新たな”第二の患者団体”の必要性・・・最終回 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 5月12日以来、120回にわたって連載して参りましたが、本日でこのシリーズは終了致します。途中、1日のアクセス数が3,600件を超えるときもありましたが・・
 ということは、いかに多くの方々が、現在の頭痛医療に対して疑問を呈しているかの証明でもあるようです。
 また、現在の頭痛医療は、これほどまでに疑問に満ち溢れた世界のようです。
 シリーズ終了にあたって、これまでの論点を整理し、現在行われている頭痛医療と私の頭痛医療に対する考え方の相違点を述べ、まとめとしたいと思います。

  

「健康的な生活」を送るためには・・


 健康的な生活とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。この生活のリズムは「ホメオスターシス」によって維持されます。
 脳のなかに異常のない「慢性頭痛」は「健康的な生活」を送ることができないことに根本的な原因があり、”慢性頭痛”とは、「不健康な生活を送っている」という生体の警告の信号”サイン”と考えなくてはなりません。
 端的に表現すれば、ややこしい問題が山積されると、この解決策が見つからない場合「頭が痛い」と表現する程です。単純に、これが、頭痛の本質と考えなくてはなりません。

 経験的に、ストレスは慢性頭痛を増悪させる原因と知られています。
 そして、このストレスが、「ホメオスターシス」を乱す根源になります。
  「生体リズム」とは、脳の視交叉上核にある「体内時計」によって刻まれ、睡眠と覚醒のリズム、体温のリズム、行動のリズム、ホルモン分泌のリズムなどです。
 そして、「体内時計」は、ミトコンドリアとセロトニンによって制御されています。

 この「ミトコンドリア」は、私達の体を構成する細胞の中のすべてにあり、エネルギーを産生しています。ということは私達の”生命の根源”ともなるものです。ミトコンドリアの機能がまともに働かなければ「健康的な・健全な生活」は送れないことになります。
 ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出していて、エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。
 そして、私達が日中活動している際に常時活動している神経系がセロトニン神経系です。 このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時に「セロトニン神経系」の働きまで悪くなってきます。
 「セロトニン神経系」は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
 「脳内セロトニンの働き」としては、1.大脳皮質を覚醒させ、意識のレベルを調節する 2.自律神経調節する 3.筋肉へ働きかける 4.痛みの感覚を抑制する 5.心のバランスを保つ、といった主な5つの働きがありますが、「セロトニン神経系」は、私達が”日常生活を送る際の生命活動”に直結する重要な神経系です。

 先程の「恒常性(ホメオスターシス)」の維持には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深く関わっており、それはストレスなどに大きく影響されます。例えば、ストレスは自律神経を失調させ、内分泌を乱し、免疫力も低下させてしまいます。
 「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの、自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系は”ホルモン”と”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めています。
 ”セロトニン神経系”の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
 このようにセロトニン神経は「ホメオスターシス三角」で重要な位置を占めています。
 ”生理活性物質”は、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、 局所ホルモン(エイコサノイド)(プロスタグランジン)のバランスを乱すことになります。 結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。
 ”腸内環境”は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。 家畜に投与された抗生物質が食肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。このようにして腸内環境は悪化してきます。
 ”腸内環境”の悪化は「頭痛を引き起こしやすい状態」を形成してくることになります。

 こうした諸々の要因は「ホメオスターシス三角」そのものの釣り合いを乱す原因ともなり、頭痛を引き起こしやすい状態(頭痛体質)を形成してくることになります。


 このように、「健康で・健全な生活」は、「恒常性(ホメオスターシス)」、ミトコンドリア、セロトニン神経系によって維持されています。謂わば、生命の根源ともなります。
 頭痛とは、このような「健康で・健全な生活」が送れないためのサインなのです。


 このように頭痛を根源的に捉え、慢性頭痛の臨床頭痛学は構築されなくてはなりません。
 「臨床頭痛学」とは、「健康生活、美容の追求、長寿を願う」学問そのものと言えます。
 ということは、人間本来の”正しい生活のあり方”を追求することが究極の目的です。


