「お詫び?」
屋上から見える景色はいつも通りで何も変わらない。
そして、梅雨が明けた空も晴天の青空で何も変わらずいつも通り。
けれど、今日。いつも通りじゃないことがある。
それは直樹が隣にいるってこと。
「そうお詫び」
「なんのお詫びだよ?」
何かされた覚えはないんだけど。彼はそう続ける。
「風邪をひかせたお詫びだよ。まぁ、お礼でもあるかな」
「別にいいって」
「私が良くないんだよ。だから、私にできることでなにか・・・してあげたいなって」
なにか。その具体的な内容を決めてから彼と話す予定だったのだが、全く思いつかずに今に至った。
「なにかってなんだよ」
彼は苦笑しながら天を仰いだ。
それと同時に一条の風が吹き、髪を揺らす。
「ん~・・・わかんない」
「なんだそりゃ」
少し不格好になった髪を彼は手で元に戻す。
ドクン・・・。
一つ一つの何気ない仕草。それですら胸が高鳴る。
「なんかない?」
校庭からはみんなのはしゃぎ声が聞こえる。
考えてみれば今は昼休み。
そんな時間に男の子を屋上に呼び出すって・・・。まるで告白でもするみたいだな。
由紀は内心肩をすくめて苦笑した。
高校生という今。告白や恋愛などというものはごく自然で当たり前の者。
今ここで告白をするとしてもなんら不自然ではない。
けれど、由紀にとってそれらは自分には到底不可能でありえないことだった。
目の前にいる彼は当然好きだ。しかし、本当の意味での恋とか愛とか。そういうものがまだどういうものか分かってはいない。
そんな自分に恋愛は早すぎる。
由紀はそう考えていた。
だから由紀にとってこのお詫びは本当の意味でのお詫び。
それ以上でもそれ以下でもなかった。
「そうだなぁ・・・あるっちゃある」
直樹は曖昧に答える。
「なにそれ?」
「あるけど、言いづらいってこと」
直樹は由紀から眼を逸らして今度は下を見る。
「え、なんで?」
由紀は首をかしげる。
「なんでも」
「でも、言ってくれなきゃわからないんだけど」
「じゃあ、夜に言うよ。電話で。多分、それなら言えるから」
「・・・?わかった」
「電話、何時なら大丈夫?」
「8時以降なら」
「わかった、じゃあ、その頃に」
キーンコーンカーンコーン・・・。
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
「うん。じゃあ、教室戻ろうか?」
「そうだな」
言いづらいこと。その正体が全く分からず、由紀はモヤモヤしながらこの日の午後を過ごしていた。
そして夜。この日、2人は初めてのデートの約束をしたのだった。
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自信がない時、周りの人が輝いて見えるのは当たり前。
自分は自分でしかないのだから、他人と比べるのは間違っている。
卑屈になる必要はない。
だから、自分の想う道を自分自身で決めて進む。
そうすることで、自分に自信が持てるようになっていくと思う。
悩みを聞いてくれる人とか、支えてくれる人とか。
それらは大事だけど、あくまで進まなくちゃいけないのは自分自身の人生なのだから。
次回は日曜日です。
デート編です!!
時間は・・・7時!更新できると思います。
クオリティ上げないと・・・。