片頭痛の共存症には高血圧,心疾患,脳血管障害,うつ病,躁病,パニック障害,不安障害,てんかん,喘息,アレルギー性疾患などがあります。
片頭痛のcomorbid disorders(共存症)は片頭痛の病因,病態や治療を考える上で重要な概念です. 共存症と片頭痛の関係は,
1)偶発的な共存,
2)共存症が片頭痛をおこす,あるいは,片頭痛が共存症をおこす場合,
3)共通のリスク要因により,片頭痛および共存症がおこる,
4)ある遺伝的要因と環境的要因が,特定の脳の状態を惹起し,
この状態が片頭痛と共存症を起こすなどが考えられます。1).
これまで,様々な観点から片頭痛の共存症研究が症例シリーズや,疫学調査で実施されてきました.
片頭痛は有病率の高い疾患であり,他の有病率の高い疾患と偶発的に共存していることが少なくありません。偶発的であっても,片頭痛および共存症の治療を組み立てる上では相互に悪影響を及ぼさない治療薬を選択することが重要とされています。
症例シリーズでは片頭痛患者で高血圧が多いとの報告もありますが,結果は一定しません. 大規模な疫学研究では片頭痛と高血圧は相関しないとの結果が多いようです.しかし,高血圧は有病率が高いので偶発的であるとしても合併例は少なくありません2).
僧帽弁逸脱症,冠動脈疾患,虚血性心疾患,狭心症,不整脈などの心疾患はいずれも片頭痛との関連を示唆する報告がありますが,大規模な研究は実施されておらず,さらに,喫煙や高血圧などの虚血性疾患のリスクを補正した場合の相関についてはエビデンスが不足しています. 前兆のある片頭痛患者では,潜在性卵円孔開存(PFO)にともなう脳塞栓症をきたすことが多いとの報告3)があります.
脳血管障害,特に虚血性脳血管障害と片頭痛に関しては多くの研究があります4,5,6). 片頭痛があると,虚血性脳血管障害のリスクが2.0倍(95% CI1.1-3.6),全脳血管障害のリスクは1.8倍(95% CI1.1-3.2)であったとされています4). また,米国の13380例を対象とした研究5)では片頭痛は脳卒中のリスクを1.5倍にしますが,加齢とともに片頭痛の寄与は減少し,40才台に限ると,リスクが2.8倍となりました. 虚血性脳血管障害と片頭痛は相関すると考えられますが,年齢や性別により,リスクの関与の程度が異なると考えられます7).
大うつ病,躁病,パニック障害,不安障害などの精神科的疾患と片頭痛の関係はいくつかの研究があり,大部分の研究で一致して有意な相関が示されています2,8).てんかんとの関連は病因論的に多くの議論がありますが 9,10) ,相関について一致したデータが不足しています.喘息11),アレルギー性疾患と片頭痛の相関が注目されているが今後のデータの集積が必要です.
共存症は,病態を理解するうえでも重要であり,また,片頭痛治療,特に予防療法を実施するさいに共存症に関する理解が重要です.
【参考文献のリスト】
1)Lipton RB, Silberstein SD. Why study the comorbidity of migraine? Neurology 1994; 44(10 Suppl 7):S4-S5.
2)Low NC, Merikangas KR. The comorbidity of migraine. CNS Spectr 2003; 8(6):433-444.
3)Sztajzel R, Genoud D, Roth S, Mermillod B, Floch-Rohr J. Patent foramen ovale, a possible cause of symptomatic migraine: a study of 74 patients with acute ischemic stroke. Headache 2003; 43(3):305-306.
4)Buring JE, Hebert P, Romero J, Kittross A, Cook N, Manson J et al. Migraine and subsequent risk of stroke in the Physicians' Health Study. Arch Neurol 1995; 52(2):129-134.
5)Merikangas KR, Fenton BT, Cheng SH, Stolar MJ, Risch N. Association between migraine and stroke in a large-scale epidemiological study of the United States. Arch Neurol 1997; 54(4):362-368.
6)Carolei A, Marini C, De Matteis G. History of migraine and risk of cerebral ischaemia in young adults. The Italian National Research Council Study Group on Stroke in the Young. Lancet 1996; 347(9014):1503-1506.
7)Etminan M, Takkouche B, Isorna FC, Samii A. Risk of ischaemic stroke in people with migraine: systematic review and meta-analysis of observational studies. BMJ 2005; 330(7482):63.
8)Breslau N, Lipton RB, Stewart WF, Schultz LR, Welch KM. Comorbidity of migraine and depression: Investigating potential etiology and prognosis. Neurology 2003; 60(8):1308-1312.
9)Ottman R, Lipton RB. Is the comorbidity of epilepsy and migraine due to a shared genetic susceptibility Neurology 1996; 47(4):918-924.
