2.MBT療法(DASCH diet) | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 1990年代に鳥取大学医学部・神経内科の下村登規夫先生は以下のような DASCH diet を提唱されておられました。そして、これが片頭痛の食事療法の基本とされていました。
 片頭痛患者においてミトコンドリア機能の低下,脳内マグネシウムの低下とマグネシウムの発作抑制作用,脳内セロトニン減少の可能性,血小板内ラジカルスカベンジャー(SOD)の低下などの臨床的根拠(エビデンス)があることから、頭痛に関してはdietary approach to stop chronic headache (DASCH )と呼ぶ,食生活を中心とする生活習慣を見直すことで片頭痛治療を提唱されました.


 DASCH diet では上述のエビデンスに基づいてミトコンドリア機能を高める目的でビタミンB2を摂取し,マグネシウムを摂取します.さらにラジカルスカベンジャーとしてβカロチン,ビタミンEおよびCなどを摂取します.脳内セロトニンを増加させるため,セロトニンの前駆体となるアミノ酸のトリプトファンを摂取するように指導します.具体的な食物としては,ビタミンB2,E,Cなどおよびβカロチンを多く含む緑黄色野菜,果物,海苔,うなぎなど,マグネシウムを多く含む大豆製品,ほうれんそう,柿,魚介類,トリプトファンを多く含む大豆製品,卵(卵黄),脱脂粉乳,牛乳などの乳製品やバナナなどをできるだけ多く摂取するよう指導する.緑黄色野菜などの量は体重が約60kgの成人で300g/日以上を目標とします.

 具体的には、次の5つを改善することで、およそ9割の片頭痛が改善するとされています。ただし、最低でも3ヶ月、なるべく半年以上続けることが大切です。
 しだいに頭痛発作の回数が少なくなるなどの改善が見られるでしょう。


  1 マグネシウムの補充
  2 セロトニンの改善
  3 ミトコンドリアの機能改善
  4 フリーラジカルスカベンジャーの増加
  5 自律神経の安定 ・・運動療法で述べました


 ここでは、これらの4つの項目について説明します。


1.マグネシウムの補充


 通常、食事で摂取されたマグネシウムの20~50%が小腸で吸収され、残りは便として
排泄されてしまいます。マグネシウムは細胞の中に蓄えられ、血液中には微量です。
一度にたくさんのマグネシウムをとっても、血中のマグネシウム濃度は上がりませんし、
細胞内のマグネシウム不足が解消されることもありません。恒常的に充分な量をとる食生活をし、マグネシウム不足を徐々に改善していくことが必要です。
 マグネシウムを一度に多くとり過ぎると下痢の症状があらわれます。しかし、他のミネラル分と比較すると、食事ごとの摂取可能量の見極めは容易であり、片頭痛の人は下痢を起こさない範囲内で、できれば1日に200~400ミリグラムのマグネシウムを追加的にとるようにすることが勧められます。(マグネシウム液による)。
 ちなみに、マグネシウム不足になると瞼がピクピクする、足がつるといった症状が出ます。こんなときは200ミリグラム程度のマグネシウムをとると、翌日にはほとんど改善されます。

 片頭痛では、ミネラルの1種であるマグネシウムの不足が知られています。頭痛発作中の患者の脳内マグネシウム濃度を調べると、30%から50%の人が、通常より低いことは実験によりわかっています。

 マグネシウムは、血管の収縮を抑えたり、血小板が凝集するのを防ぐなど、血液の循環機能を整えます。そのため、マグネシウムが不足すると血管が痙攣しやすくなり、痛みに敏感になるので頭痛がひどくなってきます。
 マグネシウムを大量に摂取することで血液の循環がよくなり、また筋肉の収縮も抑えるので、片頭痛にも緊張型頭痛にも効果があります。

