つづきから | ひさしのブログ

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「鈴木説」


鈴木氏によれば、饗宴では天皇の代行者たる国司を主催者とする酒などの飲食物、禄の分与や提供と

郡司達の舞楽や作歌や食物提供があり、主に国庁や郡司館などの公共の場を用いて

参加者の政務や奉仕の日常性と相まった両者の主従の社会関係が形成される


この事から各種の饗宴のおける「互酬的行為」を通じて支配者間の上位者と下位者との人格的関係

や社会的経済関係の形成や維持ないし確認が繰り返され社会的にも機能しており

それが首長制構造に繋がると述べておられる


「私見」

私は饗宴というものが上位者と下位者との関係を明確にしたものであり

これは中世武士団における「御恩」と「奉公」などのように、一種の主従関係を表したものであり

古代の律令国家において下位者である貴族達は、禄を頂く事により上位者である天皇に対して

服属を誓ったのである


このような事から古代国家が、饗宴を重視していた事が頷ける


この饗宴などの服属儀礼は、当時の律令国家にとって最大の課題であった東北経営において

蝦夷を服属させる事に利用されたのである


この饗宴は蝦夷だけでなく、九州南部の隼人に対しても行われたが

隼人などは服属したことにより、律令国家の公民と同じく課役が課せられたが

蝦夷にはそれがなかったのである


この事から律令国家は、蝦夷を隼人などとも区別して「化外民」と考えていた事がわかる

饗宴などの服属儀礼は蝦夷を対象として行われたのであると思う