老神経内科医のボヤキ その3 つづき | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 先程も述べましたようにこうしためまいという機能性の疾患では、確実なエビデンスは恐らく確立されることは、将来的にもないと思われ、”こじつけでも”患者さんが納得されれば済むことです。
 そして、めまいをどのようにして改善させるのか、といった指導が医師に要求されているはずであり、少なくとも”原因不明”といった患者さんを不安に陥れるような言動は、医師として厳に慎むべきと思っております。


 このことは、めまいと同じように「慢性頭痛」でもあてはまることです。
 頭痛を訴えて、仮に脳神経外科を受診されますと、型どおり「問診」に始まって「神経学的検査法」を行った上で、頭部CTもしくはMRIという画像検査が行われ、ここで脳に器質的な疾患(二次性頭痛)でなければ、「脳には異常はありません」「ただ、頭痛の原因は不明です」と言われ追い返されることになっています。
 そして、最後の「ただ、頭痛の原因は不明です」は余分なことです。
 少なくとも、慢性頭痛(一次性頭痛)であり、現在、緊張型頭痛の段階だけなのか片頭痛にまで進展した状態にあるのかを明確にすべきです。
 多くの頭痛専門医以外の脳神経外科では「頭痛の原因は不明です」と申されることが多いという事実が存在します。
 このように、原因は不明ですと言われた方々は、どのように思われるのか考えたことがおありなのかと、いつも疑っております。


 確かに、緊張型頭痛も片頭痛も原因不明というのが、学会の考え方の基本になっており、決して間違ったことでなく、正しい見解を伝えています。


 先程の「めまい」の発生機序を説明する”いわば、こじつけの説明”であっても、患者さんが納得され、これを改善させるために、どういった注意が必要なのかを指導するのが医師の務めのように思いますが、・・・。
 要するに、こうした”いわば、こじつけの説明”には、エビデンスはまったく存在しないわけです。


しかし、頭痛を起こす場面を想像すれば、例えば、前屈みの姿勢を長時間持続することは、頭の重量が5,6Kgあるわけですので、これが3倍になって頸部の筋肉にかかってくることになり、これが肩こりを引き起こし、この凝りが上方に拡がることによって頭痛が起きてくるといった、”いわば、こじつけの説明”であっても患者さんはそれなりに納得されるはずです。こうしたことから、長時間前屈みの姿勢を持続させないような日頃の注意が必要と説明しさえすればよいことであり、これによってかなりの頭痛は軽減されることは経験的に知られているはずです。
 このようなことは、すべてエビデンスは存在しないわけです。
 しかし、こうした日頃の配慮だけで、頭痛がなくなっていることも事実です。


 また、ストレスの多い生活が長期間持続することによって、頭痛専門医以外の方々は「脳内セロトニンの低下」を引き起こすと言います。この「脳内セロトニンの低下」は痛みを感じやすくさせ、筋肉への働きかけの影響から「姿勢を悪く」させ、こうしたことから頭痛が起きてくると説明されます。
 こうしたことは、頭痛専門医にとっては論外とされ、エビデンスなし、ということが当たり前となっているわけです。
 こうした”いわば、こじつけの説明”でも、患者さんが納得され、これからヒントを得て、ストレス対策を工夫され、頭痛を改善されるのが経験的に知られています。


 要は、エビデンスはともかく、患者さんにとっては、頭痛が治れば問題はないはずです。


 このように慢性頭痛という機能性疾患での確実なエビデンスは恐らく確立されることは、将来的にもないと思われ、”こじつけでも”患者さんが納得されれば済むことです。
 そして、頭痛をどのようにして改善させるのか、といった指導が医師に要求されているはずであり、少なくとも”原因不明”といった患者さんを不安に陥れるような言動は、医師として厳に慎むべきと思っております。


 エビデンスは二の次に、患者さんが納得され、これを守っていく限り、頭痛が改善されれば問題はないように思っております。


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