何が”頭痛研究”を阻んでいるの??? | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

これまでの頭痛研究の経緯


 これまで、頭痛研究の歴史は紀元前の古きに及びますが,頭痛が科学として認められ,症状ではなく疾患として認められるようになったのは20世紀の後半になってからです。
 その端を発したのは片頭痛のメカニズムについて生化学的分野,生理学的分野,画像診断などによるさまざまな研究成果でした。このように頭痛研究は、何はともあれ片頭痛が最優先されて行われ、緊張型頭痛は置き去りにされてきた経緯があります。
 ここに、頭痛研究が遅れた理由があるものと思われます。こうした研究のあり方が、緊張型頭痛と片頭痛が全く別の範疇の頭痛であるとの考えの根源にもなっています。
 本来、緊張型頭痛も片頭痛も連続したものであるとの発想から出発しなかったために頭痛研究が遅れたとも言えるように思っております。


 さらに、最近の片頭痛基礎研究領域では,片頭痛の発症機序の考え方に、片頭痛前兆の研究や片頭痛特効薬トリプタンの作用メカニズムなどから、現在では血管の疾患ではなく、大脳の深い部分にある間脳あるいは脳幹と呼ばれる器官の付近に「片頭痛発生器」があると考えられるようになってきました。つまり片頭痛は「中枢神経疾患」であると考えられています。こうしたことから、中枢神経性の要素を考慮することがすでに近年の研究の主流になってきており,片頭痛の予防の考え方も中枢神経の興奮性(脳過敏)の抑制に変化しつつあり,片頭痛の予防薬の開発目標は、皮質拡延性抑制をいかに抑える薬を見つけるかが鍵になっているようです。

 このように、片頭痛は脳のなかに異常のない頭痛であるとの”定義”すら覆されます。
 「皮質拡延性抑制」にしても「片頭痛発生器」にしても、片頭痛の患者さんは,そうでない方と違って”特別に興奮しやすい状態がある”のではないか、ということがその考え方の基本・根底にあり、この「脳過敏」の原因がどこにあるのかは不明とされます。

 頭痛の専門家が、根本的な誤りを犯したことは、片頭痛をミトコンドリアの機能障害による頭痛と考えないことにあります。本質的なこと見落としていることになります。
 片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛とさえ考えれば、セロトニン神経系との関与から「体の歪み(ストレートネック)」も同時に引き起こされることになります。
 「体の歪み(ストレートネック)」は慢性頭痛の起点ともなるものです。
 このようにして、緊張型頭痛と片頭痛は一連の連続したものであり、これから、機能性頭痛一元論に直結していくはずです。

 片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛とさえ考えれば、同時に引き起こされるセロトニン神経系の機能低下から、「体の歪み(ストレートネック)」の関与が明確になり、この3つから「脳過敏」の原因は、以下の3つにあることは、これまで再三再四述べてきました。


            ”脳過敏”を引き起こす要因

         1.ミトコンドリアの機能低下にマグネシウム不足
        2.脳内セロトニンの低下
        3.体の歪み(ストレートネック)の長期間の持続


    「脳過敏」って何???
     
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12056087275.html


 これで全てが説明可能となるはずです。このように単純なもののはずです。


 このように、「片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛である」という出発点を見失った結果であり、論理的に”頭で考えなかった”結末にすぎません。


専門家の判断の基準は、すべて「国際頭痛分類第3版 β版」


 全世界の頭痛専門家は、「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の”絶対的基準”とされ、世界共通の言語とされます。これが、すべてなのです。
 そして、日本の頭痛の専門家の金科玉条のものとされる「国際頭痛分類第3版 β版」は国際頭痛学会が作成されたものであり、これこそが絶対的なものとされ、謂わば「宗教団体」の教義とされるものです。しかし、この「国際頭痛分類第3版 β版」も、その起源を辿れば、欧米のトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成したものです。
 このようなものを、頭痛研究の”絶対的な基準”とされ、カルト教団の教義そのものであることを意味しています。
 このように、頭痛学という学問の世界に”絶対的教義”を持ち込んでいる訳です。


