片頭痛が最も辛い痛みのピークは30代、40代と言われています。子供の頃から片頭痛に悩まされてきた私も激しい痛みは30代でした。
片頭痛の症状は年齢によって徐々に変化し、痛みの長さも変わってきます。
今回は年齢と片頭痛の痛みについてです。
30代、40代の痛み方
一般的に片頭痛は30代、40代では鋭い痛みが時々起こるという経過をたどりますが、50代になると激しい痛みを伴う頭痛はいくらか和らぎ、ピーク時の痛みも少しずつましになってきます。
そのため、これまでは仕事や日常生活も痛みが激しいため支障が出ていた場合でも、50代頃になると激しい痛みはあまり無くなるので、仕事や日常生活に支障が出にくくなります。
ただ、全てが良くなるわけではなく、50代の片頭痛は頭痛の回数が増えたり、頭痛が起こってから消えていくまでの時間がだんだんと長くなっていきます。また、随伴症状である吐き気や嘔吐も若い時に比べると起こりやすくなります。
つまり、20代、30代の頃の「激しい痛みを伴う単発的な片頭痛」から「鈍く長く痛む片頭痛」へと変化していくのです。また人によっては「慢性連日性頭痛(変容型片頭痛)と呼ばれるように、毎日頭痛が起こるようになってしまうことがあります。
変容型片頭痛とは、若い時の片頭痛とは様相が違い、片頭痛の回数は増えても頭痛が和らぐことが多くなる50代で多少の浮き沈みはあったとしても痛みはほとんど持続性となり、頭の両側に痛みがまたがることが増え、更に肩や首筋、こめかみの痛みなども加わってきて首や肩の筋肉の痛みを中心とする緊張型頭痛と似たような症状になる頭痛のことです。
明確な原因は分かってはいませんが、50代以降になると変容型頭痛に悩む方が増えてくるのです。
60歳を過ぎると頭痛は軽くなる
片頭痛も60代になるとだんだん起こりにくくなってきます。60歳までに約80パーセントの人では頭痛が起こらなくなるか、仮に起こったとしても対して困らない程度の軽い症状になることが多いです。
また、70歳を過ぎるとほとんどの人で頭痛は起こらなくなっていきます。誘発要因がある場合には軽い頭痛が残ることもありますが、誘発要因があったとしてもたいていの人では頭痛は起こらなくなります。
なぜ70代になると片頭痛の症状が出なくなるのかは明確に解明されていませんが、一つの説としては、「若い時に比べると動脈が硬くなっているために血管が広がりにくくなるから」と言われています。
片頭痛の主な原因が血管が拡張した際に起こることを考えると、血管が広がりにくくなることで片頭痛の発作が起こりにくくなるという説は一理あるのかと思います。
片頭痛には様々な原因があり、痛みや発作が起こる頻度も人によって違いがありますが、30代や40代の片頭痛患者はできるだけ痛みを和らげる方法を身につけることが大切であり、50代以降は鈍く長く痛くなる片頭痛への対応が大切になるのです。
片頭痛の平均発症年齢はどれくらい?
片頭痛は小さい子供から大人まで男女関係なく発症してします。私は高校生の頃から頭痛に悩まされてきました。
片頭痛を抱えている患者さんの中には、私よりももっと幼い時から苦しんでいる方もいますし、逆に20歳を過ぎた辺りから突然激しい痛みが出るようになった方もいます。
では、片頭痛の平均発症年齢はどのくらいなのでしょうか?
片頭痛の平均発症年齢は?
片頭痛の発症年齢は「若い」という特徴があります。欧米でも日本でも平均発症年齢は若く、だいたい20歳くらいと言われています。
ただ、片頭痛というのは突然起こることもありますが、最初は鈍い痛みがするようになり徐々に痛みが増していくということもあるので、平均発症年齢が20歳といっても誤差はあると思います。
また、片頭痛の痛みに関してですが、一般的には25歳を過ぎてから強くなっていくことがあります。それまでは頭痛の症状はあっても軽い痛みであることも多く、それが片頭痛の症状だと気がつかないケースもあるのです。
私は自分で片頭痛だと気がついたのは大人になってからですが、今思い返してみると高校生の時から鈍い痛みはありましたし、人ごみから帰ったり寝過ぎた時には必ず頭痛を引き起こしていました。
このことから私自身が片頭痛であるということに気がついていないだけで、すでに症状、前兆があったことになると思います。
小さい頃に片頭痛の症状はなかったと言い切る人もいますが、多くの場合は「覚えていない」のだと思います。意識していないことで小さな時の記憶は曖昧なこともありますから。
ただ、ならしてみると片頭痛の平均発症年齢は20歳ということです。
高齢者の片頭痛の発症は危険でもある
片頭痛の発症は比較的若いというのが特徴ですが、50歳や60歳になってから頭の片側に痛みがでるという方が全くいない訳でもありません。
しかし、50歳や60歳で片頭痛のような症状が出た場合、単に片頭痛ということではなく大きな病気が潜んでいる可能性も十分考えられるので安易な診断をされないよう注意することが必要です。病院でMRIを撮影するなどの検査をしても異常が見つからない場合は医師も片頭痛と診断してしまうことはよくあるようです。
片頭痛は50歳や60歳になってある日突然起こるという可能性は低いので、内科などを受診した時に簡単に片頭痛と診断されてしまった場合は、もう少し詳しく検査をする必要もあるので、頭痛外来などの専門機関を受診すべきです。
以上のような点から、片頭痛は純然たる遺伝的疾患と判断することには、無理があることを考えなくてはなりません。
ここには、これまでも述べて来ましたように、生まれつき先祖から受け継がれた「ミトコンドリアの働きの悪さ」という遺伝的素因に、環境因子である「体の歪み(ストレートネック)」と「ミトコンドリアの働きを悪くする環境因子」と「脳内セロトニンの働きを悪化させる環境因子」が加わって、片頭痛を発症させてくるということを意味しています。
とくに、「ミトコンドリアの働きを悪くする環境因子」と「脳内セロトニンの働きを悪化させる環境因子」の2つは、食生活の関与が大きいことは、これまでも述べてきました。
さらに、「体の歪み(ストレートネック)」も、「ミトコンドリアの働きを悪くする環境因子」と「脳内セロトニンの働きを悪化させる環境因子」に関与して形成されてきます。
こういうことから、この3つの環境因子は、相互に関与しあっています。
こうしたことから、発症の時期、そしてその時期における痛みの強度に差がみられるということに他なりません。