10)Lipton RB, Ottman R, Ehrenberg BL, Hauser WA. Comorbidity of migraine: the connection between migraine and epilepsy. Neurology 1994; 44(10 Suppl 7):S28-S32.
11)Davey G, Sedgwick P, Maier W, Visick G, Strachan DP, Anderson HR. Association between migraine and asthma: matched case-control study. Br J Gen Pract 2002; 52(482):723-727.
以上のように、医療情報サービス Minds(マインズ)では概説されています。
一昨年、第17回関西頭痛懇話会で、「冷え性は片頭痛の共存症か」という発表がありました。この発表に対して、この当時、この「頭痛専門医」は何を考えているのかという疑問しかありませんでした。それを、ここに最初に提示致します。それは・・・
片頭痛の患者さんの8割弱の方が冷え症を自覚しておられ、7割弱の方が冷え症の診断基準に合致すると言うデータを示されました。
実際「冷え症」の治療に使用される漢方薬、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は片頭痛の頭痛発作を抑える効果が確認されたといいます。。
西洋医学的な治療に加え、漢方医学的な見地から病態を診ていくと頭痛以外の諸症状も改善できる可能性があるので、患者さんにも大きなメリットがあり提唱されていました。
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)以外に、慢性頭痛に用いられる漢方薬に釣藤散、桂枝加葛根湯などがあるようです。
このような、発表が「頭痛専門医」の集まりでされていたことに驚きを隠せませんでした。これが、日本頭痛学会の認定する「頭痛専門医」の考え方なのかと極めて、信じられない思いをさせられました。 冷え性はセロトニンとの関連で、これまで論じられていたはずです。演題にする価値があるのでしょうか?漢方薬が効いたということが珍しいと思われたのでしょうか?
セロトニンと低体温症・冷え性の関わり
セロトニンというとノルアドレナリンやドーパミンとともに感情などをコントロールしているホルモンとしてよく知られていますが、低体温、冷え性、肥満、睡眠時無呼吸症候群などとも深く関わっています。
一日の体温の変化は、朝起きると筋肉や神経の働きを高めるために体温は高くなり始め、夜に向け体温は上昇していきます。
そして、就寝前に最も体温は高くなり、就寝後の体温は急激に低下し、目覚めまで緩やかに低下していきます。
この一日の体温の変化はセロトニンの分泌量の一日の変化とほぼ一致しているのです。
体温をコントロールしている温熱中枢はセロトニンの刺激により作動しています。
脳中枢(縫線核)でセロトニンは産生され、そこに血液の温度変化を感知するセンサーがありります。
そして、その感知した情報を温熱中枢に伝えるのがセロトニンの役割です。
ところが、セロトニンが不足していると温熱中枢へ体温が下がっていても正しく情報が伝わりませんので、一日中体温は低く(低体温症)、冷え性にもなりやすく、体の機能をいつまでも活発化する事ができなくなるのです。
体を温めても、いつまでも体が温まってこないのはセロトニンが不足しているからなのです。
脳中枢(縫線核)では血液中の酸素濃度も検知しているのですが、この情報伝達が狂うと睡眠時無呼吸を引き起こすことにもなります。
満腹中枢への刺激が十分に伝わらなければ、食欲にブレーキが効かなくなり、食べすぎ、肥満ということにもなります。
勿論、セロトニンが不足すれば、イライラだけでなく、うつ病やパニック障害など神経性疾患の原因にもなります。
ということで、低体温症や冷え性の改善には「脳内セロトニン」を増やすことが大切です。
脳中枢が体温の低い事を感知しても、セロトニンが不足していれば、体温を調整する温熱中枢に十分な刺激を与えることができず、温熱中枢からの適切な体温調整ができなくなるということなのです。 これとは別に、次のように述べられています。
セロトニンの効果:冷え性を解消する
セロトニン神経が弱っていると体温調節がうまくできず冷え性になりがちになります。
人間の体は、暑い時には汗をかいて体温を下げようとしたり、寒い時には毛穴を閉じて体温を奪われないようにしています。
これは自律神経による体温調節の働きですが、セロトニン神経はこの自律神経に影響を与える役割を持っています。
現代社会では、冷房や暖房の普及により室内では一年中快適な気温で生活できるようになりました。
しかし、これは自律神経にとってはあまりよくない状態で、自律神経はある程度暑さや寒さの刺激があるほうが活性化します。
空調で気温が保たれるようになると、かえって体温調節がうまく働かなくなってしまいます。
体温は自律神経のバランスによって変化しています。
