おばけのブログだってね、

おばけのブログだってね、

The 27th Anniversary of Formation

妖怪プロジェクト名義 通算7thアルバム


『恐怖 ! 猫かぼちゃ』


←ご購入はイラストをクリック


2024年12月1日発売 全12曲


¥2000(税込)  送料別途 ¥200


16年振りの新作かつ最高傑作が完成しました。


ぜひお聴きください。



■イベント情報

8月13日(木) 『あそビバ まなビバ FUN FUN スクール』


港区立産業振興センターホール小 11階


開場 : 12:30


開演 : 13:00~16:15頃


入場無料


■キノコソング新曲『炎のカエンタケ』

炎のカエンタケ(YouTubeで観る)

■お風呂ぴかぴか『垢なめさんにご用心』

垢なめさんにご用心(YouTubeで観る)

■あの世へひとっ飛び♪『浮かれ小町がお連れします』

浮かれ小町がお連れします(YouTubeで観る)

■アマビコ、アマビエに続く第三の予言獣『アリエ』

アリエ(YouTubeで観る)

■キノコソング『食べられません』

食べられません(YouTubeで観る)

■ステイ・ホームの曲『ざしきわらしのお願い』

ざしきわらしのお願い(YouTubeで観る)

■『かっぱもやってるくねくね体操』

かっぱもやってるくねくね体操(YouTubeで観る)

■キノコソング『小さな宇宙人』

小さな宇宙人(YouTubeで観る)

■キノコソング『胞子を飛ばせ』

胞子を飛ばせ(YouTubeで観る)

■Facebook

妖怪プロジェクト・コミュニティ


■mixi
妖怪プロジェクト・コミュニティ
おばけのブログだってね、

2020年12月末に配信終了となった『携帯サイト新耳袋』。

11年間に亘り連載していた短編、『かっぱの妖怪べりまっち』は、第563回で終了となりました。

当時の掲載作を週1編ずつこちらのサイトへ転載しています。

 

水かきが生えて口が尖れば「すっぽんの怪」の話

かっぱがすっぽんに乗る姿

すっぽん料理を食べたことある?

鍋にしたり、なかには生き血を飲むひともいる。

元気が出るって?

それはそうだ、すっぽんは妖怪の仲間なのだから。

 

かっぱはすっぽんをペットにしていた。

一緒に川で泳いだり、甲羅干しに付き合ったり。

すっぽんは多少怒りっぽいところもあるが基本は素直な性格なので、かっぱの言う事は何でもよく聞いた。

桜の花びらが散る頃になると、かっぱとすっぽんは川遊びに興じた。

川面を流れる花筏の間からかっぱが顔を出したり引っ込めたりすると、それを見て興奮したすっぽんが皿に飛びかかって来るのだが、そんな遊びがかっぱにはたまらなく愉快だった。

夏が近づき、にんげんの子供たちが川辺で水遊びを始めようものなら、かっぱはさらに上機嫌。

ところがだ。

子供たちと一緒にやってきたお父さんが、自分もズボンをまくりあげて川遊びに参加し始めると、なんとなくかっぱは不愉快になり、ちょっとあのお父さんのお尻をかじってきてごらん、とすっぽんに命じる。

素直なすっぽんはお父さんのお尻にかじり付き、お尻の異変に気づいたお父さんは足早に去って行く。

 

そんな素直なすっぽんだが、ひどい扱いを受けると怒りを爆発させる。

すっぽんにとってひどい扱いとは何か。

それは、締められてバラバラにされたあげく、大して食べずに捨てられてしまうことだ。食べられれば相手に取り憑いて本領を発揮できる。

煮るだけ煮ておいて、少し突いてゴミ箱行きというのが一番腹立たしいそうだ。

一旦、怒りの導火線に火が付くと、料理屋の女将の寝床に押し行って怖がらせたり、お客に取り憑いて口を尖らせたり、水かきを生やしてやったりと、判りやすい方法で腹立ちをあらわにする。

この『すっぽんの怪』は、ひとにとっては奇妙で恐ろしい現象だが、河童類から見ればストレートで可愛らしいいたずらに過ぎない。

 

