僕のオリジナル曲に、地方の過疎問題をテーマにした「ばぁちゃんの畑」という曲がある。
この曲は本当に大切な曲で、先日気仙沼市唐桑町の避難所で歌った唯一のオリジナル曲だった。
歌うつもりはなかったんだけど、アンコールという事で最後に歌ったわけだけども、
みんな凄く感動してくれて、「良い曲だ」って言ってくれたんだ。
僕の帰り際、冗談半分で誰かが「今度はじぃちゃんの海を作ってきてよ」って言った。
周りの人達も「それはいい!」って賛同してすっかり盛り上がってしまった。
もちろん僕の答えはイエスだ。
どちらも半分冗談だったけど。
「それで紅白に出て、ここを盛り上げてくれ!」
とな。
「いっそのこと、唐桑出身で出ちゃえば!」
とな。
「みんなで応援するから!」
と。
応援しなきゃなのはどっちだょ...と、ちょっと思ったが。
唐桑出身とはさすがに無理があるが、そう言ってもらえたのが冗談でも凄く嬉しかった。
あれからもうすぐ二ヶ月が経つ。
当初は僕も冗談として頭の片隅に入れておいただけだが。
僕に出来る事を日々考え、その中で「じぃちゃんの海」を本当に作ると決めた。
それ作って、紅白でも目指してやるか。
ぷっ!
と、吹き出してしまうくらい、僕が紅白を目指すなんて途方も無い事だよ。
だけどね、被災地の復興はさ、きっと同じ位、途方も無い事だと思う。
僕がこの目で見て来た惨状はそのくらいのものだった。
そして、あの人たちはその「途方も無いこと」に向かう決心をしている。
やるしかないと思ってる。
それなら、僕もやろうかと。
途方も無いことにチャレンジしようかと。
結果なんてものはどうだっていい。
僕は結局被災なんてしてないし、彼らと同じ立場にはなれない。
だったら、僕にとっての途方も無い事にチャレンジするだけで、僕の心は少し穏やかになるんじゃないか。あの日から何か身が入らない現状を変えるきっかけになるかなと。
幸い、何人かの人達がこの企画に賛同してくれた。
心強い人達からの協力が得られそう。
僕が被災地で接して来た「人」と「景色」を歌にしようと思う。
きっと僕にしか出来ないはずだから。
さて、と。
7/2,3,4で曲作りの為に気仙沼市唐桑町へ行って来ます。