頭痛の啓蒙活動は必要なの??? | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

従来の啓蒙活動


 これまで、学会を主導される方々は、日本にトリプタン製剤が2000年に導入される以前の10年前から、片頭痛にはトリプタン製剤という”特効薬”があることを神経内科医および脳神経外科医を中心とした医師に啓蒙活動をされ、一般人には頭痛の啓蒙書にもこのような薬剤の存在を掲載されてきました。
 そして、2000年に販売が開始されると間もなく、「慢性頭痛診療のガイドライン」を作成することによって、トリプタン製剤が片頭痛治療の第一選択薬と明記することによって頭痛診療に携わる医師に、「片頭痛には”トリプタン製剤”を」と徹底され、とくに脳神経外科医に対しては、現役バリバリの脳神経外科医の方々にメスを捨てた脳神経外科医が講釈を垂れる”といったおかしな世界”を生み出してきました。このようにしてトリプタン製剤の存在を知らしむべく啓蒙活動がなされてきました。
 さらに、一般の方々に対しては、テレビ・新聞・ネットなどのあらゆるマスコミを通じて、トリプタン製剤が片頭痛の”特効薬”であると大々的に誇大広告をされ、さらに片頭痛を市販の鎮痛薬でお茶を濁しておれば将来「脳過敏症候群」を併発するとか、生理痛は片頭痛であり、トリプタン製剤で対処すべきであるとされます。

 また、緊張型頭痛と片頭痛は厳然と区別され、まったく別の範疇の頭痛であるとの”迷信”さえ生み出しました。これはネット上の常識とされるまでに至っています。
(本来は、緊張型頭痛も片頭痛も一連のもので連続したものでありながら・・・)
 このように、頭痛の啓蒙活動は、「片頭痛には”トリプタン製剤”を」というのが本来の啓蒙活動のすべてでした。このように学会を主導される方々や患者団体は、片頭痛の方々のなかに”トリプタン製剤の恩恵に浴していない”方々が未だ大勢おられるというのが、その啓蒙活動の基本・謳い文句となっていました。


 果たして、このような啓蒙活動が必要なのでしょうか?


 私には、これまでの学会を主導される方々および患者団体の啓蒙活動そのものは、トリプタン製剤の宣伝であって、トリプタン製剤メーカーの片棒を担いでいるとしか思えてなりません。まさにトリプタン製剤メーカーのセールスマンのようです。
 
 本来の「頭痛の啓蒙活動」のあり方


  本来、片頭痛は本来、以下のように考えるべきものです。


  まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目があります。

  1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
  2.免疫(腸内環境)の関与
  3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
  4.体の歪み(ストレートネック)の関与
  5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
  6.ミトコンドリアの関与

 そして、片頭痛は以下のように発症してくるものです。


    片頭痛はどのようにして発症するのでしょうか????
     
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12032919047.html


 このような基本的な観点から啓蒙活動を行うべきです。

 先日もこの点については述べました。繰り返しですが、大切なことですから・・。


 頭痛を初めて経験した時点で極力早期に医療機関を受診すべきです。
 頭痛の原因がクモ膜下出血や脳腫瘍や慢性硬膜下血腫といった命に関わる頭痛かどうかを、思い悩むことなく直ちに、受診され、頭部CTといった画像検査をしてもらい、二次性頭痛を除外してもらう必要があります。その上で、一次性頭痛(緊張型頭痛もしくは片頭痛)と確実に診断してもらうことです。そして、ここからが大切になってきます。
 こうした、一次性頭痛(緊張型頭痛もしくは片頭痛)は、それでそのまま治まって・二度と起きないことはまずないと心得る必要があります。

 逆に、治まるどころか、かえって幾度も幾度も繰り返し起こり、次第に増悪していく運命にある頭痛です。このことを念頭に置いて、”初診”後の対策を考えていくことが必要になります。ここが、啓蒙活動のポイントというか主な目的ともなっています。


 決して、市販の鎮痛薬で頭痛を誤魔化して、やり過ごすことは絶対にしてはなりません。 といいますのは、このような最初の頭痛の大半は、市販の鎮痛薬を服用すれば、すぐに治まってしまいます。これで済むと思ってはなりません。必ず、次が起きてきます。このような頭痛は、日常生活を送る際の”前屈みの姿勢”に関連して起きてくるものです。こうした頭痛に対して市販の鎮痛薬を日常的に服用していますと、こうした薬剤は、人体にとっては害(有害なもの)になるのです。これらを解毒する際に、活性酸素が発生し、このために「ミトコンドリアの働き」を悪くさせます。また、これら薬剤はいずれも”化学的ストレス”となって、「脳内セロトニンを低下」させ、痛みの閾値を下げるため”痛みを感じやすくさせる”ことになります。
 このように、ミトコンドリアの働きを悪くさせ、脳内セロトニンを低下させることによって、日常生活を送る際の”前屈みの姿勢”が持続することから、「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしてくることに至り、益々、頭痛が増悪してくることになります。このため、これを治めるために”市販の鎮痛薬”の服用回数が増加してくることになります。

 ここに、頭痛を訴える度にアスピリンを含んだ鎮痛薬を服用し続けたり、ミトコンドリアをさらに弱らせる抗生物質の服用・マグネシウム不足・有害物質の摂取等々の生活習慣等によって、さらに「ミトコンドリアの働きが悪く」なって来ます。これとは別に“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば「脳内セロトニンが低下」することになり、これがさらに増強されてきます。
 このような悪循環を経ることによって、薬剤乱用頭痛に至ります。このように、頭痛薬そのものがあなたの頭痛の原因になってくることを忘れてはなりません。

