D・N・A / Janne Da Arc | 夕暮れビジュアル鑑賞会

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 どうもー。今回は、今年の春、衝撃的な解散を発表したJanne Da Arcです。ブレイクしたのは10年以上前ですが、今も人気のあるバンドですね。

 世代ですしヴィジュアル系大好きな私ですから、やはり通らないわけにはいかないバンド。初めて手に取ったのは『GAIA』で結構聴いてましたし、それ以降のアルバムは全部聴きました。ただなぜだか知らないですが、大絶賛されていた1stと2ndはいまだに聴いた事がなかったんで(笑)、今更聞いてみた次第。

 

D・N・A D・N・A
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いやー、この頃のメンバーのヴィジュアルは中々ですね(笑)。

 

 

D・N・A』

 

01.Deja-vu

 カオティックでハードなインスト曲から幕開け、kiyo作曲。これぞジャンヌといった曲調、ヴィジュアル系ハードロックの真骨頂をまざまざと見せつけるハイレベルが楽しめる。後半のアコギの速弾きはやりすぎだと思うけども(笑)。

 

 

02.Vanity ★★★

 前曲の流れを引き継ぎクサメタル的なキメの多いイントロと、チェンバロ風シンセが印象的。yasu作曲で、歌詞もお得意のセクシー路線。Bメロ終わりからサビにかけての流れが熱く、サビはポップになりすぎないキャッチ―さでさすが。キッズを奮い立たせる弾きまくりギターソロも熱い。

 

 

03.ファントム ★★★

 kiyoとyasuの共作とあってかシンセやピアノ音色の味付けが絶妙、メタリックだけどカッティングやスラップも相まってフュージョン要素も強い。歌謡メロ要素は強まり、前曲同様激しいけれど聴きやすい、Janneらしい楽曲。

 前曲もそうですが、すごくゲームのロックマンXを思い出すんですよね(笑)。オケがゲーソンっぽい。

 

 

04.EDEN~君がいない~ ★★★★

 これは聴いたことあります!yasu作曲の3rdシングル。アカペラで始まるも、超絶キャッチーなサビメロと共に疾走!ハモリが超気持ちいい。明るすぎるな~と思ったけどこの疾走感はいいですね。かなりポップですがBメロなんかハードなキメでかっこいい。個人的にはシンセの音色のアクが強めでちょっと違和感。

 歌詞に多く出てくる「虹」はラルクのことみたいですね。でもラルクの何のことを書いてるのかちょっとわからないなあ。

 

 

05.child vision~絵本の中の綺麗な魔女~ ★★

 kiyo作曲というのもあってエグみのあるシンセが楽曲を引っ張る、ハードでカオティックな楽曲。歌詞のテーマもヘヴィで、サビの妖しさもヴィジュアル系らしさが見えて嬉しい。でもちょっと重たすぎて苦手。ベースが終始唸っていて、ソロもへんてこで面白い。

 

 

06.Stranger ★★★☆

 youとyasuが共作したストレートな歌謡ハードロック。と思いきや間奏のプログレ的変拍子が強烈なインパクトを残す。今作随一のテクニカルさを見せるところは、やはりギタリスト作曲らしいところでしょうか。この頃はがっつりメイクで皮パン&ロン毛のヴィジュアル系でしたけど、純粋なメタラーもこれは唸るはず。サビはサビで急にポップになる転調具合が、いい意味で気持ち悪くて強烈。

 

 

07.桜 ★★★★☆

 タイトル通り春らしい切なさと、和のワビサビを聞かせたミディアムポップス。これもフュージョン要素もありテクニカル。美しいピアノからkiyo作曲かなと思ったけど、ka-yu曲なんですね。ベーシストってのもあってめちゃパンクな人かと思ったら、意外と。

 とにかくメロディが素敵。サビメロの切ない仕上がりが今作で一番お気に入り、下でハモるコーラスラインが心地よい。

 

 

