復活したで♪
【長女 エール】
JKC 北海道地区 ハンドリングコンペティション
9月13日(日)に開催された「JKC 北海道地区ハンドリングコンペティション」に参加してきました。
訓練競技会やドッグショーでは、勝ち進めば「犬」に成績が残りますが、「ハンドリングコンペティション」の主役はハンドラー自身です。
犬ではなくハンドラーの技術力を審査されます。
ただし、モデルとして使われる犬は、ドッグショーの規定に準じていることが条件となります(ショーカットがされていること、陰睾丸や発情犬、ミスカラーは不可など)。
審査前にテント内でグルーミングです。艶のあるコートで健康で生き生きとした動きを見せなきゃ。なんせ、モデル犬最高年齢での出陳ですから…。ウインターノーズの鼻もYさんのおかげで健康的な茶褐色に変身しました。
さて、いよいよ「ハンドリング競技会」が開始されました。
すでにハンドラーの資格がある場合、A級の人はA組、B級の人はB組、C級の人はC組。私のようにハンドラーの資格がない場合はD組になります。
最初に、A組のYさんが愛犬のバーニーズで出陳されましたが、そりゃもう「優雅」の一言…。犬のハンドリングが体に染みついているのですね~。「犬との一体感」を感じるハンドリングにうっとりしました。
B組、C組の審査が終わり、いよいよD組…
よりにもよってD組の出陳数が多いこと!
全犬種でラウンド(審査会場内を一周)してから順番に審査されます。
いよいよ、私とシャロンの順番がきました。
四肢を揃えてきれいにスタックさせ、尻尾を背中よりやや高めの位置まで持ち上げて「よろしくお願いいたします」で審査開始。
↓バズ母さんのブログ記事を拝借しました。
A級のYさんの下に動画を貼ってくれています。
http://hina8282.blog14.fc2.com/blog-entry-1728.html
審査員さんはシャロンの側面から前面を審査し、「噛み合わせを見せてください」と言われたらハンドラーが自らの手で犬の口をあけます。ドッグショーでは審査員自身が口をあけることが多いのですが、競技会ではハンドラーがあけるのですね~。
動画で後ろ脚が前に一歩動くのですが、これはシャロンの昔からの癖なんです。実は兄犬も同じ動きをするのです。つまり骨格!何か作用があった時に後ろ脚が緩むのですね。私が把握しているシャロンの欠点。スタックを練習すると自分の犬の骨格の欠点が見えるようになりますよ。欠点がわかることは悪いことではありません。欠点を補うような運動のかけ方をすればよいのです。
歯を見た後は全身の筋肉や骨、尻尾のつきなどの触診をします。最初に作ったスタックの姿勢を崩してはいけないのです。
動画で見ると、審査員の先生がわざと後ろ脚を前にずらしていますね。これは、ハンドラーがすぐに気づいて直さなければならないポイントです。スタックの乱れを即座に治す。これもハンドラーの役目です。
スタックの後は、「トライアングル」で歩様を審査されます。つまり、三角形を描きながら犬の背面、側面、前面を走らせながら審査してもらうのです。この時のポイントは、審査員さんの見ている方向を定めること。審査員さんが何を見ようとしているのか?自分の犬のどこをアピールすべきなのか?最後に審査員さんの前で「フリーステイ」で止まります。
シャロンはこの「フリーステイ」が苦手…。残念ながら2か月の練習では克服できませんでした。理想を言えば、スタックの時の足幅で揃えてきれいにストップしてほしいところなのですが、前足か後ろ脚が前後してしまうのですね~。ハンドラーの体の動きや手の位置で調整すべきなのですが、そこまではできずじまいでした。残念!
