溶接職人JINの「ものづくり」放浪記 -256ページ目

続・作業風景(パイプ加工)

やりましたね!!
北島康介選手 金メダル!!



連日の北京オリンピックの話題に
一喜一憂しながら仕事してます(笑)






さて、今回製作している「椅子」は
球体というより大きさの違う3種類の「半球」のベースと
パイプの座面を組み合わせた感じになります。



球体の加工は同時進行していたので、
比較的サクッと終わったのですが、
今回の作品の難関部分はパイプの加工なんです。



というのも、
半球のベースに合わせる為に、
ステンレスパイプの形状のほとんど全てを
曲線で構成しなければならない為、
「寸法」「角度」「つなぎ部分」が図面で表せないので、
「現物合わせ」で作っていきました。






そこで・・・
このように、現物と同じ大きさの絵(?)を作業台に書きまして、
この絵を基準にパイプの曲げる寸法と角度を決めていきます。





↑ こんな感じなんですけど、見えますか?



曲げる寸法と角度が決まったら加工をするのですが、
さすがに金属製のパイプを手で曲げる訳にはいかないので
パイプを曲げる専用の機械を使って曲げていきます。





↑ 「パイプベンダー」というパイプを曲げる機械です






パイプは通常1本が5~6mあるので、
何カ所も曲げる部分がある場合、
数カ所に分割して曲げていくのですが、
特に、今回のパイプ曲げに関しては
6カ所曲げ部分があり、その全ての曲線の角度が違うので
3本に分割して作りました。



現物合わせで作っていかなければならない為、
1本1本、角度と寸法を決めていく作業は本当に大変なのですが、
ここの作業をきっちりとしてあげないと、
その後の溶接の加工をする際にどんどん寸法が狂ってきてしまい、
最終的に完成品になる時には取り返しがつかないくら
精度が悪くなってしまうので、
この全てのパイプの角度・寸法を決める加工には、
ものすごい時間と労力をかけながら進めて行きました。






そうやってパイプの加工が終わった物が、
こちらです。





↑ 現物合わせで加工したパイプです



今回の製品の仕上げが「ヘアーライン仕上げ」というものなので、
加工に使うステンレスパイプも、
最初から「ヘアーライン」がかかったパイプを使います。



曲げたり溶接したりする加工をして行く際に、
なるべくキズがつかないように、
なるべくこのようにビニールでカバーをしたまま
作業を進めて行くんですが、
加工をしている中でも、常に仕上がりの事を考えながら
気を使って加工をしてるんですよ。