2話 すべては雨で | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

毎日毎日が同じことの繰り返し。結婚してからそう思うようになった。


学生時代は少なからず、何かしらの刺激があったし、「同じこと」の一言で片づけるようなそんなつまらない生活は送っていなかった。


就職してからも、一年目は覚えることがいっぱいで、毎日、そんな悠長なことを考える暇さえなかった。


けれど、会社を辞めて、専業主婦になってみると、そんな生活がまるで嘘だったかのようなゆったりとした時の流れ。


毎日の中で変化があるとすれば、天気ぐらいだろうか。


毎日、空は色を変える。温かく、穏やかな日もあれば、激しい雨が降る日もある。


冬には雪やあられなど、季節特有の色も表れる。


今は夏。六月の初めということで、梅雨の季節だ。


今日も生憎の雨模様。道路を濡らす音や、車がその上を走る音など、少し変わった音が目立つ。


窓から外を見ると、傘をさして歩く人やカッパを着て自転車に乗る人。傘を持ってくるのを忘れたのか、途中で壊したのか、走っている人もいる。


「雨・・・か」


ポツリと呟いて、過去のことを思い返す。


すべては雨から始まって雨で終わった。


イベント事や初めてと言われることなどにもなぜか雨が付いて回ったのを覚えている。


きっと、私か彼のどちらかきっと雨男なり、雨女だったのだろう。


もし・・・雨なんて降らなければ・・・直樹は・・・。


(やめよう・・・)


考えても仕方のないことだ。


過去に起こった出来事は、覆ることはない。考えても考えても、今に変化を与えることはない。


いい思い出を記憶として巡らせる分には、気分として悪くない。けれど、嫌な思い出は、自分に悲しみを与えるだけ・・・。


由紀は窓を閉めて、辺りを見渡す。


1人きりの家はずいぶん、大きく感じて、なんだか寂しい気分になる。


なんで会社辞めちゃったんだろ。


楽な生活をしてみたい。そんな願いが叶った今。逆に、忙しい毎日を欲している。


ない物ねだり・・・。なんて我儘なのだろうか。


自分で望んだ生活はとても楽なものだけれど、考える時間がありすぎて、どうしても昔のことを思い返してしまうんだ。


直樹に関連するささやかな欠片でさえも拾い、頭の中に思い描いて。


・・・これでは、いつまで経っても前に進めない。


由紀は掃除機を手にとり、スイッチを入れる。


掃除機から大きな音が鳴り、吸引の合図を知らせる。


廊下を掃除機をかけながら、リビングの方へ向かう。


途中、キッチンのところについた時、カレンダーが目にとまった。


由紀はまた、ささやかな欠片を拾う。


今日は6月17日。


今日でちょうど10年になるんだな。


もう10年。


まだ10年。


どちらのニュアンスも正しい気がした。


直樹を失った由紀にとってはまだ10年。


けれど当事者じゃない、引きずることが何もない人にとってはそれはもう10年。




今日は初めて由紀が直樹と出会った日。


アドレスを交換した日。


その日は10年後の今日のように強い雨が降っていた。







そして、そこから半年後。


私の彼氏になっていた直樹はまた、同じような雨の日に・・・。


事故によって、命を落とした。


高校二年生、17歳という若さで。




10年も経って、まだ引きずっているのは、その恋が突然終わってしまったからなのだと思う。


2人の恋する気持ちが終わったわけじゃなく、まだ想いあったままで。


サヨナラの言葉を告げることもできず、突然、失ってしまったから・・・。




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おはようございます。眠いですw


みなさんはいつも7時には起きているのでしょうか?


・・・高校生だった頃の自分ってすごかったなと思っていますw


で、二話更新です。


いつも通りダークですね。


こんな感じで進んでいきますw


今回のキーワードは雨です。


で、次回の更新は明後日の日曜日の7時です。


三連休二日目です。


土曜日、休みの方は今日乗り越えれば・・・です!頑張りましょう!ww


ではでは!!




努力は必ず実るわけではないけれど、積み重ねた一つ一つが完全に無駄になるかどうかは自分次第。


自分次第で努力したものは形を変えて、また違う可能性を導いてくれるかもしれない。


だから、可能性を見出す前に諦めるのはただの逃げなのだと思う。