 片頭痛がミトコンドリアの機能障害が原因であるとすれば、同時に「セロトニン神経系の機能低下」が引き起こされ、これに生活習慣の問題点が加わることによって「脳内セロトニンの低下」がもたらされることになります。そして、この「ミトコンドリアの機能障害」と「脳内セロトニンの低下」の2つが原因となって「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしてくることになります。そして、この3つの要因が「脳の一部で細胞の活動が高まり」(脳過敏)を引き起こす原因となってきます。
 これら、「ミトコンドリアの機能」と「脳内セロトニンの量」と「体の歪み(ストレートネック)」の3つは、生活習慣の問題点によって影響を受けています。
 このように様々な要因が加わることによって、「脳過敏」が増強されることから、片頭痛が発症してきているということを意味しています。

 このように生活習慣の問題によって片頭痛が発症してきていることから、片頭痛は”多因子遺伝”と考えるべきものです。しかし、専門家は、片頭痛が、単一遺伝子から生じるものがあることから、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”であるかのごとく考えております。これに対して、片頭痛の大半は”多因子遺伝”と考えれば、先程述べたような生活習慣の問題が”環境因子”として関与すると考えられることになります。
 ということは、この”環境因子”をなくしてしまえば、片頭痛は発症しないことになり、片頭痛の治療の主眼は、この”環境因子”をなくすことに置かなくてはなりません。
 すなわち、生活習慣の問題点を見つけ出し、これを是正・改善させることです。


 このように考えれば、「慢性頭痛の病態」とは以下のようになります。


  まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目があります。

   1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
   2.免疫(腸内環境)の関与
   3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
   4.体の歪み(ストレートネック)の関与
   5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
   6.ミトコンドリアの関与

片頭痛の”緊張型頭痛”はsmall migraine


     片頭痛
   big(true)migraine
  連続体
緊張型頭痛
  
        緊張型頭痛
small migraine   
    (脳内セロトニンの関与)

  そして、緊張型頭痛は、上のように分けて考えるべきです。
 脳内セロトニンは、”痛みの調節”を行い、緊張型頭痛に関与します。
 緊張型頭痛と片頭痛の差異は、片頭痛素因(「ミトコンドリアの活性低下」)の有無で決まります。


 片頭痛が緊張型頭痛と連続したものであり、緊張型頭痛→片頭痛→慢性片頭痛(トリプタン乱用による薬剤乱用頭痛)へと移行してくるものと考えれば、緊張型頭痛は、専門医に言わせると取るに足らない頭痛ということから東洋医学でいう”健康”の段階に位置するものであり、片頭痛は東洋医学でいう”未病”に相当し、”慢性片頭痛(トリプタン乱用による薬剤乱用頭痛)”に至って、初めて”病気”としての頭痛となるということです。
 東洋医学でいう「未病」を病気に進みつつある状態と捉えますと、はやい段階で「未病」のサインを認識し、しかるべき手を打てばその進行を抑え、本格的な病気に移行することを防ぐことができます。
 中国最古の医学書「黄帝内経」の中において「未病を治す」という表現がありますが、未病は病気ではないのに、「治す」というのはどういうことなのでしょうか。
 これは、健康であろうと病気であろうと、常に自らの生活習慣に気を配り、より本来の姿に近い心身の状況にもっていこうとする、生き方の姿勢を表している表現なのです。
 このように片頭痛は”未病”の段階にあり、常に自らの生活習慣に気を配り、何か問題があれば、その都度改善に努める必要があります。


 専門家は何かというと、エビデンス、エビデンスと申されます。しかし、このような”頭痛とは何か”といった根源的な考え方にはエビデンスも何もないはずです。
 ここには、これまで頭痛患者さんと永年相対峙してきた経験から培われた”脳の中に異常のない頭痛”に対する洞察力が示されているはずです。謂わば、頭痛に関する”禅問答”のようなものです。結局、慢性頭痛をどのように考えるかのセンスが問題となります。
 このように永年慢性頭痛と真剣に相対峙し、これによって培われた経験が問われています。これ抜きには論ずることはできないはずです。


