慢性頭痛の周辺 その30 食物繊維 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

頭痛治療での食物繊維の重要性


 食物繊維には、食品や空気から取り込まれた農薬や重金属・有害化学物質などを吸着して、排泄させる効果もあります。(デトックスの役割)
 食べ物が胃から小腸にいくスピードが遅くなり、ブドウ糖などの栄養素がゆっくりと吸収されることになります。それによって食後の急激な血糖値の上昇が抑えられます。
 この点については、以前にも述べたことです。
 そして、腸内環境を改善し、腸内細菌のエサになってその働きを助けることが、「食物繊維」の最大の効用と言えます。(腸内環境を整える役割)

 このようにして、「酸化ストレス・炎症体質」の改善にとって、極めて重要な位置を占めています。


日本人と欧米人での片頭痛は、異なっている


皆さんは、日本人と欧米人の片頭痛とは、異なっていることをご存じでしょうか。

 まず、欧米人の片頭痛では小児で5 %、成人男性で15 %、成人女性では25 %にみられるといわれていますが、日本人では6 ~ 8 %位ですので欧米に比べると頻度の少ない頭痛です。
これまでこのような比較は寺本純先生がされておられます。欧米人との比較で、前兆のある片頭痛の場合、日本人では大半が視覚症状であり、欧米人では、視覚症状は40 %で、残りは、言語障害、体の半身のしびれであり、日本人では後頭動脈領域に、欧米人では、前頭動脈領域に痛みを訴え、欧米人では、80 %に吐き気、嘔吐を伴うのに対して、日本人では低いようです。
欧米人では、わずかな光、小さな音、階段をゆっくり昇る程度の振動でも嫌がることが多く、頭痛を起こしていなくても、わずかな光、小さな音、階段をゆっくり昇る程度の振動でも、頭痛が誘発されることが多いのに対して、日本人では少ないようです。食べ物によって誘発される片頭痛が、欧米人では多いのに対して、日本人は少ないようです。
発症年齢は、ともに20 歳前後とされています。
薬剤使用率を見ると,日本人では、全体を平均して56.8 %が市販薬のみで対処しています。医師の処方薬のみを使用している人は5.4 %と極めて少なく、市販薬と医師の処方薬の両方を使用している人は18.6 %で、薬を使用していない人は19.2 %でした。アメリカの報告では10)、49 %が市販薬のみ、23 %が医師の処方薬のみ(このように日本人に比べ圧倒的に多いようです)、23 %が市販薬と医師の処方薬の両方を使用し、薬を使用していない人は5 %のみであることが分かりました。
このように、欧米人の片頭痛は、日本人に比べて発症頻度も高く、さらに頭痛の程度・頻度も強度で・回数も多いことが指摘されています。そして、片頭痛と肥満の合併頻度は圧倒的に欧米に多く、日本人では、片頭痛と肥満の合併率は低いようです。
(米国人健常者のBMIは28.5、日本人健常者のBMIは22.7といわれていますので、これから推測しても、片頭痛に肥満が多いことは想像できると思います)
このような背景をみますと、「片頭痛と肥満」が片頭痛の程度と何らかの関係がありそうに思えます。そこで、まず、以下の点から考えてみましょう。


まず、消化管の構造と機能の面から・・


”食べ物を食べてから便として排泄されるまでの時間”は24 ~ 72時間と言われます。
日本人の場合、排便までの時間が平均で34 時間から44 時間(一日半から二日)、アメリカ人は70時間(約三日)、イギリスでは実に104 時間(四日以上)なのです。
ところが、食物繊維を多く食べるインドやアフリカでは欧米諸国よりずっと短く、10 時間程度なのです。つまり、食物繊維を多く食べる国は排便までの時間が短く、肉食を主とする欧米では時間が長いという傾向があるのです。
ところが、日本人の大腸の長さが約1.5m、欧米人で約1m。そう、我々の方が1.5倍も長いのです。このように大腸の長さが、欧米人では日本人に比べ短いにも関わらず、食べ物を食べてから便として排泄されるまでの時間に差が見られます。これは、欧米人は、肉中心の脂肪分が多い食事ですが、日本人は昔から野菜や穀物中心の繊維が多い食事だったことに関係があるといわれています。
このように食事の内容によってこのような違いがあるようです。


