15話 二度目の電話。 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

びくっと体が反応する。


普段の由紀ならあまりならない電話が鳴ることで不信感を抱く。


そして、だれからだろう?そんな疑問とともにケイタイを開く。


だが・・・。今日の由紀は違った。


もしかしたら直樹かもしれない。そんな希望とともにケイタイを手にとり・・・開く。


するとそこには、思った通り、彼の電話番号が記されていた。


由紀はリビングから離れて、自室に籠る。


ドアを閉めて、声が漏れないようにする。その後、大きく息を吸って吐いた後、電話に出た。


「もしもし」


「もしもし、俺だけど」


「うん。分かってる」


声を聞くだけで・・・分かる。愛しい人の声だ。


最初の電話では、信じられなくて戸惑ったけれど、二回目だ。迷わずに直樹だと、自信を持って言える。


「それで、昼のことなんだけど・・・」


昼のこと・・・。何のことだろう。


最初の時の電話は初めてした電話の繰り返し。それは日時までも正確に示し合わせたものだった。


ということは今回は二回目の電話を繰り返している?それも、日時を合わせているもの・・・?


由紀は部屋にかけられていたシンプルなデザインのカレンダーを見る。


6月26日・・・。だめだ。全然思い出せない。


印象深いものは最初にあったことや最後にあったものが多い。


そのほかのことはいい思い出であっても悪い思い出であっても、その二つに比べてどうしても劣る。


10年前ともなると、直樹という幻想への想いが先行して美化されて、どんどん原形をとどめていなくなっている。


記憶も同じで、曖昧にしか残っていない。


『直樹が好きだ』その想いが強すぎて。


「え、ごめん。なんのことだっけ?」


「忘れるの早くないか?昼のことなのに」


「忘れっぽいんだよね」


「それにしても、早い」


口調は少しだけ不満そうだった。それもそうだろう。昼に起きた何かしらの出来事。それを一日もしないうちに忘れてしまったのだから。


「ほんと、ごめん」


「はぁ・・・。まぁ、いいけどさ。山口さん、お詫びしてくれるって言ったじゃん?それの報告だよ。あの場で言いづらかったから電話にするっていった話」


「ああ、あれね」


お詫び。そのフレーズを聞いた瞬間、由紀の失われかけていた記憶が蘇り、その時のすべてがさっきまで行われていたかのように鮮明になって今の由紀の脳裏に戻る。


「思い出したんだ?」


「うん。それで内容は決まった?」


答えが分かっていて尚、由紀は聞く。


「うん。えっとね、一緒に行ってほしい場所があるんだ」


答えはデートの誘い。けれど、この時の由紀は恋愛に疎くて、この言葉だけじゃ気づかなかったのだけれど。


「え、どこに?」


全部を思い出した由紀は極力、あの時と同じ言葉で応対する。


その理由は二つ。


一つは、変に直樹の言葉に水を差して会話が短くなって欲しくないから。せっかく時空を越えて会話ができているんんだ。できるだけ、長い間直樹の声が聞きたい。


それに、直樹は由紀に好意を寄せている。このまま行けば、10年前でデートなのに、それをわざわざ話を変えて潰す必要なんてない。


そして、もう一つ。過去が変わってしまうことによる、今の変化。


「何かが変わるなんてありえない」とか「今とその過去が繋がっているはずがない」その一言で片づけてしまうのも簡単だが、変わらない保証もない。


現に、あり得ないようなことはこうして起きている。電話越しの過去を変えることによって今が変わるなんてことが起きても不思議じゃないんだ。


「海!」


うん、やっぱり。


「わかった」


由紀は二つ返事で頷いた。


「いいの?」


意外そうに直樹が聞く。きっと、こんなすんなりオッケーを貰えると思っていなかったのだろう。


「もちろん」


「ありがと。じゃあ、また」


「うん」


由紀が頷いて、電話が切れる。




初デート。誘われた由紀は最後までデートの誘いだということを知らなかった。


けれども、好きな人と2人での外出。


胸が高鳴っていた。『今』の由紀と同じように。





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上のは今の自分?ですw


すいません。遅くなりました~


ギリギリ日付は変わっていません。。


次回の更新は金曜日の・・・未定です。


できるだけ午前中にはしたいと思っています。


あー頑張らないと。