 現在の専門家のように、”片頭痛発作時のPET、MRI(BOLD法)といった脳の新しい方法で、片頭痛発作中にかなり激しい脳の変化が確認されたこと”を、鬼の首でも取ったように”針小棒大”に考えるといった単純なものではないはずです。まさに子供の考え方でしかありません。慢性頭痛のなかで片頭痛がどのような位置を占め、どういったものなのかを俯瞰できなければ、砂上の楼閣を築くに等しいものです。こういった考え方が片頭痛研究を迷走させてきた根源と考えなくてはなりません。


 こうした推論を基にして、これまで自分で片頭痛を改善・克服された方々の考え方をひとつずつ検証し、個々の方々がどうして改善されたかを考えることが大切になってきます。
 このなかには当然のこととして、私の片頭痛体験も含まれていることは言うまでもありませんが、とくに注目させて頂いたのは、小橋雄太さん、SHOGOさん、kaolune さん、マックス・ゲルソン博士、山崎有為さん等々枚挙に暇のないほどでした。
 自分で片頭痛を克服された体験談には最も教えられることが多いはずです。やはり、自分の片頭痛体験と照らし合わせて、納得できるものでなければ説得力に欠けるものと思っています。このような体験談で示されることは、片頭痛の大半は”多因子遺伝”であるということを証明するものです。ここにすべての鍵が隠されていると考えなくてはなりません。

 慢性頭痛という脳のなかに異常のない頭痛の場合、とくに片頭痛のような機能性頭痛という多面的・流動的な頭痛を考える場合、これまでの先達の研究業績を総括し、これらを統合・編集するといった思考・思索が最も必要とされると考えております。
 とにかく、考えて、考え抜くといった作業が最も必要とされており、エビデンスは二の次とすべきであり、これから考えられた”推論”をもとにエビデンスは確立すべきです。
 これまでの先達の研究業績としては、下村登規夫先生の片頭痛とミトコンドリアとセロトニンの関連性、竹島多賀夫先生の機能性頭痛一元論、古和久典先生の片頭痛の大半は”多因子遺伝”、松井孝嘉先生の頸性神経筋症候群の論説、さらに分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の”片頭痛の大半は、遺伝素因である「ミトコンドリア活性の低さ」に、”環境因子”として、食生活が原因で「さらに、ミトコンドリア機能の低下」を来して「酸化ストレス・炎症体質」を形成することにより引き起こされる疾患であり、生活習慣病の一種である”という考え方があります。
 これらを組み合わせて考えに考え抜くことです。これを基にして、さらに実際の患者さんの現実を直視することです。これがすべてであるはずです。


 以上のことを基にして、片頭痛の大半は”多因子遺伝”であるという観点から、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝因子”に、環境因子としては、先程の6つの要因を掲げました。このように生活習慣病と考えるべきものであり、こうしたことから”環境因子”さえ取り除くことができれば、コントロール可能となります。

 ということは、片頭痛が発症した初期の段階で極力早期に”環境因子”の関与の少ない段階で対処すべきであり、さらに言えば、片頭痛に至る前の段階で、「生活のリズム」を乱す要因、すなわち「ホメオスターシス三角」を構成する3つの要因から生活様式の点検を行い、さらに「前屈みの姿勢」を強いる生活環境に置かれていないかどうかを点検し、問題点を抽出し、これを是正することによって、軽い頭痛の段階で芽をつみ取るべきです。
 このように先手、先手と攻めて行くようなアクテイブに対処すべきで、あくまでも慢性頭痛そのものを予防する観点から対処すべきです。

 現在のように、片頭痛発作が起きれば”トリプタン製剤”を服用しましょう、というのでは、市販の鎮痛薬で対処するのと、ほとんど変わらないことになります。ただ、鎮痛効果が抜群であるだけのことでしかないはずです。その根底に存在する病態はさらに進行しており、いずれ慢性片頭痛へと移行していく運命にあると考えなくてはなりません。

 このように、「慢性頭痛全体(トータルで)」から俯瞰した観点から対処すべきです。
 こうしたことから、慢性頭痛研究も、緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛・その他の一次性頭痛といったように個別に分けて考えるのではなく、あくまでも慢性頭痛全体から俯瞰した観点から研究を進めるべきです。

