おばけのブログだってね、

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The 27th Anniversary of Formation

妖怪プロジェクト名義 通算7thアルバム


『恐怖 ! 猫かぼちゃ』


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2024年12月1日発売 全12曲


¥2000(税込)  送料別途 ¥200


16年振りの新作かつ最高傑作が完成しました。


ぜひお聴きください。



■イベント情報

決まり次第お知らせします。

■キノコソング新曲『炎のカエンタケ』

炎のカエンタケ(YouTubeで観る)

■お風呂ぴかぴか『垢なめさんにご用心』

垢なめさんにご用心(YouTubeで観る)

■あの世へひとっ飛び♪『浮かれ小町がお連れします』

浮かれ小町がお連れします(YouTubeで観る)

■アマビコ、アマビエに続く第三の予言獣『アリエ』

アリエ(YouTubeで観る)

■キノコソング『食べられません』

食べられません(YouTubeで観る)

■ステイ・ホームの曲『ざしきわらしのお願い』

ざしきわらしのお願い(YouTubeで観る)

■『かっぱもやってるくねくね体操』

かっぱもやってるくねくね体操(YouTubeで観る)

■キノコソング『小さな宇宙人』

小さな宇宙人(YouTubeで観る)

■キノコソング『胞子を飛ばせ』

胞子を飛ばせ(YouTubeで観る)

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おばけのブログだってね、

2020年12月末に配信終了となった『携帯サイト新耳袋』。

11年間に亘り連載していた短編、『かっぱの妖怪べりまっち』は、第563回で終了となりました。

当時の掲載作を週1編ずつこちらのサイトへ転載しています。

※214〜257話までオリジナル妖怪たちが登場します※

 

お化けだって怖いんだ「宿貸し」の話

かっぱと子供が布団で並んで寝る様子

バンドで東北のある町に向かった。

予定より帰るのが遅れ、今夜は泊まろうという話になる。

きっとこの先にビジネスホテルか民宿でもあるだろうと見当を付けてワゴン車を走らせたが、街道沿いには何もない。

仕方なく少し道をそれたその先に、小さな民宿の看板を見つけた。

クルマを停めて入口からこんばんはと声を掛けたが、返事はない。

もう2、3回、叫んでみたところ、奥から小学生くらいの男の子が出てきた。

男の子は季節に似合わない小さな浴衣姿だ。

誰かいますか?と尋ねると、すぐに帰ります、と答える。

部屋はあるのでどうぞ、と慣れた様子でかっぱ達を招き入れた。

通されたのは掃除も行き届いた大きい部屋だった。

荷物を置くと、さっきの子供がやってきて、お風呂沸いていますよと言う。

いつもお手伝いをしているんだろう、タオルや浴衣も用意してくれた。

お風呂から出てごろごろしていると、お食事をどうぞと、またさっきの子供が言いに来た。

食堂にはひとりひとり、お膳が用意されていた。

おかずは焼いた川魚や山菜と素朴なものだったが、みんなお腹がすいていたので満足だった。

ただ、茶碗もお椀も箸も小さくて、子供用みたいだ。

そのあいだ、さっきの男の子がごはんをよそったりお茶を煎れたりと面倒をみてくれる。親御さんはまだ戻らないのかと尋ねると、はい、と答えた。

部屋に戻ると疲れもあって、早々と布団を敷いて横になった。

知らない所では怖くて寝付けないかっぱも、あっと言う間に眠ってしまった。

しばらくして、部屋の障子が開く気配で目が覚めた。

見ると、宿の男の子がもぞもぞしながら入ってきて、怖くて眠れないので何かお話してください、と言う。

かっぱも眠たかったが、まあそう言うならと、楽しい話をひとつふたつした。

ありがとう、と言って男の子は出て行った。

またうとうとした頃、再びあの子が部屋に入ってきた。

今度はどうしたのと訊くと、怖くて眠れないので一緒のお布団で寝てください、と言う。やれやれ、と思いつつ、隙をみて尻こだまも頂戴するかと心のなかでほくそ笑んだ。

さあどうぞ、と少しずれて、男の子と並んで横になった。

またうとうとした頃。

ひんやりとした感触に思わず飛び起きた。男の子のおねしょだった。

かっぱはつい、わあ!もう一緒に寝られないよ!と叫んでしまった。

次の瞬間、かっぱ達は何もない草むらに横たわっていた。

その男の子は、一人で寝るのが怖くて毎晩、宿を開いて誰かを待つお化け『宿貸し』だったのだ。

2020年12月末に配信終了となった『携帯サイト新耳袋』。

11年間に亘り連載していた短編、『かっぱの妖怪べりまっち』は、第563回で終了となりました。

当時の掲載作を週1編ずつこちらのサイトへ転載しています。

※214〜257話までオリジナル妖怪たちが登場します※

 

