『かっぱの妖怪べりまっち』164話「メリケン河童」その後の話 | おばけのブログだってね、

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2020年12月末に配信終了となった『携帯サイト新耳袋』。

11年間に亘り連載していた短編、『かっぱの妖怪べりまっち』は、第563回で終了となりました。

当時の掲載作を週1編ずつこちらのサイトへ転載しています。

※131~174話まで、43話から登場したオリジナル妖怪たちのエピソード続編となります※

 

横浜でも大活躍の「メリケン河童」その後の話

 

かっぱの暮らす横浜の妖怪たちは国際色豊かで、和製河童はもちろん世界各国の河童が揃っている。

 

山下町でスシ・バー「メリケン・ズシ」を経営するのは、アメリカN.Y.生まれの『メリケン河童』アダムくんだ。

ベジタリアンのアダムくんは、きゅうりをメインにした巻き物のみで勝負してきたが、最近はニセ河童が運営する回転寿司チェーン店に押され気味で、もう店を畳むしかないと言う。

ならば、にんげん相手の商売をやめて妖怪をターゲットにした深夜営業レストランにリニューアルしたらどうかとアドバイスしてみた。

店名も「YOKOHAMAカッピー・ハウス」に変更し、シリコダマ・ステーキと、シリコダマ・バーガーを目玉商品に据え、食べ放題には黄金キュウリのサラダ・バーを用意したら、横浜の河童がみんなやって来るだろうと踏んだのだ。お店の経営が波に乗るまではかっぱも皿洗いを手伝うことにした。

案の定、目新しいお店にハマの河童たちは押すな押すなの大騒ぎ。

フロアでは各国の河童たちが尻こだまダンスに汗している。かっぱも皿洗いの合間に歌ったり踊ったりでお店を盛り上げる。

そのうち、なりかけ幽霊たちもふわふわと顔を出すようになった。

するとアダムくん、何かひらめいたようだ。

今度は全国の幽霊が横浜観光で利用できるような「ユーレイホテル」をやろうと思うが、ぜひオープニングを手伝ってくれないかとのこと。

こちらの話はすぐにお断りした。