cell. / Plastic Tree | 夕暮れビジュアル鑑賞会

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 毎日更新したいなーと思ってたのに、昨日焼肉で飲みすぎて一瞬で寝ました(笑)。

 

 

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cell.』

 

01.cell. ★★★

 珍しくアップテンポで幕開け、そして珍しくアキラ曲から。キメとユニゾン多めでメロディより勢い重視、もう一聴してアキラだなと(笑)。サビはいつも通りメロディアス。言い方悪いですが前作の「ピカソごっこ」のAメロと「バリア」のサビを明るくした感じ。

 珍しくツーバスががっつり効いていたり演奏は抜群にかっこいいですが、目新しさがないというか、1曲目始まった!って感じが薄い。ライブ行ってたらまた違うんでしょうけどね

 

 

02.メランコリック ★★★★

 ワンマン、フェス、イベント、どこに行っても定番のプラの代名詞的ロックナンバー、竜太郎作曲。キャッチ―ながら決して明るくはなく、タイトル通り哀愁帯びたメロディ。ただその憂鬱に目いっぱい抗うようにがむしゃらな熱さが。今もなおプラ流の疾走哀ロックの決定版。

 

 

03.春咲センチメンタル ★★★★☆

 ここでクールダウン、ピアノが美しい竜太郎作のシングル曲。舞い散る桜のようなピアノがただただ良くて、サビではバンドも重なって切なさが炸裂。春に散った恋を綴った歌詞も美しい。メロディが凄まじく良いうえに、亀田誠治プロデュース。そりゃつよいわ。

 

 

04.ダンスマカブラ ★★☆

 ノイジーで不気味なサウンドの主導を握るのはゴリゴリなベース、とすればやはりこれは正曲。ぜんぜんメロディアスじゃないんですけど、ドラムが和太鼓っぽいのかサビがなんか祭りっぽい(笑)。中毒性ある曲。まあ日本の祭りって不気味な踊りって感じですもんね。多分モチーフは童話の「赤い靴」ですけど。

 

 

05.怪物くん ★★

 崩れ落ちるような声で前曲が終わると、再びヘヴィなリフへ。こちらはアキラ曲、チューニングを極端に下げてニューメタル的。タイトルはアニメからじゃなく内向少年の心の怪物でしょうか、思春期の抑えきれない衝動が音にも表れてる。

 メロディは悪くないのだけど、プラの中でも特にキーが低くて高揚感が薄い。たぶんキー上げたらカッコ良くはなるけど、1曲目以上に「ピカソごっこ」と被っちゃうなと。今回のアキラ曲はあんまり好みじゃないなあ。

 

 

06.crackpot ★★☆

 キラキラシンセから始まりプラらしくないんだけど、バンドが入るとずっしり哀愁を効かせていつものプラ。でもメロディはポップだったり、メジャー感とマイナー感がぐちゃぐちゃに混ざりあって気味が悪いサウンドを形成。でもサビはゆったりと暖かくて良いメロディ、でも盛り上がらない。作詞作曲ともにアキラ、がっつりアキラワールドでどちらも難解。

 

 

07.「雪蛍」 ★★★

 アンビエントなシンセが浮遊感を伴って、しんしんと雪の降る夜を思わせる。竜太郎作曲で、シングル曲に抜擢されるだけあってサビは切なくもキャッチ―。冬を感じさせながらも暖かい「ツメタイヒカリ」と対をなすような、凍えるほど冷たい冷たい冬の歌。

 

 

08.comic youth ★★★★

 オルタナロックを思わせるギターフレーズと、アキラお得意のザクザクとしたリフが切り裂く。もちろんアキラ曲、作詞も担当。彼らしくも割とストレートな歌詞で切ない。暴れるドラムが熱いバンドサウンドと対照的に、けだるいボーカルが映える。切なく疾走するサビは「メランコリック」に勝るともおよび劣らない出来。

 タイトルはSonic Youthをもじってるのかな?この曲との関連度は不明だけど、けっこうプラ自体Sonic Youthの影響は受けてそう。

 

 

09.針槐 ★☆

 鬱々としたギターから、ずっしりかつゴリゴリのバンドサウンドへ、この重量感はやはり正曲。歌が入れば繊細さな切なさが顔を出すも、サビは初期の匂いを感じる程の病みを突き刺す。もうひとつ、何か心に引っかかるものがあれば大好きになれそうなんだけど、やっぱりキャッチ―なのが好きだからなあ。

 針槐=ハリエンジュって、普通にその辺に映えてる木で、白い花がキレだけどぶっとい棘が生えてるアレ(笑)。

 

 

10.うわのそら ★★★☆

 ファンシーなシンセと軽快なギターとベースに心躍る。続いても正曲、前曲と作者は同じなのになんなんだこの温度差。メロディもとても可愛くてキャッチー、ど派手じゃないけどハッピー感強め!このドラムサウンド、エフェクトもがっつりかかってるけど気持ちよくて好き。

 

 

11.夢の島 ★★★★

 弾き語りテイストのミディアム曲、竜太郎作曲。まあいつもの感はあるし、特に展開しないし盛り上がらないんだけど、メロディがとても良い。バンド隊は全然目立たなくて歌にすべてを注いだ曲。

 

 

12.[Bonus Track]

 初回盤のみ。もってないっす。

 

 

総評 [お気に入り度★★★  おすすめ度★★☆

 アキラ4曲、竜太郎4曲、正3曲という今まで以上にフロント3人の個性が混ざりあった1枚、と同時にロック色も濃い。特にシングル曲はすべて竜太郎、ボーカリストらしくキャッチ―なメロディでどれも出色の出来。アキラ曲、正曲は良くも悪くもアルバム曲とった感じで、少し差が激しいかもしれない。前作から10か月と短期間で作ったのもあるのかな。

 

 とりあえず「メランコリック」「春咲センチメンタル」の2曲だけでもおすすめしたい。今ならベスト盤に入っちゃってるけど…(笑)。うーん、佳作って感じ。その辺は、リアルタイムで追っていたファンと、自分みたいに後追いで聴く人間の差がデカイですね。

 

ベストソング / 春咲センチメンタル