 こうしたことから、片頭痛治療上、まず、マグネシウムの補充を考えなくてはなりません。そのためには、基本的には食事から摂取することです。


●マグネシウムを多く含む食品


  玄米によるご飯  100g 48mg
  白米によるご飯  100g 40mg
  米、麦こうじ味噌 100g 80mg
  豆こうじ味噌   100g 130mg
  アーモンド    30g 87mg
  カシューナッツ  30g 72mg
  国産大豆 30g 66mg
  落花生 30g 60mg
  干しひ時期   10g 54mg
  納豆1パック   100g 100mg
  かき      70g 50mg
  ほうれん草   70g 50mg
  いんげん豆   30g 45mg
  かつお     100g 40mg
  あおのり    3g 40mg
  あずき     30g 36mg
  とうもろこし   1本120g 35mg
  枝豆      50g 35mg
  バナナ     100g 34mg
 
 マグネシウム不足が持続すれば、ミトコンドリアの働きをさらに悪くさせることに繋がることになり、片頭痛を悪化させる”元凶”にもなってきます。
 このマグネシウムの摂取量は、それぞれの年齢によって推奨摂取量があります。これを満たすように、毎日摂取することが大切です。マグネシウムの補充は片頭痛治療の”要”となっていますので、このことを常々念頭におく必要があります。
 生理時にいつも片頭痛が起き、激しいといった場合は、マグネシウム不足を疑うくらいに大切なことです。こうした場合は、必ず、是正に努めて下さい。

 食品から摂取するのが一番ですが、より確実に補充していく場合は「マグネシウム原液」を作成され、これで必要量を補充する方法があります。


マグネシウム原液の作り方


マグネシウムの原料は、、スーパーでニガリ(200円/100cc)を求めるか、薬局で「塩化マグネシウム」(500g/1本、1000円~1200円)を買い求めることです。豆腐屋で用いる20Kg袋を買って(4000円程度です)つくるのは量が多すぎて現実的でないため、薬局で「塩化マグネシウム」(500g/1本、1000円~1200円)を買い求めるのが適当と思われます。


50 mg マグネシウム原液の作り方:


 こうしたマグネシウムの原液は、本来「片頭痛治療薬」として製品化されるべきですが、メーカーには利益にならないため、市場には出回っていません。ですから、自分でつくるしかないようです。(トリプタン製剤のように利潤が上がらないためです)


具体的な”マグネシウム水溶液”の作り方です

2リットルの空きペットボトルの1.2リットルのところにマジックインクで線を入れておきます。
漏斗等を用い塩化マグネシウム粉末500gをペットボトルに入れます

  塩化マグネシウムはネット通販で買いましょう
( 薬局で入手できにくい地域もあります)

加熱後冷却水か市販の飲料水を1.2リットルの線近くまで入れます。

ペットボトルに栓をし、よく振って溶解させます
(その後、静置し正確に1.2リットルになるよう水を追加します)。


  以上で完成です
 

これを、もっと簡略化させたものが、「マグCプラス」です。


「マグCプラス」は、「万能健康ジュース」の材料に登場する「50 mg マグネシウム原液」をちょっとアレンジしたものです。つくり方はすごく簡単です。


材料


  水  75 cc
  塩化マグネシウム  100g
  ビタミンC 3g


つくり方


 水に塩化マグネシウムとビタミンCをよくかき混ぜて溶かして完成! あとは冷蔵庫で保存して下さい


サプリメントを飲んでもマグネシウム不足は解消されません

 マグネシウム不足を解消するのが目的ならば、市販のサプリメントでマグネシムを補えばよいのでは??と思われる方が多いかと思うのですが、残念ながらサプリメントではマグネシウム不足を解消するのは難しいです。
 なぜならばマグネシウムは大量の水で希釈しないと吸収されないからです。サプリメントでマグネシウム不足を解消しようと思ったら2ℓくらいの水と一緒に飲まないと効果はありません。サプリメントを2ℓの水で飲むなんてとても現実的ではありません。そこで確実&簡単にマグネシウムを摂取する手段として、この「マグネシウム水溶液」が考案されました。