寝ている時やリラックスしている時は副交感神経が、起きている時には交感神経が優位になりますが、そのバランスを取ってくれているのがセロトニン神経です。
冷え性は自律神経のバランスが崩れていることが原因の可能性が大いにあります。
自律神経のバランスの乱れによる冷え性の場合は、セロトニン神経をきたえることが非常に有効的です。
このような2つの考え方があり、いずれもセロトニンとの関連で論じられています。
要するところ、片頭痛の発症に関しては、不思議で神秘な病気である、との認識しかなく、闇雲に諸種の薬剤を使った経験を発表されたに過ぎません。
次に、花粉症と片頭痛の関係です。
アレルギー性片頭痛(allergic migraine)という病名があるぐらい、アレルギーと片頭痛は密接に関連しています。
花粉症、喘息、アトピーの方に片頭痛が多い事が報告されており、アレルギー性疾患の原因となるヒスタミンが片頭痛に悪影響を及ぼしていると考えられています。
治療の上でも、抗ヒスタミン薬であるシプロヘプタジン(ペリアクチン(R))や抗ロイコトリエン薬のプランルカストが頭痛の予防薬に用いられるのはそのためです。(プランルカストはさらに、血小板からのセロトニン放出を抑制する作用があるためです。)
ですから、花粉症をきちんとコントロールする事は片頭痛に確実に良い影響を及ぼします。
『花粉症と頭痛を一緒に治療しましょう』と申し上げますと、つながりが分からずびっくりされる事も多いのですが、実は体の中で両者はつながっているのです。 花粉症で登場したヒスタミンと、片頭痛で重要なセロトニンはどちらも血管の壁に働きかけるオータコイドという物質の仲間でもあります。
次に、片頭痛とめまいとの関連についてです。
めまいと頭痛を合併している患者さんが少なくありません。ある程度の頭痛は誰もが経験したことのある一般的な症状ですので、頭痛を感じる人にめまいがあっても、あるいはその逆に、めまいのある人に頭痛があっても、“たまたま”と片付けてしまっていてもおかしくないでしょう。頭痛を長引くめまいの結果とする見方も否定できません。ところが、頭痛に対しての特別な治療をしなくても、くびこり対策を中心としためまい治療中に、がん固な頭痛が治ることもあります。めまいと頭痛の原因がくびに関係するという共通点を有しているのではないかと考えさせられます。
片頭痛もちの方は、実に様々な「めまい」を起こします。それには、頭痛発作の前兆として生じる「めまい」、頭痛発作の最中に生じる「めまい」、それから頭痛発作のない間欠期に生じる「めまい」、そして片頭痛もちの方に合併する内耳の病気や脳梗塞による「めまい」が分けられます。
前兆としてグルグル回る回転性の「めまい」、耳鳴り、呂律が回らない、物が二つにだぶって見える、両眼の視力障害、歩行不安定などを生じる片頭痛発作は、脳底型片頭痛と呼ばれ、若い女性に多く見られます。時には、意識混濁を伴うようなこともあります。これに対し、前兆を伴わないで頭痛だけが起きる片頭痛発作では、グルグル回る「めまい」は普通見られませんが、眩しくて、目が開いていられなくなるようなギラギラ「めまい」が起こることが稀ではありませんし、フワーッと気が遠くなるような「めまい」や、グラグラして不安定になるような「めまい」を生じることもあります。
片頭痛もちの方では、ギラギラ「めまい」が、頭痛のない時でも起こることがあります。外界が異常に眩しく感じられたり、縞模様や格子縞の模様を見るとグラグラッとする「めまい」を覚えたりすることがあるのです。このようなことを避けるため、普段からいつもサングラスをかけていないと生活できないという方も居られます。
片頭痛もちの方には、子供の頃から車酔いや船酔いに苦しんだ方が多いことが知られています。小学校の頃、遠足などでバス旅行をすると、きまって車酔いにかかってしまった、というような方が、思春期をすぎると片頭痛発作を生じるようになることが少なくありません。また、片頭痛もちの方は、しばしば、良性発作性頭位性めまいのような内耳性の「めまい」を併発します。このような病態は、片頭痛の共存症と呼ばれていますが、どのような機序で関連しているのかは判っていません。
片頭痛患者では、片頭痛発作のない一般人に比べて、脳梗塞を起こす確率が高いことが知られています。その頻度は、片頭痛のない人の数倍程度です。片頭痛もちの方に生じる脳梗塞は、主として小脳や下部脳幹に生じ、小さい梗塞が多いと言われています。これらの場所に生じる脳梗塞では、発症時にグルグル「めまい」や、グラグラ「めまい」を、しばしば生じます。
片頭痛とは全く関係なく、「めまい」と頭痛が生じることもあります。それは、欧米人に比べて日本人に多い、椎骨動脈解離です。動脈の壁の内側が破壊されたため、それによって出来た動脈壁の裂け目の中に、内側から血液が流れ込み、動脈壁の裂け目をどんどん大きくしてしまうのが、動脈解離という現象です。頚椎の作る骨のトンネルを通って頭蓋内に達する椎骨動脈の解離は、日本人では珍しくないのですが、欧米人では滅多に見られません。椎骨動脈解離は、後頭部の強い痛みと回転性「めまい」で始まることが多く、頸部外傷によるむち打ち損傷や、頸部の不自然な姿勢などが、その誘発因子となることが知られています。
