昨日、面白い出来事がありました。

博多から筑豊に引っ越してきて、およそ五年。

私が生まれて初めて他所の方言を使ったのです。

筑豊弁です。

私が生まれて育った地は博多です。

ですので、私が喋る言葉は博多弁です。

博多弁と筑豊弁は同じ福岡ですから似てはいますが、端々で違いがあります。

筑豊弁はどちらかというと博多より北九州の言葉に近いです。

「～っちゃ」という言葉が、思わず口から出てしまいました。

出た瞬間にはっと気が付きました。

あっ、筑豊弁が出たと。

その瞬間、妻からも指摘されました。

妻は珍しい出来事に、小躍りして喜んでいました。

「筑豊弁使いよう！　田舎の人間の仲間入りやね！」

田舎に住んではいましたが、私には都会から来た人間だという意識が少なからずありました。

この土地に染まるものかという意識もありました。

その象徴が、方言だったような気がします。

45歳にして、新たな感覚です。

よく考えてみれば、小さい子どもは引っ越してしまえば、すぐにその土地の言葉に染まります。

それは柔軟性があるとも言えます。

私はその面で言えば、非常に硬い人間だったということでしょう。

逆に、自分の生まれ育った地を大切にしてきたという面もあるでしょう。

さびしいわけでも、うれしいわけでもなく。

いや、少しうれしいのかな。

少し寂しいのかな。

そんな、なんとも不思議な感覚を味わっています。