 それを具体的には、以下に如実に示されます。


 学会を主導される方々が、”絶対的な基準”とされる「国際頭痛分類 第3版β版」を基に、「慢性頭痛診療のガイドライン」を作成されます。「慢性頭痛診療のガイドライン」といっても、極論すれば、片頭痛の治療指針、そのものにすぎません。このため、トリプタン製剤が片頭痛の”特効薬”(第一選択薬)とされ、片頭痛の病態もトリプタン製剤の作用機序からしか説明されず、これ以外の考え方は、一切、問答無用で排除されることになっています。
 このため、「片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛」という考え方は徹底して排除されることになっています。
 片頭痛の病態はすべて、トリプタン製剤の作用機序から説明されることから、基本的に、片頭痛発作時には、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下しており、片頭痛発作の時に、脳内セロトニン様作用をもつトリプタンを投与することによって、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップしているとされます。
 このように、神経伝達物質である「脳内セロトニン」の低下を補填するためにのみ片頭痛治療の主眼が置かれますが、肝心要の「中枢神経系でセロトニンが減少する理由」についてはまだ謎とされます。これは、「片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛」という考え方を否定した結果にすぎません。これは、先日も述べました。


 さらに、「国際頭痛分類 第2版」での改訂以来、頭痛と頸椎病変の定義が極めて曖昧になったことから、頭痛と「体の歪み(ストレートネック)」はエビデンスなしとされ、カイロプラクター・整体師・鍼灸師による施術をエビデンスなし、とされ全く評価されることはありません。
 専門家は「国際頭痛分類 第3版β版」を”絶対的基準”とすることから、緊張型頭痛と片頭痛は全く別の範疇の頭痛であり、緊張型頭痛と片頭痛が連続したものであるとの機能性頭痛一元論を否定され、「体の歪み(ストレートネック)」を否定することにより、慢性頭痛とくに片頭痛の骨組み・屋台骨を取り去り、片頭痛そのものは屋台骨を抜かれたことで骨抜きにされ、宙ぶらりんの亡骸だけの”全く理解不能な頭痛”になってしまいました。 このようにして、片頭痛とは、”不思議で・神秘的な頭痛”にされています。

 実地診療面では、頭痛診療を担当する医師に対して、「国際頭痛分類第3版 β版」で症候論から、片頭痛を明確に定義することによって”片頭痛と間違いなく診断”して、この片頭痛に対して”トリプタン製剤を確実に処方”させるというように、「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療の”絶対的基準”としました。専門家は、こうした「国際頭痛分類 第3版β版」を巧妙に組み込んだ形の問診方法を叩き込まれ、独特な診察スタイルを構築されます。このように、症状からだけで、片頭痛の診断せざるを得なくなっています。


 学会を主導される方々は、日本の業績よりも欧米の論文を無条件で評価する考え方から、結局、”片頭痛の大半は多因子遺伝である”といったことは容認されることはありません。
 それは、先程も述べましたように、この「国際頭痛分類第3版 β版」は元を正せば、欧米のトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成したものです。トリプタン製薬メーカーの真の目的とすることは、製薬市場拡大の基盤として片頭痛を存続させ続けることです。片頭痛を存続させるためには、片頭痛は片頭痛が、単一遺伝子から生じるものがあることから、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”であるかのごとく思い込ませることが必要になってきます。こういったことから、片頭痛は”多因子遺伝”では、あってはならないことになっています。
 (”多因子遺伝”とすれば、片頭痛は生活習慣病そのものとなり、予防可能となってしまいます。ということは、この世から、片頭痛が消滅する可能性があるということです)
 「国際頭痛分類 第3版β版」には記載されてはいませんが、欧米の研究者が”多因子遺伝”の観点から考えないことから無条件に受け入れているようです。


 このようにして、トリプタン製薬メーカーは、慢性頭痛の本態解明の道筋をすべて閉ざしてしまい、学会を主導される方々に「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および研究の”絶対的基準”とさせ、世界共通の言語とさせます。これにそぐわないものは一切否定されます。このようにして、すべての”謎を解く鍵”を否定することによって、真実が覆い隠され、煙幕が張り巡らされているということです。
 しかし、不思議なことに、学会員全員はどなたも、このことに対して気にも止めず、疑問に思われていないことです。まさに”信徒”そのものでしかないようです。このことがまさに”素朴な疑問”です。


 とくに「人間の生命の根源」ともされるミトコンドリアが原因と想定される片頭痛で、片頭痛という機能性頭痛です。このような機能性疾患では、その発症要因は多面的・流動的なものであるはずです。ここに「国際頭痛分類第3版 β版」という、ただ単に”症候論”からしか診断しないということは、その根底にある多面的・流動的な要因を見殺しにした診断でしかないはずです。このような世界に”絶対的教義”を持ち込むことの異常性をどなたも不思議に思っておられないことが、まさに理解に苦しむ点です。