また、ストレートネックとの関連で、頸性めまいがあります。
1)「首の筋肉のこり」によるめまい
首の筋肉がこって、首の筋肉の緊張が強くなった時、めまいが起こることがあります。首の筋肉の緊張によるめまいは回転性ではなく、多くはフラフラ感、すなわち浮動性めまいです。このフラフラ感はいつの間にか起こり始め、長期間続くのが一般的です。
首の筋肉は肩や頭とつながっていますから、首の筋緊張は肩や頭の筋肉も緊張していることを意味します。肩の筋肉の緊張は「肩こり」、頭の筋肉の緊張は「頭痛」「頭が重い」という症状になって現れます。 ですから、首の筋緊張異常によるフラフラ感の人は「頭が重い」という症状を伴うこともしばしばです。
「フラフラするし、頭が重いから、脳に異常があるのではないか」と悩んでいる人が案外多いのです。
2)頭を回転させた際、すなわち首をねじった時に起こるめまい
頭の回転により、頸椎に出来た骨棘(骨の飛び出し)が脳へ行く動脈を圧迫するため、脳のめまいの中枢へ行く血流が悪くなると、めまいが起こることがあります。
加齢がすすみますと、頚椎に老化現象が起こり、そのせいで骨棘という骨から飛び出したトゲのようなものが出来ることがあります。脳のなかで「めまい」に関係する前庭神経核のある脳幹部に行くのが椎骨動脈ですが、この椎骨動脈は頚部では、頚椎の椎体の真横を走っています。
頚椎椎体にできた側方骨棘(横に飛び出した骨のトゲ)が、頚部捻転などの際に、飛び出しがひどくなって、頚椎横突起孔内を走行する椎骨動脈を圧迫することがあります。すると、そのせいで椎骨動脈が狭くなり、椎骨脳底動脈領域の血液の流れが悪くなります。要するに首を捻ったり、頭を回転した際に、フーとなったり、めまいがしたり、倒れそうになったりするのです。
3)交感神経性のめまい
頭を回転させたり、首をねじった際に、首の骨の中を走り、脳へ行く椎骨動脈の表面を囲む交感神経繊維(自律神経のひとつ)に影響(刺激)が及ぶと,そのせいでめまいが起こることがあります。これをバレーライオー症候群と言います。
日本めまい平衡医学会では、頚部を捻転させて起こる「めまい」の原因を次の三つに分類しており、多くの場合は頚部の回転または後方への伸展により生じるめまいです。
1.頚部の骨、筋、靱帯の異常によるもの:頚椎骨棘形成により脊髄神経後根圧迫症状を生じ、筋、関節受容器に影響を及ぼしてめまいが生じる。
2.椎骨動脈の血流障害:頭部回転により椎骨動脈圧迫または閉塞でめまいが生じる。つまり、広義の頚性めまいには椎骨脳底動脈血行不全(VBI)の病態を含んでいる。
3.椎骨動脈周囲の交感神経線維への影響:いわゆる バレーライオー(Barre-Lieou )症候群に相当する疾患群である。
緊張型頭痛の方の約6割にめまい症状
肩こりや、ストレス、疲れから起こる緊張型頭痛には“フワフワしためまい感”を伴うことがよくあります。すなわち、めまいの原因には、緊張型頭痛によることがあります。
このめまいは、動作変換時のクラクラ感であったり、歩行時のフワフワ感であったりすることが多いようです。中には頭痛を訴えず、浮動感・めまい感で受診する患者さんもおられます。これらの方に後頭部の頭重感、圧痛を認めた場合、筋弛緩剤(筋緊張緩和剤)や抗不安薬が著効することも少なくありません。
緊張型頭痛がめまい感を起こす機序として以下の説が提案されています。
「頚や頭を支えている筋肉がストレスによって緊張し、収縮することによって、頭の位置の情報を、正確に脳に伝える機能がうまく働かなくなるために起こる」ということです。
従来、日本においては、めまいと頭痛について記載されていることは少ないようですが、欧米では、頭痛とめまいには重要な関係があることが指摘されています。
第30回日本頭痛学会総会(平成14年)での山根清美先生(太田熱海病院 脳神経センター神経内科)による「緊張型頭痛におけるめまいの臨床的検討」の論文を紹介しましょう。
「緊張型頭痛と診断した114症例(年齢平均61.2歳:16~86歳)のうち、めまいが存在したのは69/114例(60.5%)すなわち約6割にめまいの症状が存在したとのことです。
この結果から山根先生は、成書にはめまいの原因の鑑別診断に緊張型頭痛を挙げているものは「極めて少ないことから、「臨床的にめまいの原因の鑑別に、緊張型頭痛を念頭におくことが重要」と強調しています。
獨協医科大学の平田幸一先生は、片頭痛では慢性緊張型頭痛と同様に共存疾患の存在があることを挙げられます。共存症としてはうつや睡眠障害,パニック障害などが多く,うつは65%,アパシー,パニック障害はそれぞれ30%とのことでした。心理検査であるMMPIでみると片頭痛と緊張型のいわゆる混合型で特に異常が多いそうです。2年間のコホート研究ではうつと片頭痛は9.3%と関連が強く,うつのある群では,うつのない片頭痛の3倍から5倍の頻度とのことでした。完全主義的な病前性格が関係し,セロトニンとの関係や遺伝,神経伝達物質などが背景にあり,さらに脳の過敏性が関連すると述べています。