 このため、頭痛薬でお茶を濁すことなく、頭痛の原因がどこにあるかを知る必要があります。それは、先述のように、無意識にとっている”前屈みの姿勢”にあります。日常生活を送る際、女性の場合、炊事・洗濯・掃除を行う場面では前屈みの姿勢をとっており、職場では事務系の仕事をされておられればパソコン操作が主になってきます。これも前屈みの姿勢を強いられています。仕事が終われば、スマホ・携帯を常時覗き込む姿勢をとっています。このように起きている間(覚醒している間)、絶えず”前屈み”の姿勢を強いられることになっていることを認識する必要があります。ここを意識して、首を労る配慮が必要になってきます。このため、こういった生活環境に置かれた方々は、頭痛薬に頼らない頭痛対策が必要になってきます。
 日常生活を送る上で、常に”正しい姿勢”をとる意識が必要とされます。さらに、背骨伸ばしのストレッチおよび仙腸関節のストレッチを毎日・丹念に行うことが大切です。


 そして、家族・親族に片頭痛持ちがおられれば、片頭痛の遺伝素因を有することになり、最終的には、片頭痛を発症させてくることになってしまいます。


 このような遺伝素因がなくても、先程のミトコンドリアの働きを悪くさせる生活習慣が重なり、さらに脳内セロトニンを低下させる生活習慣が積み重なり、体の歪み(ストレートネック)が改善されなければ、「脳過敏」を来す要因がすべて追加されれば、40歳過ぎてからでも片頭痛へと移行してくることになります。


 このような啓蒙活動は、頭痛を初めて経験した時点で行う必要があります。ということは、最初に頭痛を経験した段階で、医療機関を受診され、まず、CTなどの画像診断を受け、異常があれば脳の専門家の脳神経外科に紹介してもらい、異常がなければ受診された医療機関で、先程述べたような説明を受けた上で、「自分の頭痛を何が悪くさせるのかを」納得した上で、自分で対処していく必要があります。
 このように早期から対処することによって、薬剤乱用頭痛まで移行することも、片頭痛へ移行することもありません。


 このような啓蒙活動をすべきであるはずでありながら、何故だか頭痛の専門家は声を大にして述べることはありません。このため、テレビでは日常的に「頭痛にハイ〇〇〇」といった宣伝がなされることになっています。

 このため、大半の方々は、頭痛があれば市販の鎮痛薬に気軽に手を出すことが当たり前になっている現実があります。
 このため、薬剤乱用頭痛が日常的に生み出され、さらに片頭痛へ移行していく方々が後を絶たないことになり、さらに複雑化した慢性片頭痛を作り出す原因となっています。
 このようにして、片頭痛は次第に熟成されてくることになります。
 このような典型例として、先日は「目覚まし時計頭痛」(「睡眠時頭痛」)を御紹介申し上げました。

  「目覚まし時計頭痛」って何???
  
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12047908855.html


 専門家がなぜ、このような啓蒙活動をされないのでしょうか?

 この世から片頭痛患者さんがいなくなれば、”飯の食い扶持を失ってしまう”からなのでしょうか? それとも専門医としての”威厳”が保てなくなるためなのでしょうか?


 本来、緊張型頭痛も片頭痛も連続した一連のもののはずです。そして、片頭痛の大半は”多因子遺伝”によって先祖代々受け継がれ、これに環境因子が次々と追加されることによって片頭痛へと発症してくるのものはずです。

 専門家は、意地でもこのような観点から、片頭痛を考えることはないようです。このため、緊張型頭痛から容易に片頭痛へと移行させ、さらに片頭痛を熟成させ、これを”飯の食い扶持”とされます。まさに生活がかかっているようです。


 以上、慢性頭痛がどのようなものであり、片頭痛が緊張型頭痛の段階からどのように移行していくのか、という啓蒙活動が当然必要とされることは、皆さんはお分かり頂けたかと思います。
 これまで専門家の頭痛の啓蒙活動の過去を振り返ってみれば、現状が容易に理解されることになり、なぜ、このようになっているのかも聡明な方々には納得されるはずです。


 以上のように啓蒙活動は変更されるべきです。


 このような啓蒙活動が徹底して行われる限り、緊張型頭痛から片頭痛へと移行することもなく、片頭痛が慢性化したり、トリプタン乱用頭痛といった頭痛地獄を味合わなくても済むはずです。どうして、このような啓蒙活動がなされないのでしょうか?


 これが、まさに極めて”素朴な疑問”です。


 このように、従来の啓蒙活動と、素人の考える「啓蒙活動のあり方」には月とすっぽん ほどの差異があります。従来の啓蒙活動は、トリプタンの宣伝だけであり、私は、如何にして片頭痛を予防していくかに主眼を置いています。このようにしさえすれば、トリプタン製剤の啓蒙活動などはまったく必要はないはずであり、このような啓蒙活動の時間は、片頭痛予防のための啓蒙活動を行うべきです。

 こうした事実をみますと、学会を主導される方々および患者団体の啓蒙活動とは、一体何だったのでしょうか。さらに最近では、これに「頭痛協会」まで加わってきています。


 以上のような啓蒙活動を徹底させることによって、片頭痛への移行を阻止し、さらに片頭痛撲滅をめざすべきです。片頭痛を熟成させることはトリプタン製剤という高価な薬剤の消費量を益々増加させることになり、「医療経済学的側面」からみても重要であるはずです。
 それにも増して、片頭痛発作によって休むこともなくなり、作業効率も低下させることもなく”経済的損失”も減少もしくはゼロともなる日も近くなるものと思われます。


 こういったことからも、学会を主導される方々が率先して、「片頭痛が”多因子遺伝”かどうかの」結論を早急に出すことによって、片頭痛治療体系そのものの根本的な見直しが要求されていることになります。


 このような基本的なことを何時まで野放しにされるのでしょうか???