08.Lunatic Gate ★★★☆

 今度はファンク?と思いきや7弦ギターで攻めるヘヴィ&メロディアスな楽曲で、youとyasuが凶作した2ndシングル。歌が入ると途端にハイレベルな歌謡メロが顔を出し、最強にクサいサビメロともに疾走!好みかどうか置いといて、マジで素晴らしいクオリティの楽曲だと思います。惜しくもオリコン11位だそうですが、これがチャートインしてもっと多くの人が耳に出来ていれば…とそんなifを考えてしまうほど。

 楽曲の派手さもピークなら歌詞の恥ずかしさも今作でピカ一だと思います(笑)。

 

 

09.Junky Walker ★★

 今作で最も正統派といっていいズクズクとしたハードロック、kiyoとyasuの共作。演奏陣のテクニックはすさまじいですが、サビメロは良くも悪くもさらっと流れていく感じ。ただ他の曲が濃いんで、差異はできてますけど。曲調からメロから全く刺さらない曲。

 

 

10.RED ZONE ★★★★☆

 記念すべきメジャー1stシングル、yasu作曲。曲が再生されて2秒でわかる楽曲の濃さ。クサメタルですよ、メロスピですよ。ヴィジュアル系がメジャーシーンにこんな楽曲を持って現れたら、そら「ヴィジュアルの最終兵器」なんてキャッチコピーがつくというもの。

 難解なイントロや派手なシンセはメタル色強く疾走、メロディは日本人らしい歌謡メロ。これはやばいっすね。サビがマジかっけー。ひたすらハードに劇的に盛り上げる超名曲。

 

 

11.ring ★★★☆

 ベースのスラップから幕を開ける、ka-yuとyasuによる開放的なハードロック。サビではやはりクサく切ないメロディが盛り上げる。ポップさとキャッチーさは全然他の曲よりシングルっぽい(笑)。アクが少なくて飽きやすそうではあるけど、かっこいいですね。

 

 

12.Heaven's Place ★★★

 いわゆる白系というか、幻想的なミディアム楽曲で締め括り。yasu作曲でラルクっぽい面も。ただ歌詞は甘々なラブソングなのがyasuらしくて愛らしい(笑)。

 暖かなメロディと鐘の音がキレイで、ウェディングソングとしても似合いそう。サビの後半のメロディがベタだけど好み。胃もたれしそうなアルバムでもこういう曲ですっきりと終わるのが嬉しい。

 

 

総評 [お気に入り度★★★☆  おすすめ度★★★★☆

 ジャンヌのメジャー1stアルバム、すごいすごいとは聴いていましたが、ほんとに凄く良かった…。ジャンヌに出会ってからたぶん15年くらいですが、なんで聴いてこなかったんだと後悔してます(笑)。

 濃密なハードロックと歌謡メロ。キャッチーでポップな面もしっかりと。元からヴィジュアル系を目的として始めたバンドではないですけど、その界隈でウケる要素だらけ。ラルクとかDEAD ENDから影響を受けたyasuですから当然のこと。そして、バカテク演奏陣に美声ボーカルが揃ってるのだから完璧ですよね。

 今作は後期ほどの聴きやすさはないですが、ヴィジュアル系リスナーとしては嬉しい出来。あまり重めの曲は好きではないですけど、バランスも良くメロディもすべて良い。

 

 ヴィジュアル系が下火のころ着実に人気を集め、ご存じの通り「月光花」でブレイク。大分日の目を見るまでかかったなあとは高校生当時でも思いましたね。まあそこはタイミング。ただその後の活動休止は勿体ないなと思わずにはいられなかったですね…しかも今年あんな終わりもしてしまいましたし。

 

 ここまでべた褒めしたわけですが、ジャンヌ自体そんなに好みのバンドではないんですよね。世代っちゃあ世代ですし、冒頭書いたように『GAIA』以降は全部聴いてましたけど、ギターがちょっと苦手なんですよね。そもそもハードロックとかメタルが好きじゃないんでまあ仕方ないんですが。

 なので普段だったら「桜」が一番好きになりそうなんですが、それ以上に「RED ZONE」が凄かった(笑)。

 今ならAmazon Primeでも聴けるのでぜひ、Acid Black Cherryしか聴いたことないよーって方や、最近ヴィジュアル系にハマった方にも聴いてみてほしい作品。

 

ベストソング / RED ZONE