食事内容による差は、何を意味するのか


 欧米人の”肉中心の食生活”は、マグネシウム不足をもたらすことになります。
 また、食品添加物、土・水・大気汚染などが、マグネシウムの働きを阻害しているとも言われています。
 牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉の摂りすぎは「脳内セロトニン」不足・その他を招くことに繋がります。
 さらに、脂肪の摂取量も欧米人では、数段日本人より多いものと推測されます。
とくに、米国人のオメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸の摂取比もかなり高いことからも生理活性物質との関連が示唆されます。

 以上のように、食物繊維は、片頭痛治療上重要になってきます。


今回も中沢康彦先生にダイエットと食物繊維との関連を説明して頂くことにします。

「食物繊維」


食物繊維には健康を維持するためにとても大切です。

 1日の目標は「20~25グラム」と言われますが、現代の日本人の食生活では圧倒的に足りていないのです。昔に比べて摂取量は減少してしまっています。
 食物繊維が不足すると糖尿病や動脈硬化など、生活習慣病のリスクが上がってしまいます。また食物繊維はダイエットのために大事な働きをします。
 食物繊維について、どんな栄養素で、どんな種類があって、どのようにして無理なく上手に増やしたらいいかなど、について述べます。

「食物繊維」について


 食物繊維とは人の消化酵素で消化されない、難消化性成分の総称です。昔は身体に必要なものとは思われておらず「食べ物のカス」だと考えられていました。しかし現在では健康のためにとても有益なことがわかっていて、六大栄養素として重要視されています。

いろんな良い効果が期待できます。


 •便秘の解消や予防をする。
  •便が出やすくなることで、大腸がんの予防を期待できる。
 •食べ過ぎによる肥満予防を期待できる。
 •血糖値の上昇を穏やかにする。糖尿病予防
 •デトックスが期待できる。
  •腸内の有用菌を増やし腐敗菌を減少させ腸内環境を整える。
 •コレステロール値を下げる。

などなど・・ 食物繊維はいいことがいろいろ期待出来ます。

食物繊維はダイエットに役立つ


食物繊維は健康のために役立ちますが、ダイエットにとっても欠かすことが出来ない大切な栄養素です。
 まず食物繊維の多い食べ物ってよくかまないと食べれないものが多いです。よく噛むことは満腹感を早く感じさせてくれるダイエット向けの食べ方です。
食べた繊維は胃や腸の中で膨らむのですが、それもダイエットのために役立つことです。
 さらに、血糖値を緩やかに上げてくれる効果がありますので、食物繊維の多い食べ物を献立に加えると太りにくい食事になります。
 食物繊維そのものが低カロリーということも嬉しいですし、食物繊維はダイエットにとって都合がよいことがいろいろあるのです。


ダイエット中の便秘


それと、ダイエット中はどうしても便秘になりやすいです。それは食べる量が減るので、出すものの量も減ってしまうからです。だから腸の動き不活発になってしまうのですが、便秘になって排便の数が減るとそれだけ老廃物を長く体内に留めることになるし、その毒物が大腸ガンの原因にもなります。また毒素が腸から体内に吸収され、さまざまな悪影響を及ぼします。にきびや吹出物、肌あれといった皮膚のトラブルは、便秘につきものですし。腹痛になったり ガスが溜まってお腹が張ったり、苦しい思いもします。
 さらに、便秘の時は悪玉菌が多く繁殖している状態で、この悪玉菌が出す毒素のため、身体が 「なんか病気なのかな」と思ってしまい、身体は省エネにになって脂肪を溜め込みやすく、落としにくくなるのです。

便秘はダイエットの大敵と言われます。

いろんな効果がある食物繊維ですが、もちろん種類があってそれぞれ特徴が異なります。


水溶性と不溶性


ひとことで食物繊維といってもいろんな種類があります。大きく分けると水に溶けやすい 「水溶性」と、水に溶けにくい「不溶性」に分けられます。

水溶性食物繊維

 水溶性食物繊維はコレステロールや血糖値の改善に効果があります。

 水溶性食物繊維は、水に溶ける食物繊維で、腸内で水分を抱え込んでヌルヌルとしたゲル状成分となり、有害成分を吸着して排泄させる効果があります。
 特有の粘り気があるため、胃から小腸へと移動する時間がかかり、小腸では、そのヌルヌルが栄養素を包み込んで体内への吸収を緩やかにする効果があります。
 特に、ブドウ糖の吸収を緩やかにする働きがあるので、食後の血糖値の急激な上昇を押さえてくれる効果があり糖尿病の予防に効果的なのです。
 また、コレステロールの吸収を抑える働きもあることから生活習慣病の予防が期待出来ます。その他、乳酸菌などの善玉菌を増やす効果も知られており、腸内環境の改善に効果的なのです。

