17話 好きの二文字 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

割れるようなセミの声が聞こえる。


けれど、それさえも苦にならない空間がここに広がっていた。


一面が青で染まったその景色は、今まで見たことがない世界。


そして、隣に男の子がいるということ。今日のすべてが由紀にとって冒険だった。


「初めて?」


直樹が由紀の顔を覗き込みながら言った。


どうして分かったのだろうか?


「どして?」


「いや・・・すごく嬉しそうな顔で辺り、見渡してるから」


・・・どうやら顔に出ていたらしい。


ポーカーフェイスが上手い部類に入っていると思っていたのだけれど・・・おかしいなぁ。


「うん。初めて」


「そっか」


直樹はその場に座る。それにならって由紀もその場に座った。


まだ7月なのに太陽の熱さは例年のそれとは違う。


長袖にして来ればよかったかも。そんなことを思う。


このままずっとここにいれば日焼けをしてしまいそうだ。


だけど、後の祭り。もうしょうがないことだ。


由紀は横目で直樹を見る。


すると、その視線に気づいたのか、直樹も由紀を見てにこりと笑顔を向けた。


・・・だめだ。


好きすぎる。


ドクン。


高鳴った胸の鼓動は止まない。好きな人の前だと感情のコントロールが難しくなる。


何でこんなに好きなんだろうなぁ。


きっかけは大したことじゃない。ただ、傘を貸してもらっただけ。


ありきたりで、いたって平凡で。この人しかできない、ってことでもなくて。


でも、それだけで十分だったのかもしれない。


まだ恋というものを知らなかった由紀。


そんな由紀が恋に気づくのは些細な優しさ。それだけで・・・。


好きになるとその人のすべてが好きになる。


汗を拭う仕草や時計を見る仕草。仕草に限らず、シャツから伸びた腕やすらっとした鼻。


第一印象でかっこいいな、それくらいしか思っていなかった容姿でさえも好きになる。


波間のきらめきで由紀は目を細める。


そして、軽く深呼吸をして・・・。


由紀を煽るように潮風が吹いた。


分かってるよ。


由紀は心の中で潮風にそう言った後、直樹の方は見ずに、今日はありがとね。そう言った。


「なにが?」


「この景色を見せてくれて。お詫び・・・全然果たせなかった気がするけど」


「そんなことないよ。俺にとって、山口さんが隣にいてくれることが一番意味があるんだから」


その言葉で由紀の顔が熱くなる。


「そっか」


「楽しかったならさ、またこようよ」


「うん」


「でも、その前にお祭り。一緒に見に行きたいんだ。今度はお詫びとしてじゃなくて・・・」


直樹はそこで口ごもる。


「じゃなくて・・・なに?」


「恋人として」


・・・っ!!!


思いがけない言葉に、さっきよりも遥かに顔が赤くなる。


「えっと・・・」


言葉を探す由紀にたたみかけるように、直樹が、山口さんのこと好きなんだ。


そう言葉を紡ぐ。


そして続けて、山口さんは?そう聞いてくる。


「す・・・」


「す・・・?」




「好き」




今まで異性に向けて言ったことのない言葉。


たった二文字のその言葉を声に出すのがどれほど大変だったことか。



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別れれば引きずる。


それは仕方のないことだ。だけど、それを糧に前に進むことができなければ・・・


その人とのすべての思い出さえも無意味になってしまうんだ。


だから、引きずってそれで終わらないように。





あーすいません。めちゃくちゃ鬱なんですよ。


そのため、由紀と直樹のラブラブの展開がいらついてしょうがない!!ww


作者は今、自分が生み出したキャラにいらついてますw


次回は月曜日。日常ブログです。