これまで、片頭痛の共存症として,うつ病,躁病,パニック障害,不安障害などの精神科・心療内科領域の疾患が挙げられておりました。
精神科・心療内科医は、片頭痛とうつ病の合併を考える場合、以下の点を挙げています。
(1) 頭痛を持っていた人が、たまたまうつ病などの精神疾患にかかった場合
(2) 頭痛に悩んでいるために、二次的な症状として抑うつや不安状態に陥った場合
(3) うつ病やパニック障害などの精神疾患の身体的な症状として頭痛が認められる場合
(4) セロトニンを中心とした共通の生物学的な要因を背景として、頭痛とうつ病が共存している場合
治療上、うつ病が見落とされる可能性が高く、問題となるケースが多いのが(1)や(3)のパターンです。
(1)のパターンでは、頭痛が続いて気分がなんとなく落ち込みがちでも、「頭痛だから仕方ない」と片付けられたり、また(3)のパターンでは、頭痛が続いていても市販の頭痛薬で抑えようとします。しかし、うつ病の身体症状として頭痛が起こっている場合は、頭痛薬でよくなることはほとんどなく、うつ病自体の治療をしなければ頭痛は改善しません。実際、 頭痛は不眠や食欲低下、倦怠感と同様にうつ病で高頻度にみられる身体症状の1つです。
「朝の頭痛はうつのサイン!」
イギリス、ドイツ、イタリア、ポルトガル、スペインの5カ国で、朝起きたときの頭痛の有無や頻度について、専門家による電話聞き取り調査が行われました。
その結果、調査対象となった約1万9千人のうち7.6%が朝の頭痛に悩んでいました(1 3人に1人の割合)。また、朝に頭痛がある人のうち30%(4人に1人)は、うつ状態でした。
もし、あなたが今、朝起きたときの頭痛に悩んでいるようであれば、一度医療機関を受診してみましょう。
[Prevalence and Risk Factors of Morning Headaches in the General Population] Archives of Internal Medicine Vol. 164 No. 1, January 12, 2004
では、なぜうつ病などのこころの病気によって頭痛が発症するのでしょうか?
その理由の1つとして、人は精神的に不安定になると、通常よりも痛みに対して敏感になるということが挙げられます。そのため、これまでなら痛いと感じていなかったことに対しても、痛みを感じるようになるのです。また、うつ病によって頭痛が起こる以外に、頭痛が先行してうつを引き起こす場合でも、同様に痛みへの過敏反応は生じます。具体的に説明すると、頭痛が続き、不快な状態が続いていると、それがストレスとなり精神的に不安定になります。そのために、通常よりも痛みを強く感じ、ますます頭痛がひどくなります。さらに、頭痛をはじめとして痛みという感覚は種々の不安を起こしやすく、頭痛を訴える患者さんには、自分の病気は脳出血、脳梗塞、脳腫瘍ではないかという不安があり、その不安が頭痛を悪化させることが多いと言われています。
頭痛を主症状としていても、頭痛が引き金となりうつ病を併発し、これによって頭痛が悪化している場合や、うつ病の症状そのものとして頭痛が発症しているような場合は、抗うつ薬などによるうつ病の治療が必要になります。そのため、単なる頭痛とすませずに、頭痛に悩んでいる場合は、少しでも早く医師に相談することが大切です。
また、片頭痛や緊張型頭痛で薬を飲んでいるのに一向に症状が改善されない場合も、背景に抑うつ状態を伴っている可能性もあるため、一度、専門医を受診することをお勧めします。
<頭痛の背景に抑うつ状態が隠れていたサラリーマンA氏の例>
A氏は35歳の会社員。これまで大きな病気をすることはありませんでした。性格的には几帳面でまじめであり、仕事に対する責任感も強い方でした。仕事で新しいプロジェクトが始まり、チームリーダーとなったA氏は、これまで以上に仕事に打ち込みました。お昼を食べ損ねることや残業が度重なり、多少からだに負担はかかっていたものの、チームリーダーという立場から弱音をはくわけにもいかず、がんばり続けました。
その頃から朝、目が覚めると頭が重くなったり、締め付けられるような頭痛に見舞われるようになりました。A氏は疲れがたまっているのだろうと思い、市販の鎮痛薬を飲んで痛みをやり過ごしていましたが、頭痛はだんだんひどくなり、仕事に集中できないことも増えてきました。また、頭の重みのために、からだを思うように動かせず、会社に行くのがつらく感じるようになっていきました。
このような状態が数週間も続き、このままではチームに迷惑をかけると思い、近くの病院を受診したところ、手足のしびれ感や吐き気なども見られないため、ストレスによる緊張型頭痛の疑いと診断されました。鎮痛薬を処方され、2ヶ月間服用しましたが、症状はあまり改善されませんでした。
A氏の表情はだんだん暗くなり口数も少なくなってきたことから、ただの頭痛ではないと思った担当の医師が精神面の検査を実施したところ、抑うつ傾向が認められました。そのため、抗うつ薬による「うつ状態」の治療が開始され、1週間くらいたった頃、朝、目覚めたときの頭の重さがとれたとのことです。