  ◎糖尿病が気になる人
  ◎コレステロール値が気になる人
  ◎血圧が気になる人
  ◎太りすぎが気になる人
  ◎便秘気味の人

こんな人は、水溶性の食物繊維をしっかり摂るのがいいです。

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は便秘やダイエットに効果があります。

 不溶性食物繊維は水に溶けない食物繊維です。水分を吸収して数倍から十数倍に膨らみ、腸壁を刺激して腸の蠕動運動を高めます。便秘解消、腸の病気の予防などの効果があります。
 大腸内を通過するときに、水銀やカドミウムのような有害金属や、発ガン物質のダイオキシンをはじめとする有害物質を吸着し、一緒に排泄する働きもあります。
 また、よく噛まないと食べれないので咀嚼回数が増えますし、胃の中で膨らむので、食べすぎを防ぐことができ、余計なカロリー摂取を防ぐことができます。

 ◎食欲が旺盛で太り気味の人
◎油っぽい食事が好きな人
◎便秘気味の人
◎食品添加物が気になる人
◎痔疾が気になる人

 こんな人は、不溶性の食物繊維をしっかり摂るのがいいのです。
 また水溶性と不溶性の食物繊維は両方をバランスよく摂ることが効果的と言われます。

消化と吸収と排便について


 食物繊維は食べ物の消化や吸収や排便に働きかけることで健康やダイエットによい効果があるのです。
ですから今日は、食べ物を食べるとどのように消化され、栄養が吸収され、最終的に便になるのか、そのプロセスについて説明しましょう。


(1)口・胃・十二指腸で消化される


口から入った食べ物は、だ液や胃液に含まれる消化酵素の働きで吸収しやすい物質に分解されます。この過程を消化といいます。
「よく噛んで食べる」ということは、食べ物を細かく砕いてだ液や胃液が混ざりやすくすることで、消化を助けることになります。
さらに、小腸の入口(十二指腸)で、胆汁やすい液と混ざり合って消化されます。便が黄褐色なのは胆汁の影響です。


(2)小腸で吸収される


小腸は全長6~7mとも言われますが、細い官がクネクネと続くのが小腸です。栄養分と水分の約90%がここで吸収されます。


<小腸での水溶性食物繊維の働き>

 水溶性食物繊維は特有の粘り気があるため、小腸ではそのヌルヌルが栄養素を包み込んで体内への吸収を緩やかにする効果があります。食後の血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果があるのはそのためです。
また、乳酸菌などの善玉菌を増やす効果もあり、腸内環境の改善に効果的です。


(3)大腸で便を作る


 大腸の主な仕事は、食べ物のカスから小腸で吸収できなかった水分を吸収することと、肛門に運んで行くことです。この過程でだんだん便の形ができていくわけですが、この運ぶ作業はけっこう大変なのです。腸官をクネクネのばしたり縮めたりしながら(蠕動運動)、少しずつ便を移動させていくのです。
 大腸が蠕動運動をしていくためには、「カスが来たぞ!」という刺激が必要なのです。この刺激は便になる食物のカスが一定量ないと起こりにくいのです。ですから、ダイエットなどで、食べ物の量が減っていると、カスの量が少ないですから、腸の蠕動運動が起こりにくくなってしまうのです。

<大腸での不溶性食物繊維の働き>

 不溶性食物繊維は水分を吸収して数倍から十数倍に膨らみますので、「カスが来たぞ!」という刺激を大きくして、腸の蠕動運動を高めます。
また大腸内を通過するときに、例えば水銀やカドミウムのような有害金属や、発ガン物質のダイオキシンをはじめとする有害物質を吸着し、便と一緒に排泄してくれる働きもあります。


(4)直腸から脳に「便が出るぞ」とサインを送る


 大腸がせっせと蠕動運動をして運んできた「食べ物のカス」は、最後に直腸に押し出されます。すると直腸の壁が便に刺激されて、脳に 「便が来たよ」 という信号が送られるわけですが、この信号がいわゆる「便意」なのです。
 そして、この便意というのは、直腸に便が満タンになったから感じるのではなく、便の到着を知らせるシグナルです。だから、便意を感じても放っておいたり、「出ない」 とあきらめてしまったりすると、「便が来たぞ!」 というサインも何となく消えてしまいます。そして次の便が直腸にくるまで、直腸に便が残ったままという状態になるのです。
そして、こういったことを繰り返すうちに、便意そのものを感じにくくなってしまって便秘体質になってしまうのです。