マグネシウム水溶液の飲み方

[飲み方の基本]

500ccの水に小さじ1杯程度のマグネシウム水溶液を入れて飲みます。


[味付けの工夫]


 上記の様に水で薄めるだけで、マグネシウム不足を補う事がでますので、効果的にはこれで問題無いのですが。このままではニガくて飲めないと思います。
 味付けを工夫して楽しみながらマグネシウムを摂取するのがよいのです。
 クエン酸とビタミンCを1gずつ入れて飲む事をオススメしています。
 こうする事によってレモン水の様な味になり、味のバリエーションが増えます。
 もう一つのオススメはクエン酸、ビタミンCの他、更に「蜂蜜」を加えることです。
 甘味が出るので美味しく頂けます。

[実際の飲むタイミング]


飲むタイミングは

(1)片頭痛の前兆時に飲む
(2)日頃の”水分補給時”に飲む 

 

この2点です。

これを行うためには

(1)先程説明した[飲み方の基本][味付けの基本]を基に出来たものを、ペットボトル等に詰めて常に携帯し、必要に応じて飲むようにします。水分補給とかねて・・
(2)もしくは、原液の状態(小さじ1杯あたり500gの水に希釈しない状態)
の物を小さな小瓶(弁当に入っている醤油挿しの様なもの)に詰めて携帯し、出先で必要に応じて水に薄めて飲む。頭痛がきそうな予感がしたときに服用します。

の2種類の方法をオススメしています。

これらはあなたの生活スタイルに合わせて、やりやすい方を実行して頂ければOKです。

 このように、これを原液として、万能健康ジュース(後に述べますが)にも使用できますし、スポーツドリンクなどの代わりに、500mlの水(ペットボトル)に2~3cc入れて飲むのもOK。また、ご飯を炊くときに少し入れるのもよいと思います。
 塩化マグネシウム(粉末)はドラッグストアなどでは手に入れにくいので、ネットで購入するのがいいでしょう。市販のニガリ(水溶液)でもよいのですが、ちょつと割高になります。


2 ミトコンドリアの機能改善


 ミトコンドリアは、細胞の中で呼吸し、エネルギーを生産している工場の役割を担っています。ミトコンドリアの働きが低下したり、異常をきたす病気を「ミトコンドリア病」といい、この病気を持つ人のほとんどが、片頭痛を持病として持っています。
 このミトコンドリア病を持つ人々にミトコンドリアの機能をよくするビタミンB2を摂取させると、片頭痛が改善されることが分かりました。逆に、片頭痛もちの人たちもビタミンB2を摂取することで、7割近くの人の頭痛が改善することが分かっています。
1998年にShoenenら83)によって発表された論文によりますと、ミトコンドリア病の患者さんに1日1回400mgのB2を服用させた所、ミトコンドリアが元気になりミトコンドリア病が改善しました。このミトコンドリア病の主症状が片頭痛です。この事にヒントを得て、ミトコンドリア病に限らず片頭痛の患者さん55人に1日1回400mgのリボフラビン(ビタミンB2)を3ヶ月服用させた所、片頭痛の起す割合が半分に減った患者さんが37名だったと言う事でした。
 その理由は、ビタミンB2がミトコンドリアの電子のやりとり(電子伝達によりエネ
ルギーを産生する)を円滑にしたことにより、ミトコンドリア代謝機能を向上させたか
らだと考えられています。また、ビタミンB2には体内で生成される過酸化脂質を分解
する作用もあり、この作用によって片頭痛が軽減された可能性もあります。いずれにし
ても、ビタミンB2が片頭痛患者の半数以上に改善効果を与えたことは事実ですから、
ビタミンB2を積極的にとりたいものです。
  ビタミンB2を多く含む食品としては、牛、豚、鶏のレバーやハツ(心臓)、うなぎ、
うに、すじこ、サバ、ズワイガニ、納豆、いくら、タラコ、卵黄、まいたけ、モロヘイ
ヤ、のり、煎茶の茶葉、唐辛子などがあります。