動画で見ても「フリーステイ」が乱れっぱなしですね~。審査員さんの邪魔にならないようにハンドラーが動いたら、シャロンが一緒に動いてしまっていました。ハンドラーの体の動きが中途半端だから犬が反応してついてきてしまったのです。ここでしっかり「ステイ」をかけて静の状態で止めなければいけないのです。体と心で動かさないと。あー、難しいわ~。
最後は大好きな「ラウンド」。
これまた、審査員さんの視界を妨げないようにリードを持ち替えながら会場内を一周します。犬が喜々として一番良い動きを見せる瞬間。この日のために少し体重を乗せたのですが、筋肉に変えるまでに至らずちょっぴり緩い。背中の皮が軽く左右に揺れちまってます。
本当は自転車運動をかけて、正しい足の運びで筋肉に変えておきたかったのですが、「年齢的にも体力維持をしておいた方がよさそうですね」というYさんのアドバイスで体力温存を目指しましたわ…。私と同じく年をとると足元が乱れますねん。
全頭の触診とトライアングル、ラウンドが終わったら、今度はまた全員でスタックして審査員さんが全体を見ます。審査員さんが動くたびに視界を妨げないように移動するのですが、その間も犬はスタックしたままで動かしてはだめ。集中力をこの瞬間まで維持させるのも、ハンドラーの役目です。
続いて、「アップアンドダウン」。審査員さんの前をまっすぐ走らせてターンをして審査員さんの前に戻るという基本中の基本なのですが、審査員さんの視界からぶれないように走るライン、リードを持つ手の位置、ターンをしてから戻るラインの確認など、これまたたくさんのことを頭で考えながら犬を丁寧にコントロールします。
全頭の「アップアンドダウン」が終わったら、いよいよピックアップです。
上位4頭が順番に引き抜かれて順位が発表されます。
今回はちょっと自信がありました。
最初にシェルティ、続いてアメリカンコッカー。
そして、「ゴールデン!」とピックアップしてもらえました!
やったぁ!
三席入賞を果たし、お世話になったバズ母さんやYさんにご恩返しができましたわ~。
入賞者4名で最後にスタック。
本当にどの犬も落ち着いていて、ハンドラーとの息がぴったりでした。
審査員さんの最後の総評でも、「どのハンドラーもレベルが高く、委員会の取り組みが素晴らしいですね」と言われていました。
今回、8月末にハンドリングの研修会などにも初めて参加したのですが、ものすごく濃い内容!3名の先生が一時間ずつみっちりハンドリングを見てくれて、それぞれの理論でお話ししてくれて本当に勉強になりました。
私はショードッグを飼っていませんし、これからも飼う予定はありませんが、ショーハンドリングの奥の深さはこれからも勉強していきたいと思います。
そして、午後からは、「ハンドリング資格試験」。内容は同じなのですが、競技会で力尽き果てた私は痛恨のミスを犯してしまいましたが、とりあえず結果待ちですわ~。あはは。
心残りだったこと。ドッグショーチャレンジ
訓練日記を更新するのは本当に久しぶりです。
昨年7月にシャロンのグランドトレーニングチャンピオンが完成して以来、訓練らしい訓練をすることなくののんびり過ごしていました。
やんちゃなヴィエナが天使になり、すっかり歳をとったエール(11歳)と、飼い主に忠実すぎるシャロン(8歳)だけになると、なんだか気が抜けたよう…。
やっぱり、やんちゃなヴィエナの存在が私を奮い立たせていたのでしょうね~。
ところで、このブログのタイトルは「エール・ヴィエナ・シャロンの訓練日記」なのですが、サブタイトルは、「競技会・セラピードッグ・雪崩救助犬・原野救助犬・嘱託警察犬を目指すゴールデンレトリバー3頭の奮闘記」になっています。
今のところ、エールとヴィエナとシャロンが協力してくれて、サブタイトルの夢はすべて叶えてくれました。
でも…。
サブタイトルには書いていませんが、一つだけ、不完全燃焼なままで終わっていることがありました。
シャロンがパピーの頃から1歳ぐらいまで、「ドッグショー」にチャレンジしていた時期があったのです。
訓練に関しては、夢を実現して審査に合格したり、そこそこの成績を残したりできたけれど、ドッグショーは本当に「中途半端」でやめてしまっていました。
何度かチャレンジしてみたけれど、シャロンはドッグショーでは勝てない。チャンピオン完成は難しい…。
シャロンにはショーマナーを入れてきましたが、使うこともなく7年の月日が流れましたわ~。
ある日ふと、JKCの冊子「ガゼット」を眺めていた時、「ハンドリング資格試験」の文字を見つけました。
なるほど!これは面白そう!