 現在のような研究のあり方では、いつまでも慢性頭痛の本態解明には至らないということです。


ところが、専門家は以下のように考えます


 これまで”素朴な疑問”のなかで明らかにしてきましたように、現在の学会を主導される方々の考え方は、Headache Master School Japan(HMSJ)に端的に示されます。
 それは、国際頭痛学会の先生方の論説をまったく検証もすることなく・疑うことは一切されずに鵜呑みにされエビデンスありとされ、「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および研究の”絶対的な基準”とされます。
 このため、片頭痛が単一遺伝子から生じるものがあることから、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”であるかのごとく考え、”多因子遺伝”と考えることはありません。
 さらに、片頭痛の病態はトリプタン製剤の作用機序の面から説明しようとされ、片頭痛発作時のPET、MRI(BOLD法)といった脳の新しい画像検査方法で、片頭痛発作中にかなり激しい脳の変化が確認されたことによって、脳の一部で細胞の活動が高まり、これが「頭痛発作の震源地」となりこれが片頭痛の原因と考えています。
 しかし、この「脳の一部で細胞の活動が高まり」がどこに起因するのかは全く説明されることなく、無視されます。このように「脳過敏」が説明できないことから、片頭痛発生器なるものの存在を想定することによって、片頭痛が「中枢性疾患」とまで、片頭痛の定義が覆されるに至りました。

 これには、ミトコンドリア等が関与しているはずです。
 しかし、片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛とは考えることはありません。
 また、「体の歪み(ストレートネック)」と頭痛はまったく関係なしとされます。

 本来、このような「脳の一部で細胞の活動が高まり」(「脳過敏」)は、ミトコンドリアの機能低下状態にマグネシウム不足が加わったり、脳内セロトニンの低下、さらに「体の歪み(ストレートネック)」が長期間持続した結果によって引き起こされたものと考えるべきところを、こうした画像で捉えられた所見が、これらの結果に過ぎないにも関わらず、こうは考えません。こうしたことを無視され、皆目見当がつかないことから、片頭痛発生器なるものを想定することによって、「中枢性疾患」とまでされることに至っています。


 そして、片頭痛の治療では、病気としての片頭痛のメカニズムが徐々に解明され、また病気の火元を治療することが可能となってきたとされ、セロトニンのレセプターを活性化するトリプタン系の薬剤を使い、専ら、片頭痛発作時の「辛い頭痛」を取り去りさえすれば、これで「片頭痛の治療体系は完結した」とされます。片頭痛を根本的に改善させると言った考えはまったく存在しません。ただ単に、「鎮痛のみ」しか考えていません。
 片頭痛治療で用いられる「トリプタン系の薬剤」は、片頭痛発作時に起きている「脳内セロトニンの低下」を補うことによって鎮痛効果を得ているに過ぎません。
 この「脳内セロトニンの低下」は、ミトコンドリアの機能障害によって同時に生じている「セロトニン神経系の機能低下」に生活習慣上の問題点が加わって生じたものです。
 その根本原因は、専門家が、「片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛」とは決して考えないことにあります。


 しかし、専門家は発作時にトリプタン製剤を使い、単に鎮痛だけを考え、発作頻度が多ければ「予防薬」の服用を勧められ、根本的に片頭痛を改善させようとはされません。
 その結果、「ケセラセラ」で、「なるようにしかなりませんから、自然の経過に任せましょう。治る人もおれば、治らない人もおります」と宣われ、概して「一生、お付き合いしましょう」ということです。
 このように片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛であり、これに付随して生活習慣の問題が加わって片頭痛を発症してくるもので、”多因子遺伝”と考えるべきでありながら、決してこのようには考えないことに問題があります。


 そして、「慢性頭痛診療のガイドライン」を「国際頭痛分類 第3版β版」の考え方をすべて踏襲して作成し、片頭痛治療の指針とされます。専門家はすべてこれに従います。
 これらは、ただひたすら国際頭痛学会の偉い先生の”教え”を信じ、さらに「国際頭痛分類 第3版β版」を厳守した結果です。決して、専門家の口癖である”エビデンス”のある確たるものが存在するわけではありません。専門家のいう所謂”エビデンス”に過ぎないということは忘れてはなりません。ただ、信じているにすぎません。
 そして、専門家の方々は、学会を主導される方々に、村八分にされることを恐れ、まったく異論を挟むことなく、唯々諾々と従うだけです。
 これが、現在の頭痛診療・研究のあり方です。これで、皆さんもこれまでの自分の片頭痛の治療のされ方を振り返れば納得される方々も多いのではないでしょうか?