毛の悩みを深める「毛深怪」(もうしんかい)の話

毛深怪と梳かされた髪

昭和も初めの頃の話。

その子は嫁入りが決まった。

相手は夏祭りで知り合った隣町のイケメンだ。

今も昔も変わらないが、お嫁さんになる前に多少でもきれいになっておきたいのが女心。

ちょうどそこへ小間物の行商人がやってきた。

へちま水や椿油、おしろいを求めると、行商人は結婚のお祝いにと言って一枚のクシを置いて行った。

そのクシを使うと髪は豊かに輝き、肌まで美しくなり、鏡の中の自分は日を追うごとにきれいになる。

喜んで朝に夕べにと髪をといたのだが、生来、面倒臭がりなその子は、クシに絡んだ抜け毛をそのままにしていた。

いよいよ花嫁になるその朝のこと、いつものように髪をときながら鏡をのぞいたその子は悲鳴をあげた。

まるで男性のように顔中、ふさふさと毛が生えていたのだ。

 

その不思議なクシは大陸から渡って来たという話だが詳しいところは知らない。

大切に扱えば必ず美しくなれるこのクシを巡り、江戸の遊郭では殺傷事件まで起きたそうだ。

ただ、扱い方を間違えるととんでもない目に遭うことが次第に明らかになり、『毛深怪』(もうしんかい)と呼ばれたこのクシは表舞台から消え、一部の行商人の間で密かに取引されるようになった。

美しくなれるか、毛で苦しむか、それは使うひと次第のようだ。

 

この話をしたところ、とある仲間から『毛深怪』をどうにか手に入れたいと頼まれ、探しまわった結果、先日、横浜中華街の裏道にあるアジア系雑貨屋の店先で見つけた。

薄毛に悩むその仲間は、抜け毛をわざとクシに残せば翌朝には毛がふさふさになると想像したようだが、怒った『毛深怪』がどう出るかは実際のところわからない。

ふさふさか、パラパラか、つるつるか。

どっちに転がるか静観しようと思う。

2020年12月末に配信終了となった『携帯サイト新耳袋』。

11年間に亘り連載していた短編、『かっぱの妖怪べりまっち』は、第563回で終了となりました。

当時の掲載作を週1編ずつこちらのサイトへ転載しています。

※214〜257話までオリジナル妖怪たちが登場します※

 

世の中、丸くします「面取り翁」の話

面取り翁とかっぱのやり取り

寒い。

夕飯は湯豆腐にするか。

いざ冷蔵庫から豆腐を出すと角が取れて丸くなっている。こんな豆腐を売るとはけしからんと思いながら、また冷蔵庫をのぞくと、おやつに取っておいたキュウリの濃いグリーンの皮がすっかりむかれている。ショック。

ひょっとして?と思い、キッチンの隅に置いたジャガイモを確認したら、皮どころかジャガイモ特有のでこぼこも削ぎ落とされ卓球の球みたいになっていた。

間違いない、どこにいるんだと部屋に戻ると、角をきれいに落とされ丸くなったかっぱの勉強机の上でカンナを振り回している『面取り翁』を発見。後ろから押さえ込み、なんとかパソコンが丸くなるのだけは免れた。

 

木工好きの天狗さんや、DIY女子部に所属する雪おんなが親しくしている『面取り翁』は、カンナを使ってなんでも丸くする妖怪だ。「面取り男子」と呼ばれていた昔は喧嘩早くて相手にカンナをかけてやり込めていたらしいけれど、翁となった今ではすっかり丸くなり、世の中も丸くしようと行脚している。

そんな『面取り翁』が家にやってくると、なんだか気持ちも丸くなり人生を達観できるようになると、おおむね好評だ。

ただ、少し早とちりでおっちょこちょいなのが玉に傷、雪おんなは昨年、ハロウィンの飾り用に大きなカボチャを用意したが、『面取り翁』にすっかり皮をむかれてしまい、仕方なく大量の煮付けにしていた。

木工仕事を手伝ってもらった天狗さんは自慢の鼻の先を削ぎ落とされた。

かっぱも頭の皿を小皿にされたことがある。そのときは多少、生来の出しゃばりが引っ込んだ。

職人気質で気分屋な『面取り翁』、いつかまたふらりと出て行くのだろう。

家にいるうちに、栗とクルミと里芋の面取りを頼もうと思っている。