さて、かっぱが飼っていたすっぽんは、ある日、いなくなってしまった。

前日に雪おんなが遊びに来ていたことは確かだ。

おおかた、連れ帰ってラーメンの出汁にでもしたのだろう。

そのうち雪おんなの口が尖ってくるから見ててごらん。

2020年12月末に配信終了となった『携帯サイト新耳袋』。

11年間に亘り連載していた短編、『かっぱの妖怪べりまっち』は、第563回で終了となりました。

当時の掲載作を週1編ずつこちらのサイトへ転載しています。

 

恨み言を並べ立てる「人面瘡」の話

人面瘡と妖怪かっぱのイラスト

「いえ、お一人ではないはずです」

おじいさんの隣に住む礼子さんは警官に訴えた。

かっぱ農園の横に古いアパートがあって、1階の住人に連絡が取れないと騒ぎになったのは今朝のこと。大家さんが呼ばれて合鍵で中に入ると、おじいさんはちゃぶ台の前で冷たくなっていた。

すぐに警察の検証が始まったが、どう見ても数年間は一人で暮らしていた様子だと言う。

そんな騒ぎを聞きつけて出て行くと、顔見知りの礼子さんが少し青ざめながらかっぱに駆け寄ってきた。

「だって、どなたかとおしゃべりする声がずっと聞こえていたのよ」

ときには女性ふたりで喧嘩する声や、おじいさんがそれをたしなめる様子も耳にしたと言う。

数日後、検死結果が出て、おじいさんは持病の心臓発作で亡くなったと大家さんが住人たちに説明した。死因はすぐに判明したが、おじいさんの両肩にはパックリと口を開いた顔のような傷があり、丁寧に調べたがそれが何かは判らなかったそうだ。

その日は住人に混じり、おじいさんの弟だという白髪の紳士も神妙な顔でたたずんでいた。

白髪の紳士は兄の部屋を片付けに来たのだが、杖を使っている様子なので、礼子さんとかっぱは大きい荷物やゴミを運び出す手伝いを買って出た。

一通りの荷物を業者のトラックに預けると、白髪紳士は礼子さんとかっぱを食事に誘ってくれた。

礼子さんは白髪紳士に先日の話を繰り返した。

「確かに二人の女性と暮らしていたはずですよ」と言い張る礼子さんの言葉を静かに聞いていた白髪紳士は、やがて兄であるおじいさんの昔話を始めた。

 

スラリと身長があったお兄さんは物腰も穏やかで、女性にモテたらしい。

奥さんからの熱烈アピールで結婚したのだが、それでも近寄ってくる女性は多く、浮気は一度や二度ではなかった。

ところがあるとき、縁を切ろうとした浮気相手が命を絶ってしまった。

「兄の右肩が盛り上がってきたのはその頃です」と白髪紳士が言う。

肩の肉は人の顔のようになり、それはやがておじいさんに話掛けるようになった。

自死した浮気相手そのままに。

時折、思い出したかのように恨み言を並べる『人面瘡』。

横から、それに言い返す奥さん。

あいだに挟まれて、おじいさんは生きた心地がしないと話していたらしいが、やがて奥さんが先に亡くなった。

愛する人を独占する形となった右肩の『人面瘡』、だがやがておじいさんの左肩の肉も盛り上がり顔となり、それが奥さんの声で喋り始めた。

「兄からその話を聞いて、何を馬鹿げたことをと笑ったのですが」と白髪の紳士は杖を引き寄せながら言った。

「でもね、亡くなった兄の左肩、あれは確かに義姉さんの顔でした」

すっかり黙り込んだ礼子さんとかっぱは顔を見合わせ、白髪紳士にごちそうさまでしたと言うのが精一杯だった。

礼子さんはほどなく引っ越し、アパートも数年後に壊された。

8月13日(木) 

『あそビバ! まなビバ! FUN FUN スクール』

会場 : 港区立産業振興センターホール小 11階

開場 : 12:30

イベント : 13:00~16:15頃

入場無料

 

朋友の切り絵師、田中良平さんと一緒に参加します。

妖怪イベント「あそビバ!まなビバ!FUN FUNスクール」