 先程も述べましたように、「国際頭痛分類第3版 β版」はこのような要因の芽をすべて抹殺しているため、このような基準からだけでは、片頭痛の病態は明らかになるはずはないことは素人でも分かることです。
 「国際頭痛分類第3版 β版」は、あくまでも、”頭痛の分類”であり、「頭痛」の診断基準に過ぎないはずです。現実に、実際の頭痛患者さんを、この「国際頭痛分類第3版 β版」に従って診断を下せば、同一の患者さんが4、5種類の頭痛を持つことになります。
 現場の医師としては、二次性頭痛の可能性を念頭に置かなくてはならないため、このようなことは、当然のことです。しかし、頭痛の初期の段階で、この二次性頭痛を徹底して除外するといった啓蒙活動を徹底させれば、このような煩雑なことは必要ないはずです。
 「国際頭痛分類第3版 β版」は先述の慢性頭痛の要因の芽をすべて抹殺しているような、極めて排他的のものであることを認識する必要があり、「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛研究の”絶対的な教義”とすること自体、思考過程のすべてに制限を設けているということを意味しています。この点を、認識しなければ何も進展はないはずです。


 このように至った原点は、日本にトリプタン製剤を導入される直前のADITUS Japanにあり、これが現在のHeadache Master School Japan(HMSJ)に引き継がれます。
 日本の医学界は、欧米従属主義の考えから背後に存在する問題点、日本人の特性などを考慮することなく、海外の文献的エビデンスにただ追随しているのが実情です。こうしたことから、日本の業績よりも欧米の論文を無条件で評価する考え方から、このような「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の絶対的な基準とされることにより、鳥取大学医学部・神経内科グループおよび東京脳神経センターの松井孝嘉先生らの業績は問答無用で排除されます。これは、「慢性頭痛診療のガイドライン」を作成された「慶応系」の先生方とこれから外れた「国立系」の下村・松井先生らの確執そのものでしかないと考えるべきものであり、エビデンス云々する以前の問題として、これらを評価できなかった先見の明が無かったと考えるべきであり、これが未だに反省もなく・臆面もなく継続していることを意味しています。まさに、医局講座制の弊害を浮き彫りにしています。

 このように、頭痛研究を阻害するものは、頭痛診療および研究の”絶対的基準”とされる「国際頭痛分類第3版 β版」にあります。まさに皮肉としか言いようがないようです。
 このような「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の”絶対的基準”とされる学会を主導される方々には、慢性頭痛の本態解明に至ることはあり得ないことです。


 現在の頭痛研究に最も求められていることは、製薬メーカーの関与の大きい「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の”絶対的基準”とすることなく、医局講座制の枠から離れて、自由な発想のもとに研究を進めなくては何も進展はないと考えるべきです。
 少なくとも、Headache Master School Japan(HMSJ)を利用して、頭痛専門医という”客寄せパンダ”という称号を取得するだけの世界には期待薄と思われます。
 現実に、頭痛専門医という”客寄せパンダ”を取得された方々は、何らこうした「慢性頭痛とは何か」という命題を考えることもなく、毎年の学会参加で”最新の知識”を得たと錯覚されるだけでは、例年”学会は”お祭り騒ぎ”でしかないようです。


それでは、どのようにすべきでしょうか


 私の頭痛研究の出発点は、アメリカのカイロプラクターの片頭痛治療の考え方、さらに、日本のカイロプラクター・整体師・鍼灸師の施術の根拠となる「体の歪み(ストレートネック)」に注目することにありました。このため、頭痛と「体の歪み(ストレートネック)」にエビデンスがあるかどうか、でした。このような調査を行うことにより、最も興味を引いた結果は、「体の歪み(ストレートネック)」が緊張型頭痛で見られる頻度以上に、片頭痛で極めて高率に見られたことでした。
 さらに、最初は緊張型頭痛で発症しながら、後々、片頭痛へ移行してくる患者さんの存在が極めて多かったという臨床的事実でした。ここから、先程の「体の歪み(ストレートネック)」が緊張型頭痛で見られる頻度以上に、片頭痛で極めて高率に見られたことの理由と考えました。さらに、下村登規夫先生および後藤日出夫先生が指摘される「片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛である」ということでした。
 ミトコンドリアの働きが悪ければ、当然セロトニン神経系の機能低下がもたらされ、この両者から、先程も述べました「体の歪み(ストレートネック)」を併発してくるということです。これで、すべてが連結したわけです。以下、もう一度、繰り返します。