<便がスムーズに排出されず滞留すると>

 腸内に便が長い時間滞留すると、悪玉菌が繁殖し、毒素を体中に撒き散らしてしまうのです。お腹が張ったり、肩こりや腰痛になったり、肌荒れや吹き出物が出たり、イライラしたり、体臭や口臭がきつくなったり、ということが起こります。
また、毒素が免疫力を低下させるので、アレルギーになったり、老化が早められることにもなりますし、腐敗が進むとフェノールアミン、インドールなどの発がん性物質を生成する原因にもなってしまいます。
 腸内で悪玉菌が増えてしまう要因は、「肉などの動物性の食べ物の摂り過ぎ」や「運動不足で便を押し出す腹圧が弱くなること」や「ストレスによる自律神経の乱れ」などが要因と言われます。
 また悪玉菌が増えると、食べ物のカスの腐敗が進むので、有毒ガスや有害物質が発生し、腸の蠕動運動を妨げるので、さらに便が出づらくなるという悪循環になってしまうのです。
 そんなことにならないためにも、しっかり食物繊維をとって、腸内環境をよくすること、便をスムーズに排出するようにするべきなのです。


理想的な排便

排便までの時間

 理想的な排便ってどういうものか、まずは、食べ物を食べてから便として排泄されるまでの時間は24~72時間と言われます。

 もちろんこれは個人差があって、その差は食事や生活習慣によって変わると言われます。ちなみに国別での統計データを見てみると、日本人の場合、排便までの時間が平均で34時間から44時間(一日半から二日)、アメリカ人は70時間(約三日)、イギリスでは実に104時間(四日以上)なのです。
 ところが、食物繊維を多く食べるインドやアフリカでは欧米諸国よりずっと短く、10時間程度なのだそうです。つまり、食物繊維を多く食べる国は排便までの時間が短く、肉食を主とする欧米では時間が長いという傾向があるのです。

便の形と色

 改めて自分の便を観察したことありますか?便をチェックするということは、自分の健康状態を教えてくれる貴重で、重要な情報源なのです。
「理想的な便の形」 は バナナの色と形をした便が1~2本程度肛門からするっと出て、肛門を拭かなくても良いくらいの便だと言われます。形が太くて長い便は、直腸からするりと出てきたことを物語っているのです。食べた物の消化、吸収、排泄の仕組みが乱れることなく順調だったことを証明している便と考えてよいでしょう。
 便秘気味で、食べ物が腸内に長くとどまっていると、粘り気が失われて固くなる場合が多いと言われます、甘栗のような硬い便になっていたら、食物繊維や水分が不足しているかもしれません。
また、ウサギのうんちのように、小さい便はストレスが原因の過敏性腸症候群の疑いがありますし、腸管が何かの原因で狭くなっていることも考えられます。
 逆に軟らかい便の方は、排便の時の抵抗感がなく、さっと出ますが。ちょっと注意が必要です。消化不良を起こしやすい脂肪分を多く含む食べ物の食べ過ぎということも考えられますが。もし下痢に近い状態が長期間続いたり、下痢と便秘が繰り返し起こる場合などは、専門医に相談するのがよいかもしれません。
 便の色は便の大腸通過時間で決まってきます。短いほど明るい黄色で、長いとこげ茶に近づきます。コガネ色から茶色までは健康な便と考えていいでしょう。
 もし、黒い便や、赤い便であったら、すぐに専門医の診療を受ける必要があります。黒色便は食道や胃、十二指腸などの上部消化管からの出血、赤色なら大腸の病気による出血が疑われます。
 ということで、食べ物をスムーズに消化吸収し、排泄するということは大事なことなのです。特にダイエット中はそのプロセスが上手く行かなくなったりするのですが、そのプロセスをスムーズに行うために食物繊維の役割が大事なのです。

ダイエットのためには食事の前半に食物繊維を

 食べたものが消化され、吸収され、排便されるまでのプロセスのいろんな場面で食物繊維が活躍するのですが、「水溶性食物繊維は特有の粘り気があるため、小腸ではそのヌルヌルが栄養素を包み込んで体内への吸収を緩やかにする効果があります。
 このことを食生活に活かせばダイエットにも効果的な食事ができますし、糖尿病など生活習慣病の予防にもなるのです。
 まずは、血糖値を急上昇させると太りやすくなるということを説明しましょう。


