波打ち際でシーグラスを探した
五個拾ったら帰ろうと決めていた
いきなり三個拾って
四個目がなかなか見つからない
こんなことってよくある
幼子が肌着のままで
膝まで海に浸かって遊んでいる
傍で母が見守るけど
転んで波に拐われれるかも知れない
もしもの時の為に手順を考える
パーカーでは動きづらいから
すぐに脱いでスマホもその上に置く
靴も脱いだ方がいいだろう
気になって四個目は見つからない
幼子は延々と遊び続け
疲れを知らない
海の楽しさを知っただろうけど
海の怖さはまだ知らない
やっと四個目を見つけると
五個目もすぐに見つけた
だけど幼子が気になって帰れない
カップルが二組と家族連れが一組
ぞろぞろとやって来た
何かあった時にはこの人たちが
なんとかしてくれるだろう
ということにして僕は
海を後にした