セロトニンとの関連から
片頭痛は、うつ病の症状としてもよく現れます。
うつ病の症状はさまざまで、食欲不振、不眠、気分の落ち込み、疲労感などがありますが、これらと同じくらい片頭痛という症状でも現れます。
うつ病に伴う片頭痛の原因としては、脳内神経伝達物質セロトニンが減少することによって引き起こされると考えられています。
うつ病に伴う片頭痛は、通常の片頭痛と比較して特徴があります。
通常、片頭痛は突然発生し吐き気などを伴いますが、うつ病に伴う片頭痛は、朝起きた時からすでに頭痛が起きており、それが持続するという点が特徴的です。
うつ病に伴う片頭痛の場合、うつ病の治療を行うことが片頭痛の治療にもつながります。 なお、片頭痛によりさらに気分が落ち込むようだと、さらに片頭痛がひどくなるといった悪循環に陥りますので、早期のうつ病治療が重要になります。
現在、治療中で、経過が思わしくない場合
以上のように、精神科・心療内科医は考えて、片頭痛に合併する「うつ病」を治療されて来られました。ところが、このようにして、抗うつ薬を長年服用するにも関わらず、一向に「片頭痛もうつ病」も軽快されない方々が多く見受けられます。
このような方々の中に、東京脳神経センターの松井孝嘉先生は、「頚性神経筋症候群」の病態として「頚性新型うつ」が存在することを明らかにし、これらは「頚部の筋肉疲労」をとる治療法で、片頭痛もうつ病も完治すると述べています。
もし、皆さんの中で、片頭痛にうつ病を合併されておられる方で、精神科・心療内科で抗うつ薬の投与を長年受けているにも関わらず、一向に良くならない方は、一度は、この「頚性新型うつ」の可能性を疑ってみて下さい。
これを疑う方法は極めて簡単にできます。以下の問診表の中で何項目、あなたは該当するでしょうか? まず、試してみて下さい。
問診表(松井孝嘉による)
以下の項目について、あれば番号の箇所に丸印をつけて下さい。
1.頭が痛い、重い
2.首が痛い、首が張る
3.肩がこる
4.風邪をひきやすい、いつも風邪気味
5.ふらっとする。めまいがする。
6.歩いたり、立っているとき、なんとなく不安定
7.吐き気がする
8.夜、寝つきが悪い。目覚めることが多い
9.血圧が不安定である。
10.暖かいところに長時間いられない
11.汗が出やすい
12.静かにしているのに心臓がどきどきする
13.目が見えにくい。像がぼやける
14.目が疲れやすい。または痛い
15.まぶしい。または目を開けていられない
16.目が乾燥する。または涙が出すぎる
17.口内が乾く、つばが出ない。または、つばが多い
18.微熱が出る(37度台、原因不明)
19.胃腸症状(下痢、便秘、嘔気、食思不振、腹痛)
20.すぐに横になりたい
21.疲れやすい
22.何もする気が起きない。意欲がない
23.天気の悪い日か、その前日に調子が悪い
24.気分が落ち込む。気が滅入る。
25.集中力が低下して、ひとつのことに集中できない
26.わけもなく不安だ
27.イライラして焦燥感がある
28.根気がなく。仕事や勉強を続けられない
29.頭がのぼせる。手足が冷たい、しびれる
30.胸部が痛い。胸部圧迫感がある。胸がしびれる
この、質問項目のうち5項目以上、あてはまるものがあれば、まず「頚性新型うつ」が疑われます。この場合は、頸椎レントゲン検査を受け、「ストレートネック」の有無を確認してもらって下さい。もし、ストレートネックがあれば、現在の主治医である「頭痛診察医」に相談して下さい。しかし、必ずしも、このような考えをされる先生とは限りません。このような場合は、自分で治すしかありません。
この場合、東京在住の方は、東京脳神経センターを、四国に在住の方は香川県の松井病院を受診して下さい。このような治療をされる医療機関はごく限られております。
地域的に無理であれば、自分で「ストレートネック」を治すしかありません。
最近、片頭痛と脳梗塞との関係も注目されています。
これはMRIなどの脳の検査技術の進歩により、受診された片頭痛患者さんの脳に脳梗塞に似た病変が通常より多くみられることがわかってきたためです。片頭痛そのものが脳梗塞の原因になるという証拠はありませんが、片頭痛(特に前兆のある片頭痛)の方が経口避妊薬を使用したり、喫煙したり、あるいは肥満などの因子がかさなると脳梗塞になりやすいことが報告されており、注意が必要です。また、いくつかの論文で、片頭痛(特に前兆のある片頭痛)を治療していなかった人は、治療していた人に比べて脳梗塞になる危険性が高かったことが報告されています。こういった片頭痛と脳梗塞の関係についてはまだ明らかになっていない部分も多く、さらなる研究によって解明されていくことが期待されています。
このように、共存症の存在が報告されております。
このように、共存症は「セロトニン」と「ストレートネック」の関連から生じてくるものです。
ここで、もう一度、「セロトニン」に関して、おさらいをしておきます。
このことは、共存症を理解するための基礎知識と考えられるからです。
セロトニンとは?
