溶接職人JINの「ものづくり」放浪記 -313ページ目

溶接のお仕事①~溶接の定義編~

さて今回は、私の普段の仕事である
「溶接」の事を書きたいと思います。



やっとかい!!って言わないでくださいね・・・。






「溶接」と聞いてまずどんな光景を思い浮かべますか?



工場の中で、作業着を着た職人さんが、
フェイスマスクを片手に、大量の火花を前に、鉄を溶かしてる・・・




きっと皆さんもこのような光景が出て来たのではないでしょうか?



「これだけの説明じゃ、イメージがわかないよ!!」
というご意見は、ごもっともです。
(そりゃあ、そうです)



っていうか、TVとか雑誌を見ても、だいたいこの光景ですもんね。
僕がこの仕事をする前は、「溶接」ってこのようなイメージしかなかったですもん。



まあ、正直言って
スポーツ選手やパイロット、カーレーサーや弁護士や検事みたいに
仕事の内容が「ぱっ」っと思い浮かばないですよ。


主人公が「溶接工」の設定のドラマなんて、想像もつかないですもん。
(そりゃ~渋すぎだろ!!)


どんなにイケメンでも、溶接作業中はフェイスマスクで常に顔が隠れてますよ。
(残念っ!!)




「溶接」という言葉は知っているけど、どんなことをやっているのか?
どんなことができるのか?どんなヒトがやっているのか?という事が、
きっとあまり知られてないと思うし、
普段の生活において、ほとんど知る機会が無いですもんね・・・。



でもね、結構いろんな事が出来るんですよグッド!
(本当にいろんな事が出来る技術なので、これはおいおいゆっくりと書くとして・・・)






それでは、記念すべき第1回目は「溶接の定義」のことについて少々・・・



日本溶接協会さんのHPでは、
材料に応じて、接合部が連続性を持つように、熱又は圧力もしくはその両者を加え、さらに、必要があれば適当な溶加材を加えて、部材を接合する方法。
が「溶接」の定義として書かれております。



う~ん・・・ムズカシイ



僕が普段やっている「溶接」加工は、
金属、特に「ステンレス」という素材を使っての「溶接」が多いのですが、
分かりやすい様に、「溶接の定義」通りに見本を作ってみますね。





材料に応じて
今回は、この「ステンレス」の板を使います




それを、この「溶接機」という機械を使って





接合部が連続性を持つように、熱又は圧力もしくはその両者を加え
見えづらいかもしれませんが、連続性を持つように熱を加えてみて
(今回は、「圧力」と「その両者」は加えてませんが・・・)





部材を接合する方法。
接合したら、こんな風になりました!


さらに、必要があれば適当な溶加材を加えて、
という事ですが、
材料の形状や加工方法によって、





このような一般的に「溶接棒」と呼ばれる
溶加材を使います
(ちなみに、写真は「鉄」用の溶接棒です)




どうでしょう?
分かりやすくなりましたか?





余談ですが、
僕も最初の頃は、「溶接」って金属同士だけをくっつける技術だと思っていたのですが、金属以外の材料、
例えば「アクリル板」同士の接合も「溶接」があるんですよ。
(アクリル板の接合の場合、「接着」の方が、一般的に良く聞きますけどね)