先日、朝日新聞の「患者を生きる」のシリーズで「片頭痛」が特集されていました。この記事で述べられていることは、現在の「片頭痛医療の縮図」を見るようです。これを3点から考えてみたいと思います。
以下のファイルをご覧下さい。
要約しますと、47歳の女性の方で、26歳で結婚され、まもなく長男を出産し、その4ヵ月後に生理が来た後から片頭痛を発症されたようです。
出産前からも、頭痛を感じることがあったが、産後の頭痛はもっと強かったということで、頭が痛むことは、10代の前半からときどきあったようで、当時は「頭痛とめまい」で耳鼻科を受診され、「異常なし」の診断されたようです。
30代も半ばを過ぎたころには、起きていられないほどのこめかみの痛みが、月1度くらいのペースで起きるようになっていったようです。
そして、33歳のときに転職し、職場が葬儀場になり、葬式や通夜がいつあるかは事前にわからず、時間は不規則で。睡眠時間が短くなることも増えたため、頭痛はさらに悪化。
さらに、ご主人の片頭痛に対する無理解から、離婚を願うようになりました。夫に直接「別れてほしい」と頼みましたが、聞き入れてもらえず、これがストレスになり、さらに薬の量が増えていった様子が述べられ、離婚が決まって気が楽になりました。以前なら、週に2、3度あったひどい発作は、月2、3度に減ったようですが、なお発作は治まらずおきるようで、結局、ストレス減らして長くつきあうというのが、結論のようです。
まさに、片頭痛の典型的な経過を示しているようです。
10代の前半からときどきあった「頭痛とめまい」をまず問題とすべきです。
耳鼻科では異常なしとされたことから、この段階から、恐らくストレートネックが存在していたと思われます。以後、結婚と出産を契機に27歳ころから、片頭痛へ移行し、まさに、典型的な緊張型頭痛から片頭痛へ移行する過程が伺われます。そして、葬儀屋に転職をきっかけに、睡眠が十分にとれなくなり「ミトコンドリアの働きを悪くさせ」、これに加えて、ご主人の片頭痛に対する無理解から、これがストレスになり「脳内セロトニン不足」を加速させ、このために発作の頻度が増えさらに程度も増悪した経過が示されています。
まさに、典型的な片頭痛の経過が記載されています。
ここで、まず、問題とすべきことは、ご主人の片頭痛に対する無理解です。
このことは、私もよく経験することです。酷いのは、頭痛が起きていても、ご主人の前では「痛い素振りを見せるな」とご主人に強制される人もありました。こういった方々は、ご主人と一緒にいるだけで苦痛になり、これがどれだけ本人に負担になるかは計り知れず、これがストレスとなり、さらに片頭痛を悪化させる原因にもなっています。こうした方々にとっては、まさに家庭生活は”地獄”そのものと推測されます。こうした方々に対してどのように対処していくかも、片頭痛治療上、大切な点と考えております。
この方の場合、離婚という最悪の結末を迎えてしまったようです。
私は、こうしたことを防ぐために以下のように対策を立てて対処しております。
それは、これまでも述べておりますように、片頭痛は生活習慣病です。糖尿病と同様に、糖尿病と診断した時点で、糖尿病とはどんな病気であり、どのようにして起きるのかをまず説明があるはずです。そして治療の基本は「食事と運動」であるはずです。こうした観点から、まず「糖尿病治療のてびき」「食品交換表」の2冊が手渡されます。そして、1日最低2回は家族と一緒に食事を共にするわけですから、ご主人が糖尿病の場合は、食事を作る「奥さん」の協力なしには食事療法はうまくいきません。このため、食事指導を行う場合は、必ず、奥さん同伴で食事指導を行うのが原則です。こうしない限り、まず糖尿病治療は失敗してしまいます。こうしたことを念頭において片頭痛の指導も行う必要があります。こうしたことを踏まえて、片頭痛とはどんな病気であり、どのようにして起きるのかをまず口頭で十分に説明する必要があります。