宝くじが当たったとき:ドーパミンが増え、喜び、興奮します。
満員電車に揺られているとき:ノルアドレナリンが増え、不快になります。
・・・・そんな、心の高ぶりを鎮め、「ほっと」落ち着かせ、安らぐ気持ちを作り出すのが「セロトニン」です。
例えば、筋肉がほぐれたり、いい匂いをかいだり、心地よい環境、食後のひととき・・・・
その癒しのメカニズムとは?
セロトニンは分泌を増すことで、ノルアドレナリンの不快感を抑えてくれます。
出すぎているノルアドレナリンの量を減らす働きがあるため、ストレスがたまっているときに温泉に入ったりすると「あ~」と強く癒されるのは、セロトニンが増え、高まっていたノルアドレナリンが一気に減らされるためです。
また、セロトニンは出すぎたドーパミンを減らす働きも持っています。
そのため、強まった快感が弱まり、落ち着くことで、「もう満足」と行動にブレーキがかかります。
よって、セロトニン不足・・・・・「セロトニン神経がしっかりしている限りは、不安が不安として意識されず、恐怖も感じられない。ところが、傷害されると不安や恐怖を克服させるものがない。
このため、他人では考えられないようなちょっとした苦しみや失敗で自殺したりするようになる」「感情にブレーキがかからず、快楽行為が止められなくなる」のです。
セロトニンのリサイクルとは?
セロトニンは、脳の縫線核という場所で作られ、脳全体の神経に配られています。
神経終末(シナプス)に放出されたセロトニンは、そのままなくなるわけではありません。約8割は元の神経終末に再び取り込まれ、2割が酸素によって捨てられなくなります。
縫線核からシナプスに配給されるのは、いつもわずかな量なので、在庫が切れてしまわ
ないために、リサイクルしています。
なぜセロトニンのリサイクル機能の低下するのか?
慢性的にストレスを感じ続け、悩み続けると、糖質コルチコイドというストレス物質がどんどん増えていきます。糖質コルチコイドが増え続けると、セロトニン再取り込み口を埋め、セロトニンを吸えなくなってしまうのです。
そうすると、酸素によって捨てられるセロトニンが増えるのにもかかわらず、縫線核から供給されるセロトニン量は相変わらずわずかなまま。
こうなると糖質コルチコイドに邪魔をされ、ついに再取り込み口自体も消滅してしまいます。そして慢性的なセロトニン不足となってしまうのです。
セロトニンは何からできているのか?
セロトニンの原料は「トリプトファン」という必須アミノ酸です。
このトリプトファンが縫線核に入らない限り、セロトニンは生まれません。
トリプトファンは人間の体内で作られないので、食物から取るしかありません。
また、トリプトファンだけでは「セロトニン」にならず、かならず「ビタミンB6]が必要です。
トリプトファンは肉類に多く含まれており、しかも満腹感はセロトニンによって感じるため、お肉をとらずにダイエット・・は実は間違いなのです。
セロトニン合成能は男性の約52%であるという指摘もあります。
セロトニンは心だけでなく体にも影響を及ぼしている!!
