先週の子ども運動教室のこと。

練習を始める前には礼をします。

まずは道場に入ってくるときに道場に礼をします。

礼をするポーズはとっていましたが、形だけでしたのでいまいちでした。

道場に礼をするんです。

道場と挨拶です。

きちんと礼をすれば、返事があるものです。

ちゃんと道場へ向かって礼をし、身体がまっすぐに戻り、返事があるまで正対し、返事があれば中に入ります。

返事を受け取らないといけません。

 

相手は建物やん。

 

そもそもしゃべらんやん。

 

そんなことは関係ありません。

 

ちゃんと道場に挨拶するんです。

その場所に入るんでしょ。

 

そこで練習するんでしょ。

礼をして、身体は道場へ向かって正対しているのですが、意識が私の方へ向かっていました。

私に礼を見られているので、言われた通りにちゃんとせねばと、私の方ばかりを気にしていたからでしょう。

身体も目も道場へ向かっていましたが、肝心要の意識が道場へ向かっていませんでした。

それをちゃんと伝えます。

子どもは「なんでわかると?」と、不思議がっていました。

「形だけしても仕方ないとよ。

なんしようか、全部見えるとよ。

道場と挨拶やけんね。

パパに心が向いとったら、道場は返事なんてしてくれんばい」と答えました。

「心がよそ見しとうとに、挨拶されても、相手は、は?ってなろうもん。」

稽古は日常ではなく、非日常の世界です。

現実に生かすため、日常ではあり得ないことばかりを練習します。

その世界に入るため、稽古前には、まずは黙想し、心を鎮めます。

そして、神前に礼。

それから、お互いに礼をします。

この時のお互いの礼は、相手にきちんと正対していないといけません。

ズレていたら、きちんと相手に礼できないということです。

誰に言ってんの?となります。

口だけ、形だけの「お願いします」は意味がありません。

よくありますが、大きな声で言えばいいわけでもありません。

しゃべれない人は礼ができないの?ってことになります。

しゃべるしゃべれないは関係ありません。

相手の真ん中と自分の真ん中。

そこには道があります。

その道を礼が行き交います。

礼ができるから、道があるとも言えます。

ただ、礼すればよいわけではなく、これがなければ、礼をする意味がなくなります。

先週の稽古では、これがなかなか上手くいきませんでした。

子どもが私の真ん中を感じ取れません。

正対する場所を探していろいろと動いていますが、こういうのは探せば探すほどドツボに嵌っていくものです。

探せば探すほど、見えなくなるものです。

 

探すとは、自分の我。

 

自分のエゴで、身体が緊張し、見えなくなります。

 

探さなければ、感じ取れます。

そこで、子どもに刀を持たせました。

私も刀を持ちます。

正対します。

私が刀を振り上げて降ろすという動きをするので、それを同じように動いてと伝えます。

当然、私が振り上げてから、子どもは刀を振り上げますから、遅れた動きとなります。

刀を見ているんです。

刀じゃない。

私の目に切っ先を向けて、私の目を見ろと伝えます。

真似するんじゃない。

感じるとよ。

パパが上げそうと感じたら、自分も振り上げるとよ。

見るんじゃない。

感じる。

パパの目を見ろ。

そうして、何度かやるうちに、ビタッと動きが合いました。

全く同時に刀を振り上げて、降ろす動きができたのです。

子どもの目はしっかりと私を見ていました。

 

一切のブレもなく、まばたきなんてありません。

 

目を通じて、私と繋がっていたわけです。

そこで、また最初の正対しての座礼に戻ります。

一発で場所が合いました。

そんなものです。

そこでやっと、稽古がスタート。

スタートするまでに、三十分かかりました。

真ん中を感じとれるかどうかというのは、全てに共通する奥義のひとつです。

さて。

 

この動画は実際に相手にダメージを与える場合に、どこを打ったらよいかというものです。

 

 

相手の芯を打つのです。

真ん中です。

芯にまっすぐ当たれば、その力はどこにも逃げることなく、相手に全て伝わります。

芯ではなく、外れた場所に当たれば、その力は逃げてしまいます。

コマを回しているとして、きれいに上から芯をトンカチで叩ければ、床に突き刺さるでしょう。

外側を叩けば、倒れます。

釘でもそうです。

真ん中を打ち抜けば、きれいに入っていきます。

打つ方向が曲がっていれば、釘は真っすぐには入りません。

回転扉もそうです。

外側の扉を押せば、回転して扉が動いて中に入れます。

真ん中を押しても、入れません。

しっかりそこは芯を捉えているから、ぶつかるんです。

この原理は何をするにも役に立ちます。

挨拶でもそう。

パンチやキックをするのもそう。

相撲で相手を押し出すのもそう。

タックルもそう。

サッカーのパスもそう。

子どもは毎日、教科書の音読をします。

大きな声で読めばよいわけではありません。

相手の真ん中を感じて、そこに向かって読んでいきます。

離れていても、目がそちらに向いていなくても構いません。

きちんと意識が相手の真ん中にいっているかです。

そして、放つ声が相手の真ん中に当たっているかが大切です。

真ん中に当たっていれば、その力は逃げませんから、相手に全部ぶつかります。

相手は逃げようがありません。

相手に全部伝わるのです。

当たり前っちゃ、当たり前のことですが、こんなものが奥義のひとつです。

たくさんの要素が含まれています。

さらに奥もあります。

この精度を上げていくわけです。

 

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