この上で、「片頭痛治療のしおり」という冊子を手渡すようにしています。これは、糖尿病の場合の「糖尿病治療のてびき」「食品交換表」に相当するものです。そして、必ず、配偶者の方がいらっしゃれば、この方にもご覧頂くようにお願いしています。この理由は、片頭痛改善のためには配偶者の協力・理解なしには必要・不可欠の事項と考えているからです。そして、必ず、治しておくべき頭痛であり、軽くみていると、とんでもないことに陥ることを強調することが重要です。そして、配偶者の理解が不十分と判断された場合は、必ず、配偶者の方にご来院頂いて説明申し上げるようにしています。
こうした説明もなく、ただ単に”トリプタン製剤”の処方だけでは済まさないようにしています。そうしませんと、トリプタン製剤を服用さえしておれば、痛みさえとれれば、根本的に治そうという意志を持たれず、安易に考えてしまい、後々、やっかいな状況を作ってしまうからです。こういった指導をすれば、治療もうまくいくはずです。そうしませんと、今回掲載されているような事態を招きかねません。
患者団体の方々もこういったことを念頭に「片頭痛の啓蒙活動」を行うべきです。
そして、頭痛専門医の対応の仕方が述べられています。それは、最初に受診された際に、頭部CTを撮影して、「片頭痛」と診断し、片頭痛という病気が、脳の血管が拡張して血管周囲の神経を圧迫して頭痛が起きるという説明に終始し、これに対して、血管を収縮させるトリプタン製剤を使いましょう、というだけでは一般開業医のすることと何ら変わりはなく、効かなければ、点鼻薬あるいは注射薬だけの提案だけでは、トリプタン製薬会社の宣伝マンと何らかわらないことになってしまいます。こうした薬だけの説明では、患者さんは、「薬さえ飲んでおればよい」といった安易な考え方しか持たないと思われます。
もっと頭痛の専門家であれば、根本的に改善させる”すべ”を伝授すべきではないでしょうか? 私は、この点に常々、疑問を持っております。
今回の記事も、こうした頭痛専門医のあり方を示しているようです。
そして、最も問題とすべき点は、さらに別にあります。
片頭痛という病気が余り知られていない頭痛であるという前提で、片頭痛が不治の頭痛であるが、”トリプタン製剤”という特効薬があり、これを服用すれば楽になりますよ、といった、”トリプタン製薬メーカー”の代弁をしているようにも受け取れなくもないように思えてなりません。この点は、筆者にお聞きする以外にないようですが・・・
先日も紹介したDR.RATH HEALTH FOUNDATION の「製薬業界は一般大衆を欺いている」を思い出す必要があります。
製薬業界は私達の社会をコントロールし続けます。製薬業界の求めるところは医学研究をコントロールし、医療従事者をこの製薬業界に依存させることです。この権力を確実に手放さずに済むよう、製薬企業は立法機関およびメディアをうまく操っています。全メディアを通じた大規模な宣伝キャンペーンでは、医薬品のPRおよび宣伝部門によって、製薬業界の真実を隠そうと煙幕が張られています。
製薬企業は、ルイ・パストゥール、ロバート・コッホ等の医学上のパイオニアと重ね合わせて自社のイメージを描こうとしています。彼らは人道主義に基いて疾病の根絶を目指していると主張しています。しかしながら、真実はまったくその逆です。つまり、製薬業界は、製薬市場拡大の基盤として疾病を存続させ続けることが目的なのです。コーデックス・カルテルは、意図的な疾病の根絶妨害をその目的としています。したがって、製薬業界は人類救済の伝統にもとづいてではなく、自らの利益を維持するために無数の人間を犠牲にする組織的犯罪者のグループであるIGファルベン社の伝統に基づいて運営されているのです。
これを、まさに、そのまま地でいっているとしか言えないようです。
皆さんは、果たして、どのように解釈されますでしょうか?