトコンドリアの機能低下によって引き起こされた結果に過ぎません。トリプタン製剤で痛みを無くしても、「ミトコンドリアの機能低下」は厳然として存在しています。
要するに、トリプタン製剤は謂わば”鎮痛薬”に過ぎないということです。
そして、片頭痛発症の根幹には「酸化ストレス・炎症体質」というものが存在し、このために、活性酸素や遊離脂肪酸が過剰に産生されやすく、このため血小板凝集が引き起こされ、これが引き金となって血小板から”生理活性物質”であるセロトニンが放出されることによって、片頭痛発作につながっていきます。
現在では、このように、神経伝達物質である「脳内セロトニン」の低下を補填するためにのみ片頭痛治療の主眼が置かれ、トリプタン製剤が第一選択薬とされています。
しかし、トリプタン製剤によって痛みを抑制していますと、根幹にある「酸化ストレス・炎症体質」はさらに増悪してくることになり、慢性化に繋がってきます。
本来、片頭痛治療の焦点は、「脳内セロトニン」をいかにして増やすか、さらに、「酸化ストレス・炎症体質」をどのようにして改善させるかに置かなくてはなりません。
現在のトリプタン製剤は患者のわずかに50~60%だけしか効果が見られず、心疾患のある患者や脳梗塞の既往のある患者では使うことができません。しかも、それらは根本的な治療薬ではない(片頭痛を根治させる薬剤ではない)ため多くの場合頭痛は24時間以内に再発する傾向があります。
さらに、月にトリプタン製剤の服用回数が10回を超えようものなら、専門医は問答無用で”薬物乱用頭痛”として一方的に処方を打ち切られ、それも発作の都度トリプタン製剤の服用を勧めながら、このような”無節操な”ことを平気でされる現実が存在します。
このように月にトリプタン製剤の服用回数が10回を超えれば、予防薬の服用が勧められますが、このような「トリプタン製剤による”薬剤乱用頭痛”」によって引き起こされた頭痛回数の増加した状態では、現在の「予防薬」の効果は全くありません。こうしたことから、「予防薬」とは一体、どのようなものかを知ることが必要になってきます。
3.発作回数が多ければ、予防薬を???
たいていの片頭痛患者さんは発作時の抑制治療だけで済むのですが、人によって、頭痛の回数が多い、抑制薬を使いすぎる、抑制薬が効かない、頭痛の回数を減らしたいという患者さんに対しては、予防薬が併用されます。目安は月にトリプタン製剤の服用回数が10回以内に抑えるということです。また、緊張型頭痛での難治の場合にも予防薬を使います。 この予防薬としては、以下のようなものがあります。
1.ベータ遮断薬
2.カルシウム拮抗薬
3.カルデサルタン
4.抗うつ薬
5.抗てんかん薬
6.ビタミン類
7.ボツリヌス毒素
日本で初めて、片頭痛の予防薬として保険適用されたのは、塩酸ロメリジンという薬で、最近、各種の薬剤が保険適応になって参りました。2011年に抗てんかん薬のバルプロ酸、2012年にベータ遮断薬のプロプラノロール、抗うつ薬のアミトリプチリンが次々に保険で使えるようになって参りました。
このように現段階では、4種類が保険で認められていますが、これをどのように使って行くのかは明確にされておりません。あくまでも経験論から使われているに過ぎません。
そして、これらの薬剤が、すべての患者さんに効くというわけではありません。
予防治療の有効率は決して高いものではありません。
ほとんどの薬剤が、有効率は30~40%、すなわち10人中3~4人しか効きません。しかし、個人差が激しいので、薬によって有効率は異なります。効かなかった場合には、他の薬に変えてまた、2~3カ月様子をみる、という気長な対応が必要です。
また、効果を確認できるまでの期間も短くないのです。
予防治療に使われるどの薬剤も、効果を発揮するまでには4週間くらいはかかります。
はじめの2週間くらいはまったく効かないのが普通です。3~4週めになっていくらか頭痛の回数が減っていると感じたら、効果があったと考えてよいでしょう。なかには、2カ月めになってやっと効果がはっきりしてくることもあります。
こういった理由から、多くの患者さんでは、予防薬の効果が現れるまでの期間が長く、極めて緩やかな効き方しかしません。
確かに、数年間にわたって、1種類ずつ処方されておられる場合もあるようですが、このような方式は、あくまでも偉い先生方がされた場合のことで、じっと我慢して服用されておられる方々は少ないのではないでしょうか?