血糖値と太りやすさの関係


 血糖値というのは血液中のブドウ糖の濃度のことです。ブドウ糖というのは、ご飯や麺類などの主食に多く含まれる「糖質」が分解されたもので人間が活動するための主なエネルギーになります。食事をすると糖質が消化吸収されブドウ糖になり吸収され、血液によって体のあちこちに運ばれます。
 血液の中のブドウ糖はそのままではエネルギーとして使えません。血管からエネルギーを使う器官の細胞に取り込まれないといけないんですが、その取り込む役割をするのが「インスリン」です。
 インスリンはすい臓から分泌されるホルモンで、食事をして血糖値が上昇すると分泌量が増え、血中に増えたブドウ糖を細胞に取り込みます。
 その取り込まれたブドウ糖がエネルギーになって、人間は活動することができるのですが、余分にとってしまったエネルギー(ブドウ糖)は脂肪として蓄えられてしまいます。ですから必要以上に血糖値を上げない方が良いのです。
 お菓子などの甘いものを食べると太りやすいといいますが、それは甘いものには非常に消化吸収の早い糖質である「砂糖」が多く含まれていますから血糖値が急激に上昇してしまいます。その急上昇に対応するため多くのインスリンが分泌され、すぐに使い切れないほどのブドウ糖が肝臓に運ばれ脂肪になってしまうのです。
 そのように、食べる糖質の種類によって、あるいは食事の仕方によって、血糖値の上がり方に違いが起こります。
 緩やかな血糖値の上がり方なら良いのですが、急上昇と急降下を繰り返すような食事をしていると太りやすいのです。上がりすぎた血糖値を下げるためにインスリンが頑張って中性脂肪をたくさん作ってしまうということなのですが・・・
 また、急上昇急降下の食べ方はすぐにお腹が空くので、食べる量が多くなってしまいますし、いつも大量のインスリンを出しているとすい臓が疲れてしまい糖尿病になりやすくなってしまいます。
 では、どういう食事をすると、血糖値の上がり方になってしまうのかというと、
お菓子を食べる、ソフトドリンクを飲む、などの糖分摂取だけでなく・・
「いただきます」と言ってすぐにご飯を食べる。
朝食を抜くなど食事と食事の時間を長くあげてしまう。
 そういった食べ方は血糖値が急激に上がってしまうのです。最近よく、食べる順番を工夫することがダイエットに役立つといわれますが、食事の最初に食物繊維をとることが血糖値の急上昇を抑える効果があるからなのです。


水溶性食物繊維は血糖値を緩やかにします


 食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の二種類があります。名前の通り、水に溶ける食物繊維と水に溶けない食物繊維です。
 これまで述べた血糖値の上昇を抑える効果というのは「水溶性食物繊維」にあります。 水溶性食物繊維は水に溶けるとゲル状のネバネバになり、胃や腸の中で食べ物を包み込んでしまうのです。
 ですから、ご飯を先に食べるよりも、ごはんより先に食物繊維を摂っておいたほうが糖質がブドウ糖に分解・吸収されるスピードを緩やかにして、血糖値の急激な上昇を抑えられるのです。
 また、血糖値だけでなく、脂質の吸収も抑えてくれるので、コレステロールや中性脂肪の改善にも効果があります。
 それと、水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、善玉菌優位のよい腸内環境を作ってくれるという効果もあるのです。
 水溶性食物繊維を多く含む食品は、エシャロット、納豆、おくら、海藻類、にんにく、切り干し大根、ごぼう、きな粉、梅干し、なめたけ、いんげん豆などがありますが、「ネバネバしたものは水溶性食物繊維が多い」、と覚えておくといいでしょう。

水溶性食物繊維の多い食品(簡単!栄養andカロリー計算)

 例えば食前のサラダにエシャロットを加えるとか、ごぼうなどの根菜類を副菜にして先に食べるとか、オクラ納豆をごはんにかけるとか、味噌汁にわかめを入れるとか、etc
 水溶性食物繊維を増やすことで、血糖値の上がり方を緩やかにすることができます。そしてそれは太りにくい食事ということでもありますし、習慣にして長い期間でみたときに糖尿病や生活習慣病の予防に大きな影響があるのです。
 もちろん、かといってご飯に納豆かけたら絶対に太らないということではありません。食べ過ぎてしまっていては、あるいは運動不足や不規則な生活や、太る原因は様々あります。でも、食物繊維は食事の量を無理なく抑えてくれる効果もあるのです。