 このため、片頭痛を根治に導くための生活指導を徹底して行われる先生は、余程、”慢性頭痛を熟知される”老練な神経内科医だけで、こうした方々は例外です。


 学会を主導される方々および専門家の方々は、日本にトリプタン製剤が導入される前の数年前から、片頭痛研究を中心に考えておられた方々で当時から欧米の片頭痛研究が日本より遙かに進んでいるといった先入観念から、国際頭痛学会の先生方の考え方を鵜呑みにされ、考えることなくエビデンスありとされ、「国際頭痛分類 」がすべての方々です。これ以外は眼中にはありません。ということから日本の業績には目もくれることはありませんでした。まさしく、カルト教団を見るがごとき錯覚を覚えるほどです。そして、こうした方々が教義とされる「国際頭痛分類」に反する考えを容認されることはありません。欧米の文献的なエビデンスがすべてでした。ここにはエビデンスのかけらも存在しません。
 このように、学会を主導される方々は、国際頭痛学会の先生方の考え方を全く検証もすることなく、絶賛し・無条件に踏襲され、国際頭痛学会が作成された「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および研究の”絶対的な基準”とされ、これ以外のものは一切容認されることはありません。このようなあり方そのものは”宗教団体”としか言えないはずです。まさに、「国際頭痛分類 第3版β版」は、団体の”教義”そのものです。

 寺本純先生が指摘されますように、「国際頭痛分類 第2版」は欧米のトリプタン製薬メーカーとトリプタン御用学者が作成されたものと言われています。
 日本の頭痛診療・教育のあるべき姿とされる「Headache Master School 2013 in Asia」でのトップエキスパートとされる先生方は1980年当時、トリプタン製剤が開発され、1990年代に至ってこれが臨床応用になった当時から、研究を進めておられた方々で、すべて研究の根底には”トリプタン製剤”があり、こうしたことから、寺本純先生には「トリプタン御用学者」と皮肉られたようです。

 そして、学会を主導される方々が、日本の頭痛診療・教育のあるべき姿を示すものと、Headache Master School 2013に心酔される姿は、まさに日本の業績よりも欧米の論文を無条件で評価する考え方を如実に示すもので、先程の日本の業績である、下村登規夫先生の片頭痛とミトコンドリアとセロトニンの関連性、竹島多賀夫先生の機能性頭痛一元論、古和久典先生の片頭痛の大半は”多因子遺伝”、松井孝嘉先生の頸性神経筋症候群の論説、等々は一切取り入れることはありません。


 その結果、片頭痛研究は”トリプタン製剤”が中心に据えられ、謂わばトリプタン製薬メーカーと学会を主導される方々は頭痛診療および研究を二人三脚で手を携えて行われ、これが現在の学会を主導される方々の考え方に、色濃く反映されているわけです。
 このように国際頭痛学会の先生方の論説は疑うこともなく、盲信され、エビデンスありと無条件で容認され、極めて排他的な「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および研究の”絶対的な基準”とする姿勢そのものは学術団体というよりは、カルト教団と表現した方が極めて適切のようです。カルト教団には、カリスマ的存在が付きものです。現実に、カリスマ医師が存在し、全国の信徒がこうしたカリスマ医師を参詣し、トリプタン製剤という”神のお薬”を恭しく授けられているというのが、日本の頭痛医療の構図のようです。

 こういった考え方から作成された「慢性頭痛診療のガイドライン」には、「慢性頭痛を熟知される老練な神経内科医」が重要視される「片頭痛のセルフケアー自己管理法」は一切、記載されることなく、延々と「薬剤」のみが処方されることになっています。


 これまで”素朴な疑問”として記事にしたことは、”ブログ”のような一般人が誰でも閲覧できるところで述べるべきでなく、学会で議論すべき、と申される専門家もおられます。
 しかし、このようなカルト教団にも等しい場で、学会で発表したり、論文にしたためること等は時間の無駄な作業です。四面楚歌で誰からも相手にされず、議論も何もありません。それだけ地に落ちてしまったように思われます。


