シャンデリア / Plastic Tree | 夕暮れビジュアル鑑賞会

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 今回はベスト盤をやろうと思ってたんですが保留。一応それまでに入ってない曲もあるのでやろうかなーと思ったけど、あまりにも自分的に新鮮味がないので。

 プラは2000年代に事務所移籍やらレコード会社移籍やら多すぎて、それに伴ってかベスト盤が非常に多いです。2000~2010年の間にベスト8枚ですよ!!すげえよ(笑)

 

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 というわけで今回は『シャンデリア』。これは結構高校生の時に聴いてて好きだったアルバム。

 

 

『シャンデリア』

 

01.ヘイト・レッド、ディップ・イット ★★★

 前作より登場したニューメタル要素を強めた正曲、スクラッチも登場。どすの効いたイントロ~Aメロから、サビはプラらしい哀しげなメロディ。乾いた楽器隊と湿った歌の対比が新しい。

 

 

02.内臓マイク ★★★☆

 続いてはウネるリフが印象的な正曲。前曲に比べるとストレートなロック、歌詞の載せ方が竜太郎らしくて面白い。内臓マイクの名の通り、心の内を吐き捨てるように疾走、純粋にかっこいい。

 

 

03.ナミダドロップ ★★★★

 竜太郎作曲のシングル曲、再びメジャーとなり一応アニメソングだけあってひたすらにキャッチ―でポップ。高校生の時中古屋に売っててすぐ手にしたのもあって思い出深い曲。「水色ガールフレンド」の雨感ない曲というか(笑)。シンプルですがBメロのノリの良さとか、サビの言葉のはめ方がこれも心地よい。全体的にバンドに一体感があるところも好き。

 

 

04.Ghost ★★★★☆

 3か月連続シングルの一つ、ダウンチューニングでプラ史上最強にゴリゴリな曲。とくればやはりアキラ曲。全体的に狂ってるけど、サビでは切なさもある歌詞。インタビューでラブソングかと問われ、はぐらかしてはいたけど。

 とにかく重厚でパンチのあるサウンド、サビではキャッチ―に疾走!ライブの超定番曲となってるだけあって体感する音すべてが気持ち良い。

 

 

05.puppet talk ★★★★

 引き続き作詞作曲アキラでダウンチューニング採用、こちらは超パンキッシュ。毎回引き合いに出してますけど「ピカソごっこ」のように流れるメロディが気持ちいい。

 最近の曲もそうですが、アキラの歌詞は同音異語的な単語の組み合わせが結構出てきて、字面も面白いものが多いですね。厨二感。

 

 

06.名前のない花 ★★★★★

 3か月連続シングルのひとつ、正作曲の爽やかなロックナンバー。これ昔は全然ピンときてなかったんですが、去年聴いて猛烈に好きになった曲。キャッチ―なのはもちろんあるんですが、なんで好きになったのかさっぱりわからない。コーラスにアキラと正も参加してたりとか、ギターソロにイカした速弾きが入ってたりとか気に入ってる部分は要所要所あるにしても、なぜかめっちゃ好き(笑)。

 

 

07.37℃ ★★★★☆

 ここでようやくミディアム曲、アコギが主役の竜太郎曲。暖かな歌から始まるも、Bメロで切なさが顔を出し、サビでは美しいメロディが涙を誘う。コーラスの絡みも綺麗。コンパクトにまとまりながら、温かみさと切なさがぎゅっと詰まった名曲。

 

 

08.cage for rent ★★★★

 これは全くもってアキラ作曲だと思わなかった、それくらい普遍的で(褒めてます)温かいメロディを持ったミディアム曲。イントロなんかは結構独特でアキラらしいけど。ストリングスと絡んで舞い上がってゆくようなサビが美しい、演出で羽が舞いそう。間奏のピアノがまた切なく、ギターソロもエモーショナル。

 タイトルは鳥かごの使用料?ほころび?うーん、歌詞も難しいな…。

 

 

09.讃美歌 ★★★☆

 『トロイメライ』からすっかりプラの得意技に、哀愁帯びて疾走するギターロック。竜太郎作曲のシングルだけあって非常にキャッチー。シンプルな構成ながらもメロディの良さでぐいぐい引っ張る曲。PVもほんとシンプルでV系さは全くないけど逆に好き。このアルバム好きな曲多すぎて個人的に影が薄い(笑)。

 

 

10.センチメントマシーン ★★

 バリバリとしたギターがグランジっぽい正曲。これも疾走感あって、サビのふわふわ具合がプラらしい。アレンジが凝った曲が多い中、特にラフな仕上がり。これも悪くないけど相対的に影が…。

 

 

11.空中ブランコ ★★★★☆

 3か月連続シングルのひとつ、正作曲のミディアム曲。イントロのドラムが特に印象的。淡く儚げでゆらゆら漂う空気感は、プラのイメージそのもの。実際インタビューでも核となる曲を的なことを言っていた気がする。「サーカス」を今のプラの形で昇華させたような、悲し気なメロディにファンへの言葉が乗る。この音に包まれているとなぜか涙が出そうになる。

 バンドにもファンにも大切にされている1曲、ラルクでいうと「虹」みたいなね。

 

 

12.ラストワルツ ★★★☆

 おしゃれなジャズ調のミディアム曲、正作曲。「空中ブランコ」でエモーショナルさを極めた後の心地よいエンドロール。

 

 

13.六月の雨 ★★★☆

 通常盤のみのボーナストラック、「ナミダドロップ」のカップリング。方向性としては「ナミダドロップ」と近いポップロック、アコギを主体として少し切なく。サビもメロディアスでいいんですが、この曲はBメロが素敵だと思います。

 アキラ作曲ですが、この人はキャッチ―なポップロックと、ゴリゴリなハードコアと、ほんと毎回極端なふり幅ですね(笑)

 

 

総評 [お気に入り度★★★★☆  おすすめ度★★★★★

 これはほぼリアルタイムで聴いていたので好きな曲が多いってのもあるんですが、今聴いてみても良作だと思います。パリッと軽快な聴きごたえなので物足りない人もいるでしょうが、どの曲もメロディが立ってて良いです。まさにシャンデリア、ギラついてます。

 

 洗練されたポップロック「名前のない花」、MAXヘヴィネスな「Ghost」、初期と今とをすべて内包した「空中ブランコ」。この一連のシングルだけでもプラの魅力が存分に詰まってるんですが、アルバム曲も負けず劣らず個性豊かで濃ゆい。

 前回個人的に不発だったアキラ曲がどれも最高ですし、竜太郎のメロディメイカーぶりも健在、正曲はプラの不朽の魅力を存分に発揮。

 

 序盤にメタリックな印象が強いけど、全体的にはそうでもなくて聴きやすい。とにかく「空中ブランコ」だけでも聴いてほしい。

 ひとつだけ挙げるとするなら、アキラと正の作詞も多くなってきて、トータルな言葉の統一感はないかも。でもみんな個性的なんで僕は無問題。

 

ベストソング / 名前のない花