早や、1年が経過しましたが・・ | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 昨年の10月25日、これまでのOCNのブログ廃止に伴い、当アメーバ・ブログにお邪魔させて戴き、早や1年が経過しました。このブログは、慢性頭痛でお悩みの方々のために開設したものです。現在、慢性頭痛の原因は全く不明とされ、とくに片頭痛は”不思議で・神秘的な”頭痛とされ、その本態はまったく不明とされます。
 当ブログは、このような慢性頭痛をどのように考えるべきかを述べたものです。
 これまで、片頭痛の治療原則は、まず自分の頭痛の起き方や体のリズムとの関係を把握し、誘因と思われるものをできるだけ取り除くこと、それでも痛くなったら片頭痛治療薬を飲むこと、そして頻発するようであれば予防薬を飲むこと、という3つの柱(原則)から成り立っているとされ、患者さんと医師が話し合いながら、この3つのコンビネーシヨンをうまく使って、できるだけ頭痛の頻度を減らし、最終的には頭痛のない生活、頭痛フリーの生活を手に入れることが、現在の片頭痛治療の大きな目的とされてきました。
 結局のところ、片頭痛発作時にはトリプタン製剤を服用し、誘発因子を取り除きながら、予防薬を服用し、片頭痛の頻度を抑えながら、片頭痛が起きなくなる年代まで待ちましょうということが基本的に貫かれているようです。
 さらに、ネット上ではしきりに、片頭痛の”適切な治療”とは、と以下のように述べられています。
 片頭痛発作時に市販の鎮痛薬を服用していますと、一部の脳の活性が高まり、そこにつながる血管が異常拡張して、痛みが生じ、血管の異常拡張がさらに脳の活性をもたらし、それが再び血管の異常拡張へとつながり、つまり、悪循環が終わらなくなるとされ、それによって常に片頭痛がある状態になり、血管の拡張が繰り返されると、血管自体に炎症やむくみが残って、さらに頭痛を起こしやすくなるとされ、トリプタン製剤を頭痛発作時に毎回服用すべきとされます。
 そして、片頭痛発作時にトリプタン製剤を服用することが”適切な治療”とされてきました。さもなくば、将来、「脳過敏症候群」に至って、厄介な状況を生み出すと脅迫されます。そして、学会を主導される方々は、片頭痛治療の世界にトリプタン製剤を導入したことによって片頭痛の治療体系は”確立された”とされています。


 しかし、私はこうした考え方が果たして、正しいのかどうかをここ1年間に渡って長々を述べて参りましたが、肝心の慢性頭痛でお悩みの方々が当ブログをご覧頂けているのか甚だ疑問に思えてならず、このまま”独り相撲”に終わってしまうのではないかと懸念していました。
 ところが、10月16日の記事「片頭痛予防薬って、そんなに早く効くの???」に当ブログ開設以来、初めて片頭痛の方「うみたん」「なたこ」さんからコメントを頂きました。
 このコメントを頂くことによって、私の考え方が決して”独断と偏見”によるものではなかったものと思っております。

 
 今回、コメントを頂きました「なたこ」さんは、まさに悲惨さが伺え、お気の毒としか言いようがないようです。「なたこ」さんは、10年前からデパケン内服され、現在では、サインバルタとソラナックスとテグレトールを服用されているにも関わらず、毎日のように酷い頭痛を繰り返されているとのことです。しかし、先日のNHKの「ためしてガッテン」の片頭痛特集の番組では、「慢性頭痛治療のガイドライン」を陣頭に立って作成された頭痛専門医が出演され、あたかも”魔法のごとく”たちどころに発作回数が減少でもするかのごとく、「予防薬の効果」を説明されていました。そして、「うみたん」さんには、こうした考え方は批判されています。それも患者サイドからの批判です。まさに由々しき問題というしかないようです。
 しかし、現在の日本の頭痛外来を担当される先生方は、この「慢性頭痛治療のガイドライン」を片頭痛診療の絶対的な基準とされ、「生活習慣の見直し」の指導もされることもなく、現実にトリプタン製剤・予防薬のみを処方されます。これが大半の頭痛外来の実態と考えなくてはなりません。
 これまでも再三指摘しておりますように、この「慢性頭痛治療のガイドライン」には、「生活習慣の見直しの仕方」に関しては一切記載されていません。
 ということは、大半の頭痛外来では、「生活習慣の見直し」を指導することもなく、ただ単に「トリプタン製剤」「予防薬」を処方されているにすぎません。このため、今回のような「なたこ」さんのような患者さんは当然のごとく生み出されることになります。
 このような「なたこ」さんのような患者さんは氷山の一角にすぎません。当地区では、このような患者さんは吐き捨てる程いらっしゃいます。
 従来から、”規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、姿勢を正しくし、リラックスするようにと”、生活指導がなされて参りました。
 そして、神経内科関連の専門医の方々は「片頭痛のセルフケアー自己管理」の重要性を指摘されます。
 片頭痛治療の”名医”(カリスマ医師ではありません)とされる先生方は、個々の患者さんの生活習慣の問題点を把握することによって、個別に改善策を指導し、片頭痛を改善されてこられました。
 このように、片頭痛治療上、「生活習慣の見直し」は必須の項目でありながら、トリプタン製剤が導入されて以来、専門医は「トリプタン製剤が片頭痛の特効薬である」との製薬メーカーの誇大広告を真に受けて、「生活習慣の見直し」は一切無視されるに至っています。
 このことは、「慢性頭痛治療のガイドライン」には、「生活習慣の見直しの仕方」に関しては一切記載されていないことでも如実に示されています。このような「薬物療法」がすべてです。

