Invisible sun / るう゛ぃえ | 夕暮れビジュアル鑑賞会

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 どうもー。今実家帰ってるので、中途半端にインポートしてたり前のPC入れていて消えてしまったCD音源を取り込んでるのですが、その中で久々に聴いてみようと思ったバンドがあったので急に書いてます。ほんとはCD全部持っていきたいですけど転勤族なのできつい…。

 

 

Invisible sun Invisible sun
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『 るう゛ぃえ(Ruive)』というバンド、解散済みでメジャーにも行ってないし一般知名度は皆無ですが、楽曲のクオリティは確かなものでした。ギター・ベースの3人はBugLugで活躍してますし、ボーカルとドラムも精力的に活動しています。

 バンド名も気になったし、何よりインタビューでよくGLAYの話してたのが気になってて(笑)。 前任ドラマーの脱退前、ギターが加入し5人体制となった年のシングルです。

 

 

『Invisible sun

 

01.Player ★★★★

 重苦しく退廃的なサビとヘヴィリフで始まる楽曲。とにかく溢れる終末感。神の悪戯、君のいない、崩れ落ちる世界…V系ならではの濃ゆい世界観。驚くのはなんら違和感なくそれを描き切る表現力。

 美しいアコギと穏やかな歌声が彩るAメロ~Bメロ、なんだかPlastic Treeみたいな雰囲気もあり好き。華やかな間奏で暗闇を抜けたかと思いきやそれは束の間の安息、猛烈に陰鬱なメロディを経て絶望的なラスサビへ。主人公も「君」と同じく天国に行ったのだろう、華やかかつ神秘的なエンディング。

 パワーあるサビが耳を引きますが、想像力をかきたてられる楽曲構成と歌詞も素晴らしい。SF映画のクライマックスを見ている様な。PIERROTの『FINALE』を1曲に凝縮したような…まあこれは褒めすぎですが。

 

 

02.Rainy marry ★★☆

 前曲もハードでしたが、こちらはアップテンポでカオティック。早口でまくしたてるボーカルの裏で、手数の多いドラムがテクニックを見せる。サビでは広がりを見せメロディアス、単なる暴れ曲ではないな…!と思ったのだけど間奏でヘドバン&シャウトパートが登場。あんまりフックの効いたフレーズでもないので、サビ以外はあまり好みじゃ無いなあ。

 

 

総評 [お気に入り度★★★ / おすすめ度 ★★★]

 とにもかくにも、1曲目のインパクト。ヘタなバンドなら薄っぺらく響かない楽曲になる所ですが、るう゛ぃえは違いました。結成3年目でメンバーも若かった時だけど、楽曲の持つ世界に忠実な、アレンジ力・表現力は確かなもの。淡々とストーリーテリングするような楽曲が多いから、派手でキャッチーなイメージはあまりないのだけど、どれもメロディアスで本当にいいバンドでした。2曲目もサビではがっちり掴んでくるし。

 

 メインソングライターであるボーカル:てまり(手毬)の作る世界観がバンドの核。1曲目の様なストーリー性の高いものから恋愛系まで、とても詩的で美しい歌詞も魅力。歌い癖は(さ行が苦手?)強めなものの、深みのある声でピッチも良い。あと今作もそうですが、EP形式というのかな、シングルであっても作品タイトルが別で付けられてるのもいいですね。逆にどれがどのCDに入ってるのか分かりづらいですけど(笑)。

演奏陣もめちゃくちゃ上手いわけじゃないけどセンスがあって。ギター2人がそろってGLAY大好きなのもあってかメロディアスな楽曲を引き立てるフレーズも得意、その辺BugLugでさらに進化してますね。リズム隊もしっかりしてて、記事を読む限りじっくりとこだわって制作し、実際の音にも現れているのが好感が持てる。

 

 色んなとこで言われてますけど、バンド名がひらがなでフォントも可愛らしいものだったので、そのイメージで敬遠してた人も沢山いたんじゃないかな。見た目こそ可愛い推しではないけど、初期は楽曲含めオサレ系だったから尚更どんなバンドか分かりづらい。V系好きなら誰しも絶対引っかかる曲があるバンドだったと思うんですよね。白いのも黒いのも歌謡チックなものまで実は幅広くて。ドラマー脱退後「Ruvie」と改めるのですが、途端に”それっぽい”楽曲やってそうなイメージになるから面白いものです(笑)

 活動歴の割にはフルアルバムが出ずに終わり悲しい限り。解散時に2枚組ベストを出しているので手にとる機会が有ればとにかく聴いてもらいたい、お勧めのバンド。復活しねえかなあ。

 

ベストソング / Player