セロトニンは、感情や情動だけではなく、食欲、睡眠・覚醒リズム、生殖、運動、体温、呼吸、消化、心臓などにも密接に関わっています。
実は体内のセロトニンの90%が消化管に8%が血小板の中に、脳内にあるのは残り2%です。
便秘・嘔吐
セロトニン量のもっとも多い消化管では、消化管の運動(収縮と弛緩)による食べ物の攪拌、消化、食べ物を次第に下方に輸送する蠕動運動が活発になされています。
それは主としてその部分の神経にあるセロトニンによる筋肉への刺激のためとされています。
また、異物を食べたりすると嘔吐中枢が刺激されて吐き気が起こります。
嘔吐中枢は神経から出されるセロトニンによって刺激され、興奮し、嘔吐が起こります。
セロトニンが少ないと便秘になりやすく、抗がん剤などでセロトニンが増すと嘔吐がおこりやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群
セロトニンを分泌する縫線核は、呼吸中にセロトニンを送って呼吸量を調節しています。
縫線核は毛細血管中にセンサーを持っていて、血液中の成分や酸素量をチェックしています。
体内の酸素量が不足したとき、縫線核はセロトニンの分泌量を増やし、呼吸中枢を刺激します。
でも、酸素不足を感知しても、セロトニンが少ないと呼吸中枢を充分刺激できません。
酸素が不足したままになってしまうのです。息苦しくなり、睡眠が何度も中断、熟睡できない。
いくら睡眠時間をたっぷりとっても寝不足状態になっている人は要注意です。
不眠または何時間寝ても起きれない、一日中眠い
睡眠サイクルにはレム睡眠(夢を見る時期)とノンレム睡眠(深い眠り)があります。
セロトニンは一日中分泌されていますが、睡眠中はセロトニン神経の活動は弱くなっていて、深い眠りを演出し、朝方になるとセロトニン分泌量が増え、覚醒するというリズムがあります。
しかし、セロトニンが眠りを深く保てるのは、十分なセロトニン量があるということが前提です。
つまり、人は眠りについてすぐ、ノンレム睡眠が表れますが、セロトニン不足の人たちはいつまでも寝付けず、深い眠りができないのはこのためです。
生体時計のリズムが崩れる
外国を旅行したときに起こる時差ボケ。これをなおすのはメラトニンと呼ばれるホルモンです。
実はメラトニンはセロトニンからできています。
生体時計がセットできなくなると、眠る時間もでたらめになり、ホルモン分泌の規則性がなくなってしまいます。(例;成長ホルモンは夜、副腎皮質ホルモンは朝分泌されるなど)
低体温・集中力の低下
体温は一般的に、朝起きると筋肉や神経の働きを高めるために上がり、夜に向けて下がります。
この変化はセロトニンの分泌量とほぼ一致しています。
縫線核はセンサーで血液の温度の低下も感知しています。しかし、セロトニンが少ないと血液の温度の低下を感知しても体温を調節する温熱中枢を充分活発化できません。
セロトニンが少ない人は一日中体温が低く、冷え性になりやすいため、体の機能をいつまでも活発化できません。集中力の低下なども引き起こしてしまいます。
摂食障害・肥満・糖尿病
うつ状態でセロトニン不足になると食欲が満足できず、太りがちになります。
脳内のセロトニン量が増えると、食後に満足感、充実感を得ることができます。
また、セロトニンによって各機能が活発化するので基礎代謝が上がり、脂肪を燃焼させます。
しかし、セロトニン量が不足すると、視床下部の満腹中枢への伝達が傷害され、
さらに耐糖能も傷害されるため、肥満、糖尿病になりやすくなります。
一見やせているように見えても内臓脂肪がたっぷりついてしまいやすくなります。
頭痛
セロトニンは太い血管を収縮させ、細い血管を拡張させます(片頭痛と逆)。
したがってセロトニンが減ると片頭痛になり、片頭痛に投与すると片頭痛がなおります。
セロトニンの濃度を急に低下させると必ず頭痛を引き起こし、血液中のセロトニン量を増やせば片頭痛は改善します。
また、片頭痛患者は全身的にセロトニン代謝が障害されています。頭痛発作時は尿中や血漿中のセロトニン代謝産物が増加しています。これは、頭痛発作時に体内のセロトニンが大量に消費されて分解されたことを意味します。
姿勢が悪くなる・骨格がゆがむ
セロトニンは脊髄を通って「抗重力筋」(腹筋や背筋など)を常に働かせています。
セロトニンが少ないと抗重力筋への刺激が足りず、しっかりと働かせることが出来ない。
そのため、姿勢が崩れやすくなるのです。例えば、何かの待合時間に壁に寄りかかったり座ったりしがちで姿勢を維持できなくなっていたら要注意!
更年期障害・生理前後や産後のうつ状態・生理不順
女性はセロトニン量が一ヶ月周期で増減します。排卵前後にセロトニン量が一番多く、女性が精神的に最も充実しているのはこの時期です。
更年期、生理前や産後はエストロゲンが急激に減少し、それに伴ってセロトニンの受容体が少なくなってうつ状態になると言われています。つまり、女性ホルモンが、セロトニン受容体の発現を促進しているのです。
さらに、これに、ストレートネックが関与して来ます。「セロトニン」と「ストレートネック」相似性は、以前にも述べた通りです。これらが組み合わさって共存症となっていると考えるべきです。