大半の方々は途中で治療をあきらめ、ひいては頭痛患者さんが医療機関を敬遠される元凶になっているものと思われます。
このような効き目しかないため、鹿児島の田村正年先生は予防薬の多剤併用療法を提唱され、最初から3,4種類の予防薬を併用すべきとされます。
このように、片頭痛の予防薬として最初から開発されたものは塩酸ロメリジンだけで、他の予防薬は、片頭痛以外の病気で使用されていた薬剤で、こうした薬剤を使っていた人がたまたま片頭痛を持っていて、服用中に偶然、発作回数が減ったことから、その予防効果が確認された薬剤ばかりです。このため薬効の確かなものは何一つないのが実情です。
そして、最後の砦とされるトリプタン製剤による薬剤乱用頭痛には、こうした予防薬の効果は全くないと指摘されています。このため、トリプタン製剤による薬剤乱用頭痛に陥れば、まさに悲劇というしかなく、頭痛地獄となることを意味しています。
このように予防薬といっても、確実に有効であるとは限らないことを認識すべきです。
「片頭痛治療の3本の柱」の疑問
以上のように専門家の提唱される「片頭痛治療の3本の柱」とされるものは、すべて不確かなものばかりです。
基本的には、片頭痛発作時にはトリプタン製剤を服用し、誘発因子を取り除きながら、予防薬を服用し、片頭痛の頻度を抑えながら、片頭痛が起きなくなる年代まで待ちましょうということが貫かれています。
片頭痛の特効薬とされるトリプタン製剤にしても、あくまでも”鎮痛薬”に過ぎないものです。にも関わらず、頭痛の専門家は、片頭痛治療の世界にトリプタン製剤を導入したことにより、片頭痛の治療体系は確立されたと自画自賛されます。
確かに、トリプタン製剤が効くひとには最大の福音であったかもしれません。しかし、一方では、全く効かないトリプタン・ノンレスポンダーの方もおられます。効く方では、飲み過ぎで、トリプタン乱用頭痛を引き起こし、地獄を味わっているひともいます。
結局、トリプタン製剤によって、”辛い頭痛からの解放”が終着駅であると考えていることに最大の問題点があると考えなくてはなりません。
そして、学会を主導される方々は、この国際頭痛分類である「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および研究の”絶対的基準”とされ、世界共通の言語とされます。この「国際頭痛分類」は欧米のトリプタン製薬会社とトリプタン御用学者が作成していたものです。「国際頭痛分類 第3版β版」を”絶対的な基準”とすることから、トリプタン御用学者は当然のこととして、トリプタン製剤を片頭痛の第一選択薬とし、片頭痛の病態はトリプタン製剤の作用機序からだけでしか説明されないことになり、結局、トリプタン製剤が片頭痛の”特効薬”とまでされるに至りました。
このため、「片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛」という考え方は徹底して排除されることになっています。
さらに、「国際頭痛分類 第2版」での改訂以来、頭痛と頸椎病変の定義が極めて曖昧になったことから、頭痛と「体の歪み(ストレートネック)」はエビデンスなしとされ、カイロプラクター・整体師・鍼灸師による施術をエビデンスなし、とされ全く評価されることはありません。このように、専門家は「国際頭痛分類 第3版β版」を”絶対的基準”とすることから、緊張型頭痛と片頭痛は全く別の範疇の頭痛であり、緊張型頭痛と片頭痛が連続したものであるとの機能性頭痛一元論を否定され、「体の歪み(ストレートネック)」を否定することにより、慢性頭痛とくに片頭痛の骨組み・屋台骨を取り去り、まさに、片頭痛そのものを”骨抜き”というか、理解不能な頭痛にまでしてしまいました。
先程も述べましたように、片頭痛の病態をトリプタン製剤の作用機序からしか説明されないことから、「脳過敏の原因が何か」さらに「片頭痛の慢性化がどこからくるのか」が説明できなくなったことから、片頭痛はもともと「脳のなかに異常のない頭痛」(一次性頭痛・機能性頭痛)とされて来たにも関わらず、これが最近では「中枢神経疾患」であると考えられるようになり、このような支離滅裂な、まさに”迷走ぶり”が示されています。
このように、専門家を”迷走”させた根源原因は「国際頭痛分類 第3版β版」にあると考えなくてはなりません。このことは、学会を主導される方々は、これまで、トリプタン製薬メーカーと手を携え合って二人三脚で頭痛診療および研究を推し進めてきた”ツケ”が回ってきたと考えるべきです。製薬業界の真の目的とすることは、製薬市場拡大の基盤として片頭痛を存続させ続けることです。この点が、いつまでも認識されていないようです。この「国際頭痛分類 第3版β版」は欧米のトリプタン製薬会社とトリプタン御用学者が作成していたものです。ここを忘れてはなりません。