3 フリーラジカルスカベンジャーの増加


 片頭痛やさまざまな病気には、活性酸素が深く関わっています。体内で活性酸素が過剰に発生して体がサビついた状態になることを「酸化ストレス」と呼び、その抑制は片頭痛改善のために不可欠な要素と考えられます。 
フリーラジカルスカベンジャーは、活性酸素の毒消しをする物質です。これを増やすことによって、人体に蓄積された有害な活性酸素を無害化することができます。
 活性酸素とは、人間の身体に取り込まれて燃焼した酸素からできたものです。本来は殺菌や消毒作用がある有益なものですが、増えすぎると体内物質を酸化させ、老化や病気の原因になってしまうのです。


抗酸化作用のある食品


 活性酸素が病気を引き起こすということは、鉄などが酸素と結合して錆びるのと同じことです。このサビから身体を守ってくれる最も代表的なものとして、ビタミンC、ビタミンE、カロテン類を豊富に含む食品があります。
 この他、フラボノイド、カテキン、タンニン、ケルセチン、アントシアニン、イソフラボンなどに代表されるポリフェノール類、セサミノール、ショウガオール、アスタキサンチン、セレニウム、フィチン酸など含む食品も抗酸化作用があります。


ビタミンC


・野菜類…赤ピーマン、芽キャベツ、黄ピーマン、パセリ、青ピーマン、ブロッコリー、カブの葉、さやえんどう、キャベツ、ミニトマト、かぼちゃなど(多い順)
・果物類…アセロラ、ゆず、レモン、柿、キウイフルーツ、イチゴ、パパイア、はっさく、グレープフルーツ、温州ミカン、パイナップル(多い順/アセロラは群を抜いて多い)

・イモ類…ジャガイモ、サツマイモ
・海藻類…のり
・その他…ハム、ベーコン、たらこ

※ビタミンCの含有量は多くても、パセリや海苔、ゆずなどは一度にたくさん食べられる食品でありません。その意味では重量的にたくさん食べられる、キャベツ、ブロッコリー、かぼちゃ、イモ類、柿、ミカン類などはビタミンCの強力な補給源となります。


ビタミンE


・油脂類…ひまわり油、綿実油、サンフラワー油、大豆油、マーガリン油、菜種油(多い順)
・種実類…アーモンド、ヘーゼルナッツ、ヒマワリの種、落花生(多い順)
・魚類…すじこ、いくら、ウナギ、たらこ(多い順)
・その他…小麦胚芽、煎茶(茶葉)


カロテン(カルテノイド)類


・βカロテン…シソの葉、モロヘイア、にんじん、春菊、ほうれんそう、かぼちゃ、大根の葉、にら、小松菜、かぶの葉、チンゲン菜(以上、多い順)、茶類、海藻類
 カロテン類の種類は数百種といわれますが、その代表的なものがこのβカロテンで、体内に入ってビタミンAに変換されます。ビタミンAには目の明暗の識別や皮膚や粘膜を正常に保つなど、さまざまな働きがあります。
・リコピン…トマト
 トマトの赤い色素成分がリコピンで、βカロテンよりも抗酸化作用が強いことで注目されています。