食物繊維のダイエット効果


 水溶性食物繊維が血糖値の急上昇を防いでくれるという話題を書きました。ちょうどその話題について朝日新聞デジタルで記事を見つけましたので紹介します。


「食べる順、まず野菜がおすすめ、血糖値抑制に効果」

 血糖値のコントロールができるということは糖尿病の予防に効果があるということですが、もちろんこれはダイエットにだって効果があるってことです。血糖値が緩やかに上がるならインスリンの分泌も少なくて済みます。つまり脂肪になりにくい食事をすることができるということなのです。

血糖値上昇の抑制

 水に溶けてネバネバになった水溶性食物繊維が胃や腸の中で食べ物を包み込んで消化・吸収を緩やかにしてくれるということでした。
 だから糖質の分解を緩やかにすることができるのですが、血糖値だけでなく、脂質の吸収も抑えてくれるのでコレステロールや中性脂肪の改善にも効果があるのです。
 これまで書いたように、なるべく直前に水溶性の食物繊維をとるようにしましょう。
 でも、必ずしも水溶性食物繊維だけが効果があるわけではありません。不溶性の食物繊維を直前に食べることだって効果があります。むしろ水溶性に限定して考えるのではなく、どちらの食物繊維も合わせて食前に食べるようにしたほうがダイエットへの効果が早く感じられると思います。


食べる量を無理なく抑えることができる効果


不溶性食物繊維の特徴は水に溶けず水を含んで大きく膨らむことです。また、食物繊維は野菜類に多く含まれます。生のままサラダで食べるのならよく噛まないと食べれないものが多いです。その、「膨らむこと」と「咀嚼の回数が増えること」が食事の量を無理なく抑えてくれる効果につながります。

咀嚼と満腹感

 昔から食事のマナーとしても食べ物の消化をよくするためにも「よく噛んで食べましょう。」と言われますが、それだけではなく咀嚼(そしゃく:よく噛む)の回数が増えると満腹感を感じやすくなるのです。それは噛むことによって「脳内セロトニン」というホルモンが分泌されるからなのです。同じ物を食べても噛む回数が多いだけで満腹になりやすいのです。
 また、セロトニンの刺激が強くなると交感神経によってエネルギー消費も大きくなり、特に内臓脂肪が燃焼しやすくなるという報告もありますし、また、咀嚼はセロトニンというストレスに対抗するホルモンの分泌も増やすので、空腹に対してのストレスを和らげてくれる効果もあります。

食事時間と満腹感

 よく噛むということは必然的に食事の時間がゆっくりになります。食事の時間は満腹感の感じ方に関係するのです。満腹感というのは脳の満腹中枢に、血糖値の上昇の信号や、脂肪細胞が分泌するレプチンという物質の刺激や、胃壁の拡張の刺激などが届けられ、「もうおなかいっぱい」、と感じることができるのですが、ものを食べてから満腹を感じるまで20~30分ほど時間差があるのです。
 早食いは太りやすいと言われます。それは食事時間の短い人は満腹感を感じる前にどんどん食べてしまうので食事量が増えてしまうからです。ゆっくり時間をかけて食事をした方が少ない食べ物の量で満腹感を感じやすいのです。

胃壁の拡張と満腹感

 満腹中枢に届けられる信号のひとつに、胃壁の拡張があります。これは食べ物が胃に入ってきて満たされたことを脳に伝える仕組みですが、不溶性の食物繊維は胃や腸の中で数倍~数十倍に膨らむのです。実際は食品に含まれる食物繊維は微量なので、膨らんだ分で胃壁を拡張する量になるかというと微妙なのですが、食事の前半に野菜をたくさん食べることは確実に穀類などの糖質の摂取量を減らすことにつながります。そして食物繊維は胃の中での滞留時間が長いので腹もちは良くなります。