このように考えるなら、従来の片頭痛の治療方針では不適切と考えなくてはなりません。
片頭痛治療の根幹は生活習慣の改善にあります
片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。
この「ミトコンドリア」は、私達の体を構成する細胞の中のすべてにあり、エネルギーを産生しています。ということは私達の”生命の根源”ともなるものです。ミトコンドリアの機能がまともに働かなければ「健康的な生活」は送れないことになります。
ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出していて、エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。
そして、私達が日中活動している際に常時活動している神経系がセロトニン神経系です。 このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時に「セロトニン神経系」の働きまで悪くなってきます。
「セロトニン神経系」は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
「脳内セロトニンの働き」としては、
1.大脳皮質を覚醒させ、意識のレベルを調節する
2.自律神経調節する
3.筋肉へ働きかける
4.痛みの感覚を抑制する
5.心のバランスを保つ、
といった主な5つの働きがありますが、「セロトニン神経系」は、私達が”日常生活を送る際の生命活動”に直結する重要な神経系です。
ミトコンドリアの働きが悪ければ、当然のこととして同時に「セロトニン神経系の機能低下」が引き起こされ、これに生活習慣の問題点が加わることによって「脳内セロトニンの低下」がもたらされることになります。そして、この「ミトコンドリアの機能障害」と「脳内セロトニンの低下」の2つが重なることによって「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こされやすくなります。
私達は、日常生活を送る場面では、日常的に「前屈みの姿勢」を強いられており、このため、当然のこととして、「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしてきます。
この日常的な「前屈みの姿勢」は緊張型頭痛の原因となり「体の歪み(ストレートネック)」が形成されることによって緊張型頭痛が増強してくることになります。そして、これに「脳過敏」の要因が追加され、片頭痛へと移行する際の骨組みともなってきます。
そして、この「ミトコンドリアの機能障害」と「脳内セロトニンの低下」と「体の歪み(ストレートネック)」3つの要因が「脳過敏」を引き起こす原因ともなってきます。
これら、「ミトコンドリアの機能」と「脳内セロトニンの量」と「体の歪み(ストレートネック)」の3つは、生活習慣の問題点によって影響を受けています。
このように様々な要因が加わることによって、「脳過敏」が増強されることから、片頭痛が発症してくることになります。
片頭痛の大半の遺伝の様式は、メンデル型”の”単一遺伝子異常”の優性遺伝でなく、”多因子遺伝”の様式で、親や祖父母から受け継がれます。”遺伝的素因”が存在しても、これに”環境因子”が加わらないことには、片頭痛は発症しないということです。
これまで、神経内科関係の専門医が示されていた「片頭痛のセルフケアー自己管理」の具体的な内容を「片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛である」という観点から理論的に再構築しさえすれば、環境因子は明確になります。「片頭痛のセルフケアー自己管理」の具体的な内容のなかに”環境因子”が示されています。
トリプタン製剤が出現する以前から、片頭痛の治療の中心は、基本的な考え方として、「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、姿勢を正しくし、リラックスするように」と、生活指導がなされて参りました。
規則正しい生活とは、生まれつき体に備わっている生体リズムに沿った生活という意味で、最も自然で健康的な生活と言えます。生活のリズムは恒常性(ホメオスターシス)によって維持されています。
「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの、自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系は”ホルモン”と”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めています。