ポリフェノール類


・フラボノイド…野菜・果物全般
 フラボノイドは野菜や果物などほとんどの植物に含まれる色素の総称で、ポリフェノールの一種です。ポリフェノール類の大半はフラボノイドで、それぞれの関係が混乱しやすいのでご注意ください。次に示すルチン、カテキン、ケルセチン、アントシアニン、イソフラボンは皆、フラボノイドに含まれます。
・ルチン…そば、イチジク、かんきつ類、ベリー類
 フラボノイドの一種で、抗酸化作用の他に、血流の改善効果があります。
・カテキン(タンニン)…緑茶(渋みの成分)
・ケルセチン…玉ねぎ(特に外皮)、リンゴ、緑茶、ブロッコリー、モロヘイアなど
・アントシアニン…ブルーベリー、さつまいも、なす、いちご、ぶどう、黒豆、黒ゴマ
 アントシアニンといえば「ブルーベリー=目に良い」というイメージが独り歩きしていますが、植物に含まれる青紫色の色素で、抗酸化作用があるフラボノイド類の一種です。
・イソフラボン…大豆、大豆製品
 大豆に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」と似た化学構造を持ち、同じような働きをすることで、美容界で脚光を浴びています。でも、抗酸化作用があるということのほうが重要で、本命でしょう。過剰摂取は美容に逆効果もあるので要注意です。


その他


・セサミノール…ごま
 ごまには、この他にカルシウム、ビタミンB1、鉄分、食物繊維、たんぱく質、リノール酸が豊富で、昔から「不老長寿の秘薬」と言われました。ただし、たくさん食べられる食材ではなく、あくまで脇役。いろいろと料理を工夫して毎日少しずつ摂るとよいでしょう。
・ショウガオール…ショウガ
 ショウガの辛味成分。ショウガにはこの他に殺菌効果や、体を温めて免疫力を高める効果などもあります。
・アスタキサンチン…鮭、イクラ、エビ、カニ
 赤い色の部分がアスタキサンチンです。食事だけで十分な量をとるのは難しく、サプリメントがあります。ただし、抗酸化作用のある成分はアスタキサンチン以外にもたくさんあることをお忘れなく。
・セレン(セレニウム)…小麦、肉類、魚介類、鶏卵、牛乳
 セレンは有害ミネラルの解毒にも有効とされています。ただし、セレン自体にも毒性があるので大量摂取には要注意。通常の食事でセレンが不足することはありません。
・フィチン酸…米ぬか、ごま、小麦、インゲン豆、トウモロコシなど
 フィチン酸は穀類の外皮(ふすま)に多く含まれ、多くは精製の過程で失われます。米の場合は玄米に多く含まれますが、ミネラルと結合して吸収を阻害するマイナス面もあります。


■体内の活性酸素を除去する食材をまとめてみますと・・


 ビタミンA:ニンジン、ほうれん草、卵黄、牛乳、バター
 ビタミンC : ブロッコリー、小松菜、ピーマン、トマト、イチゴ、緑茶、ジャガイモ
 ビタミンE:大豆、落花生、しじみ、うなぎ
 βーカロテン : ニンジン、小松菜、ほうれん草、かぼちゃ、ニラなど
 ポリフェノール : 赤ワインなど
 リコピン : トマトなど
 スルフォラファン : ブロッコリー、キャベツ、カリフラワーなど
 メラノイジン : みそ、しょうゆなど

強力な抗酸化作用を発揮するCoQ10。

 抗酸化酵素だけでは生体脂質の酸化を防ぐことはできません。そこで登場するのがビタミンE、CoQ10、ビタミンC、カロテノイド、ポリフェノールなどの抗酸化物質です。
 脂質の酸化を防ぐために生命が創り出した物質がビタミンEですから、これが一番重要です。しかし、条件によってはビタミンEはかえって脂質の酸化を促進することがわかっています。これを防ぐには、酸化抑制の過程で生成するビタミンEラジカルを還元する必要があり、ビタミンCとCoQ10がその役を担っています。とくに、同じ脂溶性のCoQ10の重要性が最近の研究から明らかにされてきました。結局、生体脂質の酸化を抑制するためには、ビタミンEとCoQ10とビタミンCがよいチームワークを組む必要があるのです。
 生体が酸化ストレスにさらされたときに最初に減少するのがビタミンCとCoQ10であることは強調しておきたいと思います。ご存じのように私たちはビタミンEとビタミンCを体内で合成することはできませんから、食品等から摂取する必要があります。一方、CoQ10は体内で合成できますが、肉・魚などの食品に含まれていることも確かです。