 この「生活習慣の見直し」の中で「食事の摂り方」は、最も大切な項目であるにもかかわらず、現在、予防薬の項目のなかで、わずか「マグネシウム・ビタミンB2」の補充が”楊子のツマ”のごとく挙げられ・記載されているにすぎません。
 本来、片頭痛治療は、まず行うべきことは、これまでの「生活習慣の見直し」であり、これが一番大切なことであるはずです。そして、トリプタン製剤にしても予防薬にしても、あくまでも「対症療法」に過ぎません。トリプタン製剤は、単なる”鎮痛薬”にすぎず、予防薬に至っては、わずか発作回数・程度を減少・減弱させるだけのことです。
 現在の「慢性頭痛治療のガイドライン」では、こうしたトリプタン製剤が第一選択薬とされ、これにエビデンスのある予防薬が据えられ、これで片頭痛治療体系が完結したとされます。こうした薬物療法はあくまでも「補助的手段」に過ぎないものでありながら、これがすべてであるかのごとく記載され、本来最も大切なものであるはずの「生活習慣の見直し」は一切記載されることはありません。こうした「生活習慣の見直し」が真っ先に「ガイドライン」に明記されなくてはならないはずです。こうしたことから、「なたこ」さんのような悲劇が生まれるべくして作り出されたものと考えるべきものです。


  これまでOCNのブログ時代に、ある頭痛専門医から、ブログは、一般の患者さんたちも見ることが出来るものであり、自分が主張していることを何でも書けばよいと言うものではない、といった馬鹿げた批判をお受け致しました。しかし、学会が容認することをブログに記載して何の意味があるというのでしょうか? 学会が容認しないこと、とくに片頭痛患者さんの直接の利害・安寧に関わることです。この「ある頭痛専門医」は学会のされることが全て正しいとでも思われているのでしょうか? こうしたガイドラインに満足して診療されておられるのでしょうか? 何ら疑問のかけらも持たないのでしょうか? それこそ、恥ずべきことです。もっと自分の診療に誇りを持つべきです。
 片頭痛治療上、「生活習慣の見直し」は、まさに重要なものであり、良識ある医師であれば、必ずされていることです。このような片頭痛治療上の「生活習慣の見直し」は、現在の「慢性頭痛治療のガイドライン」には全く記載されていないことから、これを「一般化」し、徹底すべきことを提唱しているだけにすぎません。これこそ、ブログで書くべきことと考えます。


 当アメーバ・ブログにお邪魔させて戴き、早や1年が経過しました。今回、「なたこ」さんのような悲劇を目の当たりにし、このような悲劇を繰り返さないがためにも、これまでの記事のダイジェスト版を掲載します。これは、これまでの1年間の記事をすべて読み直して戴ければよいのですが、余りにも膨大になってしまいましたので、「なたこ」さんのために、ダイジェスト版として改めることにします。これまでの繰り返しにすぎませんが・・・
 徹底するまでは、幾度も・幾度も繰り返すことに致します。


 それにしても、現在のような「慢性頭痛診療のガイドライン」を学会として、よく作成されたものだと呆れ果てています。それというのは、専門医を取得されたばかりの記憶力だけ確かな経験も少ない方々が実際の頭痛診療を、こうした「ガイドライン」をもとに行っているわけですから、当然のこととして弊害が生じても不思議ではなく、コーホート研究等々その他の統計学的手法を駆使し、エビデンスばかり云々する余り、現実にそぐわないガイドラインを作成してしまっている現状を今後どのように改めていくのでしょうか???

 少なくとも、ガイドライン作成にあたって、「臨床経験豊富な方々」と「これまでの研究業績を理論的に再構築できる能力を持った方々」の出現が望まれます。いずれにしても、このような”理論派”は学会の中にはおられないのでしょうか???まさにお粗末な限りというしかないようです。