キャベツダイエット

 上記の効果を考慮すると、「キャベツダイエット」は効果的といえます。私も食事の最初にキャベツをよく食べます。
キャベツには食物繊維も多く含まれますし、特にダイエットに効果的とされる水溶性のビタミン(CとB群)が多く含まれています。だからキャベツはなるべく生で食べるのが良いと言われるのです。キャベツにはミネラルも多く食べ物の消化を助けますし、よく噛まないと食べれないですし食前に生で食べるのにもってこいなのです。
 私は約8分の1に切ったキャベツを味噌をつけて食べます。小さく切らず大きいまま食べるのは咀嚼の回数を増やすためです。食事の最初に水や汁物を摂りながら10分ぐらいかけてキャベツをよく噛んで食べ、ちょっと一呼吸おいてからおかずやご飯を普通どおり食べますが、キャベツを食べない時はごはん一膳では満足できずお代わりしたくなっちゃうんですが、キャベツを食べると一膳で十分満足ができますよ。よろしければ試してみてください。


便秘解消のダイエット効果


 便秘になってしまうとダイエットにマイナス要因なので、これは積極的なダイエット効果というより予防です。しかし便秘はダイエットだけでなく美容や健康にも悪い影響を与えます。便秘にならないためにも食物繊維をしっかり摂ることは大事です。
 ダイエットすると便秘になりやすくなるのは食べ物の量が減って大腸の蠕動運動が緩慢になってしまうから、水分が不足して便が硬くなってしまうから、などいくつか理由がありますが、不溶性食物繊維は溶けずに膨らむので、便のかさを増してくれる、だから大腸が刺激されて蠕動運動を高めてくれるということでした。
 便秘で老廃物が長く体内に留まると毒素が発生し、それが血液で運ばれ身体全体に流れていきます。毒素は皮膚からも出てくるのです。だから便秘になるとニキビや吹き出物ができやすくなるのです。
 そしてそのような体内に毒素がまわってしまうと代謝が低下してしまいます。脂肪が燃えにくい身体になってしまうのです。便秘になってしまったことがダイエットの失敗につながることも多いのです。
 理想的な排便になるよう、食物繊維をしっかりとることを意識しましょう。便秘に関しては特に水溶性と不溶性のバランスが大事とも言われます。理想的な割合は

不溶性食物繊維2:1水溶性食物繊

と言われています。

食物繊維をしっかり摂れる食生活

 食物繊維が不足したからといって欠乏症で病気になるってことはありませんが、より良い健康状態を保つために、生活習慣病の予防のため、美容やアンチエイジングやダイエットのために積極的に摂るようにした方がいい栄養素です。

食物繊維をしっかり摂ったら


 •便秘になりにくくなる
 •大腸がんになりにくくなる。
 •肥満・糖尿病になりにくくなる。
 •動脈硬化・高脂血症になりにくくなる。
 •高血圧・虚血性心疾患になりにくくなる。
 •デトックスで若さを保てる

そういった良いことがあるわけです!


摂取の目標は20~25g/日


食物繊維をこのくらいは摂っておこうとい う目標値があります。

 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2010年版)によると、食物繊維の目標量は、18歳以上では1日あたり男性19g以上、女性17g以上とされています。
 しかし、その算定基準のひとつに、「食物繊維摂取との関連がもっとも明らかな生活習慣病は心筋梗塞であり、24g/日以上摂取で死亡率の低下が、12g/日未満摂取で死亡率の上昇が観察されている」、という記載があることから、1日に 20g~25g を目標にしようと言われる場合が多いです。
 ところが、現状日本人がどのくらいの食物繊維を摂れているかというと、全然足りてません。
厚生労働省の目標値に達しているのは60~69際の女性のみで、特に若年層の食物繊維不足が目立ちます。

 また摂取量の推移を見ると年々減ってきていることがわかります。
これは近年の日本人の食生活の変化が影響しているのです。例えば、「加工食品やインスタント麺、またファーストフードが増えている」、「甘いものをたくさん食べるようになった」、「肉類や揚げ物が中心の食事になっている」、などの問題が指摘されるわけですが、『和食離れ』が食物繊維を不足させている原因と言っていいでしょう。
 特に若い人たちは洋食や外食を好む傾向があります。年輩の人は、ごはんと味噌汁、そして野菜を使った煮物のおかずなどを好む傾向がありますが、その違いが年代別の食物繊維の摂取量の違いになっているといえるでしょう。

おふくろの味には繊維がいっぱい


 食物繊維を増やすにはサラダを食べればいいと思っている人も多いでしょう。食物繊維といえば野菜と思いがちです。もちろん野菜には食物繊維は多いです。でも、そればかりではないのです。
 昔の日本人は必要とされる量を充分にとれていたのですが、その多くは野菜よりも穀類からとっていたのです。
 また、野菜以外でも海藻や芋、豆類などにも食物繊維は多く含まれています。むしろ一般的な野菜サラダよりずっと多いのです。
つまり、昔ながらの「日本の食事」を食べていれば、食物繊維を増やすことが出来るということなのです。

