片頭痛の”適切な”治療とは? その11 ネット上の見解 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 昨日は、年末でもあり外来受診患者も少なく、ネット上では片頭痛の”適切な治療”とはどのようなものなのかを調べてみました。以下のような考え方が一般的です。


 片頭痛は完治させることは難しいですが,適切な治療により発作頻度を減少させ,また発作そのものを頓挫させたり軽くすることはできます.それにより患者の機能を回復し,生活の質を高めることが可能です.正確な片頭痛診断のもとに,患者個人のニーズに合わせた治療法を組み立てるとよいでしょう.
片頭痛治療の主体となるのは薬物療法です.薬物療法には急性期治療と予防療法があり,おのおのに適した薬剤を選択します.片頭痛の誘発因子がある場合は,できる限りこれを避けます.片頭痛の非薬物療法は薬物療法の補完する立場にあります.
 
片頭痛治療



1 . 薬物療法
 1)急性期治療
    ・特異的治療(トリプタン,エルゴタミン)
    ・非特異的治療(鎮痛薬,制吐薬)
  2)予防療法
2 . 非薬物療法:鍼治療,食事療法など
3 . 誘発因子の検索と除去
4 . 片頭痛とその治療を知る


   ・片頭痛に対する知識
   ・片頭痛と他の頭痛の鑑別
   ・治療薬の効果と副作用
   ・急性期治療薬の適正使用(使用のタイミング,使用量・頻度)
   ・予防療法の必要性
   ・発作中の注意(静かな暗い場所で休む,痛む箇所を冷やすなど)
   ・頭痛の記録をつける(頭痛ダイアリー )
 

片頭痛は早期に適切に治療しないと進行して慢性化することも分かってきています。軽くみて市販薬で対処していたりすると、片頭痛が慢性化することがありますので、早めに適切な治療を受けることが必要です。
 たかが頭痛と軽くみて市販薬で対処したり、不適切な治療を受けていると、片頭痛が慢性化することが、近年の研究で明らかになってきました。片頭痛の約3割は何らかの理由で、慢性化して増悪するといわれています。
 片頭痛の治療法の中心は薬物療法です。
 現在までにわかっている範囲では、薬物以外の物理療法や食事療法などの方法で薬物療法を上回るものはありません。
 片頭痛の薬物療法には大きく分けて二つの方法があります。
一つは頭痛発作が出る時のみに対処する方法で、これには片頭痛の特効薬であるトリプタン剤やNSAIDSと言われる消炎鎮痛剤があります。
 これに対し頭痛を予防するようなお薬もあります。
片頭痛の予防効果が認められている薬は、抗うつ薬、β遮断薬、バルプロ酸、カルシウム拮抗薬、ビタミンB2などがありますが、日本ではカルシウム拮抗薬の塩酸ロメリジンとバルプロ酸が保険適応となっています。
 正確な診断と的確な薬物療法を行うことにより、片頭痛発作の著明な軽減が期待できます。

 だいたい、こういった考え方が一般的のようで、片頭痛の特効薬であるトリプタン製剤を服用して、予防薬を適宜併用すべきであり、自分の頭痛が緊張型頭痛なのか片頭痛なのかを正確に見極めて、それ相当の薬物療法をするべく専門医への受診を勧めています。


 そこで、頭痛専門医では、どのような”適切な治療”をされておられるのか、こうした専門医の方々のHPをつぶさに調べ尽くしましたが、上記のようなものと大差はありませんでした。

 この中で、一つだけ以下のようなものがありました。


片頭痛は完治可能なのか? 

 片頭痛は、その発症機序の詳細がまだ分かっておらず、そのため万人に共通する根治療法と呼べるものは存在しません。ですので、非常に難しい病気である、ということが言えます。症状はひとそれぞれですが、中には日常生活に大きな支障をきたすほど強い頭痛を訴える人がいます。そうした方にとっては、片頭痛が完治できないのか、完治できないまでも、なんとか症状を軽減させることはできないのか?という問題は非常に深刻なものです。
 まず第一に片頭痛はまだその発症原因が詳細には分かっていません。ですので、完治させることができるのか?という問いに対しての一般的な回答は「必ずしもできません」というのが正しいと思います。
 巷には「片頭痛は完治させることができます!」というような広告を見かけますが、あれは「完治させることが出来るかもしれない可能性のひとつ」に過ぎません。もちろん、効果を認める場合もあるでしょうが、万人に共通して治せるものではないということを認識しておくべきです。
 片頭痛はひとそれぞれ症状の程度、悪化する要因、バックグラウンドなどが異なります。ですから、治療も各個人に合った治療方針を取らなければなりません。画一的な治療で治る、というものではないのです。
 ですから、片頭痛を完治させたい、と思うのでしたら、まずは頭痛専門外来を受診し、医師にしっかりと自分の症状について相談することです。いきなり民間療法のような治療法に活路を見出そうとする人がいますが、そうした行為は効率的とは言えません。頭痛で悩んでいるのなら、まずは頭痛の専門家の診察を受けるのが最も合理的であり、完治への近道です。


 このように、頭痛専門医の方々は申されます。


 頭痛専門医の考える思考過程は、「国際頭痛分類 第3版 β版」しか根拠とするものはありません。こうした欧米のトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成した基準では、片頭痛の病態そのものはトリプタンの作用機序の面からしか論じられることはなく、相変わらず原因不明とされ”神秘的な・不思議な病気”でしかなく、ましてや”多因子遺伝”という遺伝形式をとるという考えそのものが存在しません。

このような論点から論じないかはこれまでも再三述べました。

 こうしたことから、どの頭痛専門医の先生方も、以下のように


片頭痛の”環境因子”として


  「ミトコンドリアを弱らせる”環境因子”」
  「脳内セロトニンを低下させる”環境因子”」
  「体の歪み(ストレートネック)を引き起こす”環境因子”」

  から論ずる方々はおられないようです。


 ミトコンドリアは「生物学的な根源」となるものであり、食事は重要な位置を占めているものです。体の歪み(ストレートネック)は日常生活を送る上での「動作・姿勢」に関与しています。「脳内セロトニン」は生活信条に関与し、これにストレスが関与してきます。この3点から考えるべきです。
 片頭痛は、こうした人間が生きていく上での問題点すべてが関わっているものです。
 このように片頭痛という頭痛を理解すべきです。

 このように理解すれば、「薬物以外の”物理療法や食事療法などの方法”で薬物療法を上回るものはありません」ということには決してならないはずです。

 片頭痛を慢性化を防ぐ手段として薬物療法がすべてではないはずであり、こうした3つの要因から考えるべきものです。

 ということで、薬物療法だけが”適切な”治療とはいえないことが理解されるはずです。

 片頭痛治療上、薬物療法は、こうした「生活習慣改善」を補完しているにすぎません。