片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛


 まず、基本となることは、片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛であるということです。
 とくにミトコンドリアという人間の生命の根源ともされるものが原因と想定される片頭痛で、機能性頭痛です。このような機能性疾患では、その発症要因は多面的・流動的なものであるはずです。
 片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛であるとすれば、当然のごとく、セロトニン神経系にも影響が及びます。このように、人間が本来、最低限生命活動を営むためには、ミトコンドリア、セロトニン神経系は、生命活動に直結するもののはずです。
 このように根源的に、片頭痛という機能性頭痛は捉えられるべきです。

 ここにはエビデンス云々の問題ではないはずです。まず、こうしたエビデンス云々の問題を問う以前の問題として、「国際頭痛分類第3版 β版」を離れて、ミトコンドリアとは何か、セロトニン神経系とは何か、を自分の知識を整理した上で、ミトコンドリアとセロトニン神経系がどのような位置関係にあるのかを考えた上で、それでは慢性頭痛とどのような関係にあるのかを考察することが先決のはずです。しかし、専門家と称される方々は、「国際頭痛分類第3版 β版」という枠内でしか、慢性頭痛を考えることしか許されないが故に、致命的な”思考制限”が設けられているということを反省すべきです。こうした、反省も出来なければ、「国際頭痛分類第3版 β版」の枠内で自滅する道しか残されていないということです。まさに、”井の中の蛙”でしかないようです。ミトコンドリアという生命の根源ともされるべき部分に、エビデンスを持ち込み安閑とされること自体、人間の生命活動という営みを冒涜するもの以外、何物でもないということを認識しなくてはなりません。これが科学者としての本来のあるべき姿であるはずです。これこそ、神の摂理に反するものであるはずです。


 基本的に考えるなら、私達の体を構成する細胞の中にある”ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出しています。エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。活性酸素は、ミトコンドリアがエネルギーを作る際に産生されてきます。
 そして、私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。

 ミトコンドリア働きが悪いと、脳の神経細胞の場合、「セロトニン神経」が選択的に「ミトコンドリアの働き」の影響を受けやすく、セロトニンを産生しにくく、セロトニンの合成やその合成のための酵素も充分な量を生成できなくなってしまいます。その結果、「脳内セロトニン不足」が引き起こされてきます。


 このミトコンドリアとセロトニンの問題は「体の歪み(ストレートネック)」形成に際して、以下のように関与してきます。


(1)ミトコンドリアの関与
 
 脊柱の両側には直立姿勢に重要な脊椎起立筋が姿勢をガードしています。
 背骨を支える「脊柱起立筋」という筋肉は、体の中で最も長い骨を支えるため、赤筋が最も多く存在している筋肉です。持久力のある筋肉は、まさにミトコンドリア系の赤い筋肉です。このように全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ「抗重力筋群」に、ミトコンドリア量が多い事がわかっています。
 こういったことから、ミトコンドリアの働きが悪くなれば当然のこととして「体の歪み(ストレートネック)」引き起こされることは明らかです。


(2)脳内セロトニンの不足


 セロトニン神経は、筋肉へ働きかける役割を担っています。
 セロトニン神経は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることで、影響を与えています。セロトニン神経が働きかけるのは、抗重力筋です。抗重力筋とは、重力に対して姿勢を保つために働く筋肉のことです。まぶたが開き、首が立ち、背筋が伸び、歩いたりできるのは、この抗重力筋のおかげです。セロトニン神経が活性化していると、まっすぐな姿勢や生き生きした表情になることができます。反対にセロトニン神経の働きが弱まると、背中が丸まったり顔の表情がどんよりしてしまいます。
 このため、セロトニンが不足してきますと、セロトニン本来の働きである「正しい姿勢の保持」が、困難となり、「体の歪み」を招来し、結果的に「ストレートネック」を引き起こします。


 以上、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。


 片頭痛の場合、「ミトコンドリアの働きの悪さ」に「脳内セロトニン低下」が加わることによって、姿勢保持が困難となり、容易に体の歪み(ストレートネック)を形成してくることになります。すなわち、ミトコンドリアの働きの悪さと脳内セロトニン低下が存在すれば、


 1.前屈みの姿勢などを長時間続けるような生活習慣
 2.「ムチウチなどの外傷」により、首の筋肉組織を痛めたりする


 ことによって、容易に、体の歪み(ストレートネック)が作られてくることになります。

     頭痛と首は関係ないの???
      
