片頭痛の”適切な”治療とは? その13 まとめ | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これまで述べて参りましたように"適切な治療”を行うためには、片頭痛がどのような頭痛で、どのようにして発症してくるのかを知ることです。これが、すべてです。

 片頭痛のほとんどは”多因子遺伝”によって先祖代々継承され、これに”環境因子”が加わって初めて発症してきます。その”環境因子”として、


  「ミトコンドリアを弱らせる”環境因子”」
  「脳内セロトニンを低下させる”環境因子”」
  「体の歪み(ストレートネック)を引き起こす”環境因子”」


 が関与し、さらに「ホメオスターシス」も関係してきます。
先祖代々継承される”遺伝素因”とされる生まれつき存在する「ミトコンドリアの働きの悪さ」の程度は、患者さんによって各人・各様でさまざまです。
さらに、上記の3つの”環境因子”の関わり方の程度もさまざまです。


 こうしたことから、片頭痛はひとそれぞれ症状の程度、悪化する要因、バックグラウンドなどが異なります。ですから、治療も各個人に合った治療方針を取らなければなりません。画一的な治療で治る、というものではないのです。

 しかし、この3つの要因は大なり小なり、すべて関わっています。ただ、どの要因の比重が大きいのかを 見極めるだけのことで、することは殆ど共通しています。どこに重点を置くかだけにすぎないはずです。
もうひとつ大切なことは、片頭痛は緊張型頭痛と連続したものであるということです。
 まず、緊張型頭痛から始まって、上記の3つの”環境因子”のうちいずれかもしくは複数、さらにすべてが加わることによって片頭痛へと進展してきます。これに、さらに「ホメオスターシス」も関係してきます。このように次々に”環境因子”が追加されるたびに症状は悪化の一途をたどることになります。
 こうしたことから、上記の3つの”環境因子”の個々の悪化させる要因を知ることが重要になってきます。こうした知識なしには、”適切に”対処できません。このような3つの”環境因子”の個々の悪化させる要因は、私達が日常生活を送る際に無意識に行っているなかにあります。このため、こうした知識なしには、対処は不可能ということです。


 基本的に、片頭痛発作時には、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下しており、片頭痛発作の時に、脳内セロトニン様作用をもつトリプタンを投与することによって、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップしています。
 現在では、このように、神経伝達物質である「脳内セロトニン」の低下を補填するためにのみ片頭痛治療の主眼が置かれ、トリプタン製剤が第一選択薬とされています。


 このことは「脳内セロトニン」にしか眼が向いていないということです。こうしたことから、「ミトコンドリア、体の歪み」は全く眼中にはなく、また、「セロトニン神経系」全体の活性化という観点も欠如しています。これでは、片頭痛は改善されることはありません。これは皆さんが経験されて来られたことで、敢えて言う必要はないはずです。
 予防薬にしても、片頭痛の根底で何が起きているのかを考えもせずに、ただ単に”抑制”させようとする薬剤が投与されます。この点は「はじめに」の部分で述べました。
 このように、「薬物療法」だけでは片手落ちであることが理解されるはずです。


 片頭痛が緊張型頭痛から始まるという観点から、緊張型頭痛の段階で片頭痛への移行を阻止することの大切さが理解されるはずです。あくまでも、片頭痛は予防すべき頭痛であり、予防可能であることは経験的に実証されてきました。


 以上のように、片頭痛の”適切な治療”とは、「生活習慣の改善」と「薬物療法」が同時に並行して行われるべきということです。「生活習慣の改善」といっても、すぐには効果は出てきません。このため、この効果が現れるまでは、どうしても発作に見舞われますので「トリプタン製剤」のお世話にならなくてはいけません。また、発作回数・程度が酷ければ、「予防薬」のお世話にならなくてはなりません。「予防薬」にしても、その効果が現れるまでには1カ月近くかかります。こうしたことから、同時に「生活習慣の改善」を必ず、行う必要があるということです。しないと改善されることはありません。
 こういったことから、片頭痛の”適切な治療”とは、「生活習慣の改善」と「薬物療法」が同時に並行して行われるべきということです。謂わば”車の両輪”に匹敵します。


 以上のような考え方・論点は決して”突飛な、目新しい”考え方でも何でもありません。
従来からの先達の論文・業績を総括して、繋ぎ合わせたにすぎません。いわば、コピペの世界といったほうが理解しやすいのではないでしょうか。(ただ、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の論説は、先生自身の実験の結果です)私は、後藤先生の考え方をあくまでも踏襲したにすぎません。
 
 そして、現在の頭痛診療の現状を、より理解するためには、以下をご覧下さい。


  誰が、片頭痛を治らなくしたのか?

    http://taku1902.jp/sub012.pdf


これをご覧頂ければ、自分の置かれた現状がよく理解され、片頭痛改善のためには、何が求められているのかが理解されるはずです。