1日1回は和食を食べるようにしましょう。

 納豆、おから、大豆、ひじき、海苔、切り干し大根など和食の素材には食物繊維がたっぷりです!
 ごぼうなどの根菜類、さといもなどの芋類、しいたけなどのきのこ類を使った副菜、いわゆる「おふくろの味」の料理には、レタスやキュウリを使った野菜サラダより多くの食物繊維をとれるのです。

穀類は精製度の低いものを増やそう

 昔の日本人は穀類から多くの食物繊維を摂っていたのですが、昔は穀類の精製度が低かった。現在は精製度が高いものが増えているということも食物繊維が減った原因になっています。
 米、小麦、そばなど、主食の穀物に含まれる食物繊維は、精製することで減ってしまうのです。玄米は白米より食物繊維たっぷりでビタミン・ミネラルも豊富ですし、普通の食パンより全粒粉の食パンのほうが食物繊維が多いのです。
 ですから、白米だけでなく胚芽米や玄米や雑穀などを、白いパンより全粒粉のパンやライ麦パンなど精製度の低いものをとる機会を増やすのもいいことです。
 精製度の目安は「色」で見分けることができます。ごはん、パンなども「色の白いもの」ほど精製が進んでいることが多いのです。食物繊維をたくさん摂りたい時には、精製度の低い色の黒い穀物を食べるようにしましょう。


野菜を増やそう


 野菜を増やすことは食物繊維を多く摂ることにもなります。食前のサラダなどは糖質や脂質の摂取量を減らすことにもつながりますし、積極的にとるようにしましょう。
 ですが、上にも書きましたが、野菜サラダをとるばかりが食物繊維の摂取ではありません。「副菜を充実させる」という意識で献立を考えるのがいいのです。
 今夜のおかずは何にしようか?と考えるとき、たいていは「メインのおかず」のことを考えます。ハンバーグにしようか、焼肉にしようか、それとも魚料理にしようかな・・、というように・・・。
あまり「副菜」のことまで考えない。副菜はおまけ、みたいに思っている人が多いと思いますが、実は副菜こそが食物繊維やビタミン・ミネラルをしっかり摂るのに大事なメニューなのです。
 副菜を増やして食物繊維が豊富な、野菜類、海藻類、豆類、きのこ類 など積極的に食べるようにしましょう。
 具だくさん料理を食べるのもいいでしょう。味噌汁はヘルシーな献立のひとつですが、野菜、きのこ、海藻などの食材を多く使った具だくさんみそ汁や鍋物もおすすめです。鍋に入れる食材を増やすだけで手軽に食物繊維を増やせます。


サプリメントも利用しましょう


 もちろん普段の食事から必要な栄養が摂取出来ればそれに越したことはありません。でも、野菜そのものの栄養素が昔よりも落ちているということもあるわけですしなかなか現状は難しいことです。
例えばサラダで食物繊維を摂ろうとしても、100g中に含まれる食物繊維は、キャベツ1.8g、ニンジンが1.8g、レタスは1.0gほどなのです。20g/日を目指すのってけっこう大変だったりするのです。1日1~2回が外食になってしまうような食生活では目標をクリアするのは非常に困難といえます。
 ですからビタミン・ミネラル同様に、食物繊維を十分とるためにはサプリメントを利用することが有効な手段なのです。食物繊維のサプリメントを使う時の注意を書いておきましょう。
 どうせサプリメントでとるのであれば水溶性と不溶性の食物繊維のバランまで考えたいものです。普通の食事でそのバランスまで考えるのは大変ですからです。良いバランスは先程述べました。
「不溶性食物繊維2:1水溶性食物繊」
が良いバランスですから、そのバランスになっているサプリメント、あるいは特に不足しがちなのは水溶性ですから水溶性が少し多めのものを選びましょう。
 それと、普通の食事で食物繊維が過剰摂取になることはほぼありませんが、間違えたサプリメントの利用とか、ダイエットのためにこんにゃくゼリーの食べ過ぎなどで過剰摂取になることはあります。
過剰摂取になるとお腹をこわしてしまったり、ビタミン・ミネラルなど必要な栄養の吸収が阻害されてしまうことがあります。サプリメント等は使用方法をよく読んで間違いがないように使いましょう。

 この点は以前にも記事に致しました。


  http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11949298719.html