 現代の頭痛医療の世界は、「国際頭痛分類第3版 β版」を教義とする集団があり、さらにカイロプラクター・整体師・鍼灸師といった集団があり、さらに私のような、学会とはまったく正反対の考え方を唱えると、いったように、ある意味で宗教団体のような”宗派”と考えるしかないようです。

 「臨床頭痛学」は、専門家の興味で行うものでなく、現実に頭痛で悩む方々の”頭痛からの解放”をめざすものでなくてはなりません。従来の患者団体のあり方を厳粛に反省した上で、真の患者団体を作る必要があります。
 真の患者団体とは、従来のような”同病相憐れむ会”や一部の専門家への”患者紹介屋”ではなく、現在の”カルト教団”と相対峙して、独立した組織として、”頭痛からの解放”を目的として、「健康生活、美容の追求、長寿」を求め、「人間、本来のあり方」を追い求める団体とすべきです。そして顧問医師など頼ることはあってはなりません。さらに、トリプタン製薬メーカーとの関わりを一切排除しなくてはならないということは言うまでもありません。
 会員同士で、どのように工夫を凝らして、片頭痛を克服するのかを討議する場に徹することを目的とすべきで、顧問医師のモルモットになってはなりません。

 こうした考え方で、「第二の患者団体」が新たに必要とされる時代にあるものと私は考えております。これしか、頭痛医療の現状を打破・改善する方法は残されていないようです。

 この目的のため、私は、ブログで皆さんに理解しやすい表現で、繰り返し・繰り返し述べました。それこそ、何度も何度も、同じことを”かみ砕いた形”にして述べてきました。
 少しは、私の考え方が理解して頂けたのではないかと思っております。


 これが今回の”素朴な疑問”シリーズの結論です。


 今回の”素朴な疑問”シリーズを作成するにあたっても、極めて多くの方々の論説を引用させて頂きました。ここに深謝申し上げます。これらは、すべて現在の頭痛の専門家にとっては論外のエビデンスなしとされているものです。しかし、頭痛学領域以外では、これらは既に「医学の一般常識」とされていることを忘れてはなりません。
 こういったことは、これまでにも以下で指摘されていることを忘れてはなりません。


専門家はCPUのついてないコンピューター?巨大なハードディスクはついてるけど・・
  
http://www7b.biglobe.ne.jp/~itonaika/rireki1.html

 頭痛専門医について「論文を読んでいるのかもしれませんが、本を読んでいません。本を読んでないため、一般人より医学知識が遅れています。学校時代から、暗記は限りなくできますが、考えることをしていません。結果的に、患者を見ず、権威とされる欧米の頭痛学者や「国際頭痛分類 第3版β版」や「慢性頭痛診療のガイドライン」に従うだけの医療になってしまいます。
 日本の医学会が、欧米医学の受け売りで、いかに頭を使っていなかったか、ばれてしまいます。


まさに、現在の頭痛医学の領域を的確に表現しているようです。


 結局、専門家は、片頭痛が”多因子遺伝”であり、ミトコンドリアの機能障害と考えないことに根本的な誤りがあります。片頭痛を”トリプタン製剤”の観点からしか考えないということで、この原点は日本にトリプタン製剤が導入されたことにあります。トリプタン製剤は単なる”片頭痛の治療薬の一つ”にしか過ぎないもので、あくまでも”鎮痛薬”にすぎないものです。にも関わらず、トリプタン製剤を余りにも過大評価されたことに根本的な誤りがあります。どうしてこのように考えているかは、これまでの記事を振り返ってもらえば明らかになります。ダイレクトに指摘するのは控えさせて頂きます。
 極めて、単純なことで、こうしたことすら認識されていません。


 4カ月の長期間、毎日の更新でしたため、さすがに疲労困憊しました。
 今後、しばらくは、現在出版予定の原稿の編集作業に追われることになります。
 このため、ブログの更新はしばらく中断させて頂くことに致します。
 しばらく充電期間を置いた上で、再度、お目に掛かりたいと思っております。
 今度からは、肩の凝らないザックバランな本来の”ブログ”に戻ることにします。

 長い間、ご覧頂きありがとうございました。