”セロトニン神経系”の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
このようにセロトニン神経は「ホメオスターシス三角」で重要な位置を占めています。
”生理活性物質”は、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、 局所ホルモン(エイコサノイド)(プロスタグランジン)のバランスを乱すことになります。 結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。
”腸内環境”は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。
また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。 家畜に投与された抗生物質が食肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。このようにして腸内環境は悪化してきます。
”腸内環境”の悪化は「頭痛を引き起こしやすい状態」を形成してくることになります。
こうした諸々の要因は「ホメオスターシス三角」そのものの釣り合いを乱す原因ともなり、頭痛を引き起こしやすい状態(頭痛体質)を形成してくることになります。
生活のリズムは、体内時計によって刻まれ、この生体時計は、さらにミトコンドリアとセロトニンにより制御されています。
食事をバランスよく摂ることは、ミトコンドリアがエネルギー産生を行うためと、脳内セロトニン産生を行うために必須の条件になります。
睡眠を充分とることは、日中に傷ついたミトコンドリアの修復に不可欠であり、早寝・早起きはセロトニン神経の活性化に大切になります。
姿勢を正しくし、背筋を伸ばすことはミトコンドリアを活性化させます。
リラックスすることは、自律神経を調整するために必要で、ストレス耐性の体づくりにはセロトニン活性化が不可欠となってきます。
このように”環境因子”として、以下の6項目があります。
1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
2.免疫(腸内環境)の関与
3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
4.体の歪み(ストレートネック)の関与
5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
6.ミトコンドリアの関与
このような環境因子は、すべて生活習慣の問題点から引き起こされたものです。
片頭痛は、これまでの生活習慣の問題点によって起きてきた頭痛です。このため、自分の頭痛が、どのような問題点から起きてきたものかを自分で点検する必要があります。
自分の片頭痛が、どのようにして発症してきたのかを、冷静に振り返ってみることです。「最初に頭痛」を自覚してから、この頭痛が、現在のように”日常生活に支障を来す程の頭痛”に至るまでの間に、生活習慣・生活環境にどのような変化があったかを冷静沈着に内省することです。このことから、どういった問題点が浮上してくるかを点検することです。その大半は、「食生活」・「体の使い方」・「姿勢」にあります。
そして問題点が分かれば、これを是正するだけのことです。発作時にはトリプタン製剤を服用せざるを得ません。そして、発作回数が多ければ、たちまちは予防薬を併用しなくてはならないかもしれません。しかし、必ず、平行して、見つかった生活習慣上の問題点を同時に是正しなくてはならないということです。
ミトコンドリアおよびセロトニン神経の活性化には、最低3カ月は必要とされます。
(仮に、予防薬を服用されようとも、この程度の期間は必要とされています)
また、「体の歪み(ストレートネック)」の是正にしても、毎日の首を労るための配慮が必要であり、背骨伸ばしのストレッチと仙腸関節のストレッチは最低限必要とされます
食事に対する配慮は毎日行う必要です。とくにマグネシウム不足は、普通のひとでも容易に不足しやすい生活環境に置かれていることを認識する必要があります。そして、食生活上の嗜好の問題もあります。油の取り方にも共通した配慮が必要とされます。
このように、毎日の日常生活を行う上での思わぬことが、あなたの片頭痛の要因になっていることを認識しなくてはならないはずです。
しかし、このような配慮は、片頭痛改善だけでなく、健康な生活と美容上欠かせない重要な項目となっているはずです。
単純に、片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛であり、片頭痛の大半は”多因子遺伝”であり、生活習慣病であるということさえ認識すれば、思い悩むことはないはずです。決して、遺伝的疾患、血筋のなせるワザなどと考えないことです。