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12058289009.html


 そして、この「体の歪み(ストレートネック)」は緊張型頭痛にも片頭痛にも共通してみられる所見であり、片頭痛では緊張型頭痛以上に高頻度にみられます。
 「体の歪み(ストレートネック)」は慢性頭痛の発症の起点となる緊張型頭痛の基本的要因となり、これに先程のような「脳過敏」を引き起こす要因が追加され片頭痛へ進展していくことに繋がってきます。


さらに、慢性頭痛は、「生体のリズムの乱れ」を引き起こす”生活習慣”から


 一次性頭痛(慢性頭痛)である緊張型頭痛と片頭痛は連続したものです。
 「脳の中に異常のない頭痛」の一次性頭痛(慢性頭痛)は、「生体のリズムの乱れ・歪み」を引き起こす”生活習慣”から生じてきます。生活のリズムは恒常性(ホメオスターシス)によって維持されています。恒常性には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっております。3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角形」と呼ばれます。
 「ホメオスターシスの三角形」は、ストレスにさらされることでバランスを崩し、頭痛に繋がっていくことになります。慢性頭痛は、ストレスの影響が極めて大きいのが特徴です。

 自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系はホルモンと”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めております。

 緊張型頭痛は、環境因子の色彩の濃い頭痛です。この発症には、身体的ストレスと精神的ストレスが関与します。身体的ストレスには「体の歪み(ストレートネック)」が関与してきます。精神的ストレスには、「脳内セロトニンの低下」が関与します。
 片頭痛は、「ミトコンドリアの機能障害」による頭痛であり、その大半は、遺伝形式は”多因子遺伝”によるものであり、遺伝素因を基盤として、これに”環境因子”が加わって発症してくるものです。

 「ホメオスターシスの三角形」を構成するのが、自律神経、内分泌系、免疫系の3つです。 自律神経系の調節には、「脳内セロトニン」が、内分泌系には、「生理活性物質」が、免疫系には「腸内環境」が、慢性頭痛では、大きく関与しています。

 「脳内セロトニンの低下」は、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期により低下・変動し、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると低下してくることになります。
 「生理活性物質」は、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、局所ホルモン(エイコサノイド)(プロスタグランジン)のバランスを乱すことになります。結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。
 「腸内環境」は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、腸内環境にとって最大の敵と言えます。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。 抗生物質は病原菌をやっつけるだけでなく、よい腸内細菌まで殺し、腸内フローラを悪化させます。家畜に投与された抗生物質が肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。
 ”腸内環境”が「片頭痛体質形成」には極めて重要な位置を占めております。

 さらに長期間ストレスにさらされることで、「ホメオスターシスの三角形」は、バランスを崩し、マグネシウム不足(ミトコンドリアを弱らせ)、脳内セロトニンの低下、過剰な活性酸素を産生してきます。

 このように、「脳内セロトニン」「生理活性物質」「腸内環境」の3つで構成される「ホメオスターシスの三角形」は、ストレスに大きく影響されることになります。
 これらがお互い相互に関連しあっています。

 慢性頭痛の発症の根底には、こうした生活習慣の問題から生じた「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が存在します。


ミトコンドリアを弱らせる要因

 知らず知らずのうちに摂取される環境汚染物質や残留農薬などの有害物質は「代謝異常」にも深く関わり、「ミトコンドリアの働き」を悪くさせます。
 日頃から、こうした有害物質を除去させるためには、デトックスが必要となり、水分摂取が不十分で、食物繊維の摂取が少なければ、有害物質が蓄積することになります。その結果、益々、「ミトコンドリアの働き」を悪くさせます。
 このような有害物質を代謝する際に、活性物質が産生されることになります。
 また、身の回りには活性酸素を発生するものが多く存在し、これがまた「ミトコンドリアの働き」を悪くさせる要因となります。このため抗酸化物質の摂取が不十分であったり、睡眠不足になれば、活性酸素が過剰に蓄積することになり、これが「酸化ストレス・炎症体質(片頭痛体質)」を形成してくることに繋がってきます。


 このようにして、片頭痛は慢性頭痛の起点である緊張型頭痛から発症してくるものです。


 これまでも述べましたように、片頭痛は以下のように発症してくるものです。

    片頭痛はどのようにして発症するのでしょうか????
     