犬が主役ではなく、ハンドラーの技術を問われる試験です。
知り合いのハンドラーさんに「今のシャロンでハンドリング資格試験を受験することはできないかな?」と相談してみたところ、「やってみれば?」と一言。
A級ハンドラーのYさんに相談して、7年ぶりにシャロンのショーハンドリングを突貫工事で練習!
9月の試験に向けて、7月からの約2か月の間、ドッグショー用の極細リードを引っ張り出し、シャロンを相手に練習練習。
するとYさんが、「試験と同じ日に競技会もあるから、それも出たら?」と提案してくれました。
ハンドリング競技会の後に資格試験があるので、落ち着いて挑めるというのです。
スタック、アップアンドダウン、トライアングル、ラウンド。
ドッグショーに必要な基本的な動きをシャロンと一緒に7年ぶりにトレーニングしました。
ドッグショーのハンドリングって、ただ漠然と見ていても「立っているだけ、走っているだけ」にしか見えませんが、実は骨格や筋肉のつき方、気質やショーマンシップなど、あらゆる要素が詰まっている素晴らしい競技なのです。
例えば、「スタック」といって、犬を四本の脚でしっかり立たせるポーズがあるのですが、前足と後ろ脚の力の配分、犬の目線、筋肉の動きなどを頭に入れてこそ「美しいポーズ」を教えることができます。人間だって「美しい姿勢」でいると体に良いように犬も同じです。正しい筋肉の使い方をさせることが大切なのです。
スタックで目指すのは「前にいる獲物を狙って、今にも動き出しそうな雰囲気」です。
静かにたたずむ中に力強い動きを感じさせるのです。
そりゃもう、「芸術作品」です。
さらに、アップアンドダウン、トライアングル、ラウンドで、犬の歩様をあらゆる面から審査してもらいます。骨格、足の運び、筋肉のつき方、推進力。そりゃもう、「動く芸術作品」です。
さらに、「審査員へのマナー」が徹底されています。
審査員と犬の間にハンドラーが入ってはいけないとか、審査員の目線や足の向きなどに常に気を配るなど、「犬の骨格、歩様、筋肉、気質」を審査してもらうためのマナーがびっしりと詰め込まれています。基本的には、審査員があっちこっち動かなくても犬の前面、側面、後ろ面、表情、歩様を適格に表現できることが重要になってきます。
「ドッグショーは美人コンテスト」と思っている方がまだまだ多いのが残念でならない…。
コマンドに従わせるというより、「空気感で犬を動かす」という感じかな。糸のような極細のリードで小さな合図やハンドラーの体の動きを使って、心で動かす競技です。わかるかな?やってみなければわからない魅力です。
どんなに素晴らしい犬がいても、ハンドラーという人間と繋がってこそ、本物の伴侶犬になれるのです。
私が開業した「CalmDog」の理論には、「ドッグショーハンドリングの要素」がさりげなく入っているのですよ。
こうと決めたら、猪突猛進な私。7月から何度かYさんの元で練習し、勉強会や自主研修会に参加して、7年前に入れたショーマナーを思い出しました。
シャロンも歳はとってはいますが、7年前の動きを思い出してくれました。むしろ、7年前よりも体が完成しているかも!
8月末の「自主研修会」で実施された「コンペ」では、入賞はできなかったもののピックアップをしてもらうこともでき、自信もつきました。
よっしゃ、あとは本番を待つばかり~!
続く。
犬の死と向き合う
久々の更新なのに、いきなり「犬の死と向き合う」なんてタイトルでごめんなさい。
本日(10月12日)の13時50分に、我が家の次女犬ヴィエナが息を引き取りました。
ゴールデンレトリバーのメス。8歳9ヶ月。
朝ご飯を完食し、完璧なうんちをし、庭で遊んでいる私とエールとシャロンを見て嬉しそうに吠え、昼前に遊びに来た百福母に喜びすぎて飛びついて叱られていたのに…
12時半ころに排泄をさせようとハウスを開けたのに出てこないので、すぐに「おかしい!」と気付いて口の中を見たら歯茎が白くなっていました。毛並みや顔つきもいつもと違っていました。その瞬間、ヴィエナとの別れが来たことがなんとなくわかりました。
すぐに獣医さんに連絡して、お昼休み中にも関わらず診てもらい、そのまま入院して点滴。
私が家に帰った途端、「急変しましたのですぐに来てください」と連絡が来ました。
車を飛ばして獣医さんのところに到着したら、呼吸はしていましたがもうすでに意識がない状態。脈拍を見た瞬間、「もうだめなんだ」と悟りました。
息のある間に家に連れて帰ってあげたい、エールとシャロンに会わせてあげたいという気持ちも虚しく、車に乗せた時に息を引き取りました。
私が到着するまでに、一度呼吸が止まった時に獣医さんが蘇生をしてくれて、生きた状態で会わせてくれたそうで、私が到着して10分ほどで心臓が止まりました。
朝からいつも以上に元気いっぱいだったのに、12時半に「おかしい!」と気付いてから、たった1時間20分の出来事でした。
「犬の死と向き合う」
ヴィエナを失ってしまった今、自分でも信じられないぐらいに冷静で落ち着いています。
まだ温かい体にブラシをかけ、本当は昨日やる予定だった爪切りとパット周りの毛をカットし、髭も綺麗に切りました。
出張中でちょうど今日帰る予定だった旦那に連絡をして、今夜はヴィエナと添い寝してあげようと思い、キャンプ用のエアベッドを黙々と膨らましていました。
ヴィエナを失ったこれから先のことを考えようとするのですが、
「もう、ゴミ箱にフタしなくてええんやなぁ。」とか、「盗み食い防止のためになんでもテーブルの奥に食べ物を置く必要がないんやなぁ」とか、「ピンポンが鳴っても、冷静にヴィエナを制止しながら対応する必要もなくなるんやなぁ」とか、「散歩中に食べ物が落ちていても、早めに気付いて舌打ちで警告する必要がないんやなぁ」とか…しか浮かばないんです、笑。
破天荒ではちゃめちゃで能天気な割にビビリなヴィエナ。
私が一番苦労した犬。
ヴィエナに苦労させられたからこそ、犬のしつけで悩む人の気持ちがわかり、知識を蓄積してドッグトレーナーになった私。
ヴィエナがいたからこそ、引っ張りや吠えや興奮、不安定を克服するノウハウを必死で学ぶことができたのかもしれません。
ヴィエナは私の人生を変えるために私の元にやってきたのかな。
今年の夏に「なんとなく違和感」を感じて血液検査をしたところ、肝臓の数値は異常に高いことが判明。「今年いっぱいもたないかもしれない」とその頃から別れを覚悟していたので、とても冷静でいられるのかもしれません。
「犬の死と向き合う」
犬は人間の何倍ものスピードで年をとります。
「今年できていたことが、来年にはできなくなるかもしれない」
ここ数年、ずっと心がけていた事です。
死を理解できない犬だからこそ、その瞬間瞬間を大事に付き合ってきました。
今、ヴィエナは私の横で永遠の眠りについています。
なんだかとても満足げな表情で、とても死んでいるとは思えないぐらい穏やかです。
今日は三連休の中日。
先週だったら私は大阪にいたのでヴィエナと最後のお別れができなかった。
明日は私も旦那も休日。
まるで、この日を選んだかのように旅立って行きました。
苦しむこともなく、寝込むこともなく。
表現が変ですが、まさに「最後の最後まで元気いっぱいのまま」で逝ってしまいました。
いつも面倒ばかり起こしていたハチャメチャコメディアンドッグだったのに、最後の最後に迷惑をかけないなんて、本当にヴィエナらしいです。
ヴィエナのことを可愛がってくださった皆様、今までありがとうございました。
尚、私個人の主義として、お花などのお供えは固くお断りさせていただきます。
ごめんなさい。ご了承ください。