柳美里 著 「オンエア」を読んで | ひさしのブログ

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今回もまたまた柳さんの著書です この小説は所謂テレビ業界具体的には女子アナの情事やテレビ局のスキャンダラスな裏の顔について赤裸々に描かれていて、流れるような話の展開がまるで実際にオンエアを見ているようで、色々あれこれ想像できるのも面白いです

まず冒頭からチーフプロデューサーとサブキャスターとの濡れ場シーンから始まり、次にスポーツキャスターが選手にインタビューシーンが続き、それから自然と二人の情事の場面へと移行する 果は新人で一見おとなしそうに見えるお天気キャスターも大学時代の恋人との濡れ場シーンが描かれていく 話の展開の中で架空の登場人物に加えて所々に実名のキャスターや選手がどんどん登場する展開も興味をそそられる

まあここまでは週刊誌が格好のネタにあげそうなテレビ業界や女子アナのスキャンダルのオンパレードでこの展開がどこまで続くかと思っていると、突然打って変わって、ある年配女子アナで子持ちの女性の自殺というテーマに代わっていく、それもまた自殺の経緯や自殺に至った動機等もまるで実況中継されてるみたいな感じで「オンエア」という路線から少しも逸脱してないのも面白い

更にはお天気キャスターの望月結香のボーイフレンドが実は「ヒモ」みたいなダラシナイ、粘着質な男として描かれることで、それに苦悩する結香の思いなども官能的な表現の擬音語の連発でさらに話に引き込まれて行ってしまう

今回の小説は本当に時間を忘れて没頭できるのも嬉しい、続きが気になる、この作品は上下に分かれていて読みごたえもある

 

つづく