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12032919047.html


このように単純に考えるべきものです。


まとめますと、本来、慢性頭痛とは


 一次性頭痛(慢性頭痛)は、「生体のリズムの乱れ・歪み」を引き起こす”生活習慣”から生じてきます。生活のリズムは恒常性(ホメオスターシス)によって維持されています。慢性頭痛は、ストレスの影響が極めて大きいのが特徴です。
 「ホメオスターシスの三角形」は、自律神経、内分泌系、免疫系の3つで構成されます。
 とくに、片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。ミトコンドリアという人間の生命の根源ともされるものが関与しているわけです。このミトコンドリアの機能障害によって、同時に、セロトニン神経系にも影響が及んでいることになります。

 「セロトニン神経系」は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。

 脳内セロトニンの働きは、私達の生命機能に直結するものと考えられています。
 ミトコンドリアは、エネルギー産生を行う場面では必然的に活性酸素を産生してきます。
 そして、現代社会の生活環境は、活性酸素が過剰に満ちあふれています。
 片頭痛という機能性頭痛です。このような機能性疾患では、その発症要因は多面的・流動的なものです。

 片頭痛は治まれば、何ともないのが特徴であるはずです。


 このように、片頭痛という、あくまでも症状だけから診断せざるを得ない機能性頭痛の病態を考察するためには、頭で考え、考え抜いて推測し、これをもとにエビデンスは確立するしかありません。このように、根本的に考え方を改める必要があると思われます。
 「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛研究の”絶対的基準”とすることなく、過去の研究業績の真の意味合いを再検討した上で、臨床的な事実と照らし合わせるべきと考えます。


 こうしたことから、慢性頭痛は以下のように考えるべきです


 これまでも、再三再四、述べていますように・・


  まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目があります。

  1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
  2.免疫(腸内環境)の関与
  3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
  4.体の歪み(ストレートネック)の関与
  5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
  6.ミトコンドリアの関与


 「国際頭痛分類第3版 β版」そのものは、片頭痛を明確に・厳密に”定義”することによって、確実に片頭痛患者さんにトリプタン製剤を処方させるためのものです。このため、いくら片頭痛の病態そのものをトリプタン製剤の作用機序の面から説明しようとも、「脳過敏がどこからくるのか」「脳内セロトニンの低下がどこからくるのか」「片頭痛の慢性化に至る理由」が説明不可能です。本来、片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛であるからだけのことに過ぎないはずです。このような単純なことです。

 このように、「片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛である」と考えないことから、いつまでも、片頭痛が、単一遺伝子から生じるものがあることから、すべて単一遺伝子による”遺伝的疾患”であるかのごとく考えております。本来、片頭痛の大半は”多因子遺伝”と考えるべきであるはずです。さらに、片頭痛根本的治療となるはずの食事療法・運動療法が存在せず、トリプタン製剤を中心とした「薬物療法」がすべてとなっています。


 これが、現実に行われている頭痛診療および研究ということです。


 これに対して、良識ある先生方から”「片頭痛のセルフケアー自己管理」を完璧に行いましょう、そうすれば片頭痛の9割の方々はコントロールされます”、といった程度のことで、お茶を濁されておられるようです。しかし、これは、公式には「慢性頭痛診療のガイドライン」には示されないことも”素朴な疑問”とされることでもあります。


 昭和43年当時、医学部を卒業して、「新たな神経学」を志す若い世代は、医局講座制を無視して、日本全国の施設を渡り歩く猛者が存在しました。このような「青医連運動」の是非はこれまでも問われて参りましたが、このような「青医連活動」の精神を継続され現在でも各分野で多くの方々が地道に診療されておられる事実は忘れてはなりません。こういった「青医連活動」のような組織もこの世から姿を消してしまいました。

 私も高齢になり、もう無理な話ですが、なお、こうした精神だけは、継続すべきと思っております。
 とくに、頭痛研究の領域に「医局講座制」というカビの生えた考え方がなお存在することによって、頭痛研究の進展を阻んでいることは由々しき問題として糾弾されるべきです。

 これは、学会を主導される方々がエビデンスを重視されるならば、なおかつ、これまでの自分の論理の正当性を冷静に反省した上で、エビデンスを確立しなくてはなりません。


 それにも増して、「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の”絶